06/07
2007
第166国会 参議院 厚生労働委員会 2007年6月7日
社会保険庁改革関連法案、「消えた年金」問題
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。初めて厚労委員会で質疑に立ちます。よろしくお願いいたします。
二問だけ、今日午前中に峰崎委員から御指摘のありましたコムスンの問題について質問させていただきます。
厚労省がコムスンの事業所の新規指定や更新を認めない方針を決めて、それを都道府県に通知をしたと。そして、今問題になっているのは、そのコムスンが事業を日本シルバーサービスに譲渡することを言ったと。これ、日本シルバーサービスから各都道府県に事業の指定申請が行われたときに都道府県が当惑をし、判断ができなくて厚労省にどうしたらいいのかと問い合わせが来たときには、厚労省、どう判断するんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) コムスンの、今のちょっと委員のこのお話が私十分のみ込めませんでしたけど、コムスンの事務所から相談が来たときということでございますか。
○福山哲郎君 違います。その譲渡した先の日本シルバーサービスから申請が来たときに、各都道府県は対応に多分苦慮すると思うんですね。そのときにはどう判断、厚労省に問い合わせが来たときにどう判断するんですかとお伺いしたんです。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと委員の御質問が私どものスピードに比べましてかなりスピーディーでございまして、私ども今、シルバーサービスへの譲渡ということについては直接当事者から伺っていないわけでございまして、そういう意味で、この問題についてそれが、譲渡があったということを既定の事実としてこれに対してお答えするのは、ちょっとそのまだ段階に至っていませんので、御容赦を賜りたいと思います。
○福山哲郎君 ということは、あれですか、コムスンとか、この日本シルバーサービスからその譲渡についての報告か何かがあれば、そのときに対応、もう一回協議し直すということですか。それ、協議し直すということですか、厚労省は。
○国務大臣(柳澤伯夫君) いずれにしても、この事業譲渡をした先については新たな指定ということが必要でございますので、その指定を前提にして、それぞれ全国のまた事業所からのというようなお話には、ちょっとまだ私どもそこの段階にまで至っていないということでございます。
○福山哲郎君 そこまで想定していないということでございますね。ですから、その場合には、これ大変各都道府県で混乱が起こると思います。現実にはコムスンの問題は、その地域にいるお年寄りも含めた、その介護事業をどう継続していくかという地域の問題にもかかわってきます。ですから、これは相当慎重に対応していただかなければいけないと思いますし、これで、もう一問だけ。
厚生労働省が教育訓練給付でニチイ学館というところに百六十二億円給付をしているんですが、このニチイ学館は非常にコムスンという会社と連携をしている会社でございますし、そういったことは理解をした上で、そしてこの今回の処分を決めたのかどうか、その事実関係だけ教えてください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回のコムスンに対する通知と申しますか措置でございますけれども、これはコムスン社の不正事実が確認されたという事実に基づきまして行われているものでございまして、その他の事情について何か勘案がされたかということは、そのような事実はございません。
○福山哲郎君 私は、コムスンのいろんな不正受給について大変怒りと憤りと、介護事業に対する信頼を失ったと思っておりますが、その対応を厚労省がどうするかによっては、これ地域で本当に混乱が起こりますので、今後早急にやっぱりこの対応、譲渡の判断も含めてお願いをしたいと思います。
それでは、年金に移らせていただきます。
私は、世間はひょっとすると、永田町で考えるよりもずっと大きく国民は揺れているような気がします。昨日、おとといと、ちょっと地元にも帰ってまいりましたが、実は会う方会う方、年金の話が飛び交います。それも、怒りも含めて、大変不安が増大をしています。
この束を見ていただければと思いますが、民主党の消えた年金記録一一〇番というものに来ているメールや手紙、自らの年金手帳のコピーまで送って、どうにかしてくださいと。要は、先ほど峰崎委員が言われました申請主義も含めて、門前払いを食らった方の、国民の本当に怒りも悲しみも含めて、たくさんのお便りやメールが来ているわけです。
私は、この厚労委員会というのは、まず一つ第一の目的は、国民の不安を取り除くことがこの委員会の目的だと思います。政府や安倍総理がいろんな形で救済をすると。私は救済という言葉自身がもうけしからぬと思っておりますが、何で社会保険庁のでたらめな仕事ぶりで不利益を被った国民が救済されるようなことを言われなきゃいけないんだと、もうその了見からして私はおかしいと思っているんですけれども。要は、政府や安倍総理が言われる救済策、助かるというような話がいかに実効性があるかどうか、そのことがこの委員会の大変な目的だと思っていますし、その実効性が上がらなければもらえるはずの年金をもらえない国民がたくさんこれからも存在し続けることになるわけでございます。
ですから私は、まずそのためには、情報と実態解明が第一の私は条件だと思っています。今の厚労省や社会保険庁のスタンスは全く理解に苦しみますし、全く信頼に足るものではありません。今日の委員会の冒頭で柳澤大臣が言われたことに対しては僕は後で質疑の中でいろいろ明らかにしていこうと思いますが、もっと情報は出せるものは速やかに出していただきたい、それが国民に本当に年金は大丈夫なのかどうかを示す最大の私は方法だというふうに思っておりますので、まずは冒頭そのことを申し上げたいと思います。
二つ目は、じゃ、こんなでたらめな仕事をした社会保険庁どうしてくれるんだと、これがやっぱり国民の思いなんです。何でのほほんとしているんだと。現実の自民党の社会保険庁の解体か分割かよく分からない法案では、実はこの年金機構の後に幾らでも民間に天下り自由にできるような法律、状況になりつつあるわけです、公務員制度改革とセットで考えると。そのことも含めて、私はこの委員会でちょっといろんなことを議論していきたいと思います。
まず冒頭申し上げます。
お手元にお配りをしている資料、何枚かございますが、一枚目の資料をごらんください。もう皆さん周知の事実かもしれませんが、あえて用意をいたしました。昭和六十年のいわゆる元帳を廃棄しろといって命令を出した正木長官以降の十二人についての前職、社会保険庁長官の前職とその後の再就職先の一覧表になっています。これを見ていただければお分かりのように、いかに厚労省の中で社会保険庁長官というのが恵まれたポストなのか、事務次官になられた方もなられなかった方もいらっしゃいますけれども、要は官僚の出世競争の中でこれだけのわたりの天下り先まで用意をされているポストが社会保険庁長官だったということは明らかなわけでございます。
その中で、例えばでございますが、正木元長官のこの一、二、三、四か所、四か所の退職金推定額、お答えいただけますか。
○政府参考人(宮島俊彦君) ちょっとお待ちください。済みません。
○委員長(鶴保庸介君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(宮島俊彦君) 再就職先の退職金額ですけれども、厚生省の方では情報を持っておりません。それで、また個人情報の公開ということですと、その情報を所有する団体が本人の同意を得る必要があるのではないかというふうに考えておりまして、我々としては持っていないということでございます。
○福山哲郎君 私は昨日の事前通告、おとといも含めて申し上げたはずです。現状、これらの特殊法人のいろんな給与規程を見れば退職金規程も書かれているわけですから推定できると。本人にもらった金額ではなくてもいいから、現状推定できる金額は、給料だって明らかですし退職金規程も明らかなので、当然推定できるはずだからその推定金額を出してくださいと私は申し上げたはずです。それが出せない場合には前職全員本人に当たれと、本人に当たって聞いてきなさい、これだけ国民に迷惑を掛けているんだからと私は申し上げたはずですが、そのことについてどちらで、じゃ、お答えいただけるんですか。今、いろんな規程が公になっているもので推定でお答えになるのか、本人一人一人当たって聞いてくるのか、どちらか、明確にお答えください。
○政府参考人(宮島俊彦君) 役員等の退職手当、推定というお話ですが、今の法人の持っている現行の規程と、その方が退職した退職時の規程で異なる場合があるということ、あるいは規程の中には業績を勘案して退職手当を出すという要素を、業績勘案がありますので、役所ではそのような要素について評価しようがありませんので、推定するというのは困難であります。
○福山哲郎君 ごめんなさい。ここにそれぞれの支給規程あるんですよ。例えば、理事長は月額給料が幾らで、退職手当は退職の日における給料月額掛ける〇・一二五掛ける在任期間の月数とちゃんと書いてあるわけですよ。これ、計算すれば推定で出るじゃないですか。なぜ出せないんですか。
もう一度、明快にお答えください。僕は昨日はっきり申し上げたわけです。推定でもし出せないんだったら本人に聞いてきてください、これだけ国民に迷惑を掛けているんだからと私は申し上げましたが、はっきりしてください、どちらで出すのか。出せないんだったら、委員長、これ審議できませんから。
○政府参考人(宮島俊彦君) 今お答えしましたように、そういう報酬月額の百分の十二・五に相当する額に在職月額を乗じてというのもありますが、それにさらに業績に応じて決定する業績勘案率というようなものもありまして、これについては各個人の業績勘案ということですので、推定は困難ということで申し上げております。
○福山哲郎君 私は、そのことについても昨日申し上げました。そのことについては、じゃ、百歩譲って、一番低い額でいいと、一番低い額でいいから推定額を出してくれ、そうでないと国民が納得しないと申し上げましたが、それでも出せないとおっしゃいますか。
○委員長(鶴保庸介君) 宮島審議官、お答えください。
○政府参考人(宮島俊彦君) そういう業績勘案ということもあるということと同時に、退職した、役所を離れた人間の個人の情報というか、そういうものにかかわることですので、それを出すのは予断を与えるという意味で適切であるのかどうかということで考えております。
○委員長(鶴保庸介君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(宮島俊彦君) お答えいたします。
業績勘案をどういうふうに勘案するかということもありますが、そこについても一定の推定を置いた上で、その規程に基づきまして、それぞれの団体の規程に基づいて推計したものを次回までに準備させていただきたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(鶴保庸介君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(宮島俊彦君) ただいまは数字持っておりませんが、本日の委員会の審議中に、今から計算いたしまして、一定の仮定の下にお示しすることとさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 出せるなら早く出してください。冒頭申し上げたとおりでございます。
じゃ、この歴代社会保険庁長官が、こう再就職先がずっとあるんですが、この再就職先の中の退職金で保険料を原資とするような状況があった団体があればお答えください。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまのお尋ねが保険料原資というふうにお尋ねをいただきましたが、お金は、私どもこれらの関係団体に、例えば委託費その他の事業でお出しをしております。したがいまして、直接にその退職金を補てんしているということにはならないかもしれませんが、委託費という形でこれらの団体にお金が回っているものでよろしければお答えができますが、よろしゅうございますでしょうか。
○福山哲郎君 結構です。
○政府参考人(青柳親房君) それでは、お答えをさせていただきます。
ただいまお示しをいただきました歴代長官の再就職先とされている団体の中で、社会保険庁が所管している法人でございます全国社会保険協会連合会、それから財団法人の厚生年金事業振興団、それから財団法人の社会保険健康事業財団につきましては、平成十六年度までは厚生年金の保険料、国民年金の保険料を財源といたしました委託費等が支出されておりますが、十七年度以降は支出はございません。
なお、社会保険庁が所管する法人以外の団体につきましては、私もちょっとつまびらかに承知をしておりませんので、お許しをいただきたいと存じます。
○福山哲郎君 お金には名前が付いておりませんが、いわゆる保険料からこちらに委託料が出て、そこは退職金として払われているということだと思いますが、実はこれ、先ほども申し上げましたように自民党の提出している、総理がどうしても法案を通したいと言われている公務員制度改革の天下りの人材バンクとも絡んでまいります。今の人材バンクの法案でいうと、この法案にかかっている年金機構から民間へは天下り自由自在になってきます。
現実問題として、この社会保険庁が年金機構に今回移行するという状況の中で、今現状、社会保険庁がどのぐらい、この社会保険庁長官だけではなくて、ほかの職員も含め、天下り先に移動しているのかというのは、大変重要な今回の公務員制度改革も含めてポイントでございまして、その社会保険庁からの天下りの一覧を是非、この一両日中に出していただきたいと求めますが、委員長、どうかお諮りをいただきたいと思います。
○委員長(鶴保庸介君) 後刻、理事会にて協議をいたしたいと思います。
○福山哲郎君 どうかよろしくお願いを申し上げます。
それでは、二点目行きます。
もう先ほどから我が党の委員の先生方とも議論が柳澤大臣の間でたくさんあるんですが、やはり名寄せ、五千万件の名寄せなのか、統合して結合するまでなのかというのは非常に重要なポイントでございまして、大臣、これは統合、結合までを含めて五千万件は一年以内なのかどうか、明確にお答えください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、私どもが申し上げておりますのは、このコンピューター上の名寄せと、要するに発送前までが五月末と、こういうことでございます。それを年金の履歴と一緒に、同一人の可能性がある方が見付かっていますよと、これはいろいろまた工夫をするわけですが、そういうことを知らせながら確認を求めると、こういうことが必要でございまして、それは言わば相手の、国民の皆さん方の対応ということもどうなるかということに係ってくるわけでございまして、それは、国民の皆さんの対応が早ければその確認は時間的にははかどりますし、それからまた、それだけではありませんけれども、少しお遅れになるというようなことだとそれに随伴して時間が掛かると、こういうようなことになるわけでございます。
○福山哲郎君 そうすると、自民党のチラシ若しくは対策にあります、年金の未払いが判明した場合は時効によって過去五年分しか受けなかったのを全額支給するようにしますということと、それから、第三者委員会で判断してもらって年金受給権を認めますという話は、全部名寄せが終わってからですから一年以内には行われないわけですよね、大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) もちろん、こういうことの、何というか、集団的な手続でございますと、先ほども申したように、私どもが主としてコンピューター上の作業プラスアルファというようなことで、来年五月末までに名寄せを終了するということになりますが、その後は資料を発送すると。そうすると、国民の皆さんの対応ということにも係ってまいりますので、そういうようなことで、一年以内に終わりますのは名寄せという段階ということになるわけでございますが、そういうことで、我が方だけでできることについて申しているということでございます。
○福山哲郎君 つまり、今はっきり申し上げられたと思うんですけど、名寄せをやるということは結合、統合ではないということははっきり柳澤大臣お認めいただけますね。結合、統合ができないことには、実は現実の国民は救われないわけです、名寄せの段階ではまだ。そして、そこで不服があっても、そこから先、証拠があるのかどうかという議論が出てきて、領収書を持ってこい、領収書がなければその後第三者委員会という状況になりますから、一年以内には全くできないと。結合、統合ではないということはもうお認めいただいたと思っていいですね。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっといろいろ議論が混乱したかと思いますが、この統合というのは、これはある意味で番号ベースで申しているわけでございます。基礎年金番号に同一化されるということを統合ということになるわけでございますが、それによって確認をすればそれで訂正が行われるということでありまして、この段階では領収書云々ということは関係ありません。これはもう名簿上のことを主に考えて、私どもとしてはそれを御確認すれば、これ統合するということになるわけでございまして、領収書が要るというこの話というのと、この五千万件のコンピューター上の統合というのはちょっと切り離してお考えいただければ幸いでございます。
○福山哲郎君 安倍総理の一年以内にすべての記録と突合することをお話しさせていただきたいというのは、柳澤大臣で言う突合と統合はどう違いますか。
つまり、安倍総理の言う突合というのは、恐らく領収書を含めて全部の、国民がすべて、浮いたものが統合していく結果を一年以内だというふうに私は安倍総理は答えられていると思うんですが、今の柳澤大臣の話では違いますよね。そこはずれがあるということはお認めいただけますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 突合ということは、文字どおり突き合わせるということでございますので、それを名寄せという言葉で言ってもそんな間違いではないんじゃないかと私は考えております。
○福山哲郎君 今のポイントはすごく重要なんです。ずっと名寄せ、名寄せ、名寄せで、名寄せというある種の抽象的な議論で逃げられてきたんですが、今突合と名寄せが一緒だとおっしゃった。ということは、現実の基礎年金番号に統一して、統合が、一人の例えば基礎年金を付番していただいて、その付番したものが全部統合されてしっかりとした年金を受給できるまでには一年以内には至らないということを柳澤大臣はお認めになったということでいいんですね。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、先ほども申し上げましたように、御通知をさせていただいて、それに対して国民の皆さんがどういう御返答を、御回答をいただけるかということにも期間の問題が掛かりますので、そういうことを勘案しますと、私どもだけでできることについては期限を設定できますが、国民の皆さんの取組が絡んでまいりますと、やはり我々だけで期限を設定するということはやはりできかねるというところでございます。
○福山哲郎君 もう明快でした。要は一年以内に名寄せはすると、名寄せをしてから通知をするから、そこから統合作業が入るということは、一年以内に今の不安に思っている国民は救われないということは明らかになりました。
そこだけははっきりしたのは、実は非常に僕は重要な御答弁だったというふうに思いますので、そこは柳澤大臣、お認めになられますよね。
○政府参考人(青柳親房君) 申し訳ございません、一言補足をさせていただきます。
不安をお持ちの方は、事務所の方にお申出をいただけますれば、一日でも早くその統合のための作業をさせていただきますので、もし御不安のある方には是非ともそのようにお勧めをさせていただきたいと存じます。
○福山哲郎君 今のは非常に重要なポイントだったというふうに思っております。つまり、一年以内には統合はできないというふうにお認めいただいたということだと思っています。
ただ、いろいろその名寄せの問題でも、大臣、昨日長妻委員とも質疑やられたと思いますが、元々二億件を、基礎年金番号を付番してない二億件をぐるっとコンピューターで回して、氏名と年齢と生年月日でやって、二億がどんどん減って今五千万になっているわけでしょう。その作業と実は今同じ作業をされようとしているわけですよね、現実には。ですよね。
村瀬長官が多分今手を挙げられたということは、いや違うと、今までコンピューターでぐるっと名寄せの作業をしてなかった基礎年金番号を付与されている一億も一緒にやりますよということを多分言っているので違うと思うんですけど……(発言する者あり)じゃ、長官、どうぞ。
○政府参考人(村瀬清司君) 辻委員のときにも御説明申し上げましたけれども、基礎年金番号の名寄せのときには、先ほど言いました被保険者については平成九年度の段階でやっておりますけれども、今回、受給者の皆さん方にも基礎年金番号と名寄せをするということ、これが一つ大きな違いでございます。
それからもう一点大きな違いは、年金を裁定していただいた方々に対して裁定時の記録をきちっとお送り申し上げると、これが一番違うところだと思います。
そうしますと、受給者の皆さん方にとってみれば自分がどういう記録で裁定されたかというのが分かりますので、その中にもし仮に少しでも穴が空いているのであれば、それが何だったのかということが確認できると。また、すべてがきれいに期間がそろっているということであればもう心配はないと。こういう形で対応のあれが違ってくるんだろうと思います。
それから、先ほど青柳が言いましたように、八月から特別強化月間を開いておりまして、その中で十二月まで、八月から十二月まで二百十五万の方がお見えになりまして、その中で百八十三万の方が実はそれこそ突合が終わってございまして、基礎年金番号にその方々については既存の番号が変わっていっているということでございますので、そういう点でも、両方からやはりきちっと国民の皆様にお知らせをして、しっかり基礎年金番号に記録を一体化していくと、これが非常に大事なことなんだろうというふうに思っております。
○福山哲郎君 元々氏名と生年月日と性別で突き合わせできなかったものがあったわけですが、これ、元々はそのプログラムがあったんですが、今回、今新たに受給者もやると言われましたけれども、それで、あれなんですか、プログラムの開発に一年も掛かるんですか。だって、元々あったんでしょう。元々二億はやったわけですよね、それは。
○政府参考人(村瀬清司君) 今回、プログラム上で一番期間が掛かるのは何かといいますと、裁定記録をどういう期間でもってやったかということをきちっと調べ上げてつくり上げる、これが一つ大きな違いでございます。
それからもう一点、実は基礎年金番号の記録と受給者の場合の記録というのは、先ほど会社の名前出ておりましたけれども、記録はNTTデータが開発したものでございます。一方、給付の方は日立さんが開発しておられたと。これを一緒にしなきゃいかぬという、これの名寄せをするわけでございまして、ここの名寄せの部分が新たなプログラムを開発してやらなきゃいかぬと、ここに若干時間が掛かると、こういう形でお考えいただければよろしいんじゃなかろうかと思います。
○福山哲郎君 そのプログラムの開発をする、できる期間はどのぐらいなんですか。だって、一年以内に名寄せ完了するんでしょう。プログラムを開発をして、その後コンピューターを回す期間があって名寄せができるわけですから、そのプログラムを開発するのがどのぐらいの期間を今想定されているんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 現在までのところは、プログラムを開発をいたしまして、そして名寄せまで終えるということで来年の五月までの期間を想定しておりますので、これをそれ以上言わば詳細にまだ展開していないというのが現時点でございます。お許しいただきたいと存じます。
○福山哲郎君 だって、それじゃあれじゃないですか、全然、全く説得力ないじゃないですか。だって、そのプログラムを作って名寄せするんでしょう。そのプログラムができるのはいつですかと聞いているんですよ。
○政府参考人(青柳親房君) プログラムを作りまして、そしてこれを名寄せするまでの一連の作業として私ども現在までこのスケジュールを組み立てさせていただいております。したがいまして、現時点で申し上げることができますのは、来年の五月までにこの一連の作業を終えるということで現在検討、詳細を詰めておるという点を御理解いただきたいと存じます。
○福山哲郎君 全く実は理解できないんですが、でもその一年間の間にプログラムで名寄せをする作業がまあまあ、百歩譲ってそれを作業していただくとして、じゃ、長妻委員を始め我が党が言っている、今どこに埋もれているか分からない紙台帳やマイクロフィルムや、そういったものも一緒にそこにはめ込んで突合する作業をすれば、その名寄せはより統合する可能性が早くなるんじゃないんですか。我々はその話をしているわけです。
今、だってマイクロを探しに行ったり、どこに段ボールで隠れているか分からない、社会保険事務所や市町村に隠れている紙台帳を一々一々探して、ある、ないと言って作業して時間が掛かっているわけでしょう。それを全部合わせてコンピューター上に載せて、そして今言われた作業をすれば、統合したものがすぐに分かるじゃないですか。今の話だと、もう一回通知をして、それでも駄目でしたといって返ってきたら、またどこに入っているか分からない紙台帳やマイクロをもう一回作業しなきゃいけないんですよ。どう考えたって不合理じゃないですか。どうですか。
○政府参考人(青柳親房君) 紙台帳あるいはマイクロフィルムという形で様々に各社会保険事務局、あるいは国民年金の場合には市町村に被保険者名簿という形で散在をしております。
したがいまして、これらが全体どうなっているかということを現在調査を一生懸命進めておりまして、その全容を今把握しようとしておるわけでございますが、その全容が分からない段階で、ただいまお話しのような手順で進めるよりは、私どもといたしましては、一応機械の上にデータの載っておりますもの同士を名寄せをいたしまして、一日も早く受給者の方々あるいは被保険者の方々にお届けをするという方法を、方途を選択させていただいているという次第でございます。
○福山哲郎君 今の話は正にそうなんです。散在をしているとおっしゃいました。社会保険事務所や各市町村に紙台帳やマイクロが散在をしていると。
自民党の先生方もよくお分かりでしょうけれども、そうしたら、社会保険事務所や市町村に余っていたり今あるマイクロフィルムを一か所に集めてくれと、それを全部集めて、どこかに一か所に集めて、それを今抜けているコンピューター上に入れてから先ほど言われたプログラムをする方がよっぽど合理的だと自民党の先生は思われませんか。散在しているのを認めたんでしょう。調査しているんだったら、それ全部持ってこいって言えばいいじゃないですか。何でそれをそのままキープしたまま、散在をしたのをキープしたまま、維持したまま、またプログラムを作ってお金を掛けて、そこで一回名寄せをした後もう一回国民に、あなたの合っていますかって今やっている作業をやるんですよ。で、もう一回そのマイクロ探しに行くんですよ。どっちが正当性あるか考えてみてください、自民党の先生方。どうですか、これ。
○政府参考人(青柳親房君) 例示を例えば市町村にございます被保険者名簿に取らせていただきますと、被保険者名簿というのはあくまでも市町村がこの国民年金の仕事をやっておりましたときの言わば控えとして持っております書類でございます。したがいまして、それ自身の保管を今後どうするかということは私どもだけで決定できる話ではございません。また、市町村さんはこの書類を、この情報を既に電子化して、御自分の言わばシステムの中に組み込んでおられる市町村もあるやに聞いております。
したがいまして、そういったことを言わば全体像として把握する前に、ただいまお話のありましたような御提案をちょっと実現することは私どもとしては難しいかと考えている次第でございます。
○福山哲郎君 非常事態だぞ。何言ってるんだ。国民これだけ不安に思っているんですよ。捜してもないとかいって、領収書を持ってこいと言われてもないのをどうしたらいいのかって国民がみんな不安に思っている状況で、今散在しているって認めたじゃないですか。それ市町村に行って集めてくださいと、マイクロも集めてください。それを一応全部集めて、今の不備のあるオンライン情報に全部載せて統合します、やってみますと、それからプログラムをして、国民一人一人が統合しているかどうかもう一回確認しますという方がよっぽど合理的じゃないですか。今やったやつやったって、もう一回同じ作業するんですよ。青柳さん、違いますか。
○政府参考人(青柳親房君) 私どもは基本的に、先ほど申し上げましたように、オンラインに載っている、機械上に載っている情報同士の名寄せを行うことの方が、時間的に見ても早期に確実に実行できるであろうということをまず選択をいたしましたので、御提案のようなやり方についても確かに一つのやり方とは存じますけれども、私どもとしてはそのような形で選択をさせて、これから動かさせていただきたいと考えている次第でございます。
○福山哲郎君 今のデータは欠落していることばっかりがあるんでしょう。だからこういう状況が起こっているんでしょう。その欠落している情報同士突き合わせるよりかは、何で欠落しているのかといったら、そのマイクロや市町村にある紙台帳が合わさってないからなんでしょう。その欠落したもの同士をもう一回統合して、そこで外に散らばっている、散在しているやつを入れなかったら同じことが起こるじゃないですか。違いますか、青柳さん。分かっているはずでしょう、あなたは。
○政府参考人(青柳親房君) 重ね重ねの答弁で大変恐縮でございますけれども、おっしゃるような方法論というのも確かにあろうかと存じますが、それをいたしますためには、正に散在と私申しましたけれども、そのような状態にあります各種の情報の全体像をつかみ、これを整理するという作業が必須になってまいります。
その作業をいたしておりますと、先ほど来申し上げております機械の中での名寄せの作業自身に支障が生じてまいりますので、まずはこの機械の中にある情報から早く着手をさせていただき、一日も早くお手元に加入履歴を届けさせていただきたいという気持ちで取り組ませていただいております。
○福山哲郎君 もう簡単にお答えください。
市町村では紙台帳を保管しているかしてないかの調査はされましたよね。それは分かっていますよね。イエスかノーかで答えてください。
○政府参考人(青柳親房君) 取りあえず、大変簡易な方法で被保険者名簿を所持しているかどうかということについての言わばアンケート調査をさせていただきました。
○福山哲郎君 社会保険事務所では紙台帳が残っているかどうかの調査をしていますか。
○政府参考人(青柳親房君) 社会保険事務所に保有しておりますのは、正確に申しますとマイクロフィルムという形で、昔の紙台帳をそのような形で保管しているわけでございますが、これについても、現在、全国でどのような保存状態になっているかと、またマイクロフィルムだけでなく場合によっては紙の昔の台帳が残っているものもあるのではないかということで、全体調査は現在進行しているところでございます。
○福山哲郎君 済みません、大臣、この私のお配りをしたペーパー、ちょっと一枚飛ばしてください。
昨年の八月の十五日に事務連絡ということで、地方の社会保険事務局長あてに年金事業室長補佐から、市町村における被保険者に関する記録の確認依頼というのがあって、もう細かいことは言いません、一番、下の①見てください。市町村に被保険者名簿が現存する場合、保存期限にかかわらず廃棄等の処理を行わないよう記録保全の措置を講ずるよう依頼する。二番、現存しない場合は、廃棄等を行った時期と方法について確認する。三番です、これが重要なんです。既に社会保険事務所等に移管している場合は、その時期と、次です、社会保険事務所等における現在の状況を報告すると書いてあるわけです。一番下見てください。五、一から四の結果については平成十八年八月三十一日までに別紙様式により、年金保険課メール特殊アドレスまで回答願いますという、調査して答え来ているじゃないか。青柳さん、どうなんですか。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまございましたことでございますが、いずれにいたしましても、それぞれ市町村のものは、国民年金のものはもちろん市町村に元々ありまして、それをこのような形で確認をしておりますが、これとは別に、今厚生年金の関係のマイクロフィルムその他の記録がまた社会保険事務所等にございます。
したがいまして、そういった全体像を現在集約中ということで御理解を賜りたいと存じます。
○福山哲郎君 これ、不誠実なんですよ。市町村についてはさっき調査やったと言った。社会保険事務所については調査中だと言ったと。ここに一個出ているんです、結果はもう既に。厚生年金も多分並行してやっているんですよ。これね、やっぱりこういうことを出さないと国民は本当に信用しないですよ。
これ、本当に社会保険事務所に紙台帳とかがあるかないかって何でそんなに時間掛かるんですか。これいつか分かりますか、皆さん。八月の十五日にいつまで結果よこせと社会保険庁が言っているかというと、八月三十一日まで。たった二週間で結果をよこせと言っているんですよ。それはそうですよ。社会保険事務所とか市町村にどのぐらい物が残っているかなんて二週間もあれば、家捜しすれば出てくるに決まっているんだ。八か月も九か月も掛かって調査中だなんて絶対うそなんだ、やる気があれば。どういうことですか、これ、大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この前お話をした中で、今市町村の数が千八百少しでしょうか、ある中で、まだこの回答がないというかそういうところもありますし、また市町村合併が行われたものですから、仮に回答があったとしてもその実態、つまり二つの町が合併していったときにそれぞれが被保険者名簿を持っていたわけですが、それが合併して、合併したところに我々はその調査をお願いした、その調査も言わば官印のない調査で、簡易な調査をさせていただいたということで、ありますという返事があったとしても、そのあるという意味がこの二町村分すべてあるというのか、そのうちの一町村が、一町があるというのかということが分からないということで、最近において公文書でもってこれを正規のお願いということでやっているということが現状でございます。
○福山哲郎君 そしたら、余っているもの全部どこかに一か所に寄せてみんなチェックしたらいいじゃないですか。八月の三十一日までに二週間で寄せてこいと言っているぐらい早くできる話でしょう、こんなもの。だって社会保険事務所と市町村にあるマイクロと紙台帳を全部集めなさいと、それを全部社会保険庁の職員が徹夜でもいいからやると、それで合わせると、国民に申し訳ないからやると、当たり前じゃないか、そんなこと。大臣の今の答弁は申し訳ないけど全く理由になっていない。
もう一つ言います。
今日問題になった三千人のサンプルの調査ですよ。最後のペーパー見てください、ちょっと順番飛びますが。
これは、今日問題になった、冒頭、三千人の調査に対しての四月の二十七日に社会保険事務局から、事務局長から社会保険業務センターに出した業務の依頼書です。で、現実に突合作業をしろということはそのとおりでございますけれども、これ見てください。平成十九年の五月の二日までに社会保険庁電子メールにより回答していただきますようよろしくお願いしますと。二十七日に依頼をして、五月の二日、これ何日ですか、二十七、二十八、二十九、三十、三十一、一、二、一週間。(発言する者あり)ない。六日間。六日間で答えをよこせと言っているんです。だって三千名ということは三百十二の事務所でしょう。一か所、十人でしょう、十件でしょう。十件の突合で一体、一月掛かっていて、どうやって五千万の突合を一年でやるんですか。十件なんですよ、一事務所。それでたった六日で回答をよこせと言っているということは、六日でできると社会保険庁自身が認識しているから六日で回答よこせと言っているんでしょう。で、今日の段階ではまだ調査中だと。
とんでもないよ、こんな答弁は。こんなんで委員長、悪いけど質疑できません。今日の朝の大臣の答弁も含めて、ちょっともう一回理事会で協議してください。
○委員長(鶴保庸介君) 答弁ございますか。(発言する者あり)ちょっと待ってください。答弁を聞いてから、まずは御答弁を聞いてから。
青柳運営部長。
○政府参考人(青柳親房君) 作業についての指示は、ただいま委員から御指摘のとおりでございますが、実はこうやって各社会保険事務所から戻ってきました情報そのものが非常に分かりにくい形で私どものところに報告が参りました。これは無理もないことでございまして、言わば時点が違います。すなわち特殊台帳をオンライン化した時点から、オンラインの記録の方には、その後新しい情報が当然のことながら追加がされているわけでございます。したがいまして、オンラインの記録を当時のところまでさかのぼらせて突合し、その異動の理由を一つ一つつまびらかにするという作業がこの間必要でございました。
したがいまして、現実には手戻りの作業を何度も事務所と私どもの間でせざるを得なかったという事情がございますので、その点は是非御拝察をいただきたいと存じます。
○福山哲郎君 ごめんなさいね。僕、ちゃんと、どういう回答表を送れと言ったかの指示の回答表まで持っているの。すごい簡単なの。
じゃ、これ全部出して。これを、要は各事務所から来ているんでしょう。それを見たら、大変今ややこしかったから時間掛かっているとおっしゃるんだったら、この回答表が三百十二事務所から全部来ているはずですから、この三百十二枚を全部この委員会で提出をしてください。委員長、お願いします。
○委員長(鶴保庸介君) 後刻、理事会にて協議をさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 それを見て、本当に今、青柳さんが言った、時間が掛かっているとか、大臣が冒頭おっしゃったことが正当なのかどうかは国民が判断することだと僕は思いますよ。
そういう形で情報を出さない、相手側には六日ぐらいでよこせと言いながら、一月たっても国会にも出さないような状況で、何で信頼ができるんですか。何で国民の年金が本当に救われるか国民が理解できるんですか。全く私には理解できないので、本当に注意をしていただきたいと思いますし、本当に早急に指示を出してください。
次に行きます。
お手元にお配りをした資料の中の二枚目です。これもさんざん社会保険庁に言って、ようやく出てきて、現物はこれです。社会保険庁が頼りにしている五十八歳通知。五十八歳通知というのは、これでいいですかということを送って、さっき柳澤大臣が正におっしゃいました名寄せをした後送りますと。それを送って、それに対して国民が回答してくれる、正に大臣がおっしゃられた作業が五十八歳の方には平成十六年の三月から行われています。私は、何とかこの十八年九、十、十一、十二月末の五十八歳通知の結果を手に入れました。これ見ていただいたらお分かりなんですが、例えば平成十八年十二月末見てください。四百六十六万八百九十九人の方に、延べで言うと郵送していると。はがきとして国民から返ってきているのが三百三十一。そのうち、要は、これは駄目ですよと、この社会保険庁から来たのでは自分の履歴とは合っていませんと、おかしいからもう一回調査してくださいと言っている方が四十一万二千五百十八名いるということになります。そのうち、社会保険庁が調べて、そして回答したのが三十四万六千四百九十七名かな、これは七人。そして、調査をまだしていますと言って、恐らくこの調査は、マイクロやなくなっているかもしれない紙台帳を当たっている数が六万六千あるというのが今のこれ現状でございます。
これはすごく重要な情報が入っておりまして、御案内のように、右を見ていただければ、月平均十七万人の方に通知を送っています。つまり、誕生日ごとに送りますから、五十八歳の何月生まれの方に十七万人ぐらい平均して送っていると。そうすると、毎月回答が十一万返ってきていると、約六割。そして、そのうちの、おれは違うよと、社会保険庁が言っていたコンピューターのオンラインのデータとは違うよと言ってくれる方が約一万五千と。これ、見事に毎月、(c)割る(a)、つまり返ってきた数の中でそれは違うと言ってきた方の比率が八・九%前後でございます。
青柳さん、基礎年金番号を付与されて、今一億四百万人ですが、大体何人ぐらいの方が実際に自分の履歴が欠落をしていたり、統合していない人が何人ぐらいいらっしゃるんでしょうかね。その数は把握していますか。
○政府参考人(青柳親房君) 直接に今お尋ねのような数をちょっと把握する手段がないので、残念ながら持ち合わせておりません。
○福山哲郎君 この回答一点張りなんですね。でも、推計できるんですよ。
現実には、基礎年金番号を付与されている方が約一億四百万人。三十歳未満の方は二十歳の時点で、もうその時点で基礎年金番号を付与されていますから、その方々は問題ないとして約千五百万人引きます。約八千九百万人の中で、実は三千万人の受給者も統合されていない、欠落している人もいる。そして、残りの人たち、被保険者は、五十八歳通知の状況を見ると、約八・九%ぐらいが自分は違うと言ってきているんです。そうすると、推計すると、八千九百万人のうち八・九%を掛けると約七百九十二万人。
で、現実に集中月間がありましたね。集中月間のときに、社会保険庁とは違うと、コンピューターのオンラインのデータとは違うからもう一回調査をしてくれと言われた方の比率が約一四%。強化月間だから、問題意識のある人、ひょっとして自分は欠落しているんじゃないかという人がどんどんどんどん窓口に運びます。
この五十八歳通知はそういう方ばかりではありません。全然、年金のこととか忘れている人のところにも来ます。だから、百三十万人の方が平均してはがきも回答してくれません。強化月間はそれだけ問題意識があるから、一四%で比率が上がるのは当たり前。そうすると、大体九%から一四%の間で、基礎年金番号が付与されていたとしても欠落をして統合できていない五千万件と合わせなきゃいけない人が、それぐらいの数がいるというのが推計できるわけです。そうすると、私なりに言うと、多分、最低で八百万人以上、それ以上の方が要は自分の持っている年金履歴がコンピューターと自分とがずれていると。
私のこの推論、推論として成り立つかどうか、青柳さん、お答えいただけますか。
○政府参考人(青柳親房君) 推論そのものについてちょっとコメントをするのは差し控えたいと存じますが、ただ、一言だけ私どもの方から申し上げさせていただきますと、五十八歳通知というのは、正に今委員が御指摘になりましたように、年金の裁定前に記録を確認をしてその誤りなきを期すということが本来の目的でございました。
したがいまして、基礎年金番号統合時にも、その基礎年金番号統合のために様々な、いわゆる千八百万件と呼ばれます調査、それからこちらの名寄せでお便りをして統合を図ったものをやったわけですが、それ以外にもこの年金裁定時に統合されていくものは当然あるということは念頭に置いておりました。それをより徹底するために、五十八歳という、年金裁定よりも早い段階でこういう作業をさせていただいておりますので、私どもとしては、この五十八歳通知というのが所期の言わば成果を出しているということの証左をこの数字は示しているものと承知しております。
○福山哲郎君 大臣、重要なのは次の数字なんです。
この五十八歳通知の状況で、実は回答しているのが三十四万六千四百九十七あるわけです。その下の六万六千二十一がこれ調査中なんですが、この三十四万六千四百九十七が本当に被保険者にとって正しいかどうか分からないんです。この三十四万件で、被保険者からの依頼どおりに社会保険庁が、そうですねと、あなたの依頼どおりにあなたの履歴はここにありましたから統合しましたよという数と、依頼者、被保険者から来て、いや、あなたのは履歴がありませんでしたと、コンピューターにもありませんでしたと、マイクロにもありませんでしたと、紙台帳にもありませんでした。ひょっとしたらなくなっているかもしれないわけですから。だから、あなたのこの履歴の変更届は履歴が違うということは駄目ですよと言って拒否をした方、この三十四万六千四百九十七のうち受け入れた人と拒否をした方の数字というのは、これから先裁定を行っていくためにすごく重要な数字なんです。この三十四万六千四百九十七が、拒否をした数と、その被保険者の申出どおりにちゃんと厚労省が変更した数、出してくれと言っても全然出してくれません。これ早急に、材料として重要な材料です。だって、これからどんどん欠落をしている人、統合できてない人が、自分で気付いてどうしようと思うわけですから。
この三十四万六千四百九十七の今申し上げた拒否か受け入れたかの数について、早急に数を出していただけるように、大臣、御答弁いただけませんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この点は同様の趣旨の質疑が既にございまして、それに対して私からだったと思うんですが答弁をさせていただいておりまして、これは調査をさせていただいて出すわけですが、大変恐縮ですがかなりの期間が掛かるということを御答弁させていただきました。具体的には二年程度ということをそのとき言わせていただいたわけでございます。
○福山哲郎君 三十四万件のもう結果をした人たちが、拒否をされたか受け入れられたかについて二年掛かると。さっき、五千万の名寄せだとおっしゃいました。あれは確実に名寄せだったんです、大臣がおっしゃるように。それからまた通知を出してこれと同じ作業をする。つまり、五十八歳通知と同じ作業をすると言っていて、この三十四万件がどうだったかというのが今二年掛かると。
じゃ大臣、この六万六千二十一、こっちがもっと問題なんです。これ調査中なんですね。これ多分、相当混乱しているはずです、この六万六千は。物がないとか領収書がないとか。この六万六千の今の状況はどういう状況か、つまびらかにできますでしょうか。
○委員長(鶴保庸介君) 速記をちょっと止めてくれますか。
〔速記中止〕
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(青柳親房君) 大変失礼いたしました。
通常の場合でありますと、こうして調査未済という形である時点で調べたものにつきましても、およそ一年ぐらいたてば最終的にその回答はさせていただいているというふうに今確認をいたしました。
○福山哲郎君 いや、一年は分かるって、それは回答は分かりますよ。回答の結果はどう分かるんですかと、我々にと。
じゃ、一年程度で回答した、今どのぐらい回答しているか分からない、回答の比率。要は、社会保険庁が訂正を受け入れたか拒否をしたかの比率を、もう今ある段階でいいですよ。要は、平成十六年の三月からこれ、五十八歳通知ずっとしているわけでしょう。この調査をした結果で、受け入れたか拒否したか、それはすごく重要なんですよ。だって、この救済法案では、訂正して初めて時効があれなんですから。訂正されて初めて救われるんですからね。そのすごい重要なサンプルがここにあるわけです。そのことについて、青柳さん答えていただけますよね。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまのお尋ねの意味が六万六千というよりは、要するに全体としての、最終的には四十一万二千五百十八がどうなったかという意味で理解をさせていただきましたが、この点については先ほど大臣から申し上げましたように、いわゆる予備的調査の際にも、これらの分析をするのには大変申し訳ございませんが二年程度の時間が必要だということで回答させていただいておりますので、これは同じ回答だというふうに御理解いただきたいと存じます。
○福山哲郎君 ごめんなさい、何で二年掛かるか教えてください、それじゃ。
○政府参考人(青柳親房君) この回答につきましては、要するに言わば原票に当たるような原書類というものを業務センターという私どもの組織のところで保管をしているわけでございますが、それを一つ一つ言わばその原議にさかのぼって確認をしていくということが必要でありまして、機械で何か処理ができないという、つまり人海戦術でなければ処理ができないという事情があって二年という日時を回答させていただいたと承知しております。
○福山哲郎君 でも、被保険者には回答しているわけでしょう。被保険者に回答している記録は全然残ってないわけですか。
○政府参考人(青柳親房君) 正に被保険者に回答させていただいておりますが、既に回答済みのものも言わばさかのぼって全部探し出して処理をしなければいけないということで日時が掛かるということですので、逆に原議があるので調べることができるという言い方もできようかと存じます。
○福山哲郎君 大臣、でも、これすごい重要な情報なんですよ。大臣、これは早急にね、二年っておかしいでしょう。
そしたら、分かりました、平成十六年の三月から五十八歳通知が始まっています。その一月の、最初の一月で結構ですからその結果を教えてください。こういう特定の仕方だったらやりやすいですよね。
○政府参考人(青柳親房君) ただいまのお尋ねのような前提でどこまで何が作業できるか、にわかにはお答えできませんが、特定の期間を絞って原議を探してみるというやり方について少し、どこまで何ができるかということについて検討させていただきたいと存じます。
○福山哲郎君 検討させていただくということは、やるというのか、やらないというのか、どっちなんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 要するに、どのような形でできるかということについて検討させていただくということですので、やらないという結論を持って検討するわけではないというふうにお受け止めいただければと存じます。
○福山哲郎君 大臣、やってもらえますよね。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは私は、今の福山委員のお話を聞きながら、ちょっとこの五十八歳通知ですともう過去のものになりまして今のような答弁になりますが、これは五十八歳通知というのは毎月やっているわけでございますから、これからやることについてやると、こう言うと、またこれが返ってくるのとか、またそれが時期がまた相手次第みたいなところがあって、それをまた調べるとなると非常に困難なんですが、適切な時期を選んで、一か月を仮に選びますとね、そうするとそれが返ってきていると、四十一万として返ってきて、申出があって、それに対して三十四万何がしのものがこの回答したというようなことで完結している月があれば非常にこれはとらえやすいと思いますが、検討させます。
○福山哲郎君 大臣、ちょっとさっき大臣に確認するの忘れたんですけど、青柳さんには確認しましたが、さっき私が言った推計、八千九百万、二十歳から三十の方はいいとして、約九千万人の受給者と被保険者の中でこの五十八歳通知でいうと約九%から一〇%、相談窓口には一四%ですけれども、延べでいえばやっぱり一割前後の方が基礎年金番号を付与されている方でももう欠落をしていると。そうすると、最低限で八百万人から九百万人、ひょっとすると一千万人の大台を超えるかもしれないという推計についてはどのようにお考えをいただけますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、率直に申して、今委員がお示しになられたこの(a)分の(c)というものが、非常にまあ乖離の少ない幅でというか、三つはもう同じでございますから、並んでいるということに大変大きな関心を持ちました。
○福山哲郎君 ほぼ今のは認めていただいたと思いますが、とにかくそのぐらい、要は八百万、九百万から一千万のオーダーで、基礎年金番号を今付与されている一億四百万人のうちの一千万近くの人がもう実は統合されてない可能性があるんだと。これはやっぱり大事件ですので、そのことはよく認識をしていただきたいと思います。
もう時間がないので、実は基礎年金番号が付与されずに五千万人の中に紛れてしまった別の数字について確認をしたいと思います。平成九年の不在者登録をされている方の人数をお答えください。
○政府参考人(青柳親房君) 失礼しました。
平成九年の基礎年金番号付番時の国民年金の不在者の人数、約百十万人と把握しております。
○福山哲郎君 この百十万人には基礎年金番号は付与されましたか。
○政府参考人(青柳親房君) 基礎年金番号の導入時に不在者として登録をされていた方には、基礎年金番号をその当時は付番をしておりません。しかし、その後、居所が判明した時点で速やかに基礎年金番号を付番させていただいております。
○福山哲郎君 その数は把握をしていますか。
○政府参考人(青柳親房君) 現在、基礎年金番号を付番されている方がかつて不在者であったかどうかという形の記録を持ち合わせておりませんので、申し訳ございませんが把握しておりません。
○福山哲郎君 これは、住所が例えばもう一回明らかになったり移転をしたりして被保険者本人が言ってこない限りは基礎年金番号は付与されませんよね。
○政府参考人(青柳親房君) 平成十四年にこの国民年金の仕事が市町村から国に移る前は、実は住民票の事務とこの国民年金の適用の事務は一体でございました。したがいまして、その際に例えば住所が明らかになる、すなわち、あるところに移転をされて住民票を起こすということになりますと、市町村の窓口で確認をした上で手続を取り、基礎年金番号が付番されるというのが一般的であったと承知しております。
○福山哲郎君 つまり、このときに百十万の人が不在者登録をされていて、基礎年金番号が付与されていないわけです。実は、その方たちには一切通知が行かないわけですから分からないわけですね。これは、要は五千万件の中に含まれていたと思っていいわけですね。もちろん、順次御本人が気付かれたりして自ら基礎年金番号を付与していただくような方があったのは分かっていますが、自らが気付かない限りはそのまま放置され続けてきて、五千万件の中に含まれていると思っていいわけですね。
○政府参考人(青柳親房君) これは、その方が例えば他の手帳の記号番号をお持ちであるということを前提にしてよろしいと思うわけでありますが、いずれにいたしましても、可能性として、五千万件の中に含まれている可能性はあろうかと存じます。
○福山哲郎君 つまり、これもそのときに不在者登録をたまたましていただけで百十万の方の何割かはそこで復帰をされている方がいらっしゃると思いますけれども、実は五千万の中に含まれているような状況が放置をされています。これに対して、不在者ですから社会保険庁が何かできるかというとなかなか厳しいと思いますが、しかし市町村に問い合わせるなり、今言われた平成十四年からやられてきたことも含めて積極的にやらないと、つまりそこを放置してきた事実は間違いないわけですが、そのことに対する責任はどうお考えですか。
○政府参考人(青柳親房君) 国民年金の不在者登録につきましては、甚だ不面目ではございますが、昨年の不適正免除問題の際にこれがかなり不適切に運用されているということが顕在化いたしました。
したがいまして、私どもは、現在この不在者で登録されている方について一件一件を市町村に御協力をいただきながら言わば消し込みをすると、すなわち本当に不在であるかどうかということの消し込みをしていくという作業をしておりますので、その作業の過程で、ただいまお尋ねのあったような、例えば基礎年金番号がいまだに付番されていない方の解消も徐々に図られるかなというふうに考えておる次第でございます。
○福山哲郎君 私が言おうと思ったことを青柳さんわざわざ言っていただいたわけですが、昨年の不適切な処理のときに、要は納付率を上げるために、分母を減らすために、大臣、不在者登録を勝手にしていたんですよ。去年、不在者登録十万件していたんですよ。これが過去においてもやっていたかやらないか、それはつまびらかではありません。しかし、少なくともさっき申し上げた基礎年金番号を付番したときの百十万人の方は、先ほど言われましたけど、不適切なことがあってから市町村で一個一個いわゆる確認するようにしていくようになったとおっしゃられましたけど、要はずっと、平成九年からですから、九年間社会保険庁は放置し続けたんですよ。その百十万人の中でどれほどが社会保険庁が不適切な、勝手に不在者登録をしてきたかまでは、私はそこは問うつもりはありません。しかし、少なくとも百十万の方が基礎年金、付番をされなくて五千万件の中に含まれていたという実態があって、やっと改善されたのは、自分たちが十万人も一年間に不在者を勝手に登録した結果反省を踏まえてと、これやっぱりお粗末過ぎませんか、大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう全く不適切極まる事務処理でございまして、そういうことで、この不適正処理については直ちに元に戻しまして、それで改めてまた確認をしながら、本来の不在の方について、本当に一軒一軒戸別訪問して確認しながら適切な処理の方に戻しているという状況でございます。
いずれにしても、厳しく反省しないといけないと、このように思います。
○福山哲郎君 つまり、当時の不在者の百万人も実は五千万件の中に入っているんですよ。それを一つ一つ統合していく形で、先ほど確認ができたので、もうしつこく言いませんが、一年でそれが全部できる統合ではないということは明らかなんです。ただの名寄せなんです。それでは国民は救われないんです。そのことを申し上げて、時間になりました、私の質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。