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2004

第161国会 参議院 予算委員会 2004年10月21日


Winny事件、政治とカネの問題について

○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。福山哲郎君。
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
 まずは、冒頭、前田委員もおっしゃられましたが、台風二十三号の影響で、死者が二十四人、行方不明者が三十五名というふうに承っております。また、私も谷垣大臣も地元の舞鶴では、国道百七十五号線でバスが立ち往生して三十数名の方が、十七名の方か、立ち往生しまして、今第八管区海上保安本部が救助に行っていただいておりますし、海上自衛隊からも今日の朝の早朝六時十分ぐらいに救援に行っていただいていると伺っております。
 村田防災担当大臣におかれましては、是非、全国的に被害が広がっていると思いますので、迅速な対応をよろしくお願いしたいと思います。また、防衛庁長官におかれましては、自衛隊の皆さんが雨の中大変頑張っていただいております、心から感謝を申し上げるとともに、これまた迅速な対応をお願いしたいと思います。
 また、地元でございます谷垣大臣、一言、財務大臣でございますが、お互い地元のことですし、福知山も実は一万五千人にわたって避難勧告が出ていると承っておりますので、一言御決意をいただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど前田委員からも由良川の件お触れをいただきました。今、福山さんからもお話をいただきました。この部屋の中では二之湯さんも選挙区でいらっしゃるわけですが、大変な被害でございまして、今朝私も選挙区に電話を掛けましたら、昨日避難指示が出たということで私の地元の町も一万数千名が退避するということでございました。そういう中で、自衛隊や海上保安庁あるいは消防団、警察、全力を挙げて当たっていただいているのは誠に有り難いことだと思っております。
 そこで、決意を述べろということでございましたが、今年度のこの自然災害の被害も相当な額に上がっておりまして、まだこの今次の被害は私の手元に数字はもちろん来ておりませんが、十月十五日現在で、七千二百五十九億だったと思いますが、平年を上回る水準になっております。財政をお預かりする私としましても、災害復旧事業の執行であるとかあるいは激甚災害への対応と、これは迅速に的確に行われるように私の方も全力を挙げて努めなければならないと思っております。
 今のところは、今の御趣旨は財政面から大丈夫かという御趣旨であったと思いますが、今のところ、当初予算できちっと対応できると思っております。将来のことはまだ、先のことは分かりませんが、被害額も先ほど申し上げたより更にこれは増えてまいりますから、これは場合によっては予備費の使用ということも考えなければならないかもしれません。
 全力を挙げて対応してまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 大変力のこもった御発言をいただきましてありがとうございます。是非、災害に関しては与野党関係ありません、内閣挙げて是非よろしくお願いをしたいと思います。
 私、今日、また政治と金についてやらなければいけないんですが、ちょっと政治と金をやり出すと時間がなくなりますので、どうしてもやっておきたい問題について一つだけ、これもちょっと与野党関係ない課題になりますが、ちょっと重要なので御質問させていただきたいと思います。
 実は、今年の五月の十日に、P2Pというファイル共有ソフトの開発者である東大の大学院の助手の金子さんという方が著作権法侵害の幇助容疑で逮捕されまして、三十一日に起訴されるということが起こりました。
 法務省、起訴事実についてお聞かせください。
○政府参考人(大林宏君) お答え申し上げます。
 お尋ねの事件の公訴事実の概要は、被告人は、外二名の者が、それぞれ法定の除外事由がなく、かつ、著作権者の許諾を受けないで、著作権者が著作権を有するゲームや映画の著作物の各情報につき、そのハードディスクにこれらの情報が記録されているパーソナルコンピューターで、インターネットに接続された状態の下、ファイル共有ソフト、ウィニーを起動させ、同コンピューターにアクセスしてきた不特定多数のインターネット利用者に自動公衆送信し得るようにし、各著作権者の著作権を侵害した際、これに先立ち、ウィニーが不特定多数者によって著作物の公衆送信権を侵害するデータの送受信に広く利用されている状況にあることを認識しながら、その状況を認容し、あえてウィニーを自己の開設したホームページ上に公開し、二名の者にそれぞれこれをダウンロードさせて提供し、もって二名の者の犯行を容易にさせて、これを幇助したというものでございます。
○福山哲郎君 もう非常に難しいので私も分かりにくいんですが、実は、このウィニーという共有ソフトは、世界じゅうでもう今実は開発競争をやっている非常に優れたソフトで、実はこのウィニーというのは、日本のこの技術者の方が作られまして、非常に優位性があるというソフトでございます。
 実はこれ、逮捕された後、すぐ技術者の間で支援のホームページが立ち上がりまして、カンパだけであっという間に一千六百万円集まったという状況でございます。
 そして、これ実は、総務省もIT政策大綱の中にこのP2Pという共有ソフトについて言及されています。総務大臣、総務省のこのP2Pソフトについての見解をお聞かせいただけますか。
○委員長(中曽根弘文君) 総務省鈴木政策統括官。
○福山哲郎君 えっ、せっかく大臣が……。
○委員長(中曽根弘文君) 失礼。麻生総務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) やります。ええ、その程度のことなら分かっておりますので。
 P2Pというのは、これ、ピア・ツー・ピアが正確なんだと思いますので、ピートップなんと言う人もいらっしゃいますので、ピア・ツー・ピアが正確なところだと思いますが。
 基本的には、これはもう十六年度IT政策大綱におきまして、書かれておりますのを読み上げさせていただければ、セキュリティーや品質画面の問題を解決したピア・ツー・ピア型公共分野高度情報流通を実現するための技術開発を推進すると決めておるんです。
 したがいまして、私どもとしては、この今でも情報通信研究所等々におきましてこのアクセスのいわゆる管理技術、そういったようなものを研究開発を行っているところなんで、このウィニーだけについて聞けと言われても、今これは係争中の話でありますし、もう既に片っ方は起訴ということになっておりますし、有罪判決も二名のうち一名は出ておりますので、その意味では、この問題についてどうかと言われると、ちょっと答弁はできません。
○福山哲郎君 総務大臣の方が私よりもお詳しいかもしれません。
 経済産業大臣、このP2Pの、P2Pのソフトについての開発についてどのような御認識か、お答えいただけますか。
○国務大臣(中川昭一君) 私も詳しいことはよく分かりませんが、この専門的な話はよく分かりませんが、いわゆるP2Pという、不特定個人間のファイルの共有ということ自体は、ほかにも、このウィニー以外にも今開発されておりますし、ある意味では開発競争、広い意味のこのIT時代のソフトの競争の一つの大きな成果だろうとは思います。
 したがって、今、総務大臣からもお話あったように、一般論として、非常に我々としてもこういう技術があるということはいいことだというふうに思いますが、このウィニーに関しては、今司法当局の手にゆだねられておりますので、このことについての評価については差し控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 実は今の発言は総務大臣も経産大臣も問題でして、実はウィニーについての認識はお答えいただけるはずなんです、これは技術の問題ですから。要は、先ほど総務大臣が、二人逮捕者が出ていると言って、一人が有罪だと言われると非常に誤解を招くんですが、二人は共有ソフトを使ってダウンロードをして著作権を侵害したから逮捕され有罪になったんです。彼は開発者ですから、金子さんは。そこは全く違うので、そこは難しい話ですけれども、ここは一緒くたにすると非常にこれから問題になります。
 すごい分かりやすい例を言います。
 高速道路を造って、そこで百キロで車が走って、その百キロで走った人が捕まったからといって、高速道路を造った人が有罪になるかというと、有罪になりません。包丁を作って、包丁でこれは料理を使うためだと思っても、それをだれかがそれを使って何か殺傷事件を起こしても、その包丁を作った人は有罪になりません。これは当たり前の話でして、これは開発者というレベルで御議論をいただきたいんです。
 その点で、ウィニーというものに対してどういう御認識か、お答えください。
○国務大臣(中川昭一君) ですから、技術という観点だけで申し上げますと、もとより私は素人でございますが、ほかにも同じようなものは既にできているわけでありますから、じゃ、ほかの人たちも、じゃ逮捕されているかというと、そうではないわけであります。ですから、容疑は今刑事局長の方からお話ありましたが、著作権法あるいは著作権法違反幇助という容疑だそうでございますけれども、技術としてはいいということと、それから、例えばこういう問題、一般論として私どものところで今非常に関心を持っておりますが、知的財産の保護という問題、あるいはまたプライバシーの問題、こういう問題も出てくるわけでありますので、いいものを作ったから後は何をやってもいいかどうかということは、それとこれとはまた別次元の問題ですので、トータルとしてお考えをいただきたいと思いますし、今その司法の手にゆだねられているということも、技術のこと以外のことも含めた御判断を今されていることだろうというふうに思っております。
○福山哲郎君 じゃ、もう一つ確認しておきます。
 P2Pの、これは確認として、P2Pの開発をこれから日本国内でやっていくということに関しては経済産業大臣としては奨励をしていくということですね。
○国務大臣(中川昭一君) 不特定の個人間の情報のやり取りを共有できるというものがP2P、ピア・ツー・ピアだというふうに私は理解をしております。私もう本当に分かりませんので、間違っていたら訂正いたしますが。
 だとするならば、私はそれは非常に、先ほど申し上げた、知的財産の侵害がないとか、あるいはまたプライバシーの侵害がないとかいうその法的な、あるいはまたほかの人に対するダメージがないという前提でやれるということは一杯あるんだろうと思います。
 例えば、今、福山議員も冒頭おっしゃられた災害情報なんというのも、ある地域の災害情報、急に雨がこの地域で降りそうだから、もう家族も子供たちも早くもう外に出ないで家に帰りなさいみたいな大容量の情報を瞬時にピア・ツー・ピアで多数にばあっと送るというようなことも、正に今日のこの瞬間にも役立つようなこともあると思いますから、それ自体は否定はしておりません。
○福山哲郎君 著作権法侵害幇助でこれまで逮捕、立件された例はあるかどうか、お答えください。
○政府参考人(大林宏君) お答え申し上げます。
 御質問については、統計上、著作権法違反ということであれば多々例がございますが、今のようなソフトウエアの、本件のような事例というものは今回が初めてだと、こういうふうに承知しております。
○福山哲郎君 いや、もう少し、幇助で立件されたことがあるかどうか、お答えください。
○政府参考人(大林宏君) 統計上、著作権法違反とその幇助罪で区別したデータというものを今収集していませんので、具体的にはちょっと、今の時点ではちょっと把握できません。
○福山哲郎君 ちょっと待ってください。僕、昨日、事前の質問していますから、事前の質問ちゃんとしていますから。通告していますから。
○政府参考人(大林宏君) 今申し上げたとおり、幇助罪との関係で分けた統計がないものですから、今の時点ではちょっとお答えしかねるということでございまして、更に調査できるものなら調査したいと、こういうふうに考えております。
○福山哲郎君 私の認識では幇助罪で逮捕、立件された例というのはないんですね。そうすると、これ民民なんですね。
 それで、先ほど経産大臣もよく言われましたように、共有できるというのはもうこの技術では当たり前の話なんです。相手は、使った側の問題なんです。
 ところが、先ほど刑事局長は起訴事実のときに、いろんな共有できるものを認識しとおっしゃいました。その認識の問題だと。だって、認識しているのは、開発している人間なんか認識しているに決まっているじゃないですか。それで、いきなり民民のものに警察が出てくるんだったら、幇助罪の成り立つ構成要件を明らかにしてくれないとだれも開発できなくなりますよ。構成要件、幇助罪の構成要件をお答えください。
○政府参考人(大林宏君) まず一般論として申し上げますと、幇助罪の構成要件は刑法第六十二条にありまして、「正犯を幇助した者は、従犯とする。」というのが構成要件でございます。
 今、委員おっしゃられる御趣旨は分かりますが、私どもとしても、このようなファイルというものの譲渡についてすべて犯罪になると、あるいは幇助罪が成立するというふうに考えているわけではございません。
 本件におきましては、ウィニーの作成者の認識といいますか、それが著作権法違反に使われるかどうかという証拠判断の問題、最終的にはその問題に尽きるのではないかと。ですから、ソフト自体、その役目、先ほども大臣の方から御意見ございましたように、ソフト開発自体を捜査機関が妨げると、こういう意思は毛頭ございません。
 ただ、そのソフト、個々の性格を持っておりまして、開発者自体の認識が、そういう著作権法違反の行為が十分行い得るというような状況の下で開発されたというふうな認定がされた場合には、それは犯罪成立というふうに認められる場合があるというふうに承知しております。
○福山哲郎君 いや、それなら余計問題ですよ。
 それじゃ、認識ということは内心の問題じゃないですか。内心の問題に警察がいきなり来て逮捕と、こんな乱暴な話ないじゃないですか。今まで幇助罪というのはないんですよ。構成要件も明らかにしていない。そうしたら、これから開発していこうと、世界にこの共有ソフトを、日本で知財だと言っている我が国は一体どうするんですか。これ、開発者がみんな萎縮しているんですよ。法務大臣、僕、実は昨日全部法務大臣と……
○政府参考人(大林宏君) 今のことについて御答弁申し上げますが、これは先ほどから出ていますように、既に刑事裁判にかかっている問題でございます。具体的な証拠関係について言及することはできませんけれども、内心的意思にとどまっている限りという形で、それだけで刑事裁判になっているかどうかということについて具体的には申し上げられませんが、それはそれなりの証拠収集がなされているというふうに考えております。
○福山哲郎君 じゃ、今回、ウィニーのどこが問題で、どうすれば開発者は逮捕されなかったのか教えてください。
○政府参考人(大林宏君) 個々の事件でございます。現在、裁判中でございまして、その裁判結果を待たなければこの行為に対する評価ということは、言及することは困難だというふうに思います。
○福山哲郎君 これまでの議論を聞かれて、法務大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 この事案につきましては、検査当局において、法と証拠に基づいて適切に処理していると考えております。
 御委員の御指摘のとおり、ソフトウエアに関しましては様々な議論がございます。今後、更に勉強しながらそういった問題についても……。
 以上です。
○福山哲郎君 もう時間がもったいないのであれですが、これ公判終了まで時間が掛かっている間、世界じゅうではP2Pのソフトの開発を進めているんです。
 もう一個、経産大臣、経済産業省に未踏創造プロジェクトってありますよね。何でしたっけね。未踏ソフトウエア開発事業ってありますよね。その概要についてお答えください。
○国務大臣(中川昭一君) 御指摘の未踏ソフトウエア創造事業というものは、経済産業省の関連団体でございます情報処理振興事業協会というところが実施しております事業の中でこの事業がございます。
 関係あるかという御質問が次に出てくるんだとすれば、次に……
○福山哲郎君 もうお答えください。
○国務大臣(中川昭一君) いいですか。
○福山哲郎君 はい。
○国務大臣(中川昭一君) この未踏ソフトウエア創造事業に、この、今回その著作権法違反幇助罪で逮捕された人を含めた人々が、複数のメンバーが申請いたしました事業に対しましてこの情報処理振興事業協会の未踏ソフトウエア事業の支援事業になっております。
 ただ、また次に御質問が来るかと思いますので。よろしいですか。
○福山哲郎君 ありがとうございます。はい、どうぞ。
○国務大臣(中川昭一君) この事業と今のP2Pのウィニーの開発とは全く関係しておりません。
○福山哲郎君 今お話しいただいたように、実はこの金子さんというのは、経産省の平成十二年、十三年度の双方向型ネットワーク対応仮想空間共同構築システムというもののプロジェクトチームのメンバーで仕事をしている方なんです。それぐらい実はこの方は優秀な方だったんです。
 ですから、こういうときに、幇助罪という今まで例がないもので逮捕されたら、開発者はみんなうろたえるんです、動揺するんです。
 もう一度聞きます。
 この幇助罪についての構成要件をお答えいただかないと、これ、開発者がみんな注目しているんです。お答えください。
○政府参考人(大林宏君) 幇助罪自体の定義は先ほど申し上げたとおり、「正犯を幇助した者は、従犯とする。」ということでございます。
 ただ、もう少し詳しく、要するに今の構成要件の問題について、違法性の問題ですけれども、先ほども申し上げたとおり、すべてのそういうソフトが、譲渡、提供が犯罪になるというものではないということが基本だと思います。
 ですから、委員御指摘のように、そういう開発行為自体を妨げるような犯罪、あえて犯罪を作ってそのようなものを妨げるという意思は私どもにはございません。個々具体的な事件において、その証拠を判断して決めるしかないというふうに考えております。(発言する者あり)
○福山哲郎君 答えになっていない。僕は一般論として、一般論として──答えてない。答えてない。ちょっと理事、お願いします。あれじゃ答えにならない。
○委員長(中曽根弘文君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。
○福山哲郎君 じゃ、本件の違法性と構成要件に絡めてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(大林宏君) 構成要件について今お尋ねですので、まず著作権法違反というのは、もう御案内のとおり、著作権法に、著作権を侵害した者については、三年以下の懲役又は三百万円以下の、ごめんなさい、三百万円以下の罰金に処するというまず構成要件があります。
 それから、先ほども申し上げたとおり、幇助については、先ほどの幇助行為というその刑法の定めがありまして、幇助行為とは、一般に実行行為以外の行為であって、正犯の実行を容易にするものと、こういうふうに解されております。これが構成要件でございます。
 それから、違法の問題をお尋ねでございます。個々の行為が著作権法違反に該当するか否かは、収集された証拠に基づいて判断される事柄でございます。今の違法というのは、その構成要件、今のような、まず著作権違反の行為があります。お客さんの方というか、譲受人の方があります。それに対して、その著作権法違反を容易にするような行為についてどの程度認識していたかということが証拠上の一番問題だと思います。
 ですから、そこは、私もウィニーの詳しいことは存じませんけれども、公判中のものでございますけれども、一般的に言えば、そのウィニーの性格、あるいは作られた方の認識、これは認識は内心のものも含みますし、いろいろ御本人が第三者に対して発信されている言葉とかいろいろなものが総合的にどのような認識を持っていたのかということを最終的には判断して起訴されたものだと承知しております。最終的には裁判所の判断を待つより仕方がないと私どもは考えております。
○福山哲郎君 金子さんは、自分のメルマガとか2ちゃんねるへの投稿に、人の著作物を勝手に流通させるのは違法ですので、そこを踏み外さない程度でテスト参加をお願いしますとか、このソフトにより違法なファイルをやり取りしないようお願いしますという書き込みさえしているんですよ。
 どうお考えですか、今のを聞いて。内心の問題だという議論なんですか。
○政府参考人(大林宏君) 今のは正に証拠の問題でございます。委員が御指摘のような形のそういう発言があるとしたならば、それをどう見るかという、そういう証拠判断の問題だというふうに思います。
○福山哲郎君 アメリカやカナダでこのファイル共有のソフトがどういう判例があったか、お答えください。
○政府参考人(大林宏君) お答え申し上げます。
 お尋ねにつきましては、起訴当時、様々な報道がなされたことを承知しております。法務省として、今御質問の件を正確なところを収集しておりませんので、具体的なところは私ども分からないという状況にございます。
○福山哲郎君 昨日、事前通告していた。そんなの、調べりゃしまいじゃないですか。
○国務大臣(中山成彬君) お答えいたします。
 著作権侵害の幇助罪に関するアメリカ及びカナダにおける刑事裁判事例は、把握しておりません。
 なお、アメリカにおけるファイル交換ソフトの主な民事裁判事例といたしましては、ナップスター事件及びグロクスター事件が挙げられます。
 ナップスター事件は、中央サーバーを通した中央管理型のファイル交換システムを用いて著作物のファイル交換を行うことが著作権侵害に当たるとして、アメリカのレコード業界がナップスター社を提訴したものであり、連邦控訴裁判所は二〇〇一年、ナップスター社の著作権間接侵害を認めました。
 一方、グロクスター事件は、中央サーバーを介さない非中央管理型のファクス交換システムを用いて著作物のファイル交換を行うことが著作権侵害に当たるとして、米国の映画業界、レコード業界等がグロクスター社を提訴したものでありますが、連邦控訴裁判所は二〇〇四年、グロクスター社の著作権間接侵害を否定しました。その後、連邦裁判所に上訴されております。
 また、カナダにおきましては、カナダのレコード業界がインターネットサービスプロバイダーに対して非中央管理型のファイル交換システムを用いたユーザーの身元の開示を要求した事件で、連邦裁判所は二〇〇四年、ユーザーのダウンロード行為は個人使用のための複製行為であって著作権侵害には当たらないとした裁判例があります。
○福山哲郎君 という状況なんですね。
 これ実は大変問題だと思っていまして、共有ソフトを使って新しいビジネスをしようとしている会社もたくさん出てきています。提訴が、この裁判というか、判決が出るまでみんな実は結構動きにくい状況になっておりまして、これ経産大臣どう思われますか。
○国務大臣(中川昭一君) 著作権法そのものは文部科学省でございますから、私の所管ではございませんけれども、私も、音楽を聴くときに、個人用に昔でいうと録音する、今でいうとダウンロードするのは問題ない、それ以外の使用にしてはいけないということが明示、書いてありますし、私はそういうふうに理解をしております。それが不特定多数の方々のところに行くということはどうなのかというところが、多分、今司法当局のところに行って判断を仰がれているんだろうと思いますけれども、経済産業省といたしましては、とにかく、先ほど台風情報、災害情報の例を申し上げましたけれども、いろんな形で有用な使い方があると思いますし、それはやはり法律に違反をしないということが前提であると思いますし、法律に違反するか違反しないかは捕まって裁判をしてみなければ分からないというものでも私はないというふうに思っておりますので、その辺のことはないようにしながら、しかしその技術の進歩、それによって利用されるユーザーの皆さんの利便というものが前進していくことを我々としてはお手伝いをさせていただきたいというふうに思います。
○福山哲郎君 今の御答弁、分かるんですが、もう一度確認、確認というか、確認します。
 著作権法の侵害は違法なんです。それは私も認めているんです。開発をした人間が幇助で捕まっているんです。いいですか。著作権法で違反した人間が、侵害した人間が捕まるのは、それは当たり前の話なんです。幇助で捕まっているから、開発者が、じゃ、こういう共有ソフトをこれからどんどん開発していったら、どこでだれがそれをダウンロードして使うか分からないのに、その人が何か違法なことをしたら自分が捕まってしまうんだと思ったら開発できないだろうという話を私はしているんです。
 これ、竹中大臣はよく、お詳しいと思いますが、どう思われますか。突然振って申し訳ありません。
○国務大臣(竹中平蔵君) あのナップスターの件以降、P2Pに関しては様々な議論が専門家の間にあると思います。そのための開発競争、日本もしっかり取り組まなければいけないということで、経産省もしっかりやっておられると思います。
 恐らく、これは私は全く当事者ではございませんが、今のやり取りを聞いて一つ思いましたのは、今委員が、道路を造っても罪にはならないだろう、それを違反して走った人が悪いんだろうと。ただし、もしもこの人は、例えばその先に行って放火をしたいと、そういう犯罪性を持っているということが分かっていた上でその人の逃亡を助けるような道を造ったんであるならば、それはその道を造った人はやっぱり罰せられるであろうと。恐らく、それがどういうことなのかと、それがそういう目的を持っていたのかどうかということが裁判で争われているのではないかと思います。
○福山哲郎君 まあ、そういう御判断をください。
 我々は、実は一太郎というソフトがあったのが、いつの間にかマイクロソフトに全部席巻をされました。この改良、共有ソフトは、実は日本のこの金子さんの技術は世界的にも非常に優れた評価がありました。それが逮捕をされることになりました。私は金子さんをかばうわけではありません。その違法性が本当にあれば、それは公判で争えばいい話だと思います。しかし、この時期にこういうことをしていることは、私は非常に損失だと思いますし、ましてや経済産業省が開発プロジェクトチームの一員に加えていたような人を逮捕した。
 僕は、京都府警が逮捕したことに対しても、サイバー室というところが、実は一生懸命これ、今サイバー犯罪を取り締まりたいということに対して頑張っておられることも評価します。しかし、ここは総務省も経産省も法務省もみんなばらばらの対応で、どこが内閣挙げて知財立国なんですか。総理、一言最後、御感想をください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、経産省が逮捕したというのは、それは……
○福山哲郎君 経産省じゃないです、京都府警。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) だから、経産省、かつて協力していた方であって、別に経産省が逮捕したわけではないと思っております。
 私は、IT、これは日本のみならず、世界がいかにIT国家になろうかと今しのぎを削っている。日本としてもIT世界最先端国家になろうと努力している。同時に知的財産立国を目指している。この双方を実現する。インターネットにおける著作物をいかに保護するかと、これは極めて大事でありますので、関係省庁連携して双方が実現できるように今後適切に対応していかなきゃならないということをお話を聞いていて感じました。
○福山哲郎君 最後に付け加えておきます……
○国務大臣(麻生太郎君) 関連させて、関連させて、福山先生のお話ですけれども、この金子先生の話は、有能であることはもうかなり、分かってない人は全然分かってない人になるんですけれども、分かっている方においちゃ、もうこの方極めて有名な人です。
 しかし、その本人が五月十日のその当日に供述しておられる内容をここに、新聞報道ですが、結果的に自分の行為が法律とぶつかるので逮捕は仕方がない、コピーが簡単にできるネット社会が放置されていることに疑問を感じる、変えるには著作権法違反状態を蔓延させるしかないと考えたと供述しておられるそうです。あくまでも法律、新聞の話ですからね。新聞に書いてある話が全部本当だったら世の中あれですけれども、ここにはそう供述したと書いてあります、この新聞によれば。
 私どもの立場としてこれどうするんだと言われるんであれば、これは、便利なものができてくるとそんな、世の中便利になる、安くなる、非常に利便に供するというのは確かですが、それと同時にそれを悪用するのが出てくることもまた確かなんで、恐らく常に世の中そういうものだと思いますんで、このバランスが、このコンテンツ、コンテンツ、その使い方の、利用する人の倫理とかいろんなものが関係してきますんで、これは常に追っ掛けっこなんだとは思いますけれども、私どもとしてはこれバランスを取ることが大事なんであって、この種の便利なもののソフトというものは、これは私ども政府としては積極的に開発を進めていく、かつそれは著作権法とうまくバランスさせていくという、そこのところ、作り方が難しいと申し上げているんであって、政府としての中、何かばらばらというわけではないという具合に御理解いただければと存じます。
○国務大臣(中川昭一君) 今総理からもお話ありましたが、まず一つは、ITで政府が一体となって世界一を目指そうとやっております。それから知財においても、若干アメリカ等に比べると後れぎみであった知的財産立国、つまり権利の保護と、権利、その法、価値の利用という両面をどうやって、その法制度も含めてやっていこうということもやっております。これはまあ一見矛盾するようですけれども、実は矛盾しないと私は思っております。知的財産がきちっと守られることによって更に技術の進歩があるというふうに私はとらえたいと思っております。
 そういう意味で、今回のこの不特定多数の間の個人間の情報のやり取りソフトと、大変すばらしいことだろうと思います。でも、それはそれとして、今麻生大臣や竹中大臣からも御答弁ありましたように、やっぱり必ずその一つの政策を進めていくと何か弊害なり障害なり、また課題が出てまいりますから、それが知的財産の権利の問題である。
 つまり、知的財産を持っている方の、コンテンツをそもそも持っている方から見れば、どんどんどんどんそれでもって結果的に、結果的にですよ、大勢の人に、一枚幾らで買ってもらえたものを、ただでダウンロードされてどんどんどんどん配信されちゃったんじゃ、これはこれでまたコンテンツの問題としていかがなものかという問題が知的財産の側からの論理としてあるわけでありますから、その辺も御理解いただいて、後は司法判断を待ちたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 私は、麻生大臣や中川大臣がおっしゃられたことに対して異論を唱える気はございません。今回に関しては、別に政府を何かやり込めたいみたいな思いで言っているわけでもございません。逮捕が不当だと言っているわけでも、先ほどから申し上げているように、言っているわけでもありません。その構成要件をはっきりさせていただく、幇助というものが初めてだったと。こういうことがこれからも起こり得るかもしれないので、是非、内閣の皆さんに御認識をいただきたいと思ってお話をさせていただきましたから、知財が大切だ、それによって悪用する人間も出てくる、そのバランスをどうするかという議論は重要だと思いますが、あいまいなほど実は開発者は不安だということは御認識をいただきたいということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 では次、政治と金に行きます。
 実は、先ほどからのウィニーの件は南野大臣にお答えをいただきたかったんですけれども、なかなか厳しそうだったので。
 お伺いします。南野大臣、衆議院でも聞かれたみたいですが、平成十四年度、日本看護連盟から南野法務大臣ののおの知恵子後援会には一体幾ら献金額がありましたか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答え申し上げます。
 少し長くなりますが、のおの知恵子後援会は、日本看護連盟のメンバーが私の政治活動を支援するために成立した政治団体であり、私の資金管理団体ではございません。私の資金管理団体は、南野知恵子と共に政策を考える会、これがそうでございまして、看護連盟からのおの知恵子後援会に対して寄附がされているということで、あたかも看護連盟から私のところに寄附がされているように言われておりますけれども、これは大きな誤解でございまして、のおの知恵子後援会は、形式的にも実質的にもその資金を管理しているのではありません。
 端的に言うと……
○福山哲郎君 管理しているのではありません。
○国務大臣(南野知惠子君) ええ、私がですね。
 端的に言いますと、看護連盟からのおの知恵子後援会に御指摘の寄附があったことについて、私自身そのような御指摘があるまでは承知しておりませんでしたが、これをどのように使ったのか、どの程度の繰越金があるのかということについても、これまた承知しておりませんので、もっとも報道などでは御指摘をいただいた、これが直接のお答えになりますが、念のため聞いてみました。
 そうしますと、平成十四年、のおの知恵子後援会は日本看護連盟から、これ、のおの知恵子後援会はです、看護連盟から二億円の寄附を受けていたと聞いております。使途、繰越金等についてはよく知りませんが、のおの知恵子後援会会員の登録作業委託費や、のおの知恵子後援会幹部の名刺などの作成、印刷費などに使われたと聞いておりますが、その多くは使われないで残っているようでございます。
 これが十四年度の分でございます。
○福山哲郎君 支出総額をお答えください。
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたしますが、その支出総額等については承知しておりません。
○福山哲郎君 だって、事前通告していますから。委員長、事前通告しています。
○国務大臣(南野知惠子君) 看護連盟は私がいろいろとお聞きし、お尋ねし、する会ではございませんので、私が資金管理団体として知っているのは南野知恵子と政策を共に考える会でございます。
○福山哲郎君 総務省で出ているんじゃないんですか。
 だって、通告しているんですから、知らないのはおかしいんです。
○国務大臣(南野知惠子君) やはり同じ答弁になります。のおの知恵子後援会は私の支援団体であって、資金管理団体ではありません。その運営や会計の詳細について口を出したり、あれこれ言ったりして、言えるような立場にはありません。
○福山哲郎君 いや、昨日事前通告しているので、調べたら終わりの話ですから、お答えください。
○国務大臣(南野知惠子君) 繰り返しになりますが、私がお願いして調べる立場にはありません。
○福山哲郎君 何で答えられないんですか。
○国務大臣(南野知惠子君) 資金管理団体ではございませんから。(発言する者あり)
○委員長(中曽根弘文君) 速記、止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。
○福山哲郎君 資金管理団体でないことは私も理解をしています。ただ、のおの知恵子後援会といって、南野先生をお支えいただいている後援会ですから、そこに何で、逆に言うと、昨日ちゃんと事前通告をしていますので、例えば電話一本していただいてもいいし、法務省さんの役人を使って調べていただいてもいいですし、十分それはお答えいただけると思うんですが、どうですか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答え申し上げます。
 やはり資金管理団体、私の資金管理団体ではございませんのでお答えできません。
○福山哲郎君 だって通告しているのに答えられないじゃ、もう質問できないじゃないですか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたしますが、幾ら通告をしていただきましても、私がそれを調べる立場にありませんので、お願いすることはできません。
○福山哲郎君 だって、南野先生の後援会じゃないんですか。(発言する者あり)独立した政治団体、分かりますよ。でも、のおの知恵子後援会、南野先生をお支えいただいている後援会でしょう。
 じゃ、何で収入はお答えいただけたんですか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 その全体の収入は報道にもされておりますし、(発言する者あり)ええ、そういうところでその部分については知ることができました。
○福山哲郎君 さっき念のために聞きましたと言われましたよね。で、法務大臣は質問通告に対して、自分の後援会の数字を調べないで新聞報道で答えるんですか。それしか数字が把握できないんですか。
○国務大臣(南野知惠子君) 先ほども申し上げました。私が知っておりますのは報道された二億円、そしてその次の年の一億五千万円というのは、調べておりますが、それ以上のことは承知いたしておりません。(発言する者あり)これは私の設立した会ではなく、運営や会計に関与しておりませんので、それについて調査してくれと言う権限はありません。
○福山哲郎君 ごめんなさい。総務省のホームページに出ているそうなんですけれども、今調べてきてください。(発言する者あり)何でだ、質問通告しているのに。けしからぬこと言うな、質問通告しているのに。だって調べてくれりゃいいじゃないですか。
 何でお答えできないんですか。何でお答えできないのか、ちょっとお答えいただけますか。
○国務大臣(南野知惠子君) 度々御質問いただき、済みません。
 私の設立した会でもございませんので、運営又はその会計については私が関与しておりませんし、また調査する権限は持ち合わせておりません。
○福山哲郎君 南野先生、じゃ済みません、申し訳ありませんが、のおの知恵子後援会は南野先生の選挙とかはお手伝いいただいているんですか。
○国務大臣(南野知惠子君) お手伝いいただいております。
○福山哲郎君 そしたら、のおの知恵子後援会の会計責任者とか役員がもし万が一公選法違反で選挙違反とかしたら連座の対象になりますよ。そうですよね。法務大臣ですから分かるでしょう。お答えください。
○国務大臣(南野知惠子君) 具体的な事案でございます。それについてはお答えできません。
○福山哲郎君 刑事局長お答えください。(発言する者あり)
○政府参考人(大林宏君) 一般論でございます。
 その連座の関係でございますと、組織的選挙運動管理者等に係る連座要件の有無に関するものでございます。最終的には連座訴訟を審理する裁判所によって判断されるものだというふうに考えております。
○福山哲郎君 いや、だから、じゃ、のおの知恵子後援会ではなくてもいいですわ。その政治団体の役員さんが何か選挙違反とかをしたら、連座の対象になりますよね。
○政府参考人(大林宏君) 今も申し上げたとおり、後援会に所属する人という形ではなくて、組織的選挙運動管理者等に当たるかどうかということが問題となります。
○福山哲郎君 もう、実は僕、これ全然入口なんですよ。別に南野法務大臣を何かやろうと思っていたわけでは全然ないんですが。
 支出は、もう申し上げます。先ほど申し上げましたように、平成十四年で収入が二億円、本年の、収入が二億円で、支出総額が何と百五十一万三千百五十五円、で、収支繰越しが二億七千八百十七万九千三百四十六円です。昨年度が、昨年度の収入は、南野先生、先ほど大臣お答えいただきましたので一億五千万、支出総額が七千三百万で、収支の繰越しが、前年、三億五千四百五十万六千二百六円です。
 別に私は、今、南野大臣に何か言おうと思ったわけではないんです。今、この臨時国会始まるときに、日歯連の問題で一億円の献金の疑惑が出てきています。この臨時国会が始まる前に小泉内閣が改造されました。そして、こういう議論が出てくる、問題になっているにもかかわらず、一政治、看護政治連盟から年間に一億五千万とか二億の献金をもらっている方を法務大臣にされている、私は小泉総理の感覚がよく分からない。
 ですから、そのことについてちょっと大臣、お答えいただけますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治団体がだれを応援しようか、だれを糾弾しようか、それは自由です。政治団体は、支援する団体もあるでしょう、あるいは非難する団体もあるでしょう、いずれもこれはもう民主主義の世界ですから自由なんです。そこで、どういう団体がある議員なり候補者を支援したり非難したりするかについて、私は、それぞれの議員が知っている場合もあるし知らない場合もある、両方ある。
 今回の看護連盟の話ですが、看護連盟自体が政治団体を作って自らの意見を政策に反映させよう、政治に反映させようというのは決して悪いことではないと思います。自由な民主主義だから、いかなる団体だって、自らの利益を考えてある団体を作るでしょう、あるいは自らの権利を確保しようと思って団体を作るでしょう。それを政治に反映させようというのは、これは民主主義で当然のことであります。それが適正であるかそうでないかというのは政党なり政治家が判断することであると私は思っております。
○福山哲郎君 一般論としてはそうです。しかし、今こういう議論がなっていて、なおかつ年間に一億五千万とか二億献金をもらって、それも、のおの知恵子後援会は看護連盟だけからもらっておるわけです。要は、南野先生は選挙もやっていただいていると先ほどお認めになりました、全く丸抱えで。しかし、看護協会に加入している看護婦さんは、とにかく一生懸命、毎日一生懸命働いておられますよ。そこから自動的にというか、任意なんでしょうけれども、任意で会費を取って、そこで、任意で会費を取って、そこで集まったお金が自民党のこうやって結果としては政治団体に、のおの後援会に行くということなんです。(発言する者あり)まあ幾らでも言ってください。
 これは、KSDのときもそうでした。日歯連の話も本質的には同じなんです。これが問題で、私は、こういう業界丸抱えと自民党の関係というのが実はこの日本の政治の構造改革で一番重要な点だと思っています。しかしながら、全くここは、これまでも事件がいろいろあっても改善されない。挙げ句の果てには、この期に及んで南野大臣、南野さん、南野先生を法務大臣にされたと。
 総理、まあいいですわ、もう、これはもう水掛け論なので。
 これだけの額をもらっている法務大臣、今議論されている政治団体間での献金の上限についてはどのような御認識か、お答えください。
○国務大臣(南野知惠子君) 先生、看護協会と看護連盟がちょっとごっちゃになっているように思いますので、そこら辺はよく精査、お願いいたします。そして、私は看護連盟から直接にその全額をいただいているわけではないということも御承知のことだろうと、いろいろお調べいただいていると思います。
 政治資金規正法は法務省の所管ではありません。私は意見を述べる立場にはないと考えておりますので、このコメント、今の御質問のコメントは差し控えたいと思います。
 ただ、現在、政党において、その上限どうしようかこうしようかということについてはいろいろな議論が行われておるものと承知いたしておりますので、その結果を、それを守り、それを遵守していくというのが私の意見でございます。
○福山哲郎君 僕、非常にこういうの言うの嫌なんですけれども、今、法務大臣は、私は看護連盟から全額をもらっていないとおっしゃいました。あなた、さっき全然私の質問に答えられなかったじゃないですか、それは知る立場ではないといって。どういうことだ。もう一回言ってみてください。何で。さっき分からないと言って全然答えなかったじゃないですか。今、全額を立場ではもらっていませんとはっきりおっしゃいました。分かってるじゃないか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 今、金額が出ているのは二億円ということと一億五千万が出ておりますが、それを私の政治関係の団体には入っていないということでございまして、それはのおの知恵子後援会であります。私が管理しているのは南野知恵子と共に政策を考える会でございますので、お金はここに行っている、そういうことでございます。全額、全額もらっていません。
○福山哲郎君 まあ、いいや。
 で、上限の議論についてはどうなんですか。どう政治家としてお答えいただけるんですか、上限の議論で。大臣のお考えで結構ですから、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(南野知惠子君) もう、今お答えした問題でございます。
○福山哲郎君 もう一度答えてください。もう一度答えてください。
○国務大臣(南野知惠子君) もう一度ですか。はい、分かりました。
 政党助成金、その問題について、政党……(発言する者あり)はい。私は、その上限をどうするかということについては、先ほど申し上げたように、今政党にて又は各政党間において様々な議論が行われておるということを承知いたしております。その結論に従いますということでございます。
○福山哲郎君 御自身のお考えはないんでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) 自分の考えは従うということで、法を守るということでございます。
○福山哲郎君 看護師さん、一生懸命働かれている看護師さんからすると、年間に一億五千万とか二億後援会に入っていること自身がやはり余り常識では懸け離れていると思います。
 これだけ多額の献金をもらっていることについて、法務大臣の認識はどうですか。多額の献金をのおの知恵子後援会に入っていることに対してどういう御認識ですか。
○国務大臣(南野知惠子君) 私、度々お答えいたしておりますが、今申し上げた金額の全部をいただいているわけではありません。のおの知恵子後援会において適正に処理されていると思いますし、私が管理しているのは南野知恵子と政策を共に考える会、これが私の会でございますので、別で、別団体でございます。
 で、お金のことは、看護協会の会員は約五十六万人おります。看護連盟の会員は約二十万人でございます。その人が毎年五千円出していただいている。本当に、今さっき先生がおっしゃったような浄財であるということも申し上げておきます。
○福山哲郎君 分かりました。ただ、やっぱり年間一億五千万とか二億ののおの知恵子後援会に入って、そののおの知恵子後援会が選挙も含めて手伝っておられるということ自身は、普通の方から見ればちょっと私は常識に反していると思っています。
 まあ、次に行きます。
 総理、また政治と金の問題になっています。私は、毎年予算委員会になると総理がそこに座られて政治と金をやっていて、余りいい気持ちはしていません。今日もさっき南野大臣とやっていて、僕は余り、何かいじめているみたいで嫌だったんですけれども、現実には答えていただければよかった話でして、ただ、総理がいつもおっしゃっています、政治資金規正法にのっとってやればいいと、法律を守れと言いたいと、収支報告書にきちんと報告していればいいとおっしゃっていますが、そのお気持ちはお変わりになりませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず法を守る、これは当然だと思っております。
○福山哲郎君 先日来、実は総理の同志会の事務所の、二重に事務所で家賃が支払われているんじゃないかという問題につきまして、我が党の同僚の原口議員や永田議員が質問されています。随分総理もいろんな形でお答えをいただいておりますが、要は同志会と神奈川県第一選挙区支部では家賃の二重払いはないということはもう一度確認していただいてよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 二重払いはありません。
○福山哲郎君 これ実は小泉純一郎同志会の経常経費です。(資料提示)皆さんのお手元にお配りしていると思いますが、あっ、来てないか。
 実は、事務所費で問題になっているのがこの五百万の金額です。五百万の金額です。それで、実は、総理はこの事務所費の五百万について、衆議院での答弁で電話代や切手代という答弁をされていますが、それでよいでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは収支報告書に出ているとおりでありまして、同志会は、昨年、横須賀市内にある自民党神奈川県第一支部が入居する事務所に移転しておりまして、移転後は切手の購入費、電話代などに加え、事務所の家賃等、これはそれぞれが負担しておりまして二重払いはないということでございます。
○福山哲郎君 それぞれというのはどことどこですか。ちょっと答弁が変わったんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事務所には同志会と自民党支部、二つの団体ということでございます。
○福山哲郎君 で、それぞれが事務所費を出しているんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事務所の家賃を同志会と自民党支部、二つの団体で明確な区分をした上で負担をしているということであります、と聞いております。
○福山哲郎君 ちょっと答弁が、総理、変わりましたね。
 事務所費は出していないと、二重払いでないと、同志会は事務所を出していないと、切手代と電話代だということを声高に衆議院では言われていますが、もう一度確認します。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 全然変わってないんです。
 というのは、私の自宅の隣の建物にあった際は自宅に家賃は支払っていないんですよ。で、別の自宅以外の事務所に移転した際には、事務所の家賃を同志会と自民党支部の二つの団体で明確に区分をした上で負担をしているというところであるんです。
○福山哲郎君 なぜ衆議院の答弁と変わったかお答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) どこが変わったのか分かりません。
○福山哲郎君 総理は明確に事務所の払いはしていないとおっしゃっています。
 また、オンレコで、総理の秘書官である飯島秘書官も、実は事務所費には払っていない、同志会からは、という話が入っています。なぜ変わったのか、もう一度お答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 変わってないんですよ。
 衆議院の答弁お話ししますが、いろんな原口委員の指摘に、誠に遺憾であります。全く疑惑がないにもかかわらず、どの記事を本当にして質問しているのか分かりませんが、同志会は私の自宅の敷地内の建物にあり、当時から家賃の支出はありません。そういうことで変わってないんです。
○福山哲郎君 そうですね、家賃の支出はありませんね。ありませんね。今もありませんよね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今は自宅以外のところに移りましたから、それは自民党支部と同志会、明確に区分した上で負担しているということでございます。
○福山哲郎君 当時からないというのは、だって、そのときには家賃の支払はないとおっしゃっているんだから、引っ越しの話してないわけですから、それは答弁変わったということじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 同志会は自宅の敷地内の建物にあり、そのとき当時から家賃の支出はありませんと。何変わっているんですか。同じじゃないですか。
○福山哲郎君 じゃ、当時は払っていなかったんですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、自宅の敷地にあるものを私が家賃受け取らないということで、ほかの事務所に移ったら借主がいるじゃないですか。ただで使うわけいかないでしょう。そう思いません。
○福山哲郎君 なぜ衆議院ではそのことを説明されなかったんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 質問以外のことに答えちゃいけないでしょう。
○福山哲郎君 引っ越しされたのいつでしたっけ。引っ越しされたのいつでしたっけ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今正確に分かりません、引っ越ししたのいつか。
○福山哲郎君 じゃ、当時は家賃の支出はないから、事務所経費としては切手の購入費、電話などをしていたということですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) よく詳細分かりませんが、事務所のことであります。調べたところ、衆議院等の質問におきましては二重払いしているんじゃないかと言うから、二重払いはありませんと答えているわけであります。
○福山哲郎君 完全に実は答弁がこれ変わっているんですね。
 実は、いつだったかな、引っ越しが。引っ越し調べますと──僕、実はこんなつまんないことをやるの嫌なんですよ。だけれども、つまんない答弁を、つまんない答弁をやられているのは総理なんですよ。
 引っ越しが実は去年なんです、去年。去年なんです。ということは、去年からは折半をしているということでいいですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事務所の経理というのは任せていますから、今聞かれても私は分かりません。
○福山哲郎君 分かりました。事務所経費で、要は、今の話でいうと、去年から事務所費折半なんです。そこは僕も理解しましょう、百歩譲って。
 じゃその前は、先ほど小泉内閣総理大臣が言われましたように、事務所経費として切手の購入費、電話代などがありましたと書いてあるわけですよ。総理はいつも、事務所の人間を信頼していると、政治家はいつもそんなことを一々一々知らないと。僕も当たり前だと思います。それはもうそのとおりだと思います。だから、今日わざわざお持ちしました。
 皆さんのお手元に政治資金法の、政治資金規正法のこのペーパーをお手元お配りしたんですけれども、事務所の経費というのは御案内のように事務所の地代や家賃や公租公課や火災保険料や電話使用料や切手購入費、修繕費なんです。これ、領収書要らないんです。なぜかというと、事務所の普通の経費だからです。この切手の購入費というのは、実は後援会とかパーティーの案内とかをするための切手代ではありません。それはなぜかというと、それは下の部分の政治活動費に含まれるからです。しかし、小泉総理は、切手を二万人も、二十万人も出したら一千万も掛かるんだと答弁をされました。しかし、その切手代は実は政治活動費の方に含まれるんです。
 実は総理は、二十万人に出したら一千万掛かるんだから五百万の事務所費の支出は当たり前だとおっしゃいました。しかし、実は小泉総理の同志会の会計責任者の方はしっかりと仕事をやられていたんです。
 実は、小泉総理が引っ越しをされる前です。先ほど言われた家賃を折半をする前の話ですが、平成十二年、実は同志会はちゃんと、ちゃんと別納で一万五千九百九十九通分の切手代を領収書を付けて、ちゃんと添付をしてくれているんです。(資料提示)小泉総理が言われたように、小泉総理のスタッフはちゃんと法にのっとって。政治活動費の中は領収書が要るんです。これ、二枚目めくってください。二枚目の政治活動費のところは、僕は丸をしました。五万円以上の領収書を添付しなければいけないと書いてあるんです。ここに先ほど言ったように切手代が含まれるんです。で、小泉総理の事務所のスタッフはちゃんと正直に一万五千九百九十九通で七十一万一千九百五十五円という切手代を使っておられるんです。つまり、事務所費はさっき言われたように当時は折半していないんです。先ほど言われたように切手代と書いてありますが、切手代と総理は言われていますが、切手代は実はちゃんとスタッフが領収書をもってこうやって計上しているんです。
 そうすると、お手元にお配りをしたもう一枚のペーパーがあると思います。もう一枚のペーパーがあると思います。もう一枚のペーパーを見ていただきますと、経常経費というのは領収書の添付が不要なんです。地代とか家賃、先ほど言われたみたいに当時は折半していない。だからここは入らないんです。電話使用料は幾らか分かりませんが、実は、先ほど私が申し上げた平成十二年、小泉総理のところは選挙の年だったんです。それでも一月十八万ぐらいなんです。実は電話賃の領収書もちゃんと出てきているんです、六月なんですけれどもね。電話使用料は五百万も掛からない。切手の購入費は、先ほど申し上げたように、ちゃんと実は領収書を取っているんです、切手ではなくて別納郵便で。修繕費は自宅の中ですから関係ないですよね。公租公課も火災保険料も大した金額ではない。そうすると、毎年毎年小泉総理の事務所費がずっと、時には平成七年一千万、平成九年が六百万、平成十年五百万、五百三十九万、ずっとこうある五百万の支出は一体どこから支出が必要だったかというのは、これは総理、明らかにしてもらわないとしようがないんです。だって、切手と電話だとおっしゃったんですが、切手と電話では五百万に行かないんで成り立たないんです。このペーパーでいうと、一体何をもってこれ五百なんですかと。是非お答えをいただきたいと思う。
 僕は本当にこんなことやることは嫌なんです。嫌なんですけれども、嫌なんですけれども、政治と金でいつもいつもこういう議論を繰り返すこと自身が日本の政治にとって僕はマイナスだと思っていまして、総理が法にのっとってやればいい、収支報告をちゃんと書けばいいとずっと言ってこられた、私はそれを信じてきましたけれども、どうぞお答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私の事務所はしっかり管理していただいておりまして、今いろいろ御指摘の質問について、私も詳しく詳細には分かりませんが、政治資金規正法にのっとって事務所は報告しているという報告を私は受けております。
 なお、参考ですが、政治資金規正法第九条第一項の規定に基づく政治資金規正法施行規則第六条に規定する第六号様式の記載要領において、電話使用料、切手購入費など、事務所の維持に通常必要とされる経費は事務所費に分類することとされていると。なお、組織活動費、選挙関係費、機関紙の発行事業費、宣伝事業費、政治資金パーティー開催事業費などは別に計上することとされていると規定されております。規正法にのっとって適正に報告を出しているわけでございます。
○福山哲郎君 それは私が今説明したことです。それにのっとってみたら、ここにちょっと五百万ぐらい穴が空くんです。この穴を説明してくださいと申し上げているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 規正法にのっとって必要な事項を記載される、不必要な事項は記載しなくていいということになっているわけであります。
○福山哲郎君 だから、その五百万は何に使われたのかお答えいただければすぐ明らかになるんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治活動ですから、それぞれ事務所によって違うでしょう。事務所費によってもそれぞれ違うでしょう。必要な事項を記載する、必要としない事項は記載しなくていいというのが政治資金規正法だと思っています。
○福山哲郎君 必要とする事項に記入がなくて五百万が計上されているから、何に使われたんですかと聞いているんです、私は。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 記載に必要な事項以外は、記載する必要ないんです。
○福山哲郎君 いや、記載しなくていいのは分かりますが、何に使われたのかと。これまでは、切手と、これまでは切手と電話賃で五百万を賄っていたと強弁をされてきたので、それは私が見たところによると違うので、じゃ、切手と電話代の代わりに、その五百万は何に使われたのかとお伺いしているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 切手代や電話代などと言っているのであって、何に使ったかというのはそれぞれ事務所で違うでしょう、議員によって。どうして、そういう必要な事項以外を、政治活動、自由なんですから(発言する者あり)いや、いろいろな、政治資金規正法にのっとってやっているんだから、その必要な事項は記載しているわけであります。必要とない事項は記載してないと。私に何をやっているのかと、私がじかに毎日何やっているのかってチェックするようなことなんかできるわけないでしょう。
○福山哲郎君 済みません。私は、総理に毎日チェックしろと全然申し上げておりません。
 要は、先ごろの衆議院からの答弁において小泉総理の言われたこととずれが出てきたので、そこを明らかにしていただければそれでいいんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 変わってないということを再三申し上げております。
○福山哲郎君 これ二つあるんです。
 一つは、衆議院と答弁が最初は折半だと変わったということです。で、引っ越ししたのは去年だと分かったら、この平成十年度の五百万は実は説明が付かない。
 で、もう一つ申し上げます、ついでに言うと。
 折半し出したんですよね、去年から。何で、去年とその折半をしてないときと値段が余り変わらないんですか。これも実はおかしいんです。
 その事務所の経費は折半すると、月幾らですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事務所の費用は年によって違うでしょう。みんな同じですか、議員皆さん。違って、何でおかしいんですか。
○福山哲郎君 全然お答えになってないんですが。
 ちょっと、官房長官、来られました。官房長官、今年の五月に、運転手さんを派遣をされて肩代わりをしていただいたといっていて修正報告されましたね。これ、修正された理由をお答えください。
○国務大臣(細田博之君) 前の運転手さんが心筋梗塞で亡くなった後、この運転手さん本人がこちらに見えまして、そこで、まあ雇うといいますか、お願いしまして、そして、まあ月々二十一万円と、かつボーナス公務員並みということで、年々三百何十万かお払いしてずっと来たわけでございますが、その後、最近、春になりまして、この方が別途企業にも籍があって、そしてそこからも給料を受け取っておられたということが判明しましたので、これはやはり政治資金規正法上、届け出ておいた方がよいと判断しまして、過去にさかのぼって修正して報告したわけでございます。
○福山哲郎君 小泉総理も官房長官のように、政治資金規正法にのっとって修正されたらどうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何で私が修正する必要あるんですか。
○福山哲郎君 政治資金規正法にのっとってる項目では五百万が埋まらないからです。五百万が説明されてないからです。その五百万を説明していただければ、私もこんなことは申し上げません。政治資金規正法に記載をする、載ってる項目で数字を埋めていくと、先ほど申し上げたように、埋まらないからです。だって、総理は、切手と電話だとずっと言われたんですからね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、恐らく福山さんの事務所も収支埋まらないところあると思いますよ、自分で調べれば。あるときは収入が多い場合がある、支出が少ない場合がある。全部報告している事務所あれば、自由に使って、政治資金規正法、必要のない事項は記載しない。どこでもそうじゃないですか、与野党を通じて。
○福山哲郎君 必要ない事項、必要のある事項。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 必要のある事項は報告をして、必要のない事項は報告する必要ない、当然ですよ。
○福山哲郎君 小泉総理が言われた話と違ってきているんですよ。切手と電話代じゃないんでしょう、だって。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 全部、事務所の費用が切手と電話代の事務所なんてあり得ますか。など、ほかの活動もあるでしょう。
○福山哲郎君 ほかの活動は、先ほど申し上げたように、政治活動費に計上するんです。小泉総理の事務所のスタッフの方はしっかりやられていたから、ほかの政治活動はちゃんと表記されているんです。だから聞いているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 必要な事項は報告しているわけです。
○福山哲郎君 全然これ明らかになっていないんですけれども、総理、説明できていないですよ。だって、衆議院とまず、まず衆議院と答弁が変わりました。それから、切手、電話代では五百万が埋まらないことも、だって切手の領収書出てきたわけですから。そうしたら、その五百万何で埋めるのか教えてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず、衆議院の答弁と違っていないということ。事務所の費用は電話代とか切手代などといって、それだけに費用使われるわけじゃありません。などが何かということに対しては、必要な事項は記載する必要があるし、必要でない事項は記載する必要もないし、これこれに使っているからと言う必要もないんです。
○福山哲郎君 そのなどを国民もマスコミも我々も知りたがっているんです。使途不明になりますよ、そうしたら。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事務所の費用が年間五百万円以内で、切手代、電話代以外に何に使っているかという御質問だと思うんですが、どの事務所だって全部収支記載、活動費報告していますか。
○福山哲郎君 え、していないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 必要な事項は報告するんですよ。必要でない項目は報告する必要ない。必要な項目はきちんと収支報告書に出しているということでございます。
○福山哲郎君 いや、その事務所費も毎年毎年、一千万円になったり七百万になったり五百万になったりしているんですよ。これは、先ほど申し上げた話でいえば、そのなどが一千万円近くになったり六百万近くになったり五百万近くになったり、これは説明する義務がやっぱり、今こうやって国民はみんなそこを知りたがって、だって総理の答弁が違うんですから。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 大体、政治家やっていれば分かるでしょう。など、収支の間、自由に活動していい費用と報告すべき事項と、それを自由に、記載する必要ないものを、ここでこういう項目に使っています、ああいう項目に使っていますと、政党にしても政治団体にしても政治家にしてもそれぞれ差があるのは、事務所によっても議員によっても私は違ってくる、当然だと思います。
○福山哲郎君 差があったり、政治活動で自由に何かをすることを私は全く否定しておりません。事務所経費というのは決まった項目を記載することになっているんです。そこに決まった項目でも五百万埋まらないから、何で埋めたのか、何に使われたのかと聞いているだけです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何回も答えているんですけれども、政治資金規正法にのっとって必要な事項は記載している、必要ない事項は記載していない。
○福山哲郎君 じゃ、一つだけ、委員長の政策秘書の方が乗られている車の運転手さんはどちらで雇われている方ですか。──あっ、総理、総理、
 委員長の政策秘書の方が──あっ、総理の政策秘書が使われているセルシオの運転手さんはどちらで雇われている方ですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 民間会社、民間会社の、その運転手は民間会社の非常勤役員である者の用に供されているものであり、したがって、どこに雇われているかということについては公表する必要はないと考えております。
○福山哲郎君 もう時間ですけれども、今、民間会社の方と言われました。先ほど正に細田官房長官も言われました。セルシオの名義は、実は小泉総理でもその政策秘書の方でもございません。今、運転手さんは民間の方からだと。それが政治資金報告書に記載をされていなければ、それは寄附をちゃんと記載しなければいけない、虚偽記載になります。それから、先ほどの事務所の話も実は虚偽記載の疑いがあります。是非、これでは明らかになりませんので、疑惑が、なおかつこの委員会等で更に継続して調査をしていくことをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

2004年10月
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