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2020
第201国会 参議院 議院運営委員会 2020年4月7日
○福山哲郎君 立憲民主党の福山でございます。よろしくお願いします。
総理と西村大臣にお伺いします。時間がないので、単刀直入に御質問をします。
まず、西村大臣、二月下旬の総理の自粛要請から三月いっぱいにかけて、日本の被害額、損失額、各業種、団体、総額で幾らぐらいか、把握をされていますでしょうか。
○国務大臣(西村康稔君) なかなか個別の事業者の損失の累計というのは難しいものがございます。民間企業のアンケート調査が出ておりますので、そこからある程度の類推はできますが、これなかなか公言するには難しいと思います。
ただ、GDPは全体としては大幅な減少になることはもう間違いないと思いますので、そういったことも勘案しながら考えていきたいと思います。
○福山哲郎君 把握されていないことを非常に残念に思います。
東日本大震災の際には、三月十一日に発災しましたが、三月二十二日に原発事故以外の震災の被害額を十六兆から二十五兆と試算をしまして、それに合わせて補正の準備をしました。今回、やっぱりそういった作業が行われていないことを非常に残念に思います。
総理、緊急事態宣言を発令した場合、罰則規定がなくても、それに基づいて各都道府県知事が自粛要請等をされます。このことの責任は国にもあるということでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、今回の緊急事態宣言について、この七都府県に対して緊急事態宣言の地域に指定したのは国が指定したわけでございまして、そして、この国が方針を決めているということにおいては当然国も責任を持つということでございます。
○福山哲郎君 責任があると言っていただいて、ありがとうございます。
総理が実は協力を要請すればするほど、この自粛については強制の意味合いが強くなります。憲法二十九条には三項に、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」というふうにあります。まさに感染防止という公共の福祉のために、罰則規定はないけれども一定の制限を掛けているということではないでしょうか。だからこそ、我々は自粛要請と補償はセットだというふうに申し上げています。
我々がうまくやったとは言いません。しかしながら、原発の賠償については、事業者の営業損害については、事業の不能、取引減少分について、一定の減収分について指針をまとめました。就労不能、つまり、給与等の減収分についても合理的な範囲での賠償をまとめました。観光についても、予約の控えとか解約等についての推認を行いました。
私どもは、常に賠償のスキームをつくってくださいと言っていたのは、こういった前例があるからです。被害総額も分からない状況でこのスキームがないことを非常に残念に思います。日本は過去、原発事故でこういったことをやってまいりました。今回、十六・四兆円という補正ですが、これではいささか小さいと言わざるを得ません。
総理、自粛要請と補償はセットだと私は考えますが、いかがですか。そして、更に言えば、そのセットであることによって、より自粛要請の効果が上がり、皆さんが感染防止のために家にずっと待機をしていただけることが可能になると思うんですが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原発事故については、東電の責任、大きな責任があるわけでございますし、また、エネルギー政策を含め、推進してきた国としても当然責任があったわけでございます。
今回の、そこは、コロナウイルス感染症に打ちかつために様々な自粛をお願いをしておるわけでございまして、性格は少し違うとは思うわけでございますが、この自粛要請によって生じる個別の損失に対する補償については、直接の自粛要請の対象となっていない分野においても売上げや発注の減によって甚大な影響が生じていることも勘案すると、政府としては、様々な事業活動の中で発生する民間事業者の個人の方々の個別の損失を直接補償することは現実的ではないと、こう考えています。
しかしながら、多くの中小・小規模事業者の皆さんが事業継続が困難になっていることは事実でございまして、この皆さんに事業を継続をしていただくために、これまでにない無利子無担保融資など強力な四十五兆円を超える資金繰り支援や、本邦初めてとなる総額二十六兆円の税、社会保険料の大胆な猶予制度、そしてさらには、史上初めての事業者向けの最大二百万円の現金給付など政策を総動員して、事業の継続を後押しして雇用を守り抜いていきたいと考えております。
○福山哲郎君 事業の継続も雇用も守れないから、現状、今悲鳴が上がっているから申し上げているんです。
これ、二百万円の、ああ、二十万円の、ああ、ごめんなさい、三十万円の問題は、窓口が自治体で自己申告になっていますが、これは窓口がトラブルを起こします。窓口で、あなたは二十万円いい、あなたは二十万円駄目だというふうに、そんな分断を窓口にさせるんでしょうか。このことについては、給付金、それから税金納付時期の猶予、雇用調整助成金、様々な方策が考えられているので、このことは国が責任を持って、それぞれの自治体に窓口を共通に国が責任を持ってつくって、ワンストップでいろんな手続ができるように、そういったことをやるべきではないかと。自治体に任せるのは私は無責任だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(西村康稔君) まず、この給付金ですね、三十万円を予定をしておりますけれども、(発言する者あり)三十万円、ええ、をしっかりと基準を、できるだけ分かりやすい基準で、その窓口の方が判断しやすいようにはしていきたいと思っております。
もう、今は申し上げませんけれども、ある月が、この二月から六月までのある月がこの発症前と比べてですね……(発言する者あり)ええ、ええ、ですので、そういったことをしっかりと書いて分かりやすくしたいと思いますし、地方にはしっかりと交付金、一兆二千億近い交付金が行きますので、こういったものも活用していただきながら、人材を確保し、窓口でしっかり対応してもらえればというふうに考えております。
○福山哲郎君 ええ、三十万円でした、間違えました、訂正しますが。
自治体への一兆円も、自治体、千以上の自治体に分ければ大した金額ではありません。自治体からは悲鳴が上がっています。今の話も分かりにくい判断基準だから申し上げているんです。
この緊急経済対策を見て自分が対象かどうか分からない人が窓口に押しかけたら、それだけ二次感染の可能性も出てきます。そういったことについてきめ細やかにやっていただきたいと思いますし、検査は相変わらず増えない、アビガンについては、備蓄はするけどまだ投与の基準については厚労省から医療機関に出ていない、いろんなことが問題になっていますので、これからも野党としては政府に言うべきことは言っていきたいというふうに思います。
私からは以上です。ありがとうございました。