04/07
2015
第189国会 参議院 外交防衛委員会 2015年4月7日
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。よろしくお願い申し上げます。
事前通告していなかったんですが、今ちょっと慌てて、十時以降にお願いをして、間に合ったらで結構ですのでお答えをいただきたいと思います。
自民党さんから質問が出ると思ったのであえて事前通告しておらなかったんですが、報道によりますと、北朝鮮が今月の一日から日本海に航空機と船舶の航行禁止区域を設定したと、韓国政府の関係者の話で分かったというような話がありまして、北朝鮮東部で中距離弾道ミサイル、ノドンを載せた移動式発射台の活動を確認しているという報道もあります。
三月は、御案内のように、十五日、北朝鮮の亡くなった金日成主席の誕生日に当たると。これまでも、例年、過去三月というのは非常に北朝鮮が動く時期でございますので警戒を強めなければいけないところですが、そういった動きがあり、また短距離ミサイルは、つい先日、二日ですか、にも発射をされているというふうに承っておりまして、現状について外務大臣、若しくは防衛大臣でも結構でございますが、現状の認識と、それから北朝鮮の問題に関する、こういった問題に対する韓国側との連携等々についてお答えをいただけますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の航行禁止区域の設定についてですが、そうした報道については当然のことながら承知をしております。ただ、北朝鮮が関係国の船舶航行者や航空従事者向けに報道のような航空制限区域に関する航行警報等を発したという情報には接しておりません。
北朝鮮の動向につきましては、政府としまして重大な関心を持って、平素から情報収集、分析を行っております。
その中で、個々の具体的な情報については、我が国の情報収集能力が明らかになる等の観点からコメントするのは控えたいと思いますが、御質問の中で、韓国等と連携しているのかという御質問がございました。その部分につきましては、韓国それから米国を始め関係国とは緊密に連携を行っております。
引き続き、安保理決議あるいは六者会合共同声明の遵守を求めていかなければならないと思っておりますし、緊張感を持って警戒監視を始めとする必要な対応に万全を期していきたいと考えます。
○国務大臣(中谷元君) 三月二日、日本海への弾道ミサイルの発射を含めて、これまでも北朝鮮は弾道ミサイルの発射を繰り返しておりますが、我が国に飛来する飛翔体は確認をされておらず、我が国の安全保障に影響を与えるような事象は生起をいたしておりません。
防衛省としては、情報の収集、分析及び警戒監視に引き続き全力を挙げてまいります。
○福山哲郎君 こういった報道が出ますと各部隊は緊張感のある状況に入りますので、是非そこは御激励をいただき、更に言えば、韓国側との、もちろんアメリカもそうですが、アメリカ、韓国との連携を密に取っていただいて、まあ言えないこともおありだと思いますので、そこは是非、重々御留意をいただき、お願いをしたいというふうに思っています。
また一方で、先ほどありましたけれども、北朝鮮の問題は拉致の問題についての調査報告書が全く出ていないという状況でございます。その問題については大変遺憾に思っておりまして、その状況でこういった報道や、短距離とはいいながらミサイルが撃たれ、また、今のところは確認をしていないといいながら、ノドンの配備があるのではないかということも含めて、非常に私は遺憾でありけしからぬと思っておりますので。
そこについて、外務大臣、調査報告書、言葉を少し選ばずに申し上げれば、制裁は一部、日本は解除しているわけです。それについて、ある意味でいうと放置をされている状況でございますので、そのことについても外務大臣、ここはしっかりとやってもらわなきゃいかぬと思っておりますし、被害者の家族の皆さんからもそういう声が上がっているということも承っておりますので、そこは外務大臣、どのような御認識かお答えいただけますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮に対しては、従来から我が国は対話と圧力、そして行動対行動の原則に基づいて対応してきました。
圧力につきましては、安保理決議に基づく制裁に加えまして我が国独自の制裁を加えてきたわけですが、対話の部分につきまして、昨年三月、一年四か月ぶりに対話を再開し、そして特別調査委員会の調査について合意をしたということでありました。この日朝合意につきましては、我が国は誠実に対応しています。
今回の北朝鮮の通報については全く受け入れることができないと思っています。ただ、こうした対応につきましては、引き続きしっかり情報収集を行い、こうした対応の背景等についても確認をしていかなければなりません。
いずれにしましても、特別調査委員会での調査を速やかに行い、そして迅速に、そして正直に結果を通報するべく求めていく、この基本的な立場は我が国としまして引き続きしっかり維持しながら北朝鮮に働きかけていかなければならないと存じます。
こうした状況の中で、引き続き、北朝鮮に建設的な対応を引き出すためにはどうあるべきなのか、しっかりと検討は続けていきたいと考えます。
○福山哲郎君 なかなか外務大臣、苦しい御答弁だと思いますよ。
九月ですからね、調査報告書が出てくると言われたのは。あれからもう何か月たっているんですか。外務大臣が言われた、我が国が合意に基づいて対応しているということを私は分かっているからこそ、我が国が対応しているにもかかわらず、九月に出てくる報告書が一切出てこない、そして、三月になれば、ある意味でいえば、こういう動きが出てくると、非常に遺憾な状況が続いているわけです。
今後の対応について検討していきたいとおっしゃいましたが、検討というレベルは本当に超えているのではないかというふうに思っておりますし、安倍政権は、前内閣参与の飯島さんでしたっけ、北朝鮮に行って、何か拉致の問題について解決の糸口が出るんじゃないかみたいなことを、例えば選挙前に言い、この間も九月に出てくるというような話がありながら、これもう七か月以上たっているわけです。
非常にそこは、私は、外務大臣は誠実に対応いただいていると思いますが、結果が伴ってきておりませんので、そのことについては厳しく指摘をさせていただきたいと思います。非常に残念です。
続きまして、アジアインフラ投資銀行についてお伺いをします。お手元にお配りをした資料の三枚目を御覧いただければと思います。
日本は、このアジアインフラ投資銀行について、三月三十一日、参加申請の締切りでしたが、結果として参加を見送りました。当初は余り参加しないのではないかと言われていたんですが、結果的に今五十を超える国・地域が申請をすることになりました。私が意外だったのは、期限近くになってアメリカとの同盟国であります韓国や豪州、そしてEUの国々が次々と参加の表明をされました。このことについては、今外務大臣としてはどのように受け止められているのか、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) AIIBの参加に関しましては、中国財政部の発表によりますと、四月七日現在、AIIB設立協定交渉への参加国の数は申請中の国も含めて四十八か国であると承知をしております。
これら四十八か国は、現在進行中の設立協定交渉に参加している、ないしこれから参加が予定されている国であります。そして、AIIBの正式な参加国が決定するまでには、今後交渉を経て、最終的に協定文書に署名を行い、国内の承認手続が完了する必要があると承知をしています。
引き続きこうした動きについては注視をしていきたいと考えておりますし、こうした協定に参加を表明した国、そして我が国も、共にAIIBのガバナンス等に対する問題意識は共有をしております。それぞれの立場から中国側に対しては引き続き働きかけを行っていかなければならないと認識をしております。
○福山哲郎君 一般論としては今のお話だと思いますが、韓国やオーストラリア、英国を含めた国々が参加表明したことについて、じゃ、理由としては外務大臣はどのようにお考えになられていますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 参加表明をした国の意図あるいは理由について私から何か申し上げる立場にはないとは思いますが、こういった参加表明をした国も含めて、我が国は、国際社会、様々な国々と意思疎通を図りAIIBに対する対応についても考えてきました。それぞれ参加表明をした国、表明をしていない国があるわけですが、共にAIIBのガバナンスのありよう等、問題意識を持っているという点においては共通していると考えています。
こういった共通意識の下に、AIIBのありようについては中国側にしっかりと働きかけを続けなければならないと考えます。
○福山哲郎君 外務大臣、問題意識を共有しています、何ですか、その答えは。参加表明をしてこれから協定の交渉に入るのか、参加表明をしないで外側にいるのかって、問題意識を共有していれば同じですか。全く違うはずですよ、立場としては。
私が問題意識を持っているのは、豪州や韓国、これ日程見てください。韓国は三月二十六日に参加表明、オーストラリアは三月二十九日に表明で、これ、ぎりぎりです。ぎりぎりまでいろんなところと多分調整をされたはずです。そして、アメリカのルー財務長官が三月三十日、三十一日の締切りの前の日に訪中をして会談をし、その場で、AIIBとの協力に期待をすると、中国がアジア地域のインフラ建設の分野で更に役割を発揮することを歓迎するとアメリカの財務長官が歓迎の意を表明をしています。
私は、間違いなく韓国やオーストラリアはアメリカとの関係を含めて協議をした結果、参加という結論をしたと僕は一般的には思います。事実関係は私は今野党ですから把握できませんが、一般的には韓国や豪州がアメリカの了解を得ないで参加表明をするということは考えられない。
そして、アメリカは逆に、三十一日の前の日にわざわざ中国に行って財務長官がこの歓迎の意を表明をしている。これまでのアメリカの立場からいえば、すぐに参加表明とはいかないかもしれませんが、行って中国とのコミュニケーションをここで図っています。
そして、英国始め、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、EU諸国の主要な国が参加表明をしていると。報道によればですが、インフラ等のこれからの需要が非常にたくさんある、そこに乗り遅れたくないと、自国の企業のプラスになるんだったらやはりこのことは参加をするべきだという判断をそれぞれの各国がやられたというふうに報道によっては出ております。
外務大臣は、先ほど私の質問に、いやいや、問題意識は共有しているけれども、相手国の理由についてはつまびらかではない。それは、建前はそうかもしれませんけど、問題意識共有しているんだったら、じゃ、このインフラの問題、インフラ投資に対して我が国がどういう立場を取っているのか。インフラ輸出というのは、我々の政権のときもそのことを懸命にやろうとしたものでございます。
私は、中国のこのAIIBに何にもなしに、外務大臣が言われるように、全く問題意識共有もせず、相手側に指摘もせずに、このことに対して何も条件もなしに入ることがいいなどと言っているわけではないし、私も参加するかどうかは慎重に検討するべき立場だと思いますが、結果として見たら、アメリカの同盟国のオーストラリアや韓国はぎりぎりに表明し、アメリカは前の日に中国にまで行って財務長官が話をしている。これ完全に世界から見たら日本だけ外れています。イスラエルも入っているんです。この状況は本当にいかがなものかと。
ましてや、例えばドイツのメルケル首相は日本に来日をしています。外務大臣もいろんな場所で外務大臣会合をやられていると思います。そういったときにこのAIIBについて議論をしないのか、共有をしてお互いの参加状況について調整をしなかったのか。また、このぎりぎり韓国やオーストラリアが参加するということを一体外務省はいつ把握をされていたのか。今日、財務省の審議官も来られていますが、財務省の審議官も含めて、いつこうやって韓国やオーストラリアが参加表明をすることを事前に知っておられたのか、参加表明するまで知らなかったのか、そこはお答えをいただけますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) いろいろ御指摘をいただきました。
まず、我が国のように交渉参加に慎重である国、そして交渉参加を表明した国、こうした国は、アプローチの違いはあるにせよ、やはり中国のAIIBの提案については問題意識は持っており、働きかけを続けていかなければならない、こういった点においては同じ認識を持っていると思っています。そして、こういった国々との連携については今日までも緊密な連携を図ってきました。
そして、交渉への参加について事前に知っていたのか等につきましても、多くの数について一つ一つ今手元に資料は持っておりませんが、私の知る限りでも、英国あるいはフランス、ドイツ、さらには豪州からも事前に通報は受けておりました。事前の通報を受けた上で、引き続き共通の認識の下で中国側に働きかけを行っていく、こうした対応を確認した次第です。
是非、引き続き、こうした国々とも連携していきたいと思っておりますし、米国の対応ですが、米国の対応につきまして様々な報道がなされていますが、米国政府との間においては、米国政府の立場は全く変わっていない、これは引き続きしっかり確認をしています。こうした立場に立ちながら、それぞれがこのAIIBという金融機関の存在について中国側に働きかけを続けていかなければならないと思います。
アジアにおけるインフラ投資の重要性、御指摘のとおりです。AIIBに対する問題意識を共有しながら、他の国際機関の存在等も含めて、全体のインフラ整備について考えていく、これはこれからも重要な姿勢であると思っています。
○政府参考人(吉田正紀君) お答え申し上げます。
AIIBにつきましては、外交ルート、それから様々なルートを通じまして情報把握に努めているところでございます。当然、国際会議等の場でいろんな機会がございますので、その場等を通じまして、緊密に意見交換、情報交換を行ってきておりまして、情報の把握に努めているところでございます。
○福山哲郎君 情報把握した結果がこういう結果だというのは、これまた非常に残念でございますが、先ほど外務大臣はさらりと言われました、豪州は事前に参加をすることを把握していた。把握されたのはいつですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 把握したルートですとかレベルですとか期日、詳細については、相手国との関係もあるので控えさせていただきます。
○福山哲郎君 財務省はいかがですか。
○政府参考人(吉田正紀君) AIIBにつきましては、様々のルートを通じて情報の提供あるいは情報の把握に努めておりますけれども、個別の点につきましては答弁を控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 ということは、豪州については事前に把握していたけれども日時は言えないと。何で日時が言えないんでしょうかね、外務大臣。だって、もう豪州は発表しちゃっているわけですよ。発表しているわけですから、外務大臣が事前に把握をしていたとおっしゃるんだったら、いつの時点なのかぐらいはお答えいただいても、参加表明されているわけだから、差し支えないはずだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げましたように、豪州のみならず、英国、フランス、ドイツ等、どの国においても事前に通報を受けております。こういった一つ一つについて詳細を申し上げることは、相手国との関係において控えなければならない、これは当然のことだと思っています。
○福山哲郎君 だって、もう参加表明されているんですよ。それは、逆に言うと、外務省は事前に把握していなかったのを事前に把握していてというふうに言いたいがゆえに何日か答えられないと取られても致し方ないと私は思いますよ。結果として、アメリカが三十日に行ったと。これは相当僕は日本の立場でいうときついなと正直言って思います。
その後に、何と格好悪いことに、安倍総理は、党で協議をしてくれと、何か政府は判断しなかったので、何か党に責任をおっかぶせて、党で協議してくださいみたいな話をしている。麻生財務大臣におかれては、何かデメリットはないんだみたいな話と、まだまだ余地はあるんだみたいな、何か含みを持たせている。逆に言うと、その何か党に協議してほしいとか含みを持たせていること自身が、この交渉で日本がある意味でいうと置いていかれたことに対する証左なのではないかと私は思っていて、非常に残念に思っています。
外務大臣は、恐らくいろんな外相会談とかAIIBの後のそれぞれの首脳会談、外相会談とかで意見交換をされているはずです。しかし、何でこんなふうに、駆け込みで皆さんが参加表明して、日本だけが気が付いたら何か残りましたと、アメリカは参加をしなかったけど中国へ行きましたと、ちょっと残念だなというか、これはちょっといささかかなというふうに思います。日本の残念ながら経済同友会からも若干心配の声も上がっています。
先ほどの北朝鮮のミサイルの話も、韓国とどれほど緊密に連携取れるか、この話もそうです。中国、韓国と今首脳会談もできない状況であるということは一定理解をします、それは政権の判断ですから。しかし、そういったことが、本当に事務方同士の連携とかいろんな形の国際社会の動向の中で、日本の国益を失うようなことのないようにしていただきたいと。ここで出遅れたから後になって意地になって結局参加しないまま、本当に何か、アジアのインフラマーケットの中で日本がなかなか参加ができないような状況になるなんというのは、もう何か余り考えたくないパターンだというふうに思っていて、私は別に何でもかんでもくさしたいと思っているわけではないんですけれども、批判をしたいと思っているわけではないんですが、このことについては、今、普通でいえばめり張りのある明確な答弁をいただける外務大臣ですら何だかよく分からない答弁が続いているので、非常に私は残念に思っております。
もういいんですけど、だってあれ以上答えてもらえないんでしょう、大臣。いや、そうしたら、大臣を私は尊敬しておりますので、どうぞお答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘はしっかり受け止めなければならないと思いますが、御質問の中で日本が取り残されたというような御指摘もありました。日本としましては、先ほど申し上げましたように今日まで関係各国としっかり意思疎通を図ってきました。事前通報等につきましても意思疎通を図ってきました。そして、そういった状況を把握した上で日本としては慎重な立場をしっかり決断したわけであります。
AIIBの問題点につきましては、先ほどガバナンスの確立というお話をさせていただきましたが、加盟国を代表する理事会においてきちんと個別案件の精査、承認が行う体制となるかどうか、こうしたガバナンスの問題、さらには債務の持続可能性を無視した貸付けを行うことによって他の債権者に損害を与えることにならないのか、こういった問題点につきましては多くの国々が問題点として指摘をしているところです。我が国としましてもこういった問題点をしっかり中国側にぶつけておるわけですが、それに対するしっかりとした回答がない中にあって、これ、もし参加を表明するということになりましたならば、我が国としまして推計で一千億円単位の出資が求められることになります。こうした国のお金に関わる問題です。しっかりと確認した上で我が国の対応を決断する、これは当然のことではないかと思っています。
こうした判断の下に今現状があるわけですが、引き続きまして関係各国との連携、そして意識の共有、そして中国への働きかけ、努力は続けていきたいと考えています。
○福山哲郎君 大臣がせっかく御答弁いただきましたが、大臣が言われた問題意識は各国全て共有していたはずです。共有していて、あえて協定交渉に入ることによってその懸念を払拭するというスタンスを取られたわけです。各国の首脳の中には、そういった懸念については中国側の説明でかなり払拭できたので参加表明したと言われている方々もいらっしゃいます。だから、大臣のお話は僕は一定理解はしますが、それで、主要国が入っていないから我々も入らなかったというなら分かりますけど、主要国がみんな行って我々だけ入らなかったというのはなぜかということの明快な理由には、正直申し上げると、ちょっと残念ながら説得力に欠けると思いますが、次に行かせていただきます。
葉梨副大臣、もう何回もお呼びして、何回も質問が長引いて質問ができなくて本当に申し訳ありません。心からおわびを申し上げます。今日も危ないなと思ったんですけど、それじゃ余りにも副大臣に申し訳ないので、済みません、ちょっと残った時間、やらせていただきたいと思います。
特定秘密保護法案の運用についてお伺いします。
お手元にお配りをしている資料にある一枚目が特定秘密指定書といって、各役所が特定秘密に指定するときの文書です。二つ目が管理簿といって、それを管理をしている管理簿が付けてあります。
二〇一四年末時点で政府全体では、だから去年の十二月ですね、十二月の時点で特定秘密は三百八十二件指定されていました。三月末時点では幾つになっているのか、また文書ベースはどうなっているのかどうか、お答えいただけますでしょうか。
○副大臣(葉梨康弘君) 先般、福山委員から御通告ございまして、そのときちょっと時間的に間に合わなかったんですけれども、その後改めて各行政機関に問い合わせましたところ、三月末現在で三百九十八件でございます。文書の件数については現在精査中でございます。
○福山哲郎君 二〇一四年末時点での文書の数は分かるんでしょうか。お願いします。
○副大臣(葉梨康弘君) この点についても今件数の精査中でございまして、相当な件数に上りますので、現在精査中でございます。
○福山哲郎君 三百九十八件ということは、年末から三月にかけて十六件特定秘密が増えて指定をされたということになります。
外務省、防衛省ではこれは把握されていますでしょうか。外務大臣、防衛大臣、お答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、本年三月末現在、外務省の所掌事務に係る情報のうち、特定秘密の要件に該当するものとして三十六件が指定をされています。そして、これは昨年十二月末の時点と比較しまして一件件数が増えております。これは、この三十六件のこの内訳として、インテリジェンス関係二十一件が含まれていますが、このインテリジェンス関係の一件が増えた結果だと承知をしております。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省におきましては、昨年十二月末の時点で特定秘密として二百四十七件の情報を指定をしております。三月末の時点の指定状況につきましては、昨年十二月末の時点の指定数と変わりがなくて、同じく二百四十七件でございます。
○福山哲郎君 ありがとうございました。
実はこれ、どの時点で何件かの把握というのは、これ今、僕たまたま今日お伺いさせていただいて、副大臣御苦労いただいて、こうやって答えを外務省も防衛省も出していただいたんですけど、これ実は特定秘密というのは、分からないときにいつ増えているか、どんどんどんどん増えていくわけです。これ、いつの時点でどういう形で特定秘密が指定されて増えているのかというのを定期的に何らかの形で連絡していただけるような、公表していただけるような仕組みがないと、何か、たまたま私がこうやって質問しましたから今答えていただいたんですけど、まずこのことについては少し積極的に対応いただきたいというふうに思っています。
そうでないと、特定秘密がどういうペースで、どういう形で各省庁で増えているのかというのがよく分かりません。要は経年的というか経月的に分からないので、そこについて副大臣、どのように今お考えいただいていますか。
○副大臣(葉梨康弘君) これは、あるいは独立公文書管理監にも今日は来ていただいているわけですけれども、まさにもう委員よく御存じのとおり、特定秘密、この資料の二ページ目ですが、指定管理簿でございますね、これは国会に対しては、情報監視審査会に対しては年に一遍添付をして御報告をするということに運用基準上なっております。また、各行政機関は独立公文書管理監に対してこれを月一遍報告をすると。
ですから、独立公文書管理監のところにはこの指定管理簿があるわけでございますけれども、もちろんそれは公にできるものと一般の秘密に当たるもの、それぞれございますけれども、国会等の求めに応じて、それを尊重しながら適切な対応ができるのではないかと思います。
○福山哲郎君 今のは国会の求めに応じてという話なので、ちょっと後で僕議事録精査して、今度また質問させていただきたいと思います。
一番重要なこと、もう三分なので、また副大臣お出ましいただかなきゃいけなくなっちゃいました。申し訳ありませんが、大事なことをお伺いします。
参議院では、情報監視審査会を、委員を指定をさせていただきました。そして、最高水準の技術をもってかどうか分かりませんが、電波遮断をし、シールドルームにし、電磁波の漏えいを防ぎ、併せて委員の誓約もしました。入退室の制限等の措置も行いました。恐らく、この委員の中でも審査会委員になっている方以外は、どこにそのシールドルームがあるかも多分みんな知らないと思います。私も存じ上げません。
そういうふうに、ある意味でいうと、非常に最高水準の防護措置をとったということでそれは十分な措置が今現状ではとられていると政府は判断しているのかどうか。前も僕は副大臣にお伺いしましたが、もう現実に動き出した時点で最高水準の十分な防護措置がとられていると考えているのかどうか、お答えください。
○副大臣(葉梨康弘君) いわゆる保護措置、防護措置が十分かどうかということですけれども、この特定秘密のやっぱり個々の内容、あるいはそれを提供する方法、これを踏まえて判断していかなければならないということで、具体的にはその都度、各行政機関の長が判断するということになろうかと思います。
また、今事務的にも、ただ、情報監視審査会の保護措置の具体的な内容につきましては確認させるようにしてまいりたいというふうには考えております。
○福山哲郎君 もう今のは非常に微妙な答弁で、よく分からない。その確認というのはどういう意味か分からないんですけど、ちょっと僕これ今度またここでやらせていただきたいと思いますが、副大臣、重要なことを確認します。
当時の森大臣は、国会において特定秘密を保護するための必要な措置が講じられることとなることから、基本的には、行政機関の長は情報監視審査会の求めに応じ、特定秘密を提供することとなると考えますと言われています。
これはなぜかというと、防護措置をつくって、シールドルームを造って、委員本人に誓約をして、さらには携帯電話まで入室するときに取り上げるということは、前提として、今の森大臣の答弁にあるように、これは特定秘密を出す前提なんです。何か出さない前提で物事が進んでいるような勘違いがあるんですけど、防護措置をとるということは、そこで出して本当に適切かどうかを国会が政府を監視をするんです。だからこそ、委員には実は誓約を課しているわけで、その原則は、副大臣、間違いないと、私の今の認識は間違っていないということは確認いただけますね。
○副大臣(葉梨康弘君) 基本的には、国会において特定秘密の保護をするために必要な措置が講じられた場合、基本的に行政機関の長は情報監視委員会の求めに応じて特定秘密を提出するということになるという、その基本はあるわけです。
ただ、個別には、具体的には個別のケースによって判断されなければならないということで、森大臣につきましても、これ答弁そのまま読みますけれども、国会への特定秘密の提供の適否については、個別具体的に判断する必要がございます、提供を拒否することが見込まれる特定秘密をあらかじめお示しすることは困難でありますというような答弁をされているわけですから、本当に個別具体的に各行政機関の長が判断するということであろうかと思います。
福山哲郎君 もう終わりますが、今初めて原則としては出すことになるという答弁を、実は初めてだと思いますが、言っていただいて、これは一歩進んだと思います。
私、もちろんサードパーティールールとかで出せないものがあることは重々承知をしておりますが、特定秘密を情報開示するということは、元々情報を出す前提だということで今後の対応をしていただきたいということをお願いし、あと課題はいっぱいあるんですけれども時間ないので、副大臣についてはまたお出ましいただくことになると思いますが、お許しいただきたいと思います。
終わります。