04/12
2018
第196国会 参議院 外交防衛委員会 2018年4月12日
○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。よろしくお願いいたします。
大変お忙しい中、外務大臣に御出席を賜りました。ありがとうございます。韓国での日韓の会談もやられて本当にお疲れのところ恐縮でございますが、日韓の外相会談、韓国大統領との会談、さらには緊迫しているシリア情勢の問題がございますので、外務大臣にお伺いしたいことを幾つか聞かせていただきたいと思います。
まず、シリアでございます。
シリアの首都ダマスカス近郊で化学兵器使用疑惑があったのではないかということで、緊張状態が高まっています。トランプ大統領が重大な決定を下すと武力攻撃を示唆をした四十八時間をそろそろ超えてきています。国連では、ロシアが拒否権を発動している状況になっております。フランスやイギリスの動向もいろいろ動いているようでございますので、このシリア情勢につきまして、日本の対応方針と現状、現下の情勢について外務大臣はどのような認識であるのか、またアメリカの武力攻撃の蓋然性はどの程度なのか、お答えできる範囲でお答えいただければと思います。
○国務大臣(河野太郎君) シリアの首都ダマスカスの近郊東グータ地区におきまして化学兵器が使用された空爆が行われ多数の市民が死亡しているという各種情報に接して、深く憂慮しております。WHOが入手した情報によれば、数十人程度が死亡し、数千人の被害があるのではないかということでございます。
化学兵器の使用はいかなる場合でも許されるものではなく、使用した者は厳重に処罰されなければならないというのが日本政府の立場でございます。特に昨今、化学兵器が使用されたと思われる事案あるいは使用された事案が散見されて、化学兵器の使用に関する敷居が低くなっているということを大変深く懸念をしてございます。化学兵器の使用に対する調査、処罰というものをもっともっと厳重にやって、化学兵器の使用の敷居を高めていかなければならないのではないかというふうに思っております。
このシリアの状況につきましては、今OPCWの調査が行われ、事実解明に向けてそうした調査等が行われておりますので、まず、この事案の早急な真相究明を期待をしたいと思っております。
また、国際社会の中でこの化学兵器の使用に関する議論というのが動きつつございますので、我が国政府としても積極的にそれに関与してまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 済みません、私の質疑に、今の問題は御答弁それで結構ですが、アメリカの攻撃の蓋然性をどの程度見ておられるのか、また国連でのロシアの拒否権の発動、それから英仏の動向について大臣はどのように今状況を御覧いただいているのか、教えていただければと思います。
○国務大臣(河野太郎君) アメリカの状況につきましては、現時点で特に何かということはございません。
フランス等が様々な意見を述べているというのは承知をしているところでございます。
状況が分かり次第、我が国としても対応方針をしっかり固めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○福山哲郎君 地政学的に我が国に直接安全保障上影響があるとは思えませんが、トランプ大統領は同盟国とも緊密に連絡を取っていると、基本的にこれはヨーロッパの国々のことだと思いますが。
じゃ、アメリカから日本に、この問題について何らかの状況の報告が今あるわけではないということですね。
○国務大臣(河野太郎君) アメリカの軍事行動について、アメリカがどのように決定をしようとしているかというのは、英仏と様々やり取りをしているという情報には接しておりますが、具体的にアメリカの軍事行動云々について今ここで申し上げられるようなものはございません。
○福山哲郎君 国連の安保理の否決に関して、拒否権をロシアが発動したことについて、あの中身その他について、日本政府としては、あの国連の安保理の内容については、日本としてはあれについては賛意の内容だというふうに判断してよろしいんでしょうか。
○委員長(三宅伸吾君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(三宅伸吾君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(河野太郎君) 我が国として、安保理決議の内容について対外的に発信をしているところではございませんが、この化学兵器の使用といった重要な問題について国際社会の足並みがそろわないということ、これを深く懸念をしているところでございます。
○福山哲郎君 もうその程度でしようがないと思いますので、次へ行きます。
日韓の外相会談、韓国大統領との会談、御苦労さまでございました。お疲れさまでございました。
外務大臣の御努力は多といたしますが、残念ながら報道では、日韓の中で北朝鮮の対応について温度差があるとか、拉致の問題について若干擦れ違いだというような報道が出ておりまして、非常に残念に思っておりますが、外務大臣の御努力は多としますが、大統領と外務大臣、相手の外務大臣とのやり取りの中で、何か特筆すべきもの、この場で御披瀝いただけるものがあれば、お伝えください。
○国務大臣(河野太郎君) 特に日韓の間で温度差があるとは認識をしておりません。北朝鮮の完全かつ不可逆的、そして検証可能な非核化を実現させなければならないという点で全く一致をしておりますし、拉致の問題についても、韓国側は日本の拉致問題に対する問題意識を共有しております。緊密に日韓でこの問題の解決についても連携をしていこうということで一致をしておりますので、特に温度差があったり擦れ違いがあったりということではなかろうかと思っております。
○福山哲郎君 あえて報道がそう書いたということにしておきます
外務大臣、お忙しいでしょうから、どうぞ。
○委員長(三宅伸吾君) 外務大臣は御退室いただいて結構です。
○福山哲郎君 防衛大臣にお伺いします。
もう毎日毎日、森友だ、加計だ、日報だと、ちょっと私もうんざりしております。大臣もかなりお疲れのことだと思います。非常に残念なことです。
毎日毎日、日報があちこちで出てくることについては、逆に、大臣からきっちり探すようにと、全部出せという指示があった結果出てきていると思いますので、そのことについて私は大臣をいたずらに批判をするつもりはありません。しかしながら、先ほど小西委員がおっしゃられましたように、三月の五日、文書課長は七日にこのことを知りながら大臣に報告が上がらなかったことは、非常に私は遺憾に思います。
そして、三月三十一日に大臣に報告が上がったというのも、これ鈴木さん、ちょっとお伺いしたいんです、この間聞いたときに準備が整ったからだという話をしましたが、私が漏れ聞くところによると、三十一日、大臣出張前に慌ててこの報告があったと聞いております。なぜ三月の五日、文書課長は七日に分かって、鈴木さんもこの時期には御存じだったものが、三十一日、急遽、出張前、それも土曜日です、慌てて大臣に報告をすることになったのか、お答えいただけますか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。
先般来御説明申し上げましたように、私はこの本件につきまして三月五日に知りました。そして、官房文書課等も含めまして、私どもの方では一万四千ページに及ぶこうした文書の欠損状況等の確認等を行いました。そして、陸幕を中心といたしまして、ほかにないのかというふうなことも再探索していたと。さらには、過去の国会答弁等々との関係ですとか情報公開請求との関係、そうした事務的に大臣に十分に御説明に足るような材料をそろえて御説明しようと思っていました。
ただ、これについては、それはそれとして、一報をまず大臣にすべきであったというところは厳しく大臣からも御指導いただいておりますし、私も本当に適切性を欠くものであったと思っております。ただ、そうした準備ができ上がって、そして大臣にお時間をいただけたのが三月の三十一日であったということでございます。
○福山哲郎君 いや、大臣から指導を受ける前です、その三月三十一日は。三月三十一日に何でそんなに慌てて、きちっと時間を取らないで、出張前にばたばたと土曜日に報告をせざるを得なかったのか。これ、大臣は認識されていますよね。
○国務大臣(小野寺五典君) 私、まあ結果の過程を聞くと、鈴木総括審議官からは、統括官からは、官房長とそれから次官に言って、それで私という、その順番で来たものですから、恐らく官房長に報告して以降は速やかに私の方に上がってきたのではないかと思います。
○福山哲郎君 これも、何で急にばたばたと、時間を取ってきちっと説明するはずのものがこういう状況になったのかについて、余り明確な回答はありません。
それで、これはこの間も聞いても出てこなかったんですけど、その三月三十一日の時点では、一年前の三月の二十七日に発見されたということについて大臣に報告はなかったと。それが、僅か三日か四日後にはそれが分かったと。その理由は、鈴木さん、もう一回お答えいただけますか。何でですか。三月三十一日の時点では鈴木さんは御存じなかったんですか。報告は上がっていないんですか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。
三月三十一日に大臣に御報告した際には、昨年の三月二十七日にこのイラクの日報について確認をされたということについて私も承知しておりませんし、当然大臣にも御報告してございません。
これにつきましては、その際、私が本件についてそのことを抜きにして、抜きにしてというか、そのことはなしで御説明した際に、大臣から、むしろどうして昨年の二月から三月の間に研究本部の方で確認できなかったんだろうかという御指摘ございまして、こうしたことを、陸幕長からの報告を経て、今回の事実が四月に入って大臣の方に報告が入ったという、こういう経緯でございます。
○福山哲郎君 これもなかなか納得し難いものなんですけれども。
前回の質疑のときも、僕は、分からないことだらけだと申し上げました。もうこれ、審議あったと思いますが、昨年の十一月二十七日、陸幕が独自に全部隊に探索を指示したと、これは一元化をすることを決まったことを受けてなんですけど、何でこれ、陸幕だけが探索を全部して、ほかはやらなかったんですかね。大臣。
○政府参考人(高橋憲一君) 委員、今御指摘のございました、いわゆる統幕の参事官に日報を一元化するという作業でございますが、これは端を発してございますのは、七月の二十八日、いわゆる再発防止策の一環の中で行われてございます。その後、実は、日報とはどういうものか、あるいは海外における行動だけでよいのかと、防衛出動やその他の行動についての日報についても一元化すべきではないかというような議論をいろいろ続けておりました。
陸幕につきましては、部隊も多いということ、それで十一月二十七日に通達が出まして、各、一月三十一日までに陸幕の総務課に集めるようにということになってございました。
海空でございますが、これにつきましても、いわゆる文書管理細則の中でそれぞれ文書を集めるということの議論が進んでございました。ただ、海空については明示的な通達は出なかったということで、一部不徹底なところがあったというふうには、それは文書管理者の私としても反省しているところでございます。
○福山哲郎君 ということは、結果としてはそこは徹底がなかったということですね。
その通達を出された文書を委員会に提出をいただきたいと思います。それから、大臣、今大臣が省内にもう全部出せという文書なりで今指示が出ていると思いますが、その指示文書も委員会に提出をしていただきたいと思います。
もう時間がないので終わりますが、僕は、当初ここに立ったときに、先週だったかな、稲田防衛大臣の資質に非常に影響があったんじゃないかと冒頭申し上げたんですが、これ、過程見ると、三月の二十七日に分かってから、三日後にないとしている問題や、一月に分かりながら、もっと言えば、三月の五日に文書課が分かりながら大臣に上げなかった問題は、実は稲田防衛大臣の資質の問題に限ったことではないということが明らかになりました。
小野寺防衛大臣も内心じくじたるものがあると思いますけれども、これはやっぱり非常に防衛省の、今日は防衛省設置法の採決なんですけど、採決するような状況じゃないと思いますが、現場で頑張っていただいている自衛隊の皆さんに別に罪があるわけではないので、そこは我々も採決に応じましたけれども、やっぱり非常にシビリアンコントロールを始め、こういう、先ほどは通達が徹底していなかった、先ほどは時間が掛かっていた、もう理由も明確でないし、そこに大臣がどこにいたんだと、そういう非常に構造的な問題がここは内包しているというふうに思っておりまして、非常に残念なことでございますし、今の調査チームも、本当に今の調査チームで実効性が上がるのかどうかについても私は非常に疑問に思っております。
まだ審議続きますが、国民の不信感を払拭していただけるように祈念をし、お願いをし、非常に今、気分的には非常に残念な思いでいっぱいだということを申し上げて、質疑を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○委員長(三宅伸吾君) 福山君要求の資料につきましては、後刻理事会にて協議させていただきます。