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2017
第193国会(閉中) 参議院 外交防衛委員会 2017年8月10日
○福山哲郎君 民進党の福山でございます。よろしくお願い申し上げます。
冒頭、先月の九州北部地域の集中豪雨、また秋田、新潟等、災害が頻発をしております。お亡くなりになられた方々に心から御冥福をお祈りするとともに、被災者の方にお見舞い申し上げます。
また、防衛省が混乱しているさなかにもかかわらず、これらの災害に際して派遣をされた自衛隊員の皆さんが献身的に御尽力いただいていることに心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。
さて、河野外務大臣、小野寺防衛大臣におかれましては、御就任おめでとうございます。この厳しい外交・安全保障環境のところで大変な大役だと思います。是非、御奮闘を御期待申し上げたいと思います。
まず、河野大臣、フィリピンの外相会合、就任直後だったわけでございますが、出席をされて各外務大臣との会談等、本当にお疲れさまでございました。まず、お伺いしたいのは、北朝鮮の李外相と短時間お話をされたというふうに報道で聞いております。北朝鮮の外相との会談というのは私の記憶では久々だと思っておりまして、特に七月の二十八日の深夜にICBMが日本海に発射された状況下での会談でございました。この李外相は、御案内のように、六者会合の首席代表を務めた方でございますから、北朝鮮とアメリカとの関係、そして、日本、六者会合、中国、いろんなことをそれなりに精通をしている方だと思います。
どのような会談がなされて、河野大臣からはこの状況についてどのようなものを言及されたのでしょうか。外交ですから言えないことはたくさんあると思いますけれども、国民も今、北朝鮮の情勢は非常に不安がっていますので、できる範囲で御答弁いただければと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 御激励ありがとうございます。しっかりやってまいりたいと思っております。
六日の夜でございますか、ASEANリージョナルフォーラムに参加をする外務大臣が集まった夕食会がございまして、その夕食会が始まる前に別室で各外務大臣だけが集まるレセプションのようなものがございました。
そこで、北朝鮮のカウンターパートもいらっしゃいましたので、会談というよりは接触というのが一番正しいのかもしれません。そこで、我が国の基本的な、核、ミサイルあるいは拉致問題に関わる我が国の基本的な立場というものを申し上げ、極めて短時間のやり取りがございました。中身については外交でございますので差し控えたいと思いますが、二年ぶりの接触だったんだろうというふうに思っております。
これからも、こういう状況の中、北朝鮮がこの状況に対して挑発的な行動を停止をし、やるべきことをしっかりやるように、我が国としてもしっかり頑張ってまいりたいと思います。
○福山哲郎君 これはお答えにくいのは承知の上でお伺いしますが、相手の反応はどんな反応でした。
○国務大臣(河野太郎君) 極めて短時間のやり取りでございましたというところだけ申し上げて、相手側のやり取りの中身については控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 小野寺防衛大臣にお伺いします。
まず、稲田大臣が辞任され、先ほどもありましたが、事務次官も、そして陸幕長も、同じ日ではありませんが辞任を表明するというような事態の中で、ある意味、空白のような一日の中で、二十八日の深夜に北朝鮮からミサイルが発射されました。安全保障上、我が国にとって大きな隙があったと言わざるを得ない事態だったと思います。
もちろん、当時の岸田外務大臣は兼務の中で御奮闘いただいたことは私も認めますが、このような状況に陥っている防衛省、本当に私、危機感いっぱいで当然だと思います。一つはシビリアンコントロールの問題、一つは隊員の士気の問題、それから国民からの信頼の低下の問題。まさにこういったさなかにミサイルが発射された、このことをどのように受け止めて、反省も含めて、大臣は今どういう認識でいるのか、短くて結構ですから、お答えください。
○国務大臣(小野寺五典君) 委員が御指摘されました七月二十八日の北朝鮮による弾道ミサイル発射について、防衛省においての初動対応につきましては、同日二十三時四十二分、北朝鮮内陸部より弾道ミサイルが北東に発射された模様、この後、委員御存じのとおり、累次の対応をさせていただいて、私どもとしては、関係幹部会議を二度開催するなど、しっかりとした対処をさせていただいていると思っております。
その中で、やはり現場で今この瞬間も北朝鮮のミサイル対応、あるいは先ほど委員が御指摘いただきました九州北部豪雨での災害対応で懸命に任務を果たしている隊員がいる中で、私ども、この日報問題を含めて防衛省・自衛隊への信頼が揺らいでいること、これは大変大きな問題だと思っております。現場の士気が下がらないよう、これからもしっかり防衛省の信頼回復に努めてまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 できれば、大臣、もう役人の書いた答弁は結構ですので、御自身のお言葉でお答えください。そのことを僕は御期待申し上げます。
一つ、私が間違っていれば御指摘いただければと思いますが、防衛大臣が御就任をされてから、まだアメリカのマティス国防長官との電話会談されていないというふうに受け止めております。実際あったならあったと言っていただければと思いますし、あったかなかったかも言えないなら言えないと言っていただいても結構ですし、一方で、申入れをしているがアメリカとの関係でまだ電話会談が実施されていないのか、それとも申入れもしていないのか、事実関係をお答えいただきたいと。やはりマティス国防長官との、やっぱり新任の大臣とのコミュニケーションというのはこういう情勢ですから普通でいえば早いにこしたことはないと私は考えておりまして、そのことの事実関係についてお答えいただけますか。
○国務大臣(小野寺五典君) これは、私どももそのような機会を設けたいと思っておりますが、現在までまだ電話等の会談は行われておりません。
○福山哲郎君 ということは、アメリカ側に申入れしているけどまだ実現していないということだと思います。
率直に申し上げます。稲田防衛大臣とマティス国防長官の間で信頼関係ができていたとは私は到底想定し得ないです、当時の稲田防衛大臣の状況から考えてですね。しかしながら、小野寺防衛大臣の場合は、こういう状況ですから、早く電話会談なりでコミュニケーションを取ってもらわなければいけない。これはいささか僕は遅いと思いますよ。急いでまずはコミュニケーションを取っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 委員の御指摘と私も同じ認識を持っております。できるだけ早くしっかりとしたコミュニケーションと関係を築いていきたい、そのように思っております。
○福山哲郎君 安全保障上は、本当に歴史を見ると小さな誤解と思い込みから衝突が起こり得ます。今、トランプ大統領と北朝鮮との間には随分激しい威嚇の議論が始まっています。私自身は今のところアメリカが軍事的行動に出るような具体的な兆候が朝鮮半島や在日米軍の中に見えるというふうには認識をしておりませんが、北の意図、アメリカの現状認識等によっては本当に緊迫する場面があるかもしれません、近い将来。
十七日に2プラス2をやられると聞いております。是非、この北の意図、アメリカの現状認識等を、河野外務大臣と小野寺防衛大臣におかれましてはしっかり信頼関係と状況認識を一致させて帰ってきていただきたいと、まずそのことをお願いしたいと思いますが、河野外務大臣から短くお答えください。
○国務大臣(河野太郎君) マニラにおきまして、ティラソン国務長官と、二国間の会談を含め、日米豪、日米韓、都合三回にわたって様々話をさせていただきました。今回はこういうASEANの場でございましたので、南シナ海の問題、それから北朝鮮問題、この二つに特化した話合いでございましたが、防衛大臣と御一緒にワシントンへ参りますので、そこで北朝鮮の問題については更にきちんとした話合いをしてまいりたいと思っております。
○国務大臣(小野寺五典君) 河野大臣とともにしっかりとした対応を2プラス2で取ってまいりたいと思いますし、私にとっては二度目の2プラス2ということになります。安全保障の問題、そしてまた日米関係の問題、沖縄の問題、様々課題がございますので、しっかり議論を交わしてきたいと思います。
○福山哲郎君 小野寺防衛大臣におかれましては、就任直後の会見等でも敵基地攻撃について積極的な検討姿勢を示されました。一方で、防衛大綱の見直しも総理から言及があったというふうに承っております。ところが、八月の六日の総理は、この敵基地攻撃の検討については当面考えないということで、大臣が就任直後に言及されたこととは今真逆の話になっておりまして、自民党内でこのことはまとめられて、そのまとめた責任者が小野寺大臣だと思っておりまして、このことについては総理と防衛大臣が今若干意見のそごがあるという認識をしております。そのことに関して、現状のことを聞こうと思っていたんですが、大野委員からもそのことがあると思いますので、問題を指摘だけして次に行きたいと思います。
日報問題に行きましょう。
なぜこの審議に稲田前大臣が出席されないのか、非常に遺憾であります。これは官邸が判断をしたのか与党が判断をしたのか政府が判断をしたのか、私は存じ上げませんが、やっぱり内閣改造した後でも安倍内閣は国民に疑惑を晴らすような姿勢、考え方、改めたとは今日の段階では考えられません。江崎大臣の出席も求めましたが、今日は拒否をされました。江崎大臣の、ある意味いろんな、いきなりの問題発言も含めて、我々は指摘したいことたくさんありましたが、これも拒否をされました。
日報問題で、問題の二月の十三日に出席をした方々に参考人として来ていただきたいと言いましたが、それも辰己さん以外拒否をされました。非常に私はこのことについては、日報に対する防衛監察の報告書が出たにもかかわらずこの事態だということについて非常に残念に思っているということを指摘したいと思います。防衛大臣が信頼回復に努めたいと言われることは分かりますが、信頼回復に努めたいとおっしゃるならば、それに見合った行動と姿勢を国民に示していただかなければなかなか国民は理解できないのではないかなというふうに私は考えています。
それで、防衛大臣、防衛大臣に聞くことではないかもしれませんけど、防衛大臣にこのことを聞くの酷ですよね、だって全然プロセス関係ないわけですから。普通なら前大臣に来ていただいて前大臣に説明をいただいた方が、防衛大臣に今聞かれたって、それは知ったこっちゃないですよね、実際は。今はそう答えないと思いますが。でも、実際、稲田前大臣に出てきてもらうべきだと防衛大臣は思われませんか。
○国務大臣(小野寺五典君) ただいまは委員会への参考人の出席ということでの御質疑だと思いますが、これは委員会でお決めになることが適切かと思っております。
○福山哲郎君 ということなら、与党がやっぱりしっかりと説明責任を果たすために稲田前大臣を出す、その御努力を与党にいただきたいと思います。こうやって防衛大臣をさらしものにしていますが、新大臣は全く罪ないわけですから。そのことについては与党側としても責任を果たしていただきたいと思います。
大臣、お答えにくい場合は事務方でも結構でございます。
まず一つです。お手元にペーパーをお配りしました。これ、いわゆる報道にある、御案内のようにメモでございます。報道によると、これがノートのようなものになっていて、手書きでしっかりとしたメモがあります。それを字に起こさせていただきました。その次のペーパーが実は今回の防衛監察の報告書にあるものでございます。辰己審議官はこの会に出ておられますので、出ているか出ていないかからまずお伺いしましょう。出席しているかしていないか、事実だけお答えください、二月十三。
○政府参考人(辰己昌良君) 出席しております。
○福山哲郎君 ここに、「破棄もれがある。」という話とか「指揮官による」とか「総理もある前提で答えている。」、「廃棄もれ」等々、こうやって辰己審議官はよくお話しされていますが、こういう発言をした事実があるかどうか、お答えください。
○政府参考人(辰己昌良君) まず、この日のことについては、特別防衛監察の中で、私自身もこの調査に誠実に協力し、聴取に対して、私の知っていることは真摯にお答えしてきているところです。
一方で、私のこの証言も含めまして、今回、防衛監察本部が一方面だけの主張ではなく多方面からの主張等を総合的に勘案して事実関係を構築し、客観的な資料等を基軸として事実関係が認定され、ここでもお配りされているように、陸自における日報のデータの存在について何らかの発言があった可能性は否定できないものの、陸自における日報の存在を示す書面を用いた報告がなされた事実や非公表の了承を求める報告がなされた事実はなかった、また、防衛大臣により公表の是非に関する何らかの方針の決定や了承がなされた事実がなかったということが認定がされているものと承知しておりますので、それ以上のことについて申し上げることは差し控えたいと思っています。
○福山哲郎君 ちょっと待ってくださいよ。私はちゃんとここにもう配っているんですよ、あなたが読み上げたことを。時間稼ぎしないでください。
私は、総合的に勘案して事実認定がされたなんということを聞いていません。あなたが出席をした中でこういう発言をあなたはしたかどうか、あなた個人がしたかどうかについて、個人といっても、あなたはこのときには十分役職者として出席しているんですが、あなたが発言をされたかどうかの事実関係をイエスかノーかでお答えください。
○政府参考人(辰己昌良君) 私自身は、この日のことについて、監察に対して真摯に知っていることをお答えしております。それをまとめた上で、総合的に監察本部の方からまとめていることでございますので、これ以上の話は申し上げることは差し控えたいと、そう思っております。
○福山哲郎君 何で差し控えるんですか。物が出てきているじゃないですか。言ったか言わないかですよ。
じゃ、こういう記憶はあるんですか、あなた。こういうことを話した記憶はありますか、記憶にないんですか。
○政府参考人(辰己昌良君) 特別監察は三月から行われました。その間、私も何度かこの特別監察の聴取に応じました。その中で、知っていることについては真実をお答え、真摯にお答えしてきたところでございまして、その結果まとめられたものが現在示されていますので、それ以上のことについて申し上げることは差し控えたいと申し上げている次第です。(発言する者あり)
○福山哲郎君 済みません……(発言する者あり)
○委員長(宇都隆史君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(宇都隆史君) 速記を起こしてください。
○福山哲郎君 防衛監察には真摯に答えられるけど国会の場では答えられないというのはどういうことですか、防衛大臣。こんなの許されるんですか、部下が防衛監察では答えるけど国会の場では答えを差し控えると。これで、この疑惑、日報問題、疑惑晴れるんですか、大臣。
○国務大臣(小野寺五典君) 今回、特別防衛監察をするに当たって、監察本部が様々な形で事情を聞いたということは報告を受けておりますし、そしてそれぞれの該当する方々が真摯にお答えされたということなんだと思います。
ただ、監察の内容ということを考えますと、例えばその監察の中のそれぞれの言い方、表現が外につまびらかになるということになりますと、今後同じような監察をする場合にしっかりとした証言を得ることが難しくなる可能性も出てまいります。
これは、防衛監察という一つの役割の中で、今審議官がお話しされたような内容になっていると私も理解しております。
○福山哲郎君 全く答えていない。今の姿勢についてどう思うかと聞いているんです。防衛監察のやり方を聞いているわけではありません。
じゃ、確認します。この報道に流れている、報道でいえばノートみたいなものに走り書きがしてあるメモ、あれの存否は確認しましたか。
○政府参考人(丸井博君) お答えいたします。
七月二十五日に報道された手書きのメモにつきましては、どういった経緯によって入手されたものか明らかではないため、その真贋や作成経緯についてお答えすることは困難と認識しております。
○福山哲郎君 違います。存否を確認したか、あったかなかったか、あのメモがあったかなかったかの確認をしたんです。
だって、出席者はこれだけ、人数限られているんですよ。誰が出席したか分かっているから、それぞれにメモを取ったかどうかを聞いて、そしてあなたのメモを見せてくださいと言えばそれで済む話ですから、あの報道に流れているメモについての存在、あるのかないのかを確認したかどうか、イエスかノーかでお答えください。
○政府参考人(丸井博君) 七月十九日に防衛大臣に対しまして二月十三日に陸自に電子データが保管されていたと報告がなされていたとの報道等があったことから、手書きメモの内容等についても大臣を含めた関係者に確認を行い、また収集した様々な資料等も分析しております。それらを総合的に判断した結果、先ほど提示された結果になっているわけでございます。
したがいまして、二月十三日の大臣室におけるやり取りにつきましては、この手書きメモの内容等も含めましてこの監察結果に反映されていることから、改めてこのメモの作成者等を確認する意味はないと考えております。(発言する者あり)改めてその手書きメモの作成者等を確認する意味はないと考えております。
○福山哲郎君 このメモの存在を確認する意味がないと今おっしゃったんですね。意味がないとおっしゃったんですね。
じゃ、存否は確認していないでいいですね、意味がないんだから。このメモを作った人にメモを書いたのかどうか、そのメモがあるかどうかについて確認をしていないということでいいんですね。イエスかノーかで答えてください。
○政府参考人(丸井博君) そういうことでございますので、その報道を受けまして、改めて手書きメモの作成者等を確認する意味はないと考えておりまして、改めて確認しておりません。
○福山哲郎君 ということは、存否は確認していないわけですね。存否は確認していないんですね。イエスかノーかで答えてください。
○政府参考人(丸井博君) 逐一、どのような資料を入手したかについては、先ほど来、防衛監察にも支障が生じるということでお答えを差し控えさせていただきます。(発言する者あり)
○委員長(宇都隆史君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(宇都隆史君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(丸井博君) 失礼いたしました。お答えいたします。
この特別監察が開始されましてから、我々といたしましては各種資料等を入手いたしております。その中身について逐一は申し上げられませんと先ほどお答えしたところでございます。
この手書きメモについて、その報道を受けて確認したのかということにつきましては、それにつきましては改めて確認はしておりませんということを答えたところでございます。
○福山哲郎君 確認していないということは、存否について、存在するかしないかも確認していないということですね。
○政府参考人(丸井博君) 作成者に確認したのかと言われた、御質問でございましたので……(発言する者あり)我々として、だからどういう資料を持っているか否かについては……(発言する者あり)
○委員長(宇都隆史君) 答弁を続けてください。
○政府参考人(丸井博君) 存否につきましても、だから、我々がどういう資料を保有しているか、その存否につきまして逐一についてはお答えを差し控えさせていただきたいと……(発言する者あり)
○委員長(宇都隆史君) ちょっと整理しますから。
速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(宇都隆史君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(丸井博君) 失礼いたしました。
この手書き内容のメモにつきまして存否を確認をいたしましたけれども、我が方でどういう資料を逐一保有しているかについてお答えを差し控えさせていただいておりますので、その結果についてはお答えを差し控えさせていただきます。
○福山哲郎君 確認しないと言ったと思ったら、今度は確認したけれども存否を明らかにできない。ということは、あの手書きの内容があったかないかについて明らかにできないということですね。で、当の出席した辰己審議官は、自分が何を言ったかは差し控えさせていただきますと。何にも明らかにならないじゃないですか。
大臣、これじゃ駄目ですよね。メモの存否ぐらい明らかにしろって指示してくださいよ、その場で。もう前の大臣じゃないんだから、もうこんなのいつまでも引きずっていちゃ駄目ですよ、こんなくだらないことを。もう早く明らかにして、間違いだったというんだったら言えと、大臣、指示してください。どうですか、大臣。
○国務大臣(小野寺五典君) 恐らく今の御指摘は、報道に出たメモの議論をされているんだと思います。私も内容については報道で知っております。そして、その内容を踏まえた上で、特別防衛監察本部が幅広く資料を集め、意見を徴収し、最終的な今回の報告書の結果になったと私ども理解をしておりますので、その中でしっかりと対応策を取っていきたいと思っております。
○福山哲郎君 もう大臣も残念ながら消極的だということが分かりました。
なぜこんなふうに、出席者が書いているメモがあったかないかまで言えないんですか。それじゃ、この防衛監察の信頼性なんてあるわけないじゃないですか。お手元にお配りしたこれ、黄色い線、何で私引っ張ったか分かります。二月十三日の話も二月十五日の話もわざわざ米印で、本文ではない方にわざわざ十三と十五日の記載をして、この黄色の線の文章、丸々同じ文章です。コピペです。こんな不誠実な問題、ないでしょう。
そして、現実に物が出てきているのに、当の出席した本人は、そう言ったかどうか答えを差し控えたい。調べた防衛監察は、その資料があったかないかについて存否を明らかにしない。最初は確認するのも意味がないとまで言った。何なんだ、この防衛監察の報告書は。こんなので本当に疑惑を解明する気持ちがあるのかどうか甚だ疑問で、もうとても残念だというふうに申し上げざるを得ません。
もう時間がないので、どうしても八月、聞いておきたいことがあったので、今日、委員会違いますが、新任の文科の副大臣に来ていただきました。本当に申し訳ありません。と、新しいことを聞こうと思ったら、報道が出ました。
昨日、加計学園の問題の獣医学部新設をめぐる、設置の可否を判断する設置審が開かれたと報道が出ています。実は、設置審は開かれているかどうかについて基本的には公開されていません。内容も議事も何も公開されていません。私はそのこと自身が問題だと思っておりますが、副大臣、昨日、この加計学園の獣医学部新設をめぐる設置審が開かれたことはあったのかなかったのか、事実をお答えください。
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
加計学園の獣医学部新設につきまして、現在、大学設置・学校法人審議会で学問的また専門的な観点から審査が行われているところでございます。
また、この審議会の内容につきましては、公平公正な審査の環境を確保するためという観点から、会議日程も含め、非公表とさせていただいております。
○福山哲郎君 違います。昨日あったのかなかったのか、イエスかノーかでお答えください。
○副大臣(丹羽秀樹君) 再度同じ答弁になるかもしれませんが、この審議会における審査の開催につきましては、公平公正な審査環境を確保するという観点から、この会議の開催日程も含めて非公表といたしておりますので、あったかどうかということはお答えできません。
○福山哲郎君 あったかなかったか答えできないのに、何でこれ報道出ていると副大臣はお思いですか。
○副大臣(丹羽秀樹君) あくまでもこれは報道ベースで出た内容でございまして、我々といたしまして行政の立場から申し上げさせていただきますと、この会議が開催されたかどうかということは、正式にコメントすることはお答えしかねますので、よろしくお願いいたします。
○福山哲郎君 実は大学設置分科会審査運営内規というのがありまして、それによると、第五条は、「前条に規定する組織の構成員は、審査が終了するまでの間は、審査の過程において取得した一切の情報を、口頭及びその他の手段を用いて漏らさないものとする。」という守秘義務が掛かっているんです。
こんなだらだら報道出ているじゃないですか。これ、誰がしゃべっているんですか、副大臣。
○副大臣(丹羽秀樹君) 報道に出た過程につきましては、どこから報道に出たかということも含めまして、存じ上げておりません。
○福山哲郎君 もう一回聞きます。
昨日設置審が開かれて、加計学園の判断を保留したという内容のものは決定してあったのかなかったのか、決定したのかしなかったのか、お答えください。
○副大臣(丹羽秀樹君) 改めさせていただきまして、もう一度お答えさせていただきます。
昨日、大学設置の審議会が開かれたかどうかということにつきましては、学問的、専門的な観点から今審議が行われているところではございますが、この審査日程、会議日程につきましては、公平公正な観点から申し上げさせていただきますと、会議が実際開かれたかどうかも含めまして、申し上げさせていただくことはできません。
○福山哲郎君 公正公平な観点から、加計学園の獣医学部の設置について、国家戦略特区の中で公正でないという疑義が今生じているからこれだけ問題になっているんじゃないんですか。
僕ね、これ提案しているんです、副大臣。新任ですから、思い切って言ってください。これ、大学設置審を、僕、公平公正の観点で公開できないというのはある種理解できるんです。いいじゃないですか、加計学園の審査の部分だけ、獣医学部の設置の部分だけちゃんと議事録を公開し、ちゃんとこの日のこの時間はやりますということを発表して、そして国民の周知の下で、この設置審が公平公正に議論されているかどうかについて過去の経緯も含めてこれ開示しないと、いつの間にか潜水艦が頭出てきました、設置認可ですって、国民納得しないですよ。文科行政に対する本当に信頼失墜しますよ。
副大臣、どうですか。加計学園の獣医学部の問題だけちゃんと抜き出して、過去の議事録、それから昨日やられたかどうかも、このことが言えないぐらいで、報道出ていて隠したら、これ国民もっと納得できないですよ。副大臣、どうですか。この部分だけ公開して設置審をやるべきだと新しく文科省の中で主張してくださいよ、副大臣。
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えさせていただきます。
審査機関に例えばその審査内容等を、また審議会の方が会議の内容を公表した場合、また外部からその審議会の先生方に、様々な意見が委員に寄せられるということもございますので、そういった観点からも、もちろんその審査内容や会議の日程等は公表しないようにいたしております。
しかし、この審査の内容が、具体的に決まった場合においては、この審査の内容等はしっかりと公表するという形にさせていただいております。
○福山哲郎君 いいですか、今日の報道では安倍総理の秘書官が加計学園の事務局長と官邸で会っていたという記録があると証言が出てまいりました。今おっしゃられたように、決まってから会議公開したって遅いじゃないですか、これだけ疑義があるんだから。ましてやこうやって出ているんですよ、もう報道で。報道でやったって出ているのに、副大臣が、文科省だけがやっていないやっていない、やっていないかやっているか言えないと言ったって、全然それは例えば公正性担保できないじゃないですか。国民から見たら全く全部クローズドの中じゃないですか。
この加計学園の獣医学部の申請の設置審の問題だけで抜き出してちゃんと国民の前で公開して議論をするべきだと思いますが、副大臣、どうですか。僕は一般論を聞いているんじゃありません。この加計学園の問題について聞いているんです。
○副大臣(丹羽秀樹君) 福山先生から加計学園の話で御指摘がございましたが、今実際、この大学審議会における審査の内容等につきましては私も詳しくは、どういった、具体的な話は存じ上げておりませんが、加計学園だけではなくて他の大学や学部設置についても審議しているというふうに思っております。そういったところにおいて、大学運営に関する有識者や学問分野の専門家によりこの審議会は構成させていただいております。こういった方々が公平公正な環境で審査ができるようなことも含めて、改めて非公開という場でやらさせていただいております。
○福山哲郎君 いや、だから、ほかのものはいいと私は言っているじゃないですか。この加計学園だけはプロセスで公正公平性が担保できないという疑義が国民からもうずっと上がっているからこそ、この問題だけは設置審で公開でやるべきではないかと申し上げているんですが、副大臣は全くやる気がないということは分かりました。そして、昨日開かれたかどうかも明言いただけないのはとても残念です。
いいですか。防衛省は防衛省でメモの存否すら説明できない。出席した人間は自分が何を言ったか答えを差し控える。加計学園は審議会がやったかやっていないかも言えない。何なんですか、これ。これ審議しているけど、国民の疑惑と不満をもっと広げているんじゃないですか。もっと不信感が募るんじゃないですか、これ審議したら。
僕は今日は安全保障の問題もちゃんとやりたいと思っていました。だから少しお話しさせていただきましたけど、とてもじゃないが時間も足らないし、何にも議論は前に進まない。新しい内閣になっても全く同じ状況だということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。