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2007
第168国会 参議院 環境委員会 2007年12月25日
地球温暖化問題(COP13、目標達成計画見直し)
○福山哲郎君 民主党・新緑風会・日本の福山哲郎でございます。
今日は、質問の時間を委員長を始め岡崎理事、また与党側の理事の皆さんにも大変御理解をいただきまして、ずらしていただきましたことを心から感謝とおわびを申し上げます。
大変、懸案になっております肝炎対策の問題で、今日、肝炎の原告団の皆様、弁護団の皆様との協議の場がございまして、私も少なからずかかわっておりましたもので、わがまま申し上げました。本当におわびを申し上げます。
それでは、早速質問させていただきたいと思います。
鴨下大臣、どうも、バリは御苦労さまでございました。強行軍ながら、大変いろんなところで御活躍を拝見をしておりました。私は、COPは基本的には毎年行きたいと思っておりまして、今年は国会が延長になったおかげで行けませんでした。ホテルまで予約をしておったわけですが、大変残念に思っています。
実は、行く前も非常に残念だったんですが、やっぱり終わって帰ってきて、その残念さ具合が更に強まっています。やはり現場の空気を感じていないこと、それから例えば鴨下大臣のステートメント、演説を聞けなかったこと、その中での交渉の過程で日本政府がどのようなことを本会議等で発言をされたか等について、やっぱり又聞きなのとその場にいたのでは全然やっぱりリアリティーが違いまして、やっぱり何としても行きたかったなと今非常に残念に思っているところでございますが、一応、形としては、バリ・ロードマップが合意をされたという状況でございます。
日本のメディアは、削減の数値目標がバリ・ロードマップの中に入るか、入らないかということに大変注目というか、非常に大きな報道の主たる目的があったように感じていますが、現実問題としては、残念ながら、交渉の結果、バリ・ロードマップの前文の中の議長提案でありました一九九〇年度比で先進国二五から四〇%削減という文言は削除をされました。
日本政府としては、この削除の議論について、どのように交渉を行われたか、また結果として明記しないこととなったことの評価も含めて、御披瀝をいただければと思います。
○国務大臣(鴨下一郎君) 今回のバリ会合では、我々も当初から申し上げていますようにすべての主要国が参加し実効ある枠組みの構築、このための交渉の場を立ち上げると、こういうようなことが最重要課題だと、こういうふうに認識をしておりました。したがいまして、それぞれ御批判もございましたけれども、何とかバリ・ロードマップが合意ができたということについては、私はそれなりに大きな前進があったんだろうというふうに思っております。
加えまして、数値目標につきましては、今回の会議で二年後に合意されるべき目標の議論、こういうようなことを先取りして議論するべきでないと、こういうようなことをおっしゃっている国もあったわけでございまして、そういう意味では、今回、すべての国が参加をするというバリ・ロードマップが合意ができたということで、今後、交渉が進んでいくものだと、こういうふうに考えているわけでありまして、是非、これからの議論に注目をいただきたいというふうに思います。
○福山哲郎君 今、大臣、私の質問にお答えいただいてないんですが、日本としては数値目標を明記する、しない、この議長のドラフトに対してどのように交渉のポジションを取られたのか、お答えをいただけますか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 数値目標については、ですから、今回の議論の中では、我々は、すべての国が参加をする新たな交渉の場を立ち上げる、こういうようなことを最優先しましたので、EU等からは数値目標を掲げるべきというようなこともお話しありました。しかし、私たちの立場としては、前提条件が合意、バリ・ロードマップを合意するということでございましたので、それぞれの国、特に数値目標に対して極めて否定的な国もありましたので、我々は、まとめると、こういうようなことのためにあえて数値目標はこの段階では取り上げないと、こういうような立場を取らせていただきました。
○福山哲郎君 そのポジションの評価は、是非はいろいろあると思います。
私が非常に残念だったのは、NGO等が日本について、非常にネガティブな会議のブレーキ役になったということで化石賞を何回も取られたと。そのことの批判はさておき、私非常に残念だったのは、大臣は私との予算委員会の質問においても、年内に日本の国内の削減目標をつくりたいとおっしゃいました。新聞のインタビューにも、大臣は全体の合意ができると、できた前提で日本の国内の削減目標もつくりたいとおっしゃっていました。福田総理は、実は二度、決算委員会と予算委員会で私に国内の削減目標をつくると御明言をいただきました。残念ながらこの鴨下環境大臣の向こうでの演説原稿を拝見をいたしますと、我が国としてのそういう決意が実は全く書かれていないんですね。なぜ国内の、国会の場で言明をされたことが国際社会の会議に行ったときにこのステートメントに入らないのかと。
じゃ、逆に言うと、全体の合意が要るというのは私も認めます。それはもう具体的に申し上げれば、中国やアメリカやインドが入ってこなければ京都の二の舞になるという、私はその意味合いは分かっているつもりです。しかしながら、全体の合意は必要だけれども、日本としてはもう国会で国内の削減目標を設定することは環境大臣も総理大臣も言っているので、なぜ国際会議の場では、演説の場でそのことを表明ができないのか、私にとっては非常に不思議な気持ちがいたしました。そのことに対して大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 私は、福山議員の質問にお答えしたときに、今申し上げたように、前提がしっかりと固まった上で年内にも可能性があればと、こういうようなことで申し上げたわけでありまして、私も自分の言った答弁何度も何度も読み返しましたけれども、きちんとそういう前提条件を付けた上で申し上げています。そういう意味では、私は本来のそういうような立場で交渉をしたつもりであります。
ただ、先生がおっしゃるように、具体的に、例えばEUあるいはNGOの皆さんからは日本はなぜ数値目標を掲げないのか、あるいは日本がそういうようなバリ・ロードマップの前進に対してブレーキ役になっていると、こういうような御意見もあったことは承知しておりますけれども、是非、それはすべての国が入るということはもうこれ最後のぎりぎりの、土曜日の本会議の中での議論を見ていただければ十分御理解いただけるんだろうというふうに思いますけれども、私としては更にこれを前進させるためにこれからも努力をさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 いや、私はだから、すべての国が合意ができることは重要だと思う、私も否定をいたしません。
しかしながら、日本のポジションを、特に日本の国会で表明をしているポジションをなぜ国際会議の場で言えないのかということについて質問をさせていただいています。そのことに関しては実は今大臣のお答えをいただいていないので、余りこれで引っ張ってもほかに確認しなければいけないこと一杯ありますので、一言だけお答えいただけますか。大臣はよくお分かりだと思いますが、言いにくいこともあると思いますが、お答えください。
○国務大臣(鴨下一郎君) ですから、我々は環境省の立場というようなことで申し上げればきちんとした目標を掲げてやるべきだろうと思いますが、安倍前総理のクールアース50の中にもありますけれども環境と経済の両立と、こういうようなことを日本は掲げておりますので、今の段階では全体的な合意に至っていないと、こういうようなこともあるわけで、特に一部の産業界からは数値目標は全く容認できないと、こういうような御意見もあったわけで、私はステートメントを発表するという立場ではこれはなかなか難しかったというのが現状でございます。
○福山哲郎君 随分正直にお答えをいただきましてありがとうございます。
要は国内での合意ができなかったということで、日本のポジションは相変わらず、環境大臣と総理が、総理が国内の排出目標を作ると言明をしたにもかかわらず国内の合意ができなかったというのは、私は非常に問題だと思っています。現実に、バリの会議ではすべての国が参加できるということが合意ができたわけです。これは、合意ができたことはこれは政府も認めているはずですが、この状況に至ったら次は国内の排出削減目標についてはっきりとさせられるという条件は整ったという認識でよろしいですね、大臣。
○国務大臣(鴨下一郎君) 誠にそのとおりでございます。
○福山哲郎君 そのことは非常に心強い限りですので、もう一個だけ大臣、厳しいようですが、いつぐらいまでに国内の排出目標を固められるおつもりなのかお答えください。
○国務大臣(鴨下一郎君) 環境大臣としては鋭意努力をさせていただきます。
○福山哲郎君 経産省もそれでよろしいですか。
○政府参考人(伊藤元君) その問題につきましては、政府全体として判断をしていくということであると承知しております。
○福山哲郎君 事務方に答えをこれ求めるのは厳しいですけど、総理が削減目標を設定をすると発言された事実は理解をされていますね。
○政府参考人(伊藤元君) 総理の御答弁は承知しております。
○福山哲郎君 その答弁を経産省としては尊重して対応されることは、これは総理の発言ですから間違いないですね。
○政府参考人(伊藤元君) 国会における総理の答弁を尊重することは当然であると考えております。
○福山哲郎君 鴨下環境大臣は国内の削減目標を早急にやりたいと、バリで各国が参加することは合意したと、総理が国会で発言をしたと、その総理の発言について尊重をすると経産省も言っていただいたということは、これは国内の排出削減目標については早急に我が国としては作っていただけるものだと私は判断をして、次に行きたいと思います。
削減目標の話は、バリのロードマップのところに僕はスポットライトが浴び過ぎたと思っていまして、実はマスコミの報道も含めて若干ミスリードがあるのではないかと思っています。
御案内のように、アドホック・ワーキング・グループが二つ、ツートラックで動くことになりました。一つはバリ・ロードマップ、一つは今までどおりの京都議定書の枠組みでございます。実は、そのAWGのロードマップの方から数値目標、先進国の数値目標が削られたというのは報道はよくあったんですが、一つ重要なポイントがありまして、我々は京都議定書の批准国として、批准国としてAWGの、これまでの従来のAWGには加わっております。そのことのこれからの検討項目の中に、先進国二五%から四〇%の削減目標が検討項目に加えられたことは事実としてはお認めいただけますね。
○政府参考人(谷津龍太郎君) お答え申し上げます。
これまでの京都議定書に基づきます特別作業部会の第四回会合がバリで開かれたわけでございますけれども、その結論文書の中に以下に述べさせていただきますような文章が含まれております。
まず、最初でございますけれども、AWGはIPCCの第四次評価報告書第三作業部会の成果に言及されている削減幅、これはレインジズとなっておりますが、複数で示されておりますけれども、この削減幅が有用であること。同報告書が地球の温室効果ガスは今後十年から十五年で頭打ちになって、その後非常に低い水準に抑制される必要があり、IPCCがこれまでに示したシナリオの中で最も低い水準で大気中の濃度を安定化させるためには、二十一世紀半ばに二〇〇〇年比で半減以上とする必要があることに留意したという表現が一か所でございます。
もう一か所ございます。AWGはIPCC第四次評価報告書第三作業部会で評価されたものの中で、最も低い水準を達成するためと、潜在的損失を限定するためには、附属書Ⅰ国が全体として排出を各自可能な手段で二〇二〇年までに二五から四〇%という幅で削減することが必要であることを認識した、こういう文章がございます。
○福山哲郎君 認識したということは、それは検討項目として入るという意味合いで谷津さん、よろしいんですね。
○政府参考人(谷津龍太郎君) こういう認識の下で今後の交渉が進んでいくというふうに理解しております。
○福山哲郎君 実は、バリ・ロードマップの中では、数値目標が落ちたということがよく議論されているんですけど、我々が元々参加をしている京都議定書のアドホックグループの中では、この数値目標はこういう形で明記をされています。
それからもう一点、さはさりながら、バリ・ロードマップの最後の合意文書でございますが、合意文書の条約の下での新しくできた交渉プロセスでの扱い、つまりAWGでの扱いの中の一のbの一というところでございますが、ここにはこういう文章が、日本語です、申し上げますが、書いてあります。
すべての先進国に対し、各国の事情を考慮しつつ、排出削減抑制数値目標を含む測定、報告、検証可能な当該国にとって適当な約束若しくは行動と書いてあります。つまり、バリ・ロードマップの中に、具体的な二五から四〇という数値目標はないけれども、すべての先進国に対し排出削減抑制数値目標を含むという言葉が入っていることの事実はもうお認めになられますね。
○政府参考人(谷津龍太郎君) 英語で言いますと、インクルーディングという言葉の後に排出の抑制及び削減に関する数量化された目標というような表現がございます。
○福山哲郎君 つまり、これ重要なことなんですけど、これまでも京都議定書の枠組み、これはもちろんアメリカは入っておりませんが、この枠組みの中には、二五から四〇の数値目標で先進国が検討すると、先ほど谷津さんがお認めになったものが入っています。
抜けた、抜けたと言われているバリ・ロードマップの中にも具体的に、すべての先進国に対し排出削減抑制数値目標を含むという表現が出ています。ということは、これ、済みません、二つのAWGは最終的にどのように収れんをさせていく予定ですか。
○政府参考人(谷津龍太郎君) お答え申し上げます。
二つの作業部会は、役割分担を明らかにしながら今後交渉を進めていくということになろうかと思います。終期はそれぞれ二〇〇九年ということで一致しておりますので、最終的には全体が一体化されたような形で交渉がまとまるというふうに理解をしております。
○国務大臣(鴨下一郎君) 先生御指摘のところは非常に重要なことでありまして、特にいわゆる京都議定書の締約国でのAWG、オールドAWGでありますけれども、そこには最終的に数値への言及はされておりませんけれども、脚注でIPCCレポートの該当するページを引用すると、こういうようなことになったわけでありますが、いやいや、それはニューAWGで、オールドAWGにおいては、先生御指摘のように決定文書においてはIPCCの第四次評価報告書を引用する形で一連の数値が明記されたと、こういうことの解釈を我々はしています。そして、今回の決定文書においてはIPCC報告書の三種類の数値、こういうようなこと、二五―四〇、それから五〇の五〇、それから一〇の一五ですね、この三つの数字については盛り込まれておりますから、日本としてはこの決定文書に合意していると、こういうような認識でございます。
○福山哲郎君 随分思い切った答弁を大臣にいただきましたが、経産省もその認識でよろしいですね。
○政府参考人(伊藤元君) 今般のCOP13における各種の決定文に書かれる内容につきましては、先ほど谷津審議官、環境省の方から御説明があったとおりの文章ということだと思います。決定文章につきましては、英文が原本でございますので、その解釈ということに帰着する問題であると認識しております。
○福山哲郎君 それから、もう一つお伺いしたいことがあります。
これは私も不確定なので確認としてお願いをしたいんですが、いわゆるブッシュ大統領が呼び掛けで始まった主要排出国会議、十五か国でやられている会議ですが、これMEMというのかメムというのかよく分かりませんが、このことの開催を洞爺湖サミットに向けて日本が準備をしているということを、これは僕は未確認なので確認をさせていただきたいんですが、これは環境省としては把握をされていることでしょうか。
○政府参考人(谷津龍太郎君) 私どもとしては承知しておりません。
一点付け加えてお答え申し上げますと、バリにおきまして、アメリカ側からは第二回の主要経済国会合を一月の三十日と三十一日にハワイで開催したいというお話はございました。
○福山哲郎君 そのことに関しては、三十と三十一日にハワイでやられることに関してはほぼ合意という形になっているんですか、各国。
○政府参考人(谷津龍太郎君) これは主催国がアメリカでございますので、適切なタイミングで正式な招待状がアメリカから送られてくるというふうに理解しております。
○福山哲郎君 ということは、このこととサミットにおいて主要排出国会議が行われるということは今のところはリンクはしていないという認識でよろしいんですか。
○政府参考人(谷津龍太郎君) これはアメリカ政府が主催する会議でございますので、私どもとしては、今後のアメリカ政府がこの主要経済国会合をどのように進めようとしているのかということをよく把握しながら対応していきたいと考えております。
○福山哲郎君 日米間でこの主要排出国会合について議論がこれまで、どのレベルでも結構ですが、やられたことはありますか。
○政府参考人(谷津龍太郎君) 例えばバリにおきましては、米国政府の関係者、それと日本政府の関係者、いろんな機会に意見交換しておりますけれども、そういう中で今私が申し上げましたような第二回の開催という情報も入手したところでございます。
○福山哲郎君 経産省もそういう認識でよろしいですか。
○政府参考人(伊藤元君) 同じ認識でございます。
○福山哲郎君 ということは、この主要排出国会議がバリとどのようにリンクするかはまだよく分からないということだけは確認をさせていただきました。
実はもっと聞きたいことたくさんあるんですが、もうあと七分ぐらいになってしまいましたので、目達計画の最終案のことについてもちょっと言及をしたいと思います。
京都議定書の目達計画の最終報告が十二月に出ました。これはこれから、私の認識が間違っていなければ、パブコメ等をされると聞いておりますが、今後のこの目達計画の運びについて言及いただけますか。
○政府参考人(南川秀樹君) 目達計画につきましては、中環審、産構審、両審議会の最終報告案というものが間もなくパブコメになると思います。現在、様々な、先日の議論で様々な意見がございまして、それを座長が預かるということで今調整をされております。間もなくパブコメにかかりまして、約一か月間パブコメを経た後、報告が出ます。それを踏まえまして、年度内に政府として目達計画を改定したいと考えております。
○福山哲郎君 今、最後の部分で、南川さん、非常に重要なことを言われたんですけど、私、聞こうと思ったんですけど、これはまだ改定の余地はあるんですね。
○政府参考人(南川秀樹君) 今回の両審議会での議論を踏まえまして、政府の責任において改定するものでございます。
○福山哲郎君 ということは、パブリックコメントの意見等や例えば国会の中の意見等が取り入れられる可能性はあるという認識でよろしいですか。
○政府参考人(南川秀樹君) もちろん審議会の意見を踏まえて改定するものでございますけれども、当然ながら、パブコメ、それから様々な意見ございますので、政府の責任において最終的には決定をするものでございます。
○福山哲郎君 これ、大臣はもう全部端から端までごらんいただいていると思いますが、最終案の割には具体的なことがやっぱり大分欠けていると私は思っていますし、例えば国民運動の例の一キログラムの話も、どうやったら一キログラム削減できるか、ちょっと余り読んでもよく分からないんです。国民運動の削減量もこれ一体何を積算するとこれだけ計算できるのか、ちょっと私自身は理解に苦しむとか。我々の党として議論を積極的にしている再生可能エネルギーの問題や排出権取引の問題も実はほとんど言及これされてないというか、言及はされているんですが、具体的な政策措置としては全く今回はまないたにのっていないんですね。
本当にこの目達計画で約束が達成できるのかということと、それからそれこそバリ・ロードマップができたわけですが、二〇〇九年までに日本がより削減これだけしましたよということを各国に主張できるようなものがあるのかというと、済みません、これはいろんな評価が分かれるので、私の考えが正しいとは思いませんが、一面に。私はやっぱり具体性にかなり欠けると思っていまして、閣議決定までまだ時間もありますので、これは国会の意見やそれぞれのパブコメの意見を真摯にやはり受け止めていただいて、まだまだ改善の余地はあるんだという認識を、済みません、大臣いただけないかと思いますが。
○国務大臣(鴨下一郎君) 今の段階では、その目達計画の改訂版についてはそれぞれ各省、それから産業界も含めて大変な努力をして深掘りをしていただいたわけでありますから、私どもはそれに沿って粛々と進めていくと、こういうようなことが原則であります。
ただ、今委員おっしゃったようなこと、あるいはジャーナリズムも含めて御批判もあることも重々分かっておりますし、それから両論併記でペンディングになっている項目もございます。
こういうようなことも含めて、我々は今この環境省の中では少し進んでうまくいかなければもう一度更に見直そうと、こういうようなことでアセスメントとチェックと、そしてフィードバックをする、こういうような仕組みをいかに早め早めにやっていくかと、こういうようなことをこの中に入れられないかと、こういうことも考えておりますので、今せっかくまとめてくださったところでこれからパブコメにかけるところでありますから、いろんな意見は伺いたいと思いますけれども、現在のところで一応それなりに目達計画を達成できるというところまで積算はされているわけでありますから、これを更に実効あるものにしていくのが私たちの役目だと、こういうふうに思っております。
○福山哲郎君 できればパブコメを、非常に言葉は悪いですが、アリバイづくりではなく、ちゃんとそのパブコメを真摯に受け止めていただいて、少しでも改定なり、実効性の上がるように今大臣がおっしゃられたように御努力をいただきたいと、また国会の審議等も積極的に受け入れていただけるようにお願いをしたいと思います。
もうわずか二分になりましたので、もう鴨下大臣よくお分かりのとおり、世界は動いています。規制的手法がすべて経済をマイナスにするわけではありません。逆に、規制的手法のおかげでアクスになることもたくさんあります。アメリカも徐々に動き出しまして、御案内のように十一月には法律がまあ一部ですが通りました。オーストラリアも状況が変わりました。アメリカの大統領選挙が来年一年間ずっと続く中で、この温暖化の問題は非常に大きな争点になります。
この目達計画の中の排出権取引市場の創設に関してみると、この目達計画の状況を十分踏まえた上で検討していくみたいな話で、この状況をまた見た後、その後検討なんていったら一体いつになるのかよく分からない。その間にひょっとしたらヨーロッパもアメリカもマーケットができて、中国もコミットする、オーストラリアもコミットするみたいな話が出てくる可能性も僕は十分あると思っています。
経済界が自主行動計画で頑張っていただいているのも分かるけれども、それでは削減量足りないことも事実でございます。そのことも含めて、やっぱりこれは与野党超えて非常にこれからの二十一世紀の国益と人類益と生態系を守るということを、いろんなこと含めて重要な問題ですので、是非大臣には奮闘していただいて、頑張っていただいているのは重々承知をしておりますが、更に政府内で声を上げていただきたいことをお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。