02/01

2010

海外出張 ロンドンからエチオピアへ(1)


1月26日(火)に成田を出発して空路ロンドンへ。
目的は、ロンドンで「イエメン会議」及び「アフガニスタン会議」が開催されるにあたり、補正予算審議のため岡田外相の離日がかなわず、小生が出席すること に。

一方で、アフリカ・エチオピアでは、53カ国の外相が集まってアフリカ連合総会の閣僚執行理事会が開かれており、そち らにも、ということで行程はナント1泊6日(火曜の夜に出発して日曜の早朝に関空へ)。当然ながら、時差も機中泊も全くおかまいなし。

27日、ロンドン
午前にロンドン到着。午後から日英議連会長の議員とバイの会談後、イエメン会議へ。参加国はわずか25の国や機関。
英ミリバンド外相の議長の下、イエメン首相、米クリントン国務長官をはじめ、G8外相等が参加。
昨年クリスマスの米航空機爆破未遂事件により、イエメンが注目されてきた。新たなテロの温床とならないよう国際社会が一致して、イエメン政府の主体性を尊 重しながら、治安、政治・経済改革等の支援に取り組むことを確認した。

小生からは、
(1)イエメンの強い改革決意を評価、
(2)日本は沿岸警備隊、警察関係者への一層の支援を検討中、
(3)対イエメン支援を増加させる見込み等
の旨を発言。

議長声明を採択して終了。
「イエメン・フレンズ・プロセス」の立ち上げと第1回会合を3月に立ち上げることを確認。
イエメン会議終了後、チャールズ皇太子主催のレセプションに参加。


12/29

2009

一年間お世話になりました。感謝!感謝!感謝。


いつもお世話になり、誠にありがとうございます。
この一年間、戦後初めてとも言える選挙での政権交代が実現し、政治に大きな変化が生じました。長年にわたり、お力添えをいただいた皆様に心から感謝申し上げます。

政権発足100日が経過しました。はじめて師走の与党議員がこんなに忙しいものだと知りました。
年末25日、何とか年内に来年度予算編成を終わらせました。税収が予想以上に落ち込む中、子ども手当や母子加算、高校実質無償化を確保、地方への交付税 交付金を約1兆円増額し、診療報酬も10年ぶりにわずかながら増額。一方で、事業仕分けと補正の執行停止で約4兆円弱を捻出し、公共事業は18%減額する という予算の組み換えを行いました。景気対策としては7兆円余りの補正予算を組みました。景気浮揚のきっかけにしたいと思います。

さて、外務副大臣としては、今月15日から20日までコペンハーゲンで開催されたCOP15に政府交渉団の一員とし て参加してきました。自らのテーマとしてきた「気候変動」の会議に与党として交渉に関わり、やりがいと責任感でいっぱいでした。感謝です。
とはいえ、交渉は各国の激しい対立の末、終盤の首脳級会合までもつれる結果となりました。鳩山総理、オバマ大統領、サルコジ大統領・・・等の26カ国の 首脳による交渉の結果、「コペンハーゲン合意」がやっと採択されました。4泊6日で、計6時間しか眠れないような状況でした。この合意は、未来への大きな 一歩だったと思います。

通常国会、マニフェスト選挙、政権交代、外務副大臣就任、ワシントン・アフガニスタン訪問、予算編成、緊急出版、テ レビ出演等々・・・本当に多くの経験をさせていただいた一年でした。
まだまだ未熟ですが、国民の皆様のご期待にお応えするよう、懸命に職務に邁進してまいりたいと思います。

来年は、参議院選挙の年で、小生も三度目の挑戦となります。何卒ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
寒さ厳しい折、どうぞご自愛下さい。


12/20

2009

コペンハーゲン合意、採択。


現地時間の2009年12月19日、一晩明かした朝の11時過ぎに長い長い交渉の末、「コペンハーゲン合意」が採択された。
この交渉はコンセンサス方式が原則のため、全会一致でなければ採択されない。明け方から午前にかけて、ほぼ大半の国が採択を主張しはじめ、涙ながらに採 択を訴える途上国も少なからず出てきた。一部の少数の国々(おそらく1ケタ)が反対のため、断続的に協議を続けた結果、「take note」という形になったが、結局採択されることになった。
採択された瞬間、多くの国が(もちろん日本も)思わず立ち上がって拍手。政府代表団のそれぞれとも固い握手をかわす。みんな一睡もしていない…。

<コペンハーゲン合意の主な内容は以下の通り。>
(1)中期目標には、先進国は削減目標、途上国は削減行動を来年の1月末までに提出することになった。これは第一歩としては重要。そしてMRVは満点では ないが、支援されていない行動についても国際的に報告し、協議を受け付けることとなり一定の前進を見た。
(2)いわゆる将来の包括的な枠組みに関しては、AWG-LCAの継続に合意し、COP16で結論を得ることになった。アメリカ、中国を含む将来の法的文 書につながるかどうかは今後の交渉次第だが、とにかくその端緒を開いた。多くの途上国が「法的文書を作成すべきだ」という日本の主張に賛同してくれてい た。
(3)資金については、短期で先進国全体で3年間で300億ドル。中長期では、2020年までに1000億ドル規模の資金を動員していくとの目標にコミッ ト。

長年、気候変動交渉を見てきた立場から、以下のような感想を持った。

○G77(いわゆる途上国)+中国を「途上国」とひとくくりに議論することの限界。経済成長をめざす中国・インド・ブ ラジル・アフリカの一部等々と、気候変動ですでに生存がかかっている国々とでは、全く状況が異なっており、今回も最終的には、中国・インド等と途上国との 間に多くの意見の相違が見られた。

○首脳外交のあり方の変化。これまで、事務方が詰め切れなかった一部の決断を各国首脳に求めて、決着に至るというプロ セスが一般的であったが、今回は全く異なる様相が出現した。鳩山総理をはじめ、オバマ大統領、サルコジ大統領、メルケル首相、ラッド首相など、先進国の リーダーが一堂に会し、途上国のリーダー(残念ながら、中国もインドも政治のリーダーは出席せず、事務のトップで対応)と直接、合意文書の内容をパラグラ フ毎に協議するという極めて異例の展開になり、多くの決定が首脳の決断に委ねられた。
鳩山総理の首脳会合出席は、なんと10時間以上にも及んだ。鳩山総理が会合中、「一つの政治的合意文書にまとめるべきだ!」と発言し、サルコジ大統領を はじめ各国から賛同の声が上がり、一つの流れを作ったことは間違いない。さらには、最終局面での、米中首脳会談前後のオバマ大統領の積極的な外交展開など もこれまでには見られない光景だった。
総じて、先進国(特に、米・豪・EU)と日本の連携は緊密に行われ、先進国の一枚岩を感じさせた。よく報道にある、米中陰謀説などは全くの見当違いであ る。現地で報道を見て、驚いた。

○日本の交渉団は、小沢環境相を先頭にとてもいいチームだった。文字通り「不眠不休」の奮闘に頭が下がる思いで一杯で ある。外務省だけでなく経産省、環境省、農水省・・、それぞれの役割をしっかりと果たしてくれた。そういうボクも4泊で6時間しか寝ていない…。

○長年、この交渉を野党の立場で見てきたボクにとって、政府代表の一人として、この場にいることの感謝と大きな責任を 痛感する数日間であった。最終日を越えて、明け方の4時頃に全体会議が紛糾、休憩に入った時は、これはダメかなと目の前が真っ暗になった。手ぶらでは、日 本に帰れない、そんな気持ちだった。採択の瞬間の安堵感は、言い様のない物だった。

○今回の会議は、今後の国際交渉において、新しいゲームが始まることを予感させる多くの示唆と厳しさがあったように思 う。自分なりにこれから整理していきたい。


12/05

2009

「テレビ出演のお知らせ」


いつもお世話になりありがとうございます。

明日、12月6日(日)にテレビ出演することになりました。

以下の通り、詳細をお知らせいたします。

◆テレビ朝日系「サンデープロジェクト」
(関西6ch 関東10ch)
放送日時:12月6日(日)午前10:00~11:45
      ※おおむね10時半から11時過ぎまでの出演となります。
内容:「COP15直前企画 日本の環境戦略を問う」
出演:田原総一朗氏 福山哲郎ほか
https://www.tv-asahi.co.jp/sunpro/

是非ご覧ください!


11/29

2009

社会学者・宮台真司氏との共著を上梓しました


こんばんは。
先週、アフガニスタンから帰国するとすぐに、日常の公務がはじまり、国会も終盤を迎えています。また、京都での民主党京都府連パーティーも大盛況で、本当 にありがとうございました。

さて、そんなさ中、明日11月30日に、社会学者 宮台真司氏との共著「民主主義が一度もなかった国・日本」が出版され、書店に並ぶことになりました。

政権交代の意味、気候変動、マニフェスト、外交……いろいろなテーマについて、いま考えていることを著しました。もち ろん、宮台氏の優れた分析力と表現力は秀逸です。
ここに小生が執筆したあとがきの抜すいを紹介します。

—————————
あとがき

(前略)

宮台真司さんは、現代社会に起こっている現象を僕らに鋭くそして分かりやすく(?)説明をしてくれる秀逸の社会学者 である。僕ら政治家は日々、社会の矛盾や利害調整の現場に立ち会っている。例えば、僕が初当選して間もないころは、ストーカーについての相談が事務所に相 次いだし、ここ数年は中小企業の資金調達の困難を感じさせる問い合わせが増えている。悲しいことだが、自殺も減る兆しはない。「なぜ、こんな状況が続くの か。何が原因なのか。いったいこれは何を意味しているのか……」と漠然と答えを出せずに考え込んでいる僕らに、いつも宮台さんは、明快な言葉で語りかけて くれる。
何度、宮台さんの本を読んで、「そうか!」と膝を打ったか分からない。ここ数年、夜中に酒を飲みながら、宮台さんの話を伺い、目からウロコ状態になるこ ともしばしばであった。僕にとって、ありがたいことに宮台さんの切り口は一つの羅針盤のようなものである。

これまであたかも所与のものとして扱われてきた「常識(?)」には、僕にとって納得できないことが数多く存在してい た。
自民党が政権を持っている時代に、語られていた様々な「政治」についての「常識」を覚えている読者も、まだいるかもしれない。
「政権交代」は、そうした「神話」がいかに根も葉もないものだったかを明確にした。

この対談も、強い民意の力によってなされた政権交代の意味をいかに国民に伝えるか、あれこれと悩んでいた僕に宮台先生から「私がサポートしますよ」と快 くお申し出くださり、多忙な先生の時間をいただいて、実現したものである。
僕の稚拙な言葉を宮台先生が巧みにフォローしていただき、なんとか対談が成立した。少しでもこの対談を通じて、読者に、日本政治の景色が変わり、パラダ イムが変わったことを感じてもらえればこれに勝る喜びはない。

(後略)
—————————

もし、よろしければ、ご一読ください。

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