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2019
第200国会 参議院 予算委員会 2019年10月15日
○委員長(金子原二郎君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 立憲民主党、新会派の福山哲郎でございます。
日々、残念ながら台風十九号の被害広がっています。犠牲になられた皆様、方々に心からお悔やみ申し上げます。また、被災された皆様にお見舞い申し上げます。そんなさなか、救助活動に当たられている全ての方々に感謝と敬意を申し上げます。
私たちは、政府に被災地、被災者に寄り添っていただきたい、人命救助、ライフラインの復旧が第一ということで、各閣僚には現場に赴くか各省庁で指揮を執ってほしいと願い、今日の予算委員会の延期を申し入れました。残念ながら、与党は拒否をされました。
総理、今日、予算委員会を開会する判断をされたのはなぜですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、現在も懸命の救助活動、捜索活動を行っておりますし、政府を挙げてまさに災害対策を行っております。
一方、この委員会の開催については委員会がお決めになることであり、我々は求められれば憲法の規定によって政府として答弁を申し上げていると、こういうことでございます。
○福山哲郎君 そんなことあり得ないんですよ。昨日、赤羽大臣だって現場行っている、武田大臣も現場へ行かれている。与党が国会で決めたからといって、被災地にそれぞれ復旧作業に政府が挙げて頑張っている最中に、予算委員会を開いていいですかと、可能ですかということを総理や官房長官にお伺いを立てないで予算委員会を開くことを決めるなんてあり得ないでしょう。そんな当たり前のような答弁しないでください。そんな、要は……(発言する者あり)いや、建前のような答弁しないでください。
総理、なぜ今日、予算委員会をやるという判断をされたのか、答えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、まさに政府としては求められれば要求に応じざるを得ないわけでございまして、今我々は誠意を持って要求に応じているところでございます。
○福山哲郎君 我々は逆に予算委員会の延期をお願いをしました。ということは、自民党と公明党さんは、この被災の状況の中でもこうやって大臣を張り付けてやることを自民党と公明党が決めたということですね。それを総理が了としたと、それでいいですね、じゃ。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 福山君。
○福山哲郎君 いや、与野党が合意したから国会で決めたというのは建前です。我々は延期をお願いしました。そして、総理はそれでオーケーをしたから出てこられているわけです。だって、我々、与野党でそれでやらなかったら、国会開くよって言われたら僕は、僕らは質疑しなければいけないから、こうやって出てきます。
でも、本当に今まだ被災地は苦しんでいます。政府の職員も自治体の職員も頑張ってくれていますし、自衛隊も頑張ってくれています。なぜ今日、予算委員会をやることを総理が了としたのか。逆でしょう。総理からいえば、この状況だから予算委員会開かないで政府に対応させてくれというのが総理の役割じゃないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、憲法によって、求められれば、国会に求められれば答弁をしなければいけない立場であります。今日は一時間、更に災害についての審議が加わったわけでありますが、もちろん、職員にとっては、これは災害に対応しなければならない諸君が更に答弁に対応するわけでありますが、大変でありますが、しかし要求されれば、それに対応して、誠実に対応しなければならないというのが私どもの立場であります。
○福山哲郎君 全く理解できません。
総理、今日、朝説明をいただいたときに、亡くなられた方々は三十三名と御答弁されました。現状、NHKでは六十名を超えています。(発言する者あり)違う、説明をされたはずです。現状の説明を三分されたでしょう。三十三名と言われたのが、もうNHKでは六十名以上を超えています。何でこんなに違いが出るんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、三十三名の方がお亡くなりになったほか、災害との関連を調査中の死者が二十名、心肺停止者が九名、行方不明者が十二名、安否不明者が八名という言わば中身についてお話をさせていただいたところでございまして、これを全部足し込んだ数字として死亡者として報道している機関もございますが、安否不明者の方もおられますし、まだ医師によって死亡通告がなされていないという方等は心肺停止者に入っておられるわけでございますし、あとまたこの災害との関連がどうなのかという方もおられると。あとまた行方不明者もおられる、安否不明者の方もおられるということでございます。
○福山哲郎君 内閣府防災や官邸の危機管理センターの職員は本当に夜を徹して僕は仕事をしていただいていると思います。各県に職員を、今回は広範囲に被災が広がっているので派遣されているとも聞いております。実は、内閣府防災の現状の発表も実は昨日の四時から新しいものが出ていません。僕は、責めているんじゃありません、そのぐらい内閣府防災も多分危機管理センターも人員的にきつきつの状況でやっているのだと思います。
総理、お願いがあります。各省庁から内閣府防災にいち早く職員を派遣していただいて、この内閣府防災自身の体制を強化していただけませんでしょうか、そのことをまずお願いをしたいと思っております。
○国務大臣(武田良太君) 体制の強化に対する御指摘でございました。
内閣府におきましては、防災担当より他部局へ異動した後も防災担当で経験したことを生かして応援してもらえるように、防災予備役の仕組みを平成二十五年度から開始をいたしました。
具体的には、対象職員の名簿を作成し、これらの職員に対して定期的に講習会を開催するなど、防災対策や災害の現状等について最新の情報を理解していただくことにより大規模な災害に備えております。また、他省庁からの出向者の皆さんにつきましても、国交省、総務省、農水省、厚労省からの出向者の皆さんについては既に対象者の名簿を作成しているところであります。
こういった仕組みも活用しながら、台風第十五号においては十一人、今回の十九号については更なる増援を行う予定となっております。
○福山哲郎君 名簿の作成も更なるもいいんですけど、じゃ、一体何人増員していただいたんですか。
○国務大臣(武田良太君) 現在のところは四名であります。
○福山哲郎君 全く足りない。
つまり、こういったことをいち早くやらなきゃいけない。今日委員会開いているので、国会対応で大臣答弁の作成やいろんなもので実は半日ぐらい内閣府防災は取られていると思いますよ。だから、我々は予算委員会延期してくれと申し上げたんだ。
大臣、いち早く各省庁に依頼をして人を派遣するようにお願いできませんか。
○国務大臣(武田良太君) 万全を尽くしてまいりたいと思います。
○福山哲郎君 総理、どうぞ御決意を。総理が指示していただければできるかと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 今、内閣防災の話をされましたけれども、現場でそれぞれ役所から現地に数多くの人間が出向いて、自治体からそれぞれの注文を、それぞれ注文を聞いた上で、武田大臣の下で行っています。
それは、先ほど四人というのは、これ、国民の皆さんに少な過ぎるんじゃないかなということを与えてしまうかもしれません。そういう意味で、例えば防衛省は自衛隊だけで五万人を超えているとか、それぞれの省庁もそれぞれ自衛隊に派遣しているということを御理解をいただければと思います。
○福山哲郎君 そんなことは、官房長官、恐縮ですが、理解をした上です。元々の、中心的にやってもらわなきゃいけない内閣府防災の人が足りていないのでお願いしますと言っているんです。責めているんじゃないんです。これ、委員会やっていることも含めて僕はすごい抵抗があるんです。だから、総理、そこは人員の派遣を各省庁に指示していただけませんかとお願いしているんです。
○国務大臣(菅義偉君) 各省庁を総合しますと三百七十人ほど充てています。
○福山哲郎君 内閣府防災に人を増員するの、そんなに抵抗あるんですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) しっかりとニーズを把握して後、必要があればそういう、そう対応をしていきたいと、こう考えております。
今、私の方に、内閣府防災に対して直ちに人を派遣するようにというこの要請は、私のところに、私自身のところにはないわけでございますが、先ほど来答弁をさせていただいておりますように、既に、各省庁から既に現地、現地に対して、いや、現地に対しては相当の人数が出ているということでございます。
○福山哲郎君 つまり、総理が言うように、いろんな調査をする、全容がまだ分かっていないということなんでしょう。でも、災害というのは七十二時間が大事なんでしょう。だから、予算委員会延期して、そういうことを把握して人員の派遣とかいろんなことをやってくださいと僕らもお願いしているんですよ。
武田大臣、どうですか、内閣府防災全体、本部のところの人員を厚めにしてください。
○国務大臣(武田良太君) 令和元年度、定員九十四名プラス自治体からの研修員の皆さんで、内閣府防災計百二十名強で携わっております。
今日、度重なる大型災害によりまして様々な教訓をいただくことになっておると思います。しっかりと教訓を生かして今後の災害対応に臨んでいきたいと、このように考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 官房長官からも、私からも答弁させていただいているんですが、まず大切なのは現場であり、各被災している市町村等々でございます。そこには各省庁から相当の人員を既に派遣をしているということでございまして、内閣府防災自体にどれぐらい人員が更に必要かどうか、内閣府防災にというよりも、既に直接その現地に派遣されているということでございます。市町村には例えば総務省からも相当の人員、また経産省からも相当の人員が派遣されているわけでございまして、それは御理解をいただきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) いずれにしろ、現場に、今日は、先ほど申し上げましたけど、防衛庁、消防、警察等を始めとして約十一万人の体制、そしてヘリ百機で全力で取り組んでおることを申し上げたいと思います。
○福山哲郎君 その情報が全部上がってくるのは内閣府防災だから、内閣府防災の人員を確保してほしいとお願いしている。別に責めているわけではないので、それで頑張りますと言えばそれで終わりの話を何をそんなに、何かあれなのか。
赤羽大臣、お伺いします。
これは、別に責めているわけではありません。我々、党の防災災害局のメンバーがみんな現場を歩いていただいて、話が出た話です。
東松山市の都幾川と越辺川合流地点の破堤箇所、つまり堤防が壊れた場所が昭和二十二年と同じ場所であったと、そこだけ堤の幅が狭くなっていたので国交省にずっと地元から何度も要望していたと、こういう事実は把握されていますか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) お答えさせていただきます。
〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕
この地域には、私、一昨日、ちょうど現地に行かせていただきました。
今御指摘のお話は、昭和二十二年のキャサリン台風のときの堤防決壊のお話かと思いますが、この地点と今回破堤した地点は異なっております。今回は、その当時の地点より下流、約一キロほど下流でございまして、二十二年のときの堤防につきましては、もう当然でございますが復旧工事を行って、現在では決壊箇所を挟んだ周辺は同じ幅を持った堤防が連続しておりまして、今回は大丈夫でございました。
ただ、今回の破堤した地域は、今回百メーター決壊をしてしまいましたが、実は平成二十六年度から、今回破堤した地点周辺をやっぱり強化していこうということで、実は決壊箇所から約四百メーター下流から整備を進めておりましたが、今回破堤、破堤した場所は、実は、排水をするための設備、排水管、排水樋管という言葉なのですが、こういうものが、構造物が入っておりまして、この構造物をどううまく除去して堤防を造り直すかというちょっと技術的な課題とか、その排水管を一時的にせよ取り外すことで地元関係者との調整が必要であって、すぐ工事が実は着手できない状況で今回の台風十九号に当たってしまったということでございました。
今回、今懸命に仮の復旧工事を進めておりますが、本格的な整備を一日も早く進めることによって地元の皆さんに御迷惑を掛からないようにしていきたいと、こう考えております。
以上でございます。
○福山哲郎君 御丁寧な答弁、ありがとうございます。
実は、いろんなところの破堤場所は、それぞれの地域の特徴とかパターンとかあると思うんです。今回、やっぱり国の直轄の川は随分堤防が決壊したというのはかなり大きな課題なので、それぞれの特徴やパターンを国交省としても早急に調べていただいて、それの対応をきめ細やかにしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕
○国務大臣(赤羽一嘉君) おっしゃっていただきましたように、今回、国の管理する河川が全国で七河川十二か所で破堤したということは、もうある意味では未曽有の大災害でありました。
以前、別のところでも質問が出たんですが、最近の気候変動によって災害が激甚化、頻発化し、被害規模も甚大化しているというのはこれはもう事実でございますので、今、省内にこの気候変動に伴う検討会が有識者を踏まえて昨年から行っておりますので、そうした検討会の中でどのぐらい雨量が増えるのかといったことを想定しながら、そうしたものに耐えられる新技術も導入しながら、防災・減災に資する、国土強靱化に資する施設整備を進めていきたいと、こう考えております。
以上でございます。
○福山哲郎君 もう一個だけ、第十九号、いろいろ本当はあるんですけど、小泉大臣にお伺いします。
福島の1Fの除染作業で発生した放射性廃棄物の入ったフレコンバッグが仮置場から川に流出したという報道があります。この事実関係についてどのように状況を把握していますでしょうか。今日、我が党の議員がこの現場を見に行っていますが、大臣はどのように把握しているか、教えてください。
○国務大臣(小泉進次郎君) お尋ねのありました福島県、この仮置場の件でありますが、環境省においても、福島県、そして現場となっている田村市、連携の上に積極的な協力を実施していますし、これからもしていきたいと思っています。
今回、田村市が管理している仮置場において、今、福山先生御指摘になられたとおり、除染廃棄物を入れた大型土のう袋が河川に流出をしました。これまでに六袋回収済みでありまして、さらに四袋を発見し、回収作業中であります。ほかに流出したものがないか、引き続き今調査中というふうに聞いております。
田村市は、引き続き流出した廃棄物の捜索を行うとともに、本日、付近の空間線量率等の測定を実施すると聞いています。田村市によれば、これまでに回収された大型土のう袋については、容器の破損がなく、環境への影響はないと聞いております。
また、環境省が直轄管理している飯舘村の中の仮置場から流出したと思われる大型土のう袋一袋、これを敷地外において発見をしたところであります。十月十五日中に、流出した大型土のう袋を回収するよう指示を出しました。引き続き、現場の状況等や各仮置場の状況確認を実施しています。
なお、飯舘村で流出した除去土壌等についても、容器の破損がなく、環境への影響はないと考えられます。
○福山哲郎君 大臣、申し訳ありませんが、流出した数が分からなければ、その回収がいかに何割回収されたのかということが分からないんですが、先ほどの田村だと、実は保管場所には二千六百六十七個のフレコンバッグがあったと言われているんですけど、幾つ流出したうちの四個回収というような話なのか、大臣、御理解いただいていますか。
○国務大臣(小泉進次郎君) そこも含めて調査中です。
○福山哲郎君 それじゃ報道とほとんど一緒じゃないですか。そういうのをいち早くやってもらわないと、これはやっぱり放射性廃棄物ですから重要だと思いますよ。大臣、少しちょっと急いでもらえませんか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 福山先生御指摘のとおりでありますので、これは田村市の管理している仮置場でありますが、こういう状態になったときに、国だとか県だとか市、町だとかそういったことを取っ払ってしっかりと進めていかなければいけないという思いで、今、環境省においても福島県そして田村市と連携の上、積極的な協力を実施しているところであります。
○福山哲郎君 何個流れているのかも分からないというのは、ちょっと、いささかちょっとショックでした。
関電の問題、今日、関電が出席しないことを非常に私は残念に思っています。民間企業として説明責任を果たしていただきたいと思います。
関電の第三者委員会による報告書を経産省としてはいつまでに提出するように求めているのか、大臣、お答えください。
○国務大臣(菅原一秀君) 可及的速やかにというふうに要請はしておりますが、但木委員長が会見で年内を目指すと、こう言っていまして、約束はなかなかできないけれども年内を目指す、こういうふうに言っていましたので、こちらとしては可及的速やかにというふうに言ってあります。
○福山哲郎君 第三者委員会の調査とは別に、電事法百六条三項に基づいて経産省は関電に報告を求めていると思いますが、間違いありませんね。
○国務大臣(菅原一秀君) 関電が事実関係を徹底的に究明して公益事業者としての説明責任を果たすという意味で、今お話しのとおりでございます。(発言する者あり)
法的な根拠を今おっしゃったわけでしょう。(発言する者あり)失礼しました。求めております。百六十三条ですよね。求めています。
○福山哲郎君 何を具体的に報告するように求めているんですか。
○国務大臣(菅原一秀君) 幾つかございますが、まず、役職員が高浜町の元助役から多額の金品を受領していたという事実に関して、その事実関係を明確にせよというのが一点。それから、原因究明を行ったそのロジでございます。さらには、その他の類似、つまり、今回は原発のお話でございますが、新エネや火力等でそういった事案が、構図がないのか、この三点でございます。
○福山哲郎君 その電事法に基づいたものは、いつまでに報告を求めていますか。
○国務大臣(菅原一秀君) 先ほどの答弁と重なりますが、可及的速やかにお願いをしたいと、こう申し上げておりますが、独立した第三者機関でございますので、但木委員長の言葉からは年内を目指すということであります。
○福山哲郎君 それは第三者委員会で関電が勝手にやっているものです。任意でやっているものです。
電事法上に基づいての報告は、これ当然期限を切っているはずで別物だと思いますが、これはいつですか。
○国務大臣(菅原一秀君) 第三者委員会をつくってからのではなく、今委員がおっしゃっているのは、九月二十七日にいわゆる電事法に基づいて報告徴収をせよといった件だと思います。それは経産省の方から関電に申し上げました。
それを、年内というような言葉があったものですから、それじゃ余りにも悠長過ぎるよといって可及的速やかにと申し上げましたが、この様々な案件が出てきている中で、中の独自の調査をしてもそれはなかなか信憑性がなかろうということで、独立した第三者機関を設けて中で調査をするように指導したという経緯がございますが、前段の件の御質問であれば、もう年内なんて悠長なことは言っていられないというふうに言いましたけれども、いつまでというのは言っておりません。
○福山哲郎君 いや、だから、電事法百六条三項による報告を求めているのは、いつまでと求めているのかと。それは法律に基づいているんだから、いつまでかと聞いているんです。
○国務大臣(菅原一秀君) これは関電に限らずですが、公益事業者として説明責任をしっかり果たすためには、原子力にとどまらない、火力、水力、再エネ等も含めた広範囲の分野における類似事案の調査に加えて、案件によっては可能な限り過去に遡って役員を始めとする多数の関係者に対するヒアリングを行う必要がある。
つまり、今回の事案は、御存じのとおり、森山氏等々の動きが十年、二十年ぐらい前、それ以上に遡るかもしれないということにおいて時間が掛かるというような予測もある中で、期限を今、九月の二十七日の時点では設定をしていないということでございます。設定はしていません。つまり、可及的速やかに、可及的速やかにとは言いましたが。
○福山哲郎君 ということは、全て関電任せということですね。経産省は監督官庁として期限も区切らないで報告を求めたんですね。
○国務大臣(菅原一秀君) 電事法に基づく報告徴収を求めました。それは、この電事法に基づく報告徴収というのは、万が一虚偽の報告などがあったらばこれは処罰されるということがあるゆえに相当厳格なものでありまして、経産省というのは、電力を始め様々なエネルギーの監督省庁ではありますけれども、いわゆる捜査機関ではございませんから、そこが一つの区切りになってございます。
したがって、その報告徴収を求めていますが、話の流れを聞いておりましたらば、五年前、十年前のことではなく、二十年、三十年前に遡っていくかもしれないので、そこを含めると、期限を設定はしていませんが、こちらのリクエストとしては可及的速やかに是非報告をしてくれというふうに言ってあります。
○福山哲郎君 この九月二十七日は、大臣は同席をして話を聞いたんですか。
○国務大臣(菅原一秀君) 九月二十七日に、報道が出たときに、私が大臣の立場から次官やエネ庁長官を始め役所の幹部に対しまして、会見をする前に関電の幹部を経産省に呼んでしっかりとヒアリングをするべしと、そういう指示は出しましたが、その場に私は立ち会ってはおりません。
○福山哲郎君 つまり、関電の役員を呼んだけれども大臣は立ち会わない。役人と関電の役員だけで話をして電事法上の報告を求めている。でも期限も切らない。これで監督官庁としての責任を果たしたことになるんですか。
○国務大臣(菅原一秀君) 関電に限らず、全電力会社は、電力を扱っている、エネルギーを扱う重要な公益性のある事業を担っている民間企業であります。
そして、今回の事案はやはり長年にわたってそういう構図があるとして、かつその資金をもらっていたという、こういう状況で、それを本人が認め、中には一人一億円以上もらっている者もいて、そうした中で今回は電事法の下で罰則規定のある報告徴収を求めたということでございますから、いわゆる監督官庁としてはそういう今指導をした次第であります。
○福山哲郎君 大臣、お願いがあります。
年末なんてあり得ないですね。だって、大臣、可及的速やかにと言われていて、大臣すら年末は駄目だと言っているのに。
この国会、十二月九日が会期末です。十一月の最低末までにこの報告を出すように、関電に電事法上の問題ですから報告を求めていただけませんか。国会終わってから出てきましたなんて、これ、安倍政権の常套手段ですから。だから、国会中、十一月いっぱいに出すように大臣から指導いただけませんか。
○国務大臣(菅原一秀君) まず、電事法に基づいて報告徴収をせよということを、九月の二十七日に既にそういう発想をもって動きました。その後、第三者委員会が立ち上がって、先週から、但木委員長が会見をして、この連休中からスタートをいたしました。
そのときの会見も含めてお話をしていたのは、この委員会のメンバーが全員で徹底した真相解明を行う方針で一致をして、委員長御自身が、いわゆる調査を中途半端にするわけにはいかない、したがって終了期限はコミットできないとしつつも、年内の取りまとめを目指すと、こういうふうに発言をいたしておりまして、それぞれの経験を持った但木委員長でございますから、その思いをこちらとしては尊重したいということでありますが、いつまでにというのはこの場で私からなかなか申し上げるわけにいきませんが、可及的速やかに早く出してほしいということは重ねてリクエストをしておきます。
○福山哲郎君 第三者委員会って関電がお願いしたところでしょう。関電から報告を受けるのは大臣ですからね。第三者委員会から報告を受けるわけじゃないですからね。だから、年内じゃなくて、とにかく十一月いっぱいに、国会やっているときに出せと。電事法上は、大臣が言えば必ず関電は持ってきますよ、そうじゃないといけないんだから、監督官庁なんだから。
大臣、それでいいですよね。
○国務大臣(菅原一秀君) 第三者委員会という外部の目を持った、また立場からの委員会でございますし、但木委員長を始めとして、それぞれ知見や御経験のある方々が四名集まり、十五名の補助弁護士が集まって徹底調査をする。そして、聞けば聞くほどこの様々な事案があって、亡くなった森山氏を始め、あるいは吉田開発等々、相当明日あさってで分かるような話じゃないような情報も得ている中で、あくまでも独立した三者、第三者機関から関電の中身を全部調査をし、しかも、今回、この但木委員長を始めとするメンバーを選んだのは、岩根社長は今無給で残っていますが、彼も含めて辞めることになるメンバーは除いた役員会、取締役会で決めていますから、そこは、あとは、電事法上は経産省がそれを受けるというのは、第三者委員会から受けるのではなく、民間企業から受けるというのはその法律の立て付けでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(菅原一秀君) 可及的速やかにというのはなかなかファジーな言い回しだとすれば、可及的速やかを終わらしめるように更に指導していきたいと思っています。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(菅原一秀君) 一回目が、十月十三日、日曜日に第三者委員会が開催されまして、徹底した真相究明を行うということで全員が一致をした意思確認をいたしております。
年内ということを目指すというふうに委員長が言っていますから、そこを尊重して、それに応じてこちらとしても早めにということを申し上げたいと、重ねて申し上げたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(菅原一秀君) 監督官庁として、関電に対して第三者委員会を含めた調査をやった、それを受ける状況に今なっていますけれども、(発言する者あり)いやいやいや、早めに出すように指示をしなさいというお話でしたからそのように指示はしましたけれども、日弁連のガイドラインに、第三者委員会というのは不祥事を起こした企業自身がステークホルダーに対する説明責任を果たす目的で設置をされているので、その調べた内容について経産省の方に出すという構図になってございますが、相当な膨大な資料やあるいは中身を調査しないと、この前みたいに、去年の秋に関電の中で独自の調査報告が上がっていて、しかもそれを報道が出るまで全く報告もしない会社でありますから、第三者委員会によってきっちりと年内に報告を出すようにまた申し上げたいと思います。
○福山哲郎君 済みません、大臣は関電の代弁者じゃないんですよ。監督者なんですよ。第三者委員会は、関電と第三者委員会の関係なんです。大臣は、大臣と関電との関係で電事法上報告を求めているのを、十一月いっぱいに求めると言ってくれと言っているんじゃないですか。
○国務大臣(菅原一秀君) 第三者委員会が関電の中を徹底調査をするわけじゃないですか。その報告を、第三者委員会の委員長である但木委員長が調べれば調べるほど相当時間が掛かるという認識の下に年内を目指すと言っているんですよ。ですから、年内を目指すと言ったならば、経産省として関電全体に対して、可及的速やかに、つまり年内を目指すということを言っているような話であるわけですから、そういうことです。
○福山哲郎君 大臣、そうしたら、関電の報告は第三者委員会に委ねるから、電事法上の報告はそれを待つと言っているんですか。それをはっきり言わないから。
でも、それだったら監督官庁としての責任果たせないですよ。だって、関電が指名したトップを持っている第三者委員会なんて、去年から報告もしていないような会社じゃないですか。それと関電に報告をすることは、関電に報告を求めることは別じゃないですか。だから、電事法上の関電からの報告は十一月中に求めてくださいとお願いしているんじゃないか。
○国務大臣(菅原一秀君) 済みません、私の説明が足りませんで。もう一回言います。
最初、九月二十七日に報道があった後に、去年の秋にそういう社内的な報告書を出しながら、取締役会にも出さない、監査役会にも出さない、そういう会社が、報道によって出てきて、聞けば聞くほどいろんなことがあった。そういう状況で、第三者委員会という外部の目を持った厳格な組織を中でしっかりとやるべしと言いました。そして、それは……(発言する者あり)いや、私が、私が指示を出しました。第三者委員会、第三者委員会を、第三者委員会をつくって外からしっかりとした社内の調査をすべしということは指示をしました。
そして、そして、そして、お話あったのは、前段の報告を十一月と言いましたけれども、そもそも関電がそういう信用ができない状態の中で外からの第三者委員会をつくったわけですから、その報告を待たずして、しかも中途半端な報告でこれをまた国会なりに出してその虚偽な内容があったらば、それは、電事法上で言う報告徴収を求めますよ、罰則付きの、それは求めます。けれども、それを十一月までというのは、その第三者委員会の調査が、今これ、十月の今日十五日ですから、なかなかそんなに簡単なものではない。というのは、但木委員長が会見で年内を目指しますと言っているのが、そこは私は尊重したいと思っています。
○福山哲郎君 電事法上、百六条の三項に基づく報告というのは、問題が出たことに対してどうなんだという報告を求めているはずなんですよ、九・二七なんだから。分かります。問題が出て何の報告も去年しなかった。こんなものがあったということに対して報告を求めろと二十七日に言っているわけですよ。第三者委員会を待ってその報告を受けるなんておかしいじゃないですか。その時点の状況を求めるんでしょう。
○国務大臣(菅原一秀君) 多分、福山先生もよく分かっていてお話ししているのかもしれませんが、最初、九月の二十七日に報道が出たものですから、午前中に関電の幹部を呼んでうちの経産省の幹部にヒアリングをさせましたらば、言っていることが曖昧でした。その後、会見で言ったことも曖昧でした。
結果として、会長と社長の言っていることも違っていたりしたものですから、これはガバナンスが利いていないので、ここをしっかりとさせるためには、内部調査は、自分たちのお手盛りのものではなくて、外部の目を入れた第三者機関をつくって中身を調査しなさい、ただし、そのメンバー選定は、お金をもらったあるいは辞任する方々を除いて新たな今の現状の役員の中で決めなさいという話の中で今回の四人のメンバーが出てきて、その方々が独立した第三者機関で調査をするというものは、今この瞬間にはその報告を待つというのが私たちの今のスタンスでございます。
○福山哲郎君 関電の代弁者ですね、まるで。
で、今日は国会出てこないんですよ。国会での調査には説明しないんですよ。これはいいんですか、経産大臣として。国会に出てこないことについて関電に対して何か指導するべきじゃないですか。だって、調査して明らかにすると言っているんでしょう、言語道断だと、大臣。
○国務大臣(菅原一秀君) 改めて、経産省、監督官庁として、関電に対して業法上の報告義務というものを速やかに出すように指示をしたい、そのことをお約束します。(発言する者あり)いつって、だから、それは、それは第三者機関の厳格な審査の中で究明をさせて、その本当の事実関係を調べて、そしてお金の流れやあるいは業者とのつながりや、そういったものをきちっと報告をさせて、今回の事案を解明するべし。したがって、それを改めて指示はします。(発言する者あり)ああ、失礼。参考人等については国会でお決めいただくことですから、私からコメントはできません。
○福山哲郎君 経産大臣、誤解しています。国会は、自民党も我々野党も含めて、関電に参考人を依頼して、関電の判断だと言ったら関電が断ってきたんですよ。だから、監督官庁として国会に出てきてちゃんと真相を明らかにするべきだと指導をしてくださいとお願いしているんじゃないか。
○国務大臣(菅原一秀君) ここは国会の場でありますし、予算委員会でございますから、予算委員会の委員長、両理事始め理事会で決めたことで例えば彼らが来るということならばそういうことであると思いますが、それを監督官庁として来いというのは、なかなかそこは限界があるんだと思います、国会にお呼びするのは。
だからこそ第三者の民間の方々に外からの目でしっかりと調査をしてもらうということに尽きるんだと思います。
○福山哲郎君 違うんだって。国会では関電の判断に委ねようと自民党も公明党も我々も了解をして関電に求めたら、関電が来ないと言うから、それは国会の国政調査権にちゃんと従って来るべきだと、真相を国会でも明らかにするべきだというふうに監督官庁の長として指導してくれと言っているんじゃないか。
○国務大臣(菅原一秀君) 電気事業法上のその命令は、監督官庁とあれどもそれはできませんが、国会で参考人招致が決まった場合は、出てこないと言ったらば、それはきっちりと出てくるように指示、指導をしたいと思います。
○福山哲郎君 じゃ、指導してください。よろしくお願いを申し上げます。(発言する者あり)いやいや、決まった場合というのは、関電に委ねるということは理事会で決まったわけですからね。
それから、先ほど一億を超える金品を受け取った、元助役から受け取った方々の話が出ましたが、関電の豊松元副社長ですけれども、これ、政府の原子力関係の委員を務めていたことがありますね。いつからいつまで何を務めていたか、大臣、お答えください。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
御質問の豊松氏につきましては、総合資源エネルギー調査会原子力小委員会の専門委員を二〇一四年六月から二〇一八年の十二月まで務めておりました。
○福山哲郎君 この原子力小委員会は何をする場所ですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
原子力委員会につきましては、エネルギー基本計画を踏まえまして、原子力政策の具体的在り方を議論し、政府の検討の一つの材料とするために、政府として専門的な視点から見解を示すといったものでございます。政策決定を行う場ではございません。
○福山哲郎君 業者からマネーの還流、それも一億を超える金品を受け取っていた方が、政府の原発政策に関わる場所で、私、議事録も見ましたけれども、原発推進に対しての本当に積極的な意見をずっと開陳をされていました。
こういった方が政府の原発政策の委員にいることについて、経産大臣は適切だと思いますか。
○国務大臣(菅原一秀君) 原子力小委員会は、政府に対して専門的な視点から見解を示すものでありまして、いわゆる政策決定を行うところではございません。
その上で、原子力小委員会は、例えば原子力政策に対して賛成の方も慎重な方も含めて様々な立場の方が参加をしております。しかも、その議事録を公開して審議の透明性を確保している、そうした機関でございまして、一定の方向にこの議論が偏らないように公平性を担保している点でございます。
そして、今の豊松氏の話でございますが、この委員ということですが、専門委員ということで、いわゆる議決権を持たない委員として参加をいたしております。
○福山哲郎君 いや、委員として、こんな一億ももらっているような人が委員として長年にわたって原発政策に意見を言っていくことが適切かと聞いているんです。
○国務大臣(菅原一秀君) その機関、小委員会の存在については今お話ししたとおりでございまして、原子力を進めるも慎重な方もいろいろいらっしゃる、その中のワン・オブ・ゼムだと思っていました。ワン・オブ、一人であることは事実であります。
しかしながら、結果として、そのような一億という金品もらったということに関しては、これは極めてあってはならないことだと思っています。
○福山哲郎君 ということは、あってはならないから、そういう方がこの原子力の専門委員会に入っていること自身については不適切だということですね。
○国務大臣(菅原一秀君) 先ほども申し上げたとおり、原子力小委員会は、その構成メンバーは、原子力政策を進める方、進めたいという方も、いや、そうじゃないという方も、いろんな方がいて、そこでいわゆる不偏不党な立場で議論をしているわけでございますから、その点で、この議決権を持たないということは、その一定の方向性にその豊松氏がこの議論を持っていこう、流れをつくろうということはないという意味においては、その存在があったんだと思います。その委員としては、専門委員としての存在があったんだと思います。ただし、今回の事案のその当事者とすれば、それはあってはならない、こういうことであります。
○福山哲郎君 この元助役の問題については、関係する企業から、まあ余り言いたくはありませんが、世耕議員や稲田議員にもお金が入っています。世耕議員はこの間、内閣官房副長官や経産大臣を務めておられ、稲田議員は自民党の政調会長、そして地元の福井ということで、そういう意思決定に関わる非常に力のある議員がこういう形で元助役とつながっているということ自身、原子力政策に対するプロセス、意思決定のプロセス自身が非常に国民に不信感を買うのではないかと私は感じますが、それは大臣、いかがですか。
○国務大臣(菅原一秀君) ちょっと今質問がどうなのかと。つまり、関電と森山氏自体は、今の、御本人亡くなっていますが、分かっている範囲の中ではこの関係があった、吉田開発という会社があった、その中でお金が流れていたということで、その事実関係は第三者機関に任せましたけれども、今のその政治家のお名前が出ていた方、そこと関係があるというふうに結び付けるのは、それはまた違う話だと思います。
○福山哲郎君 適切かどうかと聞いているんですよ。
○国務大臣(菅原一秀君) 適切かどうかという問合せですが、個々の政治資金の問題でありまして、これは政治家それぞれが説明すべきでありますので、政府側からコメントする立場にはありません。
○福山哲郎君 政治資金の収支報告的に違法だと言っていません。こういった金額をもらわれた方が福井の地元であったり、経産大臣であったり、政調会長であったり、意思決定をする方だということ自身に対して、原発政策に対して国民の不信を買うのではないかと、不適切ではないかと申し上げているんですが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政治資金につきましては、御指摘のような懸念も含めて、国民から信頼を得られる一人一人の政治家が、自ら説明責任を果たすべきものと考えております。(発言する者あり)
これ以上お答えのしようがないんですが、その関係についても今漠然とおっしゃったわけでございまして、それについては政治家一人一人が説明責任を果たしていくものであり、そもそもそれが原発政策に関わったのかどうかということもこれは全く分からないわけでございまして、その中で、政府としてお答えするわけにはいかないわけでございます。
○福山哲郎君 この問題はこれからまだ出てきますが、もう一度だけ大臣に聞きます。この報告、国会中に出していただくということを関電に求めることはお伝えいただけますか。
○国務大臣(菅原一秀君) 今国会は十二月九日というふうに決まったというふうに承っております。その十二月二日までの中にいつまでということは、なかなか今の状況では言えません。ただし、速やかに出すように重ねて申し上げたいと思います。
○福山哲郎君 安倍政権は、財政検証を結局参議院選挙前に出しませんでした。国会が終わるとこういったものが出てくるのは常套手段です。現実の問題として、国会中に出していただくように強く求めたいと思います。
愛知のトリエンナーレについてお伺いします。(資料提示)
八月の一日から十月十四日まで開催されていましたが、八月の二日の会見で、菅官房長官は、審査時点では具体的な展示内容についての記載はなかった、適切に対応していきたいと述べておられます。この発言は会見ですから、文化庁が作成したメモに基づいて発言をされたのでしょうか。
○政府参考人(今里讓君) 八月二日の官房長官会見につきましては、あいちトリエンナーレに関する報道がございまして、八月二日に文化庁から、あいちトリエンナーレは、文化資源活用推進事業として採択されていること、審査時点の申請書には具体の展示内容についての記載はなかったこと、事実関係を確認した上で文化庁として適切に対応していくこと、これを官房長官の会見が始まる前にお伝えしているところでございます。
○福山哲郎君 官房長官、今のメモに基づいて発言されたということですね。
○国務大臣(菅義偉君) そのとおりであります。
○福山哲郎君 同じく、八月二日、柴山文科大臣も、展覧会についての具体的内容が判明をし、確認すべき点が見受けられる、適切に対応していきたいと発言しています。ここです。
この発言は文化庁が作成したメモに基づくものでしょうか。
○政府参考人(今里讓君) 柴山当時の文部科学大臣が八月二日の閣議後会見でお答えした内容も文化庁が準備をしたものでございます。
○福山哲郎君 官房長官、発言された時点で、官房長官は、話題になっていた平和の少女像以外にどのような作品が出品され、表現の不自由展以外のたくさんの作家があいちトリエンナーレに出品されていることは御存じでしたか。
○国務大臣(菅義偉君) 承知はしておりませんでした。(発言する者あり)ええ、承知はしておりません。
○福山哲郎君 官房長官も柴山文科大臣も適切に対応していきたいと発言しています。文脈からすると、本来、これもう採択されて、補助金交付決まっていたんです。この官房長官と文科大臣の発言を受けて、通常の審査を継続しないで審査方針を見直しの示唆をしているように考えられます。
文化庁、審査方針を見直して適切な対応を取ることの指示は誰から、いつ出ましたか。
○政府参考人(今里讓君) この時点では、まず、補助金の交付決定はまだなされておりませんでしたが、その補助金交付の審査作業、今見直しというふうに委員からお尋ねがございましたけれども、一般に、申請案件につきまして不明な点があれば、必要に応じ、様々な方法やタイミングで事実確認等を行うものでございます。
あいちトリエンナーレの件については、御指摘のように審査作業を見直したものとは認識をしてございません。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) はい、再開します。
福山君、どうぞ。
○福山哲郎君 これ、採択が決まって審査書類が出て、審査書類を受け付けた後、採択を不交付に変えた例はありますか。
○政府参考人(今里讓君) お尋ねの、採択を決定して、その後補助金の交付決定の審査過程において補助金を不交付決定をしたという例につきましては、文化庁内で確認ができておりません。
○福山哲郎君 これは大問題です。
私は、文化庁、何回も呼びました。何回も呼んで事前に聞いたら、そういった例はありませんと答えていました。何で国会へ出てきた途端、答弁変わるんですか。説明してくれ。
○政府参考人(今里讓君) これまで御説明をしてまいりましたときの申し上げ方があるいは不適切であったかもしれませんけれども、それは、ありませんというのは確認できていないという意味で申し上げたというふうに理解をしております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(今里讓君) 事前の御説明の段階では、現時点ではありませんという言い方をしたかと思います。それは、現時点では確認ができておらず、今のところは見付けられておらず、ありませんというふうに申し上げたものでございます。
○福山哲郎君 じゃ、現時点ではないんですね。
○政府参考人(今里讓君) はい、そのとおりでございます。
○福山哲郎君 前例ないんじゃないか。それをそんな言い方しちゃ駄目だよ。余計不信感招きますよ、そんなごまかしの作業をしたら。
それでは、じゃ、審査をやっているのか見直しなのかは議論の余地があるでしょう。でも、大臣と官房長官が見直しのような発言をして内容を確認すると言ったから、確認作業入っていることは間違いない。そのときに、不交付決定までに文化庁の担当者は現地に行き、状況の確認をしましたか。
○政府参考人(今里讓君) 現地までは赴いてはおりません。
○福山哲郎君 不交付の決定に際して、補助金採択を決めた有識者に再度確認をする作業はしましたか。
○政府参考人(今里讓君) 今回の補助金の不交付決定は、補助事業の申請手続におきまして、補助金の申請者である愛知県が、会場の安全や事業の円滑な運営を脅かすような重大な事実を認識していたにもかかわらず、文化庁に申告しなかったことによるものでございます。このため、文化庁としては、補助金交付の手続の流れに沿って本事業の担当課にて関係法令等に基づき適切に審査を行い、全額不交付としたところでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(今里讓君) 今申し上げましたように、関係法令等に基づき適切に審査を行ったところでございまして、有識者の意見は聞いておりません。
○福山哲郎君 じゃ、採択を覆して不交付にしたのは、一体誰がどこで稟議書を起案をして、誰が審査をしたのか、お伝えください。いつか。
○政府参考人(今里讓君) 補助金の不交付の決定につきましては、九月二十四日に起案をいたしまして、九月二十六日に決定をしたものでございます。(発言する者あり)
この決定につきましては、専決処分として文化庁審議官が決裁をすることになっておりますので、文書上の決裁権者は文化庁審議官でございます。
○福山哲郎君 じゃ、二十六件採択をされた他の事業ありますね。それは、交付決定したのはいつですか。
○政府参考人(今里讓君) 九月二十日でございます。
○福山哲郎君 二十六件のうち一件だけ抜いているんでしょう。これ、一括決裁だと聞いていますよ。二十六件のうち一件だけ、あいちトリエンナーレだけ抜いて二十五件一括決裁。誰が抜けと、二十日の時点で抜くということを決めたんですか。
○政府参考人(今里讓君) 九月の二十日の時点ではその一つを除いたものを交付決定をし、そして、二十六日に愛知県、あいちトリエンナーレについての不交付決定をしたところでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(今里讓君) 九月二十日の交付決定の決定をしましたのは、決裁権者である文化庁審議官でございます。また、二十六日に不交付決定をした者も文化庁審議官でございます。
○福山哲郎君 審査をしてくれた審査委員の方に、全部決定が終わってから、それまで何も戻さず、相談をせずに御報告のメールが行っています。そこについては、委員の皆様に御審査いただき採択を決定した後、法令に基づく云々云々、事務的な審査であるため、委員の皆様へ意見聴取は行わず、文化庁内部で決定したと。
内部で決定して審査をしたと書いてあるんですけど、今の話だと、審議官が勝手に決めたの。一体誰がどこで稟議書上げたの。
○政府参考人(今里讓君) 起案をした者は担当になるわけですけれども、それを文化庁内部で決裁を上げていって、そして文化庁審議官が決定をしたということでございます。
○福山哲郎君 起案をしたのはいつですか。
○政府参考人(今里讓君) 九月二十六日の不交付決定につきましては、九月二十四日でございます。
○福山哲郎君 だから、言っているじゃない。二十日の時点で、残りの二十五件は一括決裁しているんでしょう。一枚抜くということの起案を一体誰がしたのよ。誰が意思決定したのよ。
その時点で、宮田長官、僕、宮田長官、実は尊敬されているんです。先生の作品も私、よく拝見しております。だから、本当はこういうの呼ぶの嫌なんですけど、宮田長官はいつの時点でこの状況を確認されて、宮田長官としては決裁、いつされたんですか。本当に僕、これ大問題だと思いますよ、文化庁として。宮田長官、横にいる人間、どうしても横に置いてくれと言ったから、今日、僕、オーケーしたんですけど、宮田長官、いつこの状況を決裁されました。
○政府参考人(宮田亮平君) 私は決裁はしておりません。
○福山哲郎君 そうすると、文化庁長官をかばうために審議官が全部受けたと。で、実は……(発言する者あり)いやいや、だけど、確認はしなきゃいけないでしょう。じゃ、文化庁長官はいつ報告を受けたんですか。
○政府参考人(宮田亮平君) 第一報は、報道がありました七月の三十一日であります。その後、随時、状況の報告や不交付決定の報告を受けてまいりました。
以上でございます。
○福山哲郎君 実は、前大臣の柴山前大臣は、メディアへのオフレコで、自分が大臣時代から決まっていた、決定に至るにはいろいろな積み重ねがあったと発言しているんですね。これ、やっぱり問題なんですよ。
これ、愛知県に八月中に文化庁から、いつ中間検証、報告が出るのかと何度も問合せの連絡していますね。事実、問合せをしたかどうか聞いているんですけど、どうですか。
○政府参考人(今里讓君) 愛知県の検証委員会の中間報告につきましては、八月の十九日、九月の十八日にそれぞれ進捗状況などを聞いているところでございます。
○福山哲郎君 中間報告出たのいつですか。
○政府参考人(今里讓君) 九月の二十五日でございます。
○福山哲郎君 不交付決定したのは二十六日です。で、何度も何度も中間報告がいつ出るのかと愛知県に問い合わせて、そして二十五日終わって、二十六日に出している。で、その間に、専門家にも聞かない、そして現場にも行かない、そして審議官が勝手に決める。日本の文化庁はいつからこういった、表現の自由を文化庁の内部の専決で物事をひっくり返せるような組織になったんですか。非常に不透明だと思いますよ。それも、スタートは官房長官や文科大臣の会見がスタートになっている。極めて不透明な意思決定手続で、初めに結論ありきだったと取られても仕方ないと思いますよ。表現の自由に政府が干渉して補助金を恣意的に不交付にしたと言われても仕方のない状況です。
これ、実は、現場は表現の不自由展をもう一回やり直して、そして、実は全部無事に十四日に終わっています。
私、提案します。もう一度この不交付決定を撤回を再検討するべきだと思います。実際には、現実にはもうその不自由展はやられて、無事に開催して終わっているんですね。既に採択された補助事業が不交付になるんだったら、事業の開催を守るため、政府の方針に少しでも反するような表現はあらかじめ自己検閲する力が働きます。今回のこの不透明な決定は、表現の自由に大きな萎縮効果を生みます。事実上の検閲として私は働くと思います。
また、総理、今回、脅迫や電凸をした脅迫者から見れば、テロ行為をすると脅しを掛けただけで自分の気に食わない表現を制限することができてしまった、そして政府はそれに対して補助金を不交付にしたと。安倍総理はテロに屈しないとずっと言っておられたはずです。こういった前例は、絶対に日本の文化行政としては私は不適切だと思います。
この不交付を決めたことを、撤回をもう一度再検討するべきだと思います。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、表現の自由とともに、公金の支出についての、それが正しいかどうかということについて、言わば税金を使うわけでございますから、それはその観点から恐らく文科省、文化庁において先ほど答弁したということなんだろうと思いまして、この補助金の扱いについてはただいま文化庁から答弁をさせていただいたとおりでございます。
○福山哲郎君 全く分かっていない。
先ほど申し上げましたけれども、内容の話はありましたけれども、内容的に言えば、申請書に作家がどういう作品を書く欄なんて全くないんです。だって、そんなの書く欄があったら、それこそ事前検閲になるじゃないですか。当たり前のように文化庁はずっとやってこられたんです。ねえ、宮田長官。今回みたいな不透明なのは、本当に私は禍根を残すと思いますよ。宮田長官のそれこそ古巣の東芸でも反対の声が上がっている。僕、すごく残念だと思います。
宮田長官、これ、もう一回、長官として不交付の撤回はもう一度再検討するべきだとお話しいただけませんか。
○政府参考人(宮田亮平君) 表現の自由は極めて重要であります。今後とも大変大切であると思っております。
他方、今回の決定は申請者の手続上の問題です。その一点に通じております。もし誤解が生じるようでありましたら、理解が得られるように努力してまいりたいというふうに考えております。
○福山哲郎君 今回の不交付の理由は実現可能性と事業の継続性ですが、もう再開をして安全性の確保もできています。
実現可能性も事業の継続性にも問題はなくなったと考えますが、長官、いかがですか。
○政府参考人(宮田亮平君) 今回の補助金の不交付の理由は、企画展の中止や再開にかかわらず、補助金申請者の展覧会の開催に当たり、来場者を含め展覧、展示会場の安全や事業の円滑な運営を驚かすような重大な事実について認識していました。それらの事実について文化庁に全く申請しなかったということによります。それによって、不交付決定を見直す必要はないと考えました。
○福山哲郎君 あまたある芸術祭、芸術展、それぞれいろんな作品が出ています。申請書にはそれぞれの作家が何を出すかという申請、個別のものはありません。何が起こるかなんというのは予想不可能です。その中でも愛知県は頑張っていろんなことをやっておられた。結果としては脅迫や電凸が出てきた。本当にそれに屈して補助金まで不交付にする。そんなことしたら、全国で気に食わないものがあったらテロや脅迫をしたら、みんなあれですよ、(発言する者あり)隠していないよ、隠していないよ、何を言っているんだ。
もう一度不交付撤回を再検討するべきだと私は思います。この不交付は手続に瑕疵があります。だって、先ほど言ったとおり、何もやっていない、現場にも行っていない。現場にも行っていないんですよ。表現の自由への介入のおそれがある。無事にあいちトリエンナーレは不自由展も再開し、閉幕していると。政府内で再考する条件は十分だと思います。
是非、こういった、世界中の文化行政、世界に、日本はテロに屈した、脅迫に屈した、政府が表現の自由に介入したと、日本がアニメも含めて文化に対しては非常に世界の評価が高いのに、こういったことで傷が付く、そして芸術家にも萎縮効果が出る、こういったことに対しては非常に抵抗があります。
官房長官は、少女像しか内容を知らなかったとおっしゃっていました。つまり、ほかの全体像を全く文化庁もメモを上げないで、それを発言して、状況としてはこの不交付に至った。安倍政権は、これまでいつも、不透明な意思決定の手続が森友や加計学園でもありました。こういった文化行政でこういったことをすることについて私は非常に抵抗があります。
是非、不交付の決定を撤回をしていただくように強く申し上げて、私の質問終わります。
ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)