10/16
2007
第168国会 参議院 予算委員会 2007年10月16日
肝炎問題、随意契約、緑資源、地球温暖化問題
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
予算の執行状況に関する調査を議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。
関連質疑を許します。福山哲郎君。
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の政審会長をやらせていただいております福山哲郎でございます。今日はよろしくお願いします。
まず冒頭、総理、総理御就任おめでとうございます。このような多難な時期に総理に御就任されて、多分、恐らく心労も多々あると思いますが、是非、日本国のために御奮闘をいただきたいと思いますし、いろんなところで総理の決断が要る場面があると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
参議院で野党が過半数を取って、日本の政治史上何回か例はありますが、現実に二院の意思が異なるということで新しい状況が起きてきています。総理が野党と協力、議論をと繰り返し言われていることに関して、私は一面では評価もしますし理解もします。しかし、その分、福田総理の意思がなかなか国民に見えにくい部分があるのではないかということも私は感じています。
また、昨日の自民党の予算委員会でも我々の案の一部を取り上げて批判をすると、欠席裁判みたいなことが行われるわけで、与党の姿勢としてはいかがなものかなと私はいささか思っています。
こういった状況の中で、総理が議論だ、姿勢を示して協力をと言われてもなかなか理解できないんですが、この参議院の状況も含めて、総理は一体どのようにお考えいただいているのか、お答えをいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) こういう状況になりまして、苦労ばっかりでございます。しかし、この苦労の中から何か新しいものを生み出したいなと、こういう気持ちも実は持っておるところでございます。
それは、与野党、意見は異なるところは多々あるのはこれ当然でございます。ですから、そういうことにつきまして、国会を中心に論戦を闘わす、これはもう大変いいことではないかと思います。ただ、お互いにお互いの欠陥をあげつらうということだけでなくて、より建設的な方向で議論が行われるということが私は大事なのではなかろうかと思います。
こういう機会というのはそうめったにあることではないんでありますけれども、しかし、場合によってはこういう状況が長く続くかもしれぬということを考えますと、これからの国会の在り方ということも含めまして、何を目指してやるのかということをお互いに考えていきたいと、そういうふうに思っているところでございます。
○福山哲郎君 私は、国会の緊張感が非常に増したと。
さきの通常国会、安倍政権のときは、問答無用とばかりに与党は強行採決を繰り返しました。これ見ていただきますと、(資料提示)我々はこの参議院に既に四本法案を出していますけれども、ほとんどが自民党が強行採決をされてきたものでございます。若しくは被災者支援、地震や台風の被災者支援に関しては、我々が主張してもほとんどはもう無視、相手にされなかった法案でございます。
我々のこの四本について、総理、今どのように評価をされているか、お答えをいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) さきの国会のことに言及されましたけれども、国会でございますから、そのときの状況に応じていろいろなことはあると思います。我々として、強行採決をしたのかと言われて、そういう認識というのが余りなかったということがあったのも、これも事実だというふうに率直に申し上げます。
ですから、そういうことが本当によかったのかどうか、皆さん方野党の方々がおっしゃるとおりなのか、そのところは私もにわかに判定し難いところでありますけれども、いずれにしましても、いずれにしましてもよく話し合って納得ずくでやる姿勢というものは、これは欠かすことはできないと、こう思っております。
○福山哲郎君 国民の皆さん、ひょっとすると誤解をされているかもしれませんが、国会には普通百本ぐらい通常国会では法案が出てきます。野党も、国民のためと思うものは六割とか七割賛成をしているわけです。全部が全部反対をしているわけではなくて、我々としては理念が違うとかここはおかしいというものに対して実は反対をしている、若しくは意見を闘わせている。我々のこの四本について、もし構わないんだったら、やはり与党側も賛成をしていただくと、その姿勢が重要だと思いますが、総理、四本について言及をいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 個々の法案につきまして今申し上げるのは、これはちょっとよく一つ一つ見てみたいと思いますけれども、全般的に言って、良いところは取り入れていきたいと、こういうふうに思っております。
○福山哲郎君 是非そのお言葉を信用したいと思います。
次、行きます。
肝炎の問題がいろいろ動いていますが、二〇〇二年七月の二十六日に厚労省の命令書を受けて、八月の九日、当時の三菱ウェルファーマから報告がありました。この中に、実は三菱ウェルファーマが投与をした四百十八名の症例があって、その表紙と四百十八名のうちの何名かの抜粋を持ってきましたが、この報告書が出てから厚労省は一体何をされましたか。
○国務大臣(舛添要一君) 今御指摘になりましたこの三菱ウェルファーマが二〇〇二年の八月九日にそのような報告書を出しました。これに対しまして、厚生労働省としては、国民に対する普及啓発、相談指導の普及、それから肝炎ウイルス検査の実施、予防、治療方法の研究開発と診療体制の整備、予防や感染経路の遮断などを柱とするC型肝炎緊急総合対策を同年度に開始したということでございます。
四百十八人についても今お答え……
○福山哲郎君 まだ。
○国務大臣(舛添要一君) まだいいですか。はい。
○福山哲郎君 厚労大臣は気が早いみたいでございまして。
啓発、啓蒙したのはよく分かりますが、じゃ、この四百十八名の症例の方々について厚労省は何をされましたか。
○国務大臣(舛添要一君) 今先生お持ちのこの四百十八人について症例の一覧表がございます。名前はもちろん症例何番という形で、個人の情報ですから姓名は明らかにしてありません。
この実は症例の一覧表は、平成十四年の調査の際に、旧ミドリ十字社がフィブリノゲン製剤の投与に関連する肝炎の発症例についてどれぐらい情報を把握していたかというのを会社なりにそこにまとめたものです。個人が、どなたがだれだと、何の何さんだというのが分からないという状況ですから、厚生労働省としては、その個々の方々というよりも、一般的に肝炎ウイルス検査を皆さん是非受診してくださいよと、そういう呼び掛けをやったということであります。
○福山哲郎君 今、大阪高裁で公判中なんですけれども、政府が提出されたというか、政府に提出されたこの四百十八名の中の原告十六番の方が実はいらっしゃったんですが、原告十六番の方に関して、国は実は準備、この法律上の公判の準備書面でちょっと発言をされているんですが、厚労大臣、この国の発言をお読みいただけますか。
○国務大臣(舛添要一君) 今のは、この訴訟の準備書面で原告番号十六番ですね、について主張すると。まあ、これ訴訟の準備書面なんで、ちょっと固いというか、非常にきつい表現になっていますが……
○福山哲郎君 いいです。そのまま読み上げてください。
○国務大臣(舛添要一君) いいですか、そのままで。はい。じゃ、ちょっとそのまま御要望ですので読みます。
さらに、原告番号十六については、後記三のとおり、フィブリノゲン製剤の適応があったとは言えないことがうかがわれ、その投与を推認させるような事情は見当たらない。以上のとおり、上記製剤使用証明書の記載は、信用できない。また、他に原告番号十六にフィブリノゲン製剤投与が使用された事実を立証する証拠はない。したがって、原告番号十六にフィブリノゲン製剤が投与された事実は認められず、フィブリノゲン製剤の投与によってC型肝炎ウイルスに感染したとは言えない。
以上であります。
○福山哲郎君 国は、この原告十六番について、明らかに証拠不十分だと言ってこれだけの強い表現をしました。四百十八名の中に原告十六番はいらっしゃったんですね、大臣。
○国務大臣(舛添要一君) これは、私が聞いたところによると、名前がそこには明らかでないですから、こういう症例だ、こういう症例だということを聞かれた人が、ひょっとしたらこれは私のことではないかなと、こういうような問い合わせもしたというふうに聞いています。ただ、その準備書面を提出した段階ではその個人についての情報が得れませんから、しかもその企業が、そのときの旧ミドリ十字がその個人についての情報をしっかりと持っているよということも十分承知をしていなかったと。
したがって、そういうことでありますけれども、今先生御指摘のように、新たな情報が出てきましたから、私としては、きちんとその情報を基に、何か対応できることがあれば対応したいというふうに考えています。
○福山哲郎君 四百十八名の症例が出てきた当時、もう一回聞きますね、先ほど私は質問をしていないので、厚労省は何かされましたか。
○国務大臣(舛添要一君) 先ほど申し上げましたように、個々の四百十八名というのがどなたであるかというのは確定できませんですから、したがって一般的な肝炎対策について指示をしたと。それ以上のことはやっていません。
○福山哲郎君 特定しようとはされましたか。
○国務大臣(舛添要一君) 要するに、そのデータ、個人情報の特定ができるかどうかということについて、これは企業が情報を持っているかどうかと。そこにあることについて言うと、個人情報でありますから名前が出てません。したがって、これは企業に対して出しなさいという命令が法的にできるのかどうなのか。その後、そういう問題はありますけれども、結論からいえば、個人の症例はだれがどういう症例であるかという特定はしていないと。
○福山哲郎君 いいですか、これ実は三菱ウェルファーマは住所も氏名も持っていたんです。四百十八名、確実にフィブリノゲン製剤で感染をしたことが分かったんです。それは国に報告書が出されたんです。そのときも大問題になっていたんです、肝炎の問題が。それを、実は四百十八名出てきたにもかかわらず、国は、特定をして、その人たちに対してあなたは感染をしましたよという告知もせずに、四百十八名ほったらかしたんです。ここに実は一月後に出ている調査書があります。私、これ全部読みました、一言一句。四百十八名に対して何の言及もない。
それで、実はこの後、提訴をされて、五年裁判をやって、国は四敗ですよ。この間、仙台で辛うじていろんな国の主張が取り入れられた判決があったけれども、四敗。それで、やっと昨日、和解の意見の聴取に応じる。
四百十八名はほったらかされたんです。この人たちは感染をして、症状が出て、どこで感染したかも分からない、どうやって治療されたかも分からない。この原告十六番はもう肝硬変になられています。このほったらかした責任をどうお考えですか。
○国務大臣(舛添要一君) まず、そこの一覧表は、フィブリノゲン製剤の投与後肝炎発症の一例ということで、要するに、輸血の併用ということもある、また製剤の投与によって感染したかどうかということが正確に一〇〇%確定していないという、まあ、これは一つの事実として申し上げておきたいと思います。
それで、これらの方々を含めて、平成十六年十二月にメーカーがフィブリノゲン製剤を納入した医療機関名を公表して、投与の可能性のある方々に対して、その医療機関に掛かった方々、これは是非受診してくださいと呼び掛けているわけであります。
国としては、そのリストを特定、だれだという個人名を特定できる情報を持っていないので、これが企業に対してリストの、製薬メーカーに対してそのデータを出しなさいということが国として可能であるかどうか、これを、可能であり、またそういうことの要請をきちんとやれればやりたいと、今からでもやりたいと私は思っております。ただ、そういう法的なことができるかどうか、そのことの一つのクリアはあります。
○福山哲郎君 今からやりたいって、どういうことですか。病気は進行しているんですよ。このときもう既に薬害だという話が出ているんですよ。
我々の党の家西議員は薬害エイズで今も議員活動頑張って、このことを一生懸命やってきました。肝炎対策だと言ってもほとんど見向きもしなかった、裁判中だ、裁判中だと。そして、今この状況になって、やっと今から特定できると。これ、四百十八名の患者さん、今どのように考えていると思いますか。厚労大臣、余りにも役人答弁過ぎませんか、それは。
○国務大臣(舛添要一君) いや、今申し上げましたように、きちんとそのときにメーカーに要請し、そういうことが特定するという努力は十分やったかどうかで、ということですね。それは私はやっていないということを申し上げているんです。
したがって、ただ、今からでもできることはやろうということで、今いろんな面で対応しているということです。
○福山哲郎君 じゃ、その当時の国の責任、不作為責任はお認めになるということでいいんですね。
○国務大臣(舛添要一君) メーカーに対して、メーカーに対してですよ、そこにある個々の人はどういう名前ですかということを要求しなかったということが不作為責任になるかどうかというのは、これは私は、役人的な答弁とかそういうことではなくて、法的にそういうことが可能かどうかということを検証してみたいということを申し上げているわけです。
○福山哲郎君 要求もせず、四百十八名に対して報告書で何の言及もせずほったらかした。そして、裁判ずっと長引いて皆さんが、本当に肝硬変までなられている方がたくさんいらっしゃる。この期に及んで、やっと昨日だ、和解の協議、和解の聴取に応じると。
じゃ、聴取に応じた和解協議の内容、明らかにしてください。
○国務大臣(舛添要一君) まず過去のことについては、私は完璧に十分国が行ったかというと、必ずしもそうでないという認識を持っております。
そして、今おっしゃられた大阪高裁に対してはきちんと、これは大阪高裁の求めに応じて、事情聴取をしていいですかということなんで国の考え方について述べたと。しかし、これは大阪高裁の方針もありまして、その中身については公表できませんと。
○福山哲郎君 今大臣は間接的に責任をお認めになりましたが、それでよろしいんですね。
○国務大臣(舛添要一君) 必ずしも十分な対応ではなかったと。ただ、法的な責任があるかどうかということについて言うと、個人情報の問題でありますから、そこは、(発言する者あり)そこは全体として十分な、十分な対応ではなかったと。
○福山哲郎君 総理、今の話を聞かれて、国の責任どうお考えですか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 今のやり取り伺っておりまして、正直申しまして私がいいの悪いのと、こういうふうに言うのはなかなか難しい。難しいんですが、しかし、結果としてこういう事態が生じたということについては、これはよく考えていかなければいけない問題だというふうに私は思っております。
○福山哲郎君 冬柴大臣、公明党はホームページでこの肝炎を二十一世紀の国民病と名付けて我々とほとんど同じ主張をされています。一日も早い救済をということを主張されています。
このやり取りを聞かれて、冬柴大臣はどのように思われますか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 肝炎で苦しんでいられる方がたくさんいらっしゃるということは認識をいたしておりますし、その人たちに取り得る手段を早く取らなければならないという認識も持っておりますけれども、私は今、公明党の議員ではありますけれども、大臣という立場で、しかも所管外の問題でもあります。所掌によって、つかさつかさで賢明に判断をされることを期待をいたしているところでございます。
○福山哲郎君 総理はなかなか表現しにくいと言い、冬柴大臣は所掌が違うと。こんな役人みたいな答弁していていいんですか。患者は今三百五十万人いると言われているんですよ。
これ実は昨日、医療費の議論が我が櫻井議員からもありましたけれども、これ肝炎から肝硬変なり肝がんなりに皆さん症状が変わっていくんです。そうすると、医療費も上がる。そして、インターフェロン治療を早目にすればこの肝炎は完治するんです。しかしながら、この治療は一人当たり二百何十万とか三百万掛かるんです、二百八十万掛かるんです。自己負担が余りにも大きい。だから、早く医療援助をしよう、医療助成をしようと我々は主張している。
そのための法案を先ほど冒頭申し上げました。この国会で出しました。早くこの法案を通していただきたい、賛成をしていただきたい。総理、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 私は、全く問題意識を福山先生と一にしておりまして、先般、民主党の議員団のこの問題をやられている方々とも十分に協議を尽くさせていただきました。
まず、三百五十万人、この方を一日も早く支援してお救い申し上げたいと。今おっしゃったように、インターフェロンという特効薬があるわけですから、これがやっぱり財政的に、金銭的に非常に負担になる。
したがいまして、この点について与党も今PTで精力的に議論をし、私は何とか年内に支援策、これを決めたい、与党の検討を待って。そして、もちろん民主党の皆さん方とも精力的に協議を進めております。そういう形ですが、最終的には国会で、議員立法でありますから、与党、野党を含めて十分議論をして、一日も早くこの命を助けると、その観点からおまとめいただきたいと思います。
○福山哲郎君 いや、与党PTの議論もいいけど、我々は法案出しているんだ。さっき申し上げたように、我々だって政府の法案を六割、七割は賛成をしているんです。今、考えが一だと大臣おっしゃられたじゃないですか。じゃ、我々の法案、早く参議院で通して賛成をしていただきたい。もう一度、じゃ、御答弁をお願いします。
○国務大臣(舛添要一君) これは、法律案を可決するか否決するかは立法府の仕事でありますから、是非しっかりと議論をしていただきたい。ただ、ただ、従来の延長線上ではない新たな対策を組むということであります。そして、民主党の法案にもいい点がたくさんある。しかし、例えば一月まで間に合うのかなとか、そういう点もありますから、これは立法府で十分議論して、更にもっとすばらしい法案の形でまとめられると、我々も一生懸命その法案に従って政策を整えていきたい、そういうように思っています。
○福山哲郎君 とにかく一日も早い法案の成立と、裁判での和解協議に素早く応じていただくことを望みます。
次に行きます。テロ特措法についてお伺いします。
テロ特措法の海上阻止活動について、無線照会十四万件、立入検査一万一千回とされていますが、この立入検査一万一千回は何か国の船にそれぞれ何回立入検査をしたのか、お答えください。
○国務大臣(高村正彦君) 何か国の船に何回立入検査したということは日本政府としては承知をしておりません。いろいろ照会しておりますが、作戦上のことということで、きっちりした答えが返ってきておりません。
○福山哲郎君 その作戦上は何の作戦上ですか、大臣。
○国務大臣(高村正彦君) 何か国の船にということでしょう。だから、それについては明らかにしていないと、こういうことでございます。
○福山哲郎君 何の作戦上ですか。
○国務大臣(高村正彦君) 相手国が作戦上のことであるから明らかにできないと、こういうことを言っているということです。
○福山哲郎君 何で。
○国務大臣(高村正彦君) 考えていただきたいんですが、相手国は、我々みんなのために、我々みんなのために海上阻止活動をやってくださっているんですよ。そのことについて、彼らは作戦上のことだから公にできないと、こういうことを答えているわけでありますから、それについて何か具体的な問題点でもあれば別ですけれども、そういうことがないのに、しつこく何だ何だと、こういうことを聞くということは、作戦上のことだと、こう答えている中でそういうことについて聞くことというのは、国際場裏に私は反していると思います。
○福山哲郎君 石破防衛大臣は衆議院の予算委員会で、この海上阻止活動は警察的行為であると、非常に微妙な言い回しをされましたね。軍事活動ではないということですよね。どうぞお答えください。
○国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおり、そういう言い回しをいたしました。警察権というのは基本的に国内において作用するものでございます。したがいまして、警察権という言葉を使いませんでした。警察的と申し上げましたのは、そういうことによるものでございます。
○国務大臣(高村正彦君) 警察的行為と軍事的活動ということは必ずしも矛盾するものでないということは御理解いただきたいと思います。
○福山哲郎君 矛盾はしていないけど、作戦上の機密性はかなり違うんじゃないですか、大臣。
○国務大臣(高村正彦君) 警察的行為であっても軍隊がやる行為について、それは作戦上の秘密というのは当然あり得ます。
○福山哲郎君 まず、一万一千回の船に立入検査をしたと声高に防衛省なり外務省が言われていることの、どの国に何回やったのかは全く分からないことが今明らかになりました。
二つ目。立入検査とは臨検と同じ意味合いでよろしいですか、大臣。
○国務大臣(高村正彦君) 立入検査と臨検は違います。立入検査というのは、一般的に相手の同意を得て立入検査をする場合も含まれますけれども、臨検というのは、国連海洋法条約に定められている臨検の権利というのがあって、相手が拒否してもできる、その場合を臨検と普通言っております。
○福山哲郎君 相手が拒否してもできるのが臨検。本当にそれでいいのか、政府委員、答弁ください。
○委員長(鴻池祥肇君) だれ。自分で名のって答弁してください。
○政府参考人(小松一郎君) 外務省の国際法局長でございます。
今大臣が御答弁になったとおりでございまして、国連海洋法条約第百十条、例えば海賊行為を行っている、奴隷取引を行っている、それから無国籍船であるというような場合に、同意なしにいかなる国の軍艦、公船も取締りを行うことができるというふうに規定してございます。
○福山哲郎君 さっきの大臣言われた立入検査と臨検の違いを、じゃ、もう一度お答えください。
○委員長(鴻池祥肇君) はい、どうぞ。登録していないんだ。
○政府参考人(小松一郎君) 船舶に、公海とか排他的経済水域におきましては、一般論といたしまして、その国の、所属をしてございます国の排他的管轄権が適用されると、こういう旗国主義の原則というものがございますので、一般論としてはその同意、旗国の同意なしに立入りをすることはできないわけでございます。他方、今申しましたように、国連海洋法条約が定めております臨検の権利というのがございますので、その臨検の権利の条件を満たす場合には旗国の同意なしに立ち入ることもできる。
したがって、立入検査というものは、臨検による立入りの検査の場合と旗国の同意による場合と両方を含んで一般的に使っている言葉であるというふうに理解してございます。
○福山哲郎君 今のは簡単な話を難しく言っているだけなんですよ。臨検は同意に基づく立入検査と同意に基づかない立入検査が二つあるということですよね。
○国務大臣(高村正彦君) 法律の世界では立入検査の方が広いんですよ。同意に基づかない場合でも臨検の権利があると、こう定められております。ですから、同意に基づく場合を臨検とは法律の世界では普通言わないと、こういうことです。
○福山哲郎君 違いますよね、政府委員。同意に基づかない場合、臨検って言わないんですか。
○国務大臣(高村正彦君) 同意に基づかないで、特別、国連海洋法条約に定められているときを臨検というんです。そして、一般の旗国の同意に基づいてやる場合は、一般には同意と言わないんです、法律的には。よく全部ひっくるめて臨検、臨検と言う方がいますけれども、そうではない、法律的にはそうではないということだけ申し上げておきます。
○福山哲郎君 そうすると、先ほど高村大臣が言われた立入検査ということは、これは同意に基づいているということですね。
○国務大臣(高村正彦君) ほとんどが同意に基づいている行為であります。ただし、臨検の場合もあると思います。
○福山哲郎君 両方あるんじゃない。両方あるのは認めますか。
○国務大臣(高村正彦君) 両方あり得ると思います。
○福山哲郎君 いいですか。同意があるかないか、両方あると今おっしゃられましたよね。皆さん、委員の皆さん、聞かれていますね。ところが、最初何て答えられましたか。どの国に何回立入検査したか、詳細に把握していないとおっしゃったんですよ。
詳細に把握していないのに、両方あって、同意があったかどうか何で判断できるのか、お答えください。
○国務大臣(高村正彦君) 例えばアメリカの場合は、幾つかの国の、こういうありそうな国に対して、あらかじめ同意を得るべき協定を結んでおります。そういう協定の中で、もう協定があるわけですから、同意を得て当然やっていると思われます。そして、無国籍船の場合は同意がなくてできると、こういうことであります。
○福山哲郎君 一万一千件がアメリカが同意をしている国と無国籍船と二つ、二種類しかないというのは何で判断できるんですか。だって把握していないんでしょう、外務省は。
○国務大臣(高村正彦君) アメリカに限らず、今この活動に参加している国は無法国家でも何でもないんですよ。そういう国が適法にやっていると言っているときに、具体的におかしいじゃないかといったら、それは問題提起もできますけれどもね、彼らが我々みんなのためにやってくれていることに、それは一々全部それを適法であることを証明しろなんて、そんなこと言うのが国際場裏で通用すると思われます。
○福山哲郎君 じゃ、今把握をしている、把握をしている具体的成果の例は何件ありますか、外務省が把握をしている具体的成果の例は。大臣。
○国務大臣(高村正彦君) たしか防衛省がまとめて、私の記憶では九件ぐらい出したと思っています。
○福山哲郎君 言っていただいていいですよ。政府委員、お答えください。
○委員長(鴻池祥肇君) 福山委員にちょっと私の方から申し上げたいんですが、政府委員に対しての質疑の申入れ、いわゆる事前の予告が、ルール上、ありませんので、これ以上の政府委員の答弁は控えていただきたいと思います。
○福山哲郎君 分かりました。
じゃ、大臣でいいです。はい。
高村大臣がおっしゃられたのは九件なんです。この九件ですが、ダウ船に、拘束をした、ダウ船から発見をしたと。このダウ船の国籍をお答えください。
○国務大臣(高村正彦君) ですから、先ほどから承知していないと、こういうことを申し上げているんです。
○福山哲郎君 おかしいんですよ。外務省は九件把握していると。九件把握していることで、そのダウ船の国籍すら把握していなくて、立入検査がちゃんと法に基づいて同意を得たかどうかも確認をしないなんということはあり得ないんですよ、こんなことは。
で、一万一千件のうち外務省が把握しているのがたった九件。そして、問題になった、臨検をした船がどこの国の船かも理解しなくて、どうやってこれ、国際法上適法か違法か判断するんですか。
○国務大臣(高村正彦君) 国際法というのは一つの主権国家の中みたいに法律がはっきり確立しているわけでもなくて、刑事と民事の区別さえないぐらいのところで、国際法が問題になるのは、例えばそれで侵害を受けた国が問題を提起して初めて問題になるということが大体の実態なんですよ。
そういう中で、今まで臨検を受けて、旗国が、自分の国は勝手に同意もしていないのに受けたという、そういう問題提起した件が私は一件も知らないわけであります。
○福山哲郎君 これ、多分、石破防衛大臣はお詳しいと思いますが、これ必要ですよね、相手国の同意はね。同意は必要だけど、今我が国の政府は、一万一千回もやっているにもかかわらず、同意があったかどうかの確認すらしていないということでよろしいですよね。
○国務大臣(高村正彦君) 一件一件に確認していないということと、全体的同意を受けて法に従ってやっていますよという確認はしているわけであります。
○福山哲郎君 一万一千のうち九件しか分かっていない、それは〇・〇八%。そして、その九件臨検をしたところの船の国籍すら分かっていない。そしたら、同意ができたかどうかどうやって確認しているんですか、これ。
○国務大臣(高村正彦君) 無法国家でも何でもない一般の国が、アメリカだけじゃないですよ、我々はきちっと国際法に従ってやっていますと答えを出している。そこに具体的な、おかしいじゃないですか、違うじゃないですかという案件でもあれば、それはしつこく聞くことできますよ。そうじゃなくて、普通の国が我々は国際法にやっていますと言えば、それは何で、何を根拠に疑うんですか。
○福山哲郎君 じゃ、大臣、お伺いします。イランとアメリカは国交断絶されていますよね、今。
○国務大臣(高村正彦君) 国交断絶されていると承知しています。
○福山哲郎君 いいですか、テロを阻止するのに海上阻止活動をすると、イラン国籍の船が麻薬や武器弾薬をアフガンに運ぶ可能性というのは十分考えられるわけです。そのときに、イランとアメリカは国交断絶しているのにイランの国籍の船を立入検査を、例えばこの一万一千件のうちの何隻かをイランの国をやるとしたら、これ同意が絶対必要なのに同意しているかどうか分からないんです。これ、どう思われますか。
○国務大臣(高村正彦君) イランがきっちりと旗を掲げて、イランの船がですよ、そしてそれを同意なしでやったら国際法違反です。
○福山哲郎君 ということですよね。現実に公海中、公海というのは公の海です、公海中は港に入らない限りは船というのは実は旗は掲げません、公海中はね。ほら、石破大臣がよくうなずいておられる。
つまり、公海中ではその船を見た瞬間はどの国籍か分からないんです。だから、無線照会をして国を確認をして、そこで更に不審だったらその国に同意を取って臨検をするんです。このプロセスを経ているか経ていないのかを外務省はさっきからのやり取りでは全く把握をしていないのに、合法だとかちゃんとやっていると言っているわけですよ。これ、何にも根拠ないじゃないですか。これ、違法の疑い十分あるんですよ。
○国務大臣(高村正彦君) 無法国家でも何でもない国が、私たちは国際法に従ってやっていますと言っているんですよ。それじゃ、一つでも疑わしいこういうことがあったというのを出してくださいよ。そうしたら、そういうものが出てくれば、私もそれへ対してしつこくどうなんだと聞きますよ。
○福山哲郎君 説明責任は政府にあるんです。政府が執行しているんです。だから、それが適法なら適法だという証明を下さいと私は申し上げているんだ。当たり前の話。何が、こちらに違法なら違法の例を出せ、冗談言うな。それは確実に政府の責任でしょう、今テロ特措法の問題になっているんだから。これが違法でやられているかどうかの説明は政府にあるじゃないですか。
○国務大臣(高村正彦君) 無法国家でも何でもない国が、ちゃんと私たちは適法にやっていますよと、こう言っているんですよね。
例えば、警察官が職務質問しますよね。そういうときに、どういうときが問題あるかといったら、それは警察官職務執行法に違反した疑いがあるときに初めて問題をするんですよ。一般の一件一件について、おまえ、適法だと説明しろなんて、そんなこと言わないでしょう。主権国家の中ですらそうなんですよ、主権国家の中ですらそうなんですよ。国際場裏において旗国が旗を掲げて、所属の国がこういう問題がありますよと、こういうことを国際場裏に出してきて初めて国際法の問題になるというのが国際法の一般なんですよ。それは国内でもそういうこと、国内の職務質問の場合でもそんなことがないようなことを国際法の中で、国際関係の中で言ったら、それは私は国際常識に反すると、こういうふうに思います。
○福山哲郎君 だから、疑いがあるから国として、じゃ一万一千件のうちの何件かでも結構です。この国とこの国とこの国の船に対して臨検をしたと、同意を取ったということを示してください。
○国務大臣(高村正彦君) 何度も言いますが、同意を取ったら臨検じゃありません。同意を取ったら……
○福山哲郎君 同意を取っているか取ってないかが分からない。
○国務大臣(高村正彦君) いや、そして、同意を取ったかどうかその一々のことについて、今のところ作戦上のことだから明らかにしないと相手国は言っていると、こういうことです。
○福山哲郎君 そしたら、もし臨検を受けて、これは国際法上同意を取っていないのに臨検をされたという事例があった場合には国は認めるということですね。
○国務大臣(高村正彦君) 例えば、さっきはっきり申し上げました。例えばイランの国が、イランの船だとはっきりしているのに同意なくして乗船検査を強引にやったら、これは国際法違反です。さっきはっきり申し上げた。
○福山哲郎君 つまり、私が言いたいのは、一万一千件のうち九件把握をしている、わずか九件です。それも実はどの国の船かも把握していない。そして、適法だと相手が言っているので適法ではないかと。適法だと言ったら適法なんというんだったら裁判所も何にも要らないじゃないですか。こんないい加減な話はないわけです。
ですから、逆に原油の話もそうです、転用の話もそうですし、国際法上違反している疑惑があるということだけは申し上げておきますが、次行きます。(発言する者あり)これ重要ですよ。これ本当に重要です。もしイランとかほかの国から、要は臨検をした国に対する抗議とかが出ていたら大問題ですからね。実は、私今調査をしているんですが間に合わなかったんですけれども、私は、出ているという話を実は仄聞はしていますが、しっかりと証拠を取ってからと思っていますが、それに対して政府が今どう答えられるのかを確認をしたかったので、高村大臣から答弁をいただいたので結構でございます。
次、石破大臣にお伺いします。
例の八十万ガロン、二十万ガロンの話ですが、石破大臣は事務的なEメールの集計ミスであったとおっしゃいました。その根拠をお示しください。
○国務大臣(石破茂君) 事実関係でございますので資料を読みます。お許しをいただきたいと思います。
今般、私どもの方として給油量を訂正をいたしました。民間団体ピースデポとおっしゃる方々でありますが、二〇〇三年二月二十五日の海上自衛隊補給艦からアメリカの補給艦への給油量についての指摘がなされましたことを踏まえまして、防衛省内で事実関係の調査を行いましたところ、当時現地から送られてきました給油量に関するデータ、これを海上幕僚監部において集計作業を行った際に、担当者がアメリカの補給艦への給油量を同じ日に給油したほかの艦艇への給油量と取り違えて数字を入れてしまったということが判明をしたものです。
これを具体的に申し上げれば、当時現地におきまして、これはインド洋のことでございますが、我が国補給艦が他国の艦艇に給油した量に関しましては、日ごとの報告の一部といたしまして、ほかの報告と併せ電報で派遣部隊指揮官、これはインド洋方面派遣部隊派遣海上支援部隊指揮官とこう言うわけでございますが、現場の指揮官から海上幕僚長に報告がなされますとともに、相手の船、この場合には相手の補給艦です、相手の船から受領した燃料の受領証が、証明書、これだけもらいました、サインもあります、この受領証が電子メールで海上幕僚監部に送付をされていると、こういう流れになっておるわけでございます。電報が来ます、そして受領証がEメールで送られてくると、こういう形になっておるわけでございます。これを受けました海上幕僚監部では、これらの資料を各担当部局でエクセル、パソコンソフトを用いまして目的に応じまして集計表に取りまとめるという作業をやるわけです。ですから、電報とEメール、それを見ながらパソコンを使って集計作業をする、こういう流れになっておるわけでございます。
さて、問題の二月二十五日でございますが、これも以上のような手順に基づき作業がなされたわけでございます。そして、それに基づき報告が上がってきたわけですが、その後、その後、これを運用担当部局、オペレーションの部分でございますが、これで集計表に転記をいたすという作業をやっておりました。海上幕僚監部の中に運用のセクションがありますが、これをその表に転記をする際に、二月二十五日に「ときわ」がアメリカに対して実施しました二件の補給、すなわちアメリカの補給艦ペコス、そして駆逐艦ポール・ハミルトンにつきまして、この数量をひっくり返して集計表に転記をしてしまったということが判明をいたしております。
今回取り違えが生じました際に参照いたしました資料は、今申し上げました二種類の現地からの資料のうち、つまりEメールと電報ですが、この二種類の資料が来ているわけですが、電報を見ながら書き写し損じたというところがございます。
これ、この後どういうことになるか、私も、どうしてこういうミスが起こったのかということは徹底的に検証しておるところでございますが、この電報を全部出せば、これ、なるほどそうかということになるのだろうと思っております。つまり、電報にきちんとしたことが書かれている、しかしながらそれを写し間違えちゃったということになるのだろうというふうに思って、これの、電報のどれだけ出せるかということでございます。
この電報には、先生御案内のとおりでございますが、船の具体的位置、東経何度、北緯何度というような具体的な位置、あるいはこの後行動する予定、あるいはどこの港に寄るか、あるいはどれだけの人がこれに従事したか等々、明らかにすることによりまして、私どもの作戦遂行能力あるいは艦艇の能力、これが明らかになるということがございますので、これとこれとこれは出せないが、しかし、事実関係において現地からは正しい報告がなされておりましたと、それを転記ミスをいたしましたということをきちんと御説明するだけの公表をやるべく、今鋭意準備を進めておるところでございます。準備が整い次第、明らかにさせていただきます。
○福山哲郎君 大変御丁寧に説明いただいて、ありがとうございます。
それで、これ、福田総理は、官房長官当時、これアメリカにまで確認したけれどもという発言をされているんですが、石破大臣、今のは国内の事務上のミスです。アメリカまで確認をしたけれどもと官房長官が言われていて、委員会の答弁で、つまり、そのときに、アメリカへの確認をしたにもかかわらず事務上のミスの方を優先をして官房長官は発言をされてしまったのかどうかということが非常に疑問なんです。
ですから、この間の衆議院の予算委員会で石破防衛大臣は処分をするとおっしゃいました、厳しくと。処分よりも、今のことをちゃんと、物を示して、今エクセルとかおっしゃいましたが、物を示して、このプロセスで、この電報で、そしてさらに、官房長官が会見のときに確認をしたときのプロセスまで全部明らかにしていただかないと、処分をするのが問題ではありません。これはシビリアンコントロールの根幹の問題で、これは大臣がよくお分かりだと思いますが、もし官房長官が発言するなり防衛大臣が発言をするときに何らかの形で事務方で操作があったとすれば、これは大変な問題です。
昨日、自民党の議員が枝葉末節などというけしからぬ発言をしました。私はとんでもないと思う。これは本当にシビリアンコントロールの根幹にかかわる問題なので、そこのことを明らかにしていただかない限りは実はこのテロ特措法の疑惑は決して晴れないと、私はそう思っていますが、大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(石破茂君) これは私の言い方があるいは適切でなかったのかもしれませんが、処分ありきというふうには考えておりません。もちろん、私どもの中で処分をしますときは、事実関係がきちんと明らかになり、そして、人権というものにもきちんと配慮をした上で処分というものをなすことになります。
私が申し上げましたのは、こういうことをうやむやにしてはならないという意味で処分ということを申し上げました。どうしても内輪でかばい合うということがあったのではないだろうか。委員おっしゃるように、仮にそんなことがあるとすれば、部内で、我々のあずかり知らないところで操作がなされた。こんなものは言語道断で、こんなものは絶対あってはならない。しかしながら、単にミスをしましたということで済ませていいのか。それが、内部のチェック体制がどうなっていたのかということまできちんと調べた上で、これは文民統制が確保されているかどうか見ていかねばならないことでございます。
したがって、処分ありきということを申し上げるのではない。事実関係をきちんと明らかにした上で処分をするならしましょうと、そして、再発を防止するためにはどうすればいいか、そういうことについても私どもとして考えを申し上げ、また御指摘をいただいて、より良いものを目指していきたいと、このように思っている次第でございます。
○福山哲郎君 石破防衛大臣はよくお分かりいただいているので、私はそのとおりだと思います。
しかし、もう一個問題があります。その時点で、例えば、政府の言っていることを、百歩譲って、ミスがあったとします。しかし、官房長官に上げて、官房長官の発言がそのままテロ特措法の延長につながっていったわけです。
じゃ、どこかでそのミスは分かっていたはずなんだ。その分かっていたミスをここまで、NGOが発表するまでどこにも訂正の発表をしなかったことの責任は実は別の意味ででかいんです。ですよね、大臣。ここの問題についての、そのときのプロセスを明らかにすることはもちろんだけど、今、正に大臣がおっしゃられたように、なれ合いの中で、表に出ないんだったらいいといって今の今まで放置をし続けたことの責任はあると私はお考えですが、そこはいかがですか。
○国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりだと思います。
私も、中において指示をいたしておりますのはまさしく委員御指摘のとおりであって、何でこういうことが起こったのか、そしてなぜ今まで分からなかったのかということについては徹底して解明をしなきゃいかぬと思っています。もし、今委員がおっしゃいますように、分からなかっただけではないと、どこかに何らかの意図が働いたのではないかという推論も、それは推論としては当然成り立つことなのであって、そういうことが絶対に行われることがないような仕組みは何なんだ、今回そういうことが本当に行われなかったのか、これは両方明らかにしていかねばならないと思います。
文民統制につきまして、それは委員と私と恐らく同じ認識を持っているのだろうと思いますが、そこにおいてどうすれば実効が図られるかということは、今回更に精緻なものにしたいと思っています。
私どもとしてこういうふうに今後改めたいということは申し上げますが、足らざるところがあれば御指摘をいただいて、これはどこが政権を取るとか取らないとか、そういうことと関係ないんですね、文民統制をきちんと図らなきゃいかぬということは。より良いものをつくっていきたい、また御教示を賜りたいと存じます。
○福山哲郎君 大臣、その調査の結果はいつぐらいまでにはっきりと、その時点だけではありません、なぜ今まで引っ張られたのか等も含めて、いつの時点まで明らかにしていただくんでしょうか。
要は、この臨時国会は非常に重要な臨時国会なんです。新法を今用意されている。明日、閣議決定だと聞かれていますが、その中にひょっとすると、私は中身、まだあしたの閣議決定まで分からないですが、例えば国会承認を外すという議論もある。今、文民統制というのは非常に議論になっている中で、私は、大臣は文民統制は非常に重要だと思っておられる大臣だと思うからあえて言うんですが、この新法の議論が出ているこの臨時国会中に今の話をきっちり表に出していただかないと、到底国民は納得しないと思います。
○国務大臣(石破茂君) この新法の議論が始まりますまでに何とかこれについてのきちんとした解明がなされないかということで、私、実は着任してすぐそのように指示を出して作業を行わせているところでございます。
ただ、問題は、別に逃げるわけでも何でもないんですよ、これが一番大事だということも私もよく分かっているし、このことの解明というものが文民統制の根幹にかかわるものであるということもよく分かっています。しかしながら、それが当然、服務上の処分というものを伴うものであらばこそ、そこにおいてもきちんとした厳正さは担保されねばならないということになるわけですよね、これが身分にかかわることになってまいりますので。
そこのところを見ながら、この国会の審議において、まずなぜ間違いが起こったのかという段階までは少なくともこれは明らかにしたい。その後、なぜ気が付かなかったのか、チェック体制がどうなのかということについても、なろうことならば御審議があるまでにきちんとした結果を出したいと思いますが、仮に遅れることがありとすれば、それは人権上の問題ということで、これもきちんと重んじなければ法治国家としての、あるいは人権を重んじるという意味での実効を成し得ないことでございます。
この両方を配慮しながら最大限加速をしてまいりますが、状況につきましてできる限り明らかにしてまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 このテロ特措法の問題は非常に問題があります。先ほどの臨検の話も私は重要だと思っていますし、今の話も根幹にかかわると思います。新法が明日、閣議決定だと言われておりますが、今後も今の話は一日も早く明らかにしていただいて、議論をしていきたいと思います。
その次に行きます。
年金、問題になっています。社会保険庁、国民の信用は全く失墜をしています。国民年金の保険料の支払はとうとう、保険料の払込みは五〇%を切りました。五〇%を切った年金制度がいかに持続可能なものかどうか、私は大変疑問に思っています。
しかし、今日はそのことについてよりももっと姿勢の問題にお伺いします。
通常国会で、これまた強行採決を与党がした社会保険庁の後に代わる機構です。後に代わる日本年金機構の設立は一体いつですか。
○国務大臣(舛添要一君) 日本年金機構は、平成二十二年一月に設立いたします。
○福山哲郎君 法律に明記された日本年金機構の基本計画はいつ策定されますか。
○国務大臣(舛添要一君) この基本計画は、来年の六月に策定する予定であります。
今、その前段階の作業として内閣官房の下に年金業務・組織再生会議というものを置きまして、ここで議論を賜っていまして、例えば職員の採用はどういう基準でやるのか、それから民間への業務の振り分けはどうするのか、こういうことを議論をしております。そして、その議論を来年の五月ぐらいまでに最終的に整理をして、そして六月に基本計画を確定したいと、そういう予定であります。
○福山哲郎君 今年三月、情報システムに係る基本調達の基本指針というのが総務省の行政管理局から出されたと思いますが、この内容について、総務大臣、お示しいただけますか。
○国務大臣(増田寛也君) お答え申し上げます。
今年の三月一日の連絡会議の決定でございますけれども、情報システムに係る政府調達につきまして、会計法等の法令に基づき、原則として一般競争入札による調達手続を行うよう留意をすることとしている、そういった内容でございます。
○福山哲郎君 ところが、このけしからぬ社会保険庁は、三月のこの総務省の基本調達の基本指針があったにもかかわらず、七月、日本年金機構業務システムの基盤製品の一部選定業務三億円、随意契約をしています。厚労大臣、事実ですね。
○国務大臣(舛添要一君) 少し説明を、背景を、させていただいてよろしゅうございますか。
まず、これ、今私が何度も申し上げていますように、社会保険庁のコンピューターのシステムが非常にレガシーシステムで古い、それで新しいものを作りたいという形で、まず、基本設計工程ということをまずやります。これは実は昨年八月に一般競争入札でやりました。基盤をやって、その上に四つの分野についてやると。これは複数の会社が一般競争入札で、落札をしております。それがまず第一点。
それで、その上に、今回、今先生が御指摘になった今年七月の契約は、それの追加作業としてやるものについて行ったわけであります。したがいまして、そちらの方は基本設計を担当した企業がやることが一番これは効率的であるし、中身はそうじゃないと分からない。仮にそれを一般競争入札にしても、ほぼそこの企業が落札するだろうと思いますが、これはあくまで追加作業であるということでありますので、今一部の、これは先般、十月四日の朝日新聞にこの「社保庁、三億円随意契約」という記事が出ています。そして、今総務大臣から説明ありました、一・三億円以上については一般競争入札しなさいということなんですが、今私が申し上げましたように、この基本設計については基本方針とは全くそごを来していないと、そういうことでございます。
○福山哲郎君 いや、簡単に言うと、基本設計は一般競争入札やりました、その続きの付随はもういいや、随意契約しましたよということでしょう。ところが、総務省の基本指針については無視しましたと。簡単に言うと、総務省は例外規定があります。国民の生命安全及び財産の確保のために明らかに急を要する調達については、本指針の対象としないものとする。
この例外規定に当てはまるものだと総務大臣はお考えですか。
○国務大臣(増田寛也君) 今回のこの契約については、今議員の方から御指摘がございました明らかに急を要する調達といったような内容ではないと、それには当たらないと、こういうふうに思っております。
○福山哲郎君 大臣、一言どうぞ。
○国務大臣(舛添要一君) 今のくだりの急を要する云々ということではなくて、私が申し上げているのは、会計法の第二十九条の三の第四項にありますように、あくまでも追加作業で、基本設計があって、だからそれでいいやじゃないんですよ。基本設計がありますから、それの追加作業は随意契約になることに何の要するに問題もありません。それを申し上げているんです。
○福山哲郎君 じゃ、この随意契約は正当だと強弁されるわけですか。
○国務大臣(舛添要一君) 強弁ではなくて、合理的に考えてそう判断しています。これは私の判断です。
○福山哲郎君 これ、実は問題なんです。
七月の二日に随意契約をしていますが、例の社会保険庁の問題が出ました、五千万件も含めて。年金業務・社会保険庁監視等委員会が閣議決定されています。これはいつでしたか、大臣。
○国務大臣(舛添要一君) ちょっと質問、もう一度よろしいですか。
○福山哲郎君 年金業務・社会保険庁監視等委員会が閣議決定されています。これはいつ閣議決定されていますか、設置が。
○国務大臣(舛添要一君) それ総務大臣の担当ですよ、それは。
○福山哲郎君 総務省でいいです。
○国務大臣(増田寛也君) 閣議決定日は本年の七月二十日でございます。
○福山哲郎君 いいですか。あれだけ問題になっている社会保険庁に対して、これは業務を見直すべきだと。その委員会の報告書は、大臣、出ていましたっけ。総務大臣。
○国務大臣(増田寛也君) 既に出ていると承知しております。
○福山哲郎君 これ議論されているんです。議論されて、これから社会保険の業務に対して議論されて始まろうと、見直しだと、業務の、という状況が七月の二十日。そして、七月の二日に駆け込みで随意契約で三億やっているんです。
冒頭聞きました。この日本年金機構の設立は二十二年の一月なんですよ。いいですか。基本計画は来年の六月にできるんです。日本年金機構の業務の基本計画が来年の六月にできる。今やっている最中。設立が二十二年の一月。ところが、日本年金機構のシステムの発注だけは駆け込みでやって、七月の二十日の業務等見直し委員会が出る直前に随意契約をしている。これ、問題あるでしょう。だってね、業務が決まってない、基本計画も決まってないのに、何でシステムが発注できるんですか。こんなばかな話ないでしょう、大臣。
○国務大臣(舛添要一君) その点はきちんと反論させていただきますけれども、一刻も早くシステムを改善しないと話にならないわけです。そして、要するに駆け込みでやった云々の問題は、もしおっしゃるならば、昨年八月の基本設計をやるときに一般競争入札をやらないで今までのような、今まで我々がずっと問題にしてきたような随意契約でやるんだったら、それは私は駄目だということを申し上げますけど、そのときは完全に一般競争でやりまして、日本の企業だけじゃなくて外国の企業までそこに入れて、一番能力のあるのに基盤設計をやらせると、そういうことをやっていますから、その点について御指摘なら私はそれはよろしくないということを申し上げます。
それから、要するに今社会保険庁があって、これはいろんな問題がありますから二分割して、新しい年金機構としてこの年金を担当する組織をつくろうということなんですけれども、完璧に仕事が全部変わるわけでなくて、今基本的な計画を作っているのは、それは職員の採用をどうするか、民間の業務委託をどうするか、そういうことを決めているんですけど、年金の記録の管理というのは、新しい組織はつくったから、社保庁があった記録を全部捨ててということでなくて、やっぱり継続性はあるわけです。
それで、もう何度も申し上げていますけれども、余りにひどいコンピューターシステムですから一日も早くやりたい。そのことによって、私は早くやれば一年間に三百億円のお金をこれはセーブすることが、節約することができる。こういうことからやっておりますから、少なくとも、要するに合間を縫って早く随意契約をやりたいために、みんなの監視の目をくぐってやったということではなくて、私は一日も早くいいシステムをつくりたいと、そういう意味で発注したと、そういうことでございます。
○福山哲郎君 実は、ハードの設計はまだできてないんですよ。いいですか、基本業務も基本計画もできてない、機構も立ち上がっていない、そしてこの随意契約だけは駆け込みで七月の二日に行われているわけですよ。
この三億円は社会保険料か税金か、どっちから出るんですか、大臣。
○国務大臣(舛添要一君) そのお答えをする前にちょっと今の、さきの点で追加をいたしますと、情報システムに係る基本調達の基本指針が先ほど申し上げましたように十九年七月一日からの適用であるわけですけれども、基本指針を尊重してやったということは先ほど来申し上げているとおりでありまして、追加採用というのは随意契約だと、このことをもう一遍申し上げておきます。
それで、これは、どこからお金が出るかというのは、年金の保険料からです。
○福山哲郎君 つまり、今の大臣のお話を聞くと、これは基本設計があったから、後は流れで随意契約でやりました。ただ、これはたまたま三億です。これは、これからほかの役所の問題でいえば十億、二十億、百億のことだって、そういう流れでいえば全部随意契約が認められることになる。じゃ、何のために指針を作ったのかという話が一点。
それから、こういう駆け込みで、なおかつ法案が出て、法案審議されているところで、法案が通ったところで、すぐにこういう状況が社会保険庁では行われるわけです。社会保険庁に対する不信感がこれだけ頂点に達している中で、こういう手続はちゃんとやることが実はある種筋なんじゃないですか、大臣。
これ、今大臣の答弁は、みんな厚労省、社会保険庁の役人が自分らの正当性を高めるために書いたものをあなたは読んでいるわけです。それじゃ、どこに社会保険庁の業務がしっかりと変わったと、適正かと言えるような状況になるのか、お伝えください。
○国務大臣(舛添要一君) 今までの社会保険庁の悪いところは抜本的に改める、そういう方針で私は就任以来全力を挙げてやってきました。
何度も申し上げているように、意図的に随意契約をやっているとかいうことではなくって……
○福山哲郎君 随意契約というのは意図的だから随意契約なんです。
○国務大臣(舛添要一君) 基本設計についてはきちんとやっていますよと。じゃ、仮に百歩譲って、随意契約にしないで一般競札にしてみたらどうですかと。それは、それはそういう企業が取るわけですよ、基本的には。
しかし、それからもう一点、おっしゃりたいことは、三億円というのは、要するに、この積算は相当いい加減でもっと安くできたんではないかということが恐らく先生のおっしゃりたいことの一つにあるのかもしれません。しかし、これはきちんと一つ一つ積み上げて策定をしていった上であって、相当にコストダウンをやることを命じておりますから、その点はどうか御信用いただきたいというふうに思います。
それで、要するに、社会保険庁を解体して徹底的に変えますということを今一生懸命やっているわけですから、私はそれを、役人が書いたものであったって何だって、私がそれを採用するかどうかは、私が処理してやるわけですから、私は自分の言葉でしゃべっています。
○福山哲郎君 いいですか、業務の内容も、どういう配置でやるのかも、何をするのかも決まってなくて今議論中のものを、システムだけ発注するなんて、訳分からぬじゃないですか。こんなことあり得るわけないじゃないか。
それから、もう一個言います。もし一般競争入札をしたら、どうせこの業者が入札で勝つんだからみたいな話だったら、全部一般競争入札は要らなくなるじゃないですか。意図的ではないとおっしゃいますが、随意契約というのは意図的だから随意契約と言うんじゃないですか。
実は随意契約の問題は、今の厚労省の問題だけではありません。国土交通省の問題もあるので、そこで言って、後でまたその舛添大臣の話にしたいと思います。
昨年六月、ここにありますが、「公益法人等との随意契約の適正化について」という関係省庁の連絡会議が発表した資料があります。これは、公益法人に対する随意契約が余りにも大きいという世論の批判を受けてでき上がったものです。ここに国民の皆さんにお伝えしたいので、中身について抜粋をしてお伝えをします。
一つは、随意契約は例外です、会計法上。先ほどの総務大臣のおっしゃられたとおり、例外です。それから、見直し対象は所管の公益法人、独立行政法人、特殊法人、天下りのいる民間法人です。一般競争入札や企画競争、公募に移行することで競争性、透明性を確保するということが書かれています。
国土交通省は、随意契約見直し計画ということで二〇〇六年十月以降順次実施すると書いています。そして、公募手続の導入及び企画競争の本格的な導入と書かれていまして、地方支分部局等における見直しの徹底ということが表記をされています。ちょうど一年前でございます。
で、お伺いをします。私、これ全国の数を調べようと思ったら、国土交通省から時間がありませんといって出していただけませんでした。今分かっている範囲で言います。九州地方整備局本局における参加者の有無を確認する公募手続の実施状況、昨年の十月から今年の七月まで一体契約済みで何件あったか、大臣、お答えください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 御指摘の期間には二十二件ありました。
○福山哲郎君 そのうち複数の応募者があった件数は何件ですか、お答えください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 複数の応募はありませんでした。一社のみです。
○福山哲郎君 これ見てください。お手元の資料にもあると思います。これ九州の地方整備局の公募手続の実施状況ですが、黒塗りにしているのは唯一の民間ですが、二十二のうち全部一つのところしか応募していません。そして、二十二のうち二十一がすべて先ほど申し上げた公益法人等でございます。
これひどい話で、私、実はこれの公示、どういう公募をされているのかを全部見ました。実は九州だけではなくて関東も含めて全部見たんですが、お手元にお配りをしている資料が実はその抜粋でございます。公募に何と書いてあるか。これ、例えば例を挙げますが、公共事業の入札契約制度等に関する検討業務でございますが、ずうっとここ書いてあって、途中でこういうことが出てきます。財団法人国土技術研究センター、以下、特定公益法人等という、を契約の相手方とする契約手続を行う予定としているが、と公募の手続に書いてあるんですよ。もうここに予定としてあるがと書いてあるんですよ。
実は、さっきの二十二件ですが、これ全部調べました。全部予定をしているところしか応募していません。分かります。これ笑い話みたいな話でしょう。公募にここと契約をする予定ですよと書いてあるんです。こんな公募ありますか。極め付けは資格のところです。資格のここの、国民の皆さん、見ていただきたい。赤字。再委託による業務の実績は含まない。再委託による業務の実績は含まないというのは、分かりやすく言うと、要は下請の実績は入れないということです。元請しか入れないということです。しかし、先ほど言ったように、適正化の指針が出たときに全部今まで随意契約でやってきたから変えましょうと言ったんです。つまり、ここの公益法人しか元請ないんですよ。ここしか実績、元請ないのに再委託は認めない。つまり、元請をしてきたところはここの法人しかないんです。で、ここの法人を契約の予定としている公募をするわけです。そうしたら、結果は二十二分の二十二です。
これ本当に公募と言えるんですか。一般競争入札というか複数の公募と言えるんでしょうか、大臣、お答えください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 十八年六月十三日に、そのように入札に対する見直しが省庁の間で申し合わされたわけですが、八月二十五日、その二か月後でございますが、財務大臣からこんな通達が出ております。公募というものについての定義でございます。従来、研究開発等を委託する場合に特殊な技術又は設備等が不可欠であるとして、発注者の判断により、特定の者と契約していたようなものについて、当該技術又は設備等を有している者がほかにいる場合がないとは言い切れないことから、必要な技術又は設備等を明示した上で参加者を募るものである。
すなわち、こういうところと、例えば今そこに黒塗りにされた株式会社、黒塗りですから私も名前は言いませんけれども、その作業というのは毒ガスの処理でございまして、特殊な技術と特殊な設備がなければできない技術です。したがいまして、その株式会社に従来もやっていただいていたわけですけれども、そういうものについてもほかに、ここで財務大臣の通達では、ほかにいる場合がないとは言い切れない、したがって、そういう場合にも、その株式会社の名前、そういう人と契約をすることにしているけれども、もしそういうことを、いや、笑い事じゃないですよ、必要な技術とか、いいですか、必要な技術とか設備を持っていられて、それに参加する意思がある方があれば参加してくださいという、そういうことを公募という、公募というその定義なんです。したがって、それに従ってこれを行っているわけです。
もう一つ目の質問がありました。
それにしても、余りにも、今まで元請で経験がなければいけないとか、条件が厳し過ぎるんではないかという指摘は私も正当だと思います。したがいまして、我が方で全般的な見直しをして今年中に結論を出し、そしてそのような厳しい条件にならないようにいたします。
しかしながら、ここで挙げられたもの、非常に特殊な技術を必要とする作業であることは福山議員もお認めであるというふうに思います。
○福山哲郎君 財務大臣、この「適正化について」を出されたとき、財務大臣は今のような公募を想定されていたかどうか、お答えください。私は昨日お伺いしていますから。
○国務大臣(額賀福志郎君) 今、冬柴大臣がおっしゃるように、私どもは、公募手続にいたしましては、特定の技術又は設備等が必要であるためにこれまでの随意契約によってできたものについても、この特定の技術等を有している者が他にいることを否定できないことから、透明性及び公正性を確保するため、必要な技術等を明示した上で参加者を募るものであるということは申し伝えてあるわけであります。元々これは会計法上、所管の大臣が責任を持って透明性を持って仕事をするということになっておるわけでございます。
しかし、今議論になっているような厳しい実績を条件とする要件は、これは随意契約の見直しの趣旨に沿っているとは思っておりません。
○福山哲郎君 総理、どうですか、これ二十二件のうち二十二件が今言われたように特殊な技術と限りますか。これ実は各地方支分局の事務所以外のトータルでこの公募が何件やられたか、お答えください。ああそうか、政府委員は登録されていない。じゃ、国土交通大臣、何件やられたか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) ちょっと済みません。通告がありませんので、後にお知らせいたします。
○福山哲郎君 私も今そのメモが見当たらないので、これ国土交通省に聞きましたけど、多分千数百件あるんです。これが全部特殊な技術を要すると私は到底思えません。で、恐らくですが、その結果は、ほぼ全部特定の個々に決まったところにしか応募していないと。だって、数字全然出てこないんですから。
これ、総理、笑い話みたいでしょう。ここを契約手続を行う予定としているがと、こういうことが、随意契約を見直す適正化方針が出て、これ去年ですよ。なおかつ、国土交通省が自らの見直し計画に変えると言っていてこの状況ですよ。
総理、どう思われますか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) これ、一つ一つこの表で見ていますと、特殊なことであるかもしれません。ですから、こういうことはあるのかもしれませんけれども、しかし、これもやっぱり工夫する必要あると思いますよ。情報公開を相当手前に出して、そしてこういう業務もあるんだということを周知徹底するような、そういう仕組みも考えていくというようなことは私は努力する価値は十分にあると思います。
○福山哲郎君 いいですか。国は公益法人等の随意契約を見直しますと声高に発表しているんです。国民はみんな、これで変わったと思っているんです。一年たったら、全く変わってないんですよ。こんな、国民をだましている以外何物でもないんじゃないですか。だって、結果責任でしょう、これ。何にも変わってないですよ。だって、そこしか応募できないように仕組みができているんだから。どうですか、これ。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 国土交通省の発注件数は五万件ぐらいあります。そのうちの一部ですよ。全部という……(発言する者あり)ちょっと待ってください、そういう、それ全部と言われたら、それはね、いや、そういう特殊……(発言する者あり)ちょっと待ってください、特殊な、いいですか、特殊な経験とか機械とか機材とかを持たないとすることが非常に難しいという案件についてです。いいですか。今、先ほど財務大臣がおっしゃったような公募という形で、私どもは今までもこういう理由からこういうことをやっております。しかしながら、これについて応募する方があれば手を挙げてほしいという招請をしているわけで、それはインターネットでずっときっちり情報は流した上で、そしてその公募を求めているわけでございまして、それは数万件の中のこういうものでありまして、全部改めてないと言われるのは、それはちょっと言い過ぎではないかというふうに思います。
○福山哲郎君 私は数万件と申し上げていません。この参加者有無の確認公募、公益法人に対する確認公募はどうだったんですかと申し上げているんです。それが恐らく千数百件あったと。それがほとんど変わってないと。
じゃ、ここに書かなきゃいいじゃないですか、見直し計画に。書いてあるんですよ、見直し計画に、そのことが重要だと。地方支分部局における見直しの徹底と書いてあるんですよ。いいですか、もう少し素直に読まなきゃ。発注者が特定した公益法人等の参加者の有無を確認すると書いてあるんですよ、ちゃんと。全然増えてないじゃないですか。これ、だましている以外何物でもないでしょう。これ全部報道されているんですよ。国民はみんな随意契約は改まったと思っているわけです。ところが、結果はこういう状況だと。
先ほど大臣は技術だ技術だとおっしゃいましたけれども、さっきの元請、再委託の問題です。元請しか認めないと言っていて、元請はそこしかやったことないんですよ。そうしたら、そこしか応募できないじゃないですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) したがいまして、それについての付けた条件については、私は、総理もおっしゃったように、いろいろ工夫しなきゃならない、こういうことで、今、内部でそれを見直しをしようということで今鋭意努めているところでございまして、年内に結論を出します。
○福山哲郎君 じゃ、この元請になったこの二十二、大臣、是非調べていただきたいんですけれども、全部ね、全国のね。ここから下請に投げていることはないんですね。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 調査をいたします。
○福山哲郎君 これはあるかないか、私が確認したら、実ははっきりと答えがまだ返ってきていません。つまり、ここからもう一度下請出していたら大問題ですよ、大臣。今の答弁は確実に覆りますよ。どうですか、大臣。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 調査をいたします。
○福山哲郎君 総理、これ、見直しって去年だったんです、これ去年。去年の六月に見直して、国土交通省も六月に出したんです。で、十月からスタートすると言って、一年たってこの有様です。それで、今、国土交通大臣がもう一度見直しますと、年内にと。これはおかしいですよね。これはやっぱり責任あるんじゃないんですか、総理、政府として。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 政府は、昨年の六月の政府の随意契約の見直し方針に沿って、より競争性、透明性を高めるという趣旨の適正化を図っている最中でございます。しかしながら、競争性を高めるというその趣旨に照らして十分でない運用につきましては、これは適切に見直しを行っていくことが必要と考えておりますので、各省庁においてきちんと確認をしていただきたい、そして鋭意この課題に取り組んでいただきたいと、こう思っております。
○福山哲郎君 是非、総理、委員会のやり取り聞いて、もう少しやっぱり前向きな発言をしていただかないと、国民は変わるとは感じないですよ、今みたいな発言なら。これだけおかしなことを示しているのに、総理がもう少し突っ込んでいただかないとやっぱりいけないと思うんですが、もう少し勇気のある御発言いただけませんでしょうか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 今、国土交通大臣からもh説明がございましたけれども、まだ更に調査をするという部分があるようでございますから、そういう調査を見て判断をしたいと思っております。
しかし、随意契約でもってこの趣旨、競争性をもっと高めてほしいということは、これは私ども常々考えているところでございますから、これがきちんと行われていないということであれば、しっかりと指示をしてまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 国民に指摘をした先ほどの財団も、御多分に漏れず理事長は天下り、国土交通省の天下りでございました。ここにいろんなところの公募の公示、公告、全部持っていますが、すべてどこどこを予定としていると書かれています。調査と言いますが、これはもう確信犯的にやっている話でございますから、随意契約の見直しには全くなっていないと私は思っています。
随意契約の問題は、先ほどの厚労大臣の話も、こうやって役人がいろんなことで手を回して随意契約をどんどん進めていくわけです。すべてこうやって事実を積み重ねていって税金の無駄遣いが使われると。国の調査の結果です、国の調査の結果なので我々が作った数字ではありませんが、この見直し計画の中に随意契約だけでも二兆三千億円あります。そのうち二割が随意ではなくて一般競争入札になれば安くなると言われていまして、それだけで四千億から五千億でございます。
私たちは、自民党はよく我々の議論について財源が財源がとおっしゃいますが、まず税金の無駄遣いを徹底的になくすことが重要だと思っておりまして、この構造を変えないことには実は財源も全部捻出できないと私は思っています。
実は随意契約はまだましでございまして、次は談合、これはれっきとした犯罪でございます。
少しこのパネルを見てください。
これも去年の十月でございますが、緑資源機構をめぐる談合が発覚をいたしました。十月の三十一日、ちょうど一年前に公取が立入調査をしました。立入調査をして、これ小さい文字で恐縮ですが、六法人、これまた公益法人でございます。この公益法人に実は公取が立入調査をしました。
この六法人の理事長及び会長がどこの出身か、お答えください。
○国務大臣(若林正俊君) 委員御指摘の十月三十一日に公正取引委員会が立入調査を実施した林野庁所管の公益法人は、財団法人林野弘済会、社団法人日本森林技術協会、財団法人森公弘済会、財団法人水利科学研究所、財団法人林業土木コンサルタンツ及び財団法人林業土木施設研究所ですけれども、当時、それぞれの法人の会長又は理事長はいずれも林野庁出身者でありました。
○福山哲郎君 すべて林野庁出身でございます。
このうちの二法人が起訴されました。起訴された二法人の、緑資源機構からの天下りも含めて、総職員に占める数をお答えください。
○国務大臣(若林正俊君) 立入調査を受けた六つの公益法人についてまず申し上げますと、十八年四月時点で常勤の役職員は六百三十八名でありますが、うち国家公務員の退職者が百九十名、緑資源機構退職者が十六名でございます。それでよろしいですか。
○福山哲郎君 それは六法人。二法人、被告の二法人です。
○国務大臣(若林正俊君) 林業土木コンサルタンツ、退職者が三十四名、全職員は二百二十名です。林業土木……
○福山哲郎君 それから、森公弘済会です。
○国務大臣(若林正俊君) 森公弘済会は、全役職員十九名中、国家公務員二名、緑資源機構退職者が十六名でございます。
○福山哲郎君 森公弘済会は十九人中十六名が緑資源のOBなんですね。これ、全部天下り先を抱えている。六法人に至っては約三分の一が天下りでございます。
現実に、実はこの談合事件が発覚する前、二〇〇一年に林野庁は東北の森林管理局で談合が摘発をされています。この談合が摘発されていたのは、この立入調査された六法人のうち何法人ですか。
○国務大臣(若林正俊君) 四法人でございます。
○福山哲郎君 いいですか、二〇〇一年に談合で摘発された四法人が延々とまだ談合を繰り返して、この緑資源機構では起訴されています。
農水大臣、これは農水省、農水大臣の歴代の責任は問われませんか。
○国務大臣(若林正俊君) 二〇〇一年の東北森林管理局青森分局の談合で公正取引委員会から排除勧告を受けた公益法人、この法人が再び談合を行っていたということは誠に遺憾でございます。
今回の事案は発注者側である緑資源機構が深く関与していたいわゆる官製談合でありまして、これはもうあってはならないことと考えているわけでございます。
このために、農林水産省においては再発防止のための抜本策を検討するということで、第三者委員会を設置いたしました。本年度限りで緑資源機構は廃止するということを決めたり、また緑資源の幹線林道事業については地方公共団体に移管することなどを内容といたしました農林水産省の包括的な基本姿勢をまとめ、これを示したところでございます。この基本姿勢を受けまして、第三者委員会は七月二十六日に中間取りまとめを行っているところでございます。
これを受けまして、七月三十一日付けで省内に談合再発防止関連措置実行本部を設置いたしまして、談合の再発防止に努めているところでございます。
今後、農林水産省として再発防止措置を的確に実行していくことによりまして、国民の信頼を一刻も早く回復していく所存でございます。
○福山哲郎君 もう抜本改革は先ほどの適正化委員会も含めて余り信用していないんですが、大臣、この起訴された二法人はどのような対応を取られましたか。
○国務大臣(若林正俊君) 起訴された二公益法人についての措置でございますか。
○福山哲郎君 はい。
○国務大臣(若林正俊君) 起訴された二公益法人につきましては、中間取りまとめにおきまして設立の許可を取り消すということにされておりまして、その旨指導しているところでございます。
○福山哲郎君 そうなんです。起訴された二法人は設立許可取消しですが、残りの四法人でございますが、自主解散か撤退かということの選択を迫られていますが、どうなられましたか。
○国務大臣(若林正俊君) 委員御承知のとおりでございますが、第三者委員会に農林水産省が示しました包括的な基本姿勢の中で、測量・建設コンサルタント業務からの撤退又は自主解散のいずれかを選択するよう指導するということにされておりまして、このことは第三者委員会においても了承されております。
このことを受けまして、八月の九日付けで林野庁長官から四公益法人に対しまして、自主解散又は測量・建設コンサルタント業務からの撤退を選択するよう指導文書を発出したところでございます。
四公益法人は、指導に従って、同日以降、測量・建設コンサルタント業務について新たな受注は行っておりませんけれども、同日以前に契約した業務が終了次第、測量・建設コンサルタント業務から撤退するということに決めております。
○福山哲郎君 解散はせずに一応撤退をすることなんですが、現実にこの法人が自主解散しないでいいのかという議論はあると思います。
大臣、大変お手数を掛けて恐縮なんですが、私時間がないので、申し訳ありません、この中間取りまとめの第一項の二項を読んでいただけますか、私が読むと時間が経過をしてしまいますので。
○国務大臣(若林正俊君) 御指摘がありましたこの第三者委員会中間取りまとめの中の「緑資源機構の組織・業務・人事について」というくだりの括弧二でございます。
談合事案として公正取引委員会が告発した内容は、幹線林道事業の調査・コンサルタント業務という限られた分野でのものであるが、本委員会に示された緑資源機構が発注した事業の入札調書を見ると、他の事業についても談合があった可能性が否定できないと考えられる。したがって、農林水産省及び林野庁は緑資源機構の全事業について調査を行って実態を明らかにするとともに、緑資源機構が廃止された後も、これらの事業を継承して実施する法人において再発防止策を講ずる必要があるというものでございます。
○福山哲郎君 この報告書はよくできておりまして、緑資源機構はほかにも談合があった可能性が否定できないと言われているんです。
全事業の調査を、実態を明らかにしろと書いてあるんですが、この作業は、農水大臣、やられていますか。
○国務大臣(若林正俊君) 緑資源機構の全事業にかかわる調査でございます。
現在それを実施中でございますが、まず機構自らが姿勢を正す、事業主体として適切な対応を行う必要があるということから、現在、機構において調査を行っているところであります。
具体的には、入札談合の再発防止策を検討するために緑資源機構に設置した入札談合再発防止対策等委員会の指導の下で、過去五年間、機構に在職した役員及び職員を対象として、緑資源幹線林道事業以外の事業も含め、機構の役員又は職員が関与して行われた談合の有無を把握するための調査を実施しているところであります。また、受注法人に対する調査も併せ行う予定であると承知いたしております。
農林水産省におきましては、これら機構による調査の結果を踏まえて更に所要の調査を行うことといたしているところでございます。
○福山哲郎君 談合の中心であった緑資源機構の機構内において調査をすると。それじゃ駄目だから実は第三者委員会をつくったんじゃないんですか、大臣。つまり、ここがお手盛りなんです。
これ、いつまでに、じゃ大臣、調査の結果を報告いただけますか。
○国務大臣(若林正俊君) お言葉ではございますけれども、緑資源機構の全事業にわたってその役員、職員が関与したもののすべてについてこれを調査をいたしているわけでありまして、大変膨大な調査でございます。
この調査について、先ほど申しました入札談合再発防止対策等委員会、この委員会の委員は、法律的な観点からは、大森先生、弁護士さんでございます。また、高田先生、弁護士さんでございますが、山口先生は公認会計事務所の公認会計士でございます。そして、有川先生が日本大学の教授ということで、この四人の学識経験者をこの委員として選んで、第三者機関でやっております。これは談合防止の方です。第三者委員会は別でございます。
第三者委員会について言えば……
○福山哲郎君 調査はいつまでに……
○国務大臣(若林正俊君) 調査は、この今年末までを目途に調査をして報告が出ることにしております。
○福山哲郎君 実はこの中間報告、すごくいいまとめです。松岡大臣が亡くなられて、実はこれは置き土産として本当にいい僕はまとめをやられたと思っています。
何て書いてあるか。先ほどから出ている公益法人です。租税の減免を受ける公益法人が公共事業として民間営利企業と入札で競争することの妥当性には疑問があり、そもそも公正競争が成り立たないからそのような公益事業は整理されるべきである。発注者又はその監督官庁から受注法人に対する天下りは、競争入札の健全な運営が損なわれる可能性を否定できず、そのような再就職の在り方を根本的に再検討し直すものであると。
これ、実は先ほどの国土交通省の話も、それからこの農水省の話も全部つながるんです。この構造をなくさない限りは、この国の税金の無駄遣いは終わらないと私は思っていますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) いろいろな問題も指摘されておりますけれども、そういうことに適正に対応していかなければいけないと思います。
○福山哲郎君 じゃ、もう一つだけ、もう余りしつこくやるのは本当は嫌なんですが。
これ、今の緑資源機構の談合ですが、見ていただければお分かりのように、何とこの天下り先を提供し官製談合による発注をしていた団体は、これが起訴されたり立入調査を受けました。しかし、そこと同じ事務所に特森懇話会という政治団体があって、調査が入った次の次の月に解散をしています。この協議会は何と調査が入った翌月に解散をしています。そして、この政治団体から、実は松岡大臣やばんそうこうの赤城大臣や、そして現職の若林大臣のパー券を買っています。私はパー券を買うことが違法だとは申し上げません。そんなことは申し上げません。しかし、絵にかいたような、絵にかいているんですけどね、絵にかいたような天下りと業界団体と政治の関係なんじゃないですか。
もっと言います。この政治団体の事務担当者、これはちゃんと公表されていますから名前を出しましたが、池永寛敏さんは緑資源機構でどんな役職をされていました。
○国務大臣(若林正俊君) 御質問の池永さんは、ちょっと……
○福山哲郎君 読まなくても知っているんじゃないの。
○国務大臣(若林正俊君) いえいえ、知りません。
ちょっと失礼します。資料を確認しますから。
この池永寛敏さんは、緑資源機構の前身であります緑資源公団を平成十三年四月一日に退職をされ、最終職歴は同公団の森林業務部長であったと承知いたしております。
○福山哲郎君 いいですか、この池永さんは緑資源の森林業務部長です。そして、何とここで起訴された林業土木コンサルタンツの非常勤の監事までやられています。もう見事でしょう、これ。こういうことをやり続けていてはいけないんですよ、これ、総理。やっぱりこれは早急に改善しなきゃいけない。どう思われますか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) こういうような疑惑を招くこと、疑惑……
○福山哲郎君 疑惑じゃない、疑惑じゃないですよ。もう捕まっている。捕まっているのは事実なんです、捕まっていますから。
○内閣総理大臣(福田康夫君) もう事実、事実ですね、そういう。一般論としてちょっと申し上げているんですけれどもね。
○福山哲郎君 疑惑ではありません。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 要するに、疑惑を招くようなことがないように気を付けなければいけないということでありまして、このことについて相当強い指摘がされておるわけですから、こういうことに対してきちんとしていかなければいけないというのは、これは政治の我々の使命だと思っております。
○福山哲郎君 我々は、今行革関連の法案を準備をしようとしています。この特殊法人や独立行政法人を一度全部見直すと。で、この随意契約のもとになったり談合のもとになっているものをやっぱり天下りの問題も含めて総合的に考える法律を準備をしています。その整理をしない限りはなかなか税金の無駄遣いがなくならないと。是非この法案を提出した際は、まあ中身は明らかではないので、これから明らかにしていきますので、コメントはできないと思いますけれども、是非これは、この国の構造改革というのは実はこういうことではないかと私は思っておりまして、これは与野党を問わず直していかなければいけないと。
私は、実はキャリアの官僚もノンキャリの官僚もこんなことに手を染めるために志を持って役人になったわけではないと思っています。しかし、そのことが自民党も含めた長い政権の中で、なれ合いの中で、これをやらないと自分の役所の中の立場や、これはずっとやるものだという上からの流れの中でいや応なく手を染めている役人も一杯いると思います。こんなことは役人にとっても不幸な出来事で、このことを変えて税金の無駄遣いをなくさない限りはこの国は決して良くならない。こんなことに手をかしていても役人のモチベーションが上がるわけではない。
つまり、本当に、先ほどから言い訳言うのは結構です。舛添大臣、国土交通大臣もいろんな理由はその場であるでしょう。それは役人が弁解を書くからですから。でも、そのことを正すのが政治の役割ではないか、私はそう思っています。総理大臣、どうですか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 御指摘のとおりだと思います。公務員も正におっしゃるように、そのことのために仕事をしているつもりはないと思います。ですから、そういうような不幸にして状況があったということであるならば、それはもうどんどん改めていかなければいけないということであります。ですから、そのことは公務員制度改革との関係もございますけれども、やはり公務員がモラルを高くして仕事ができるような環境を提供すると、こういうことも併せて考えていかなければ片手落ちになってしまうというように思います。
いずれにしましても、まあこういう……(発言する者あり)ごめんなさい、片手落ちは訂正をさせていただきます。
これは適切なことにはならないと、全体を考えてどうするかということを将来的な課題として今から真剣に取り組んでいかなければいけないと思っております。
○福山哲郎君 ちょっと時間がなくなってきましたので、次に行きます。
私は、地球温暖化問題に十年以上取り組んでまいりました。今年の八月だけでも、実は世界の異常気象はこのような状況で起こっています。これは気象庁の発表です。
そして、この間、ノーベル平和賞にゴア前副大統領とIPCCが受賞されました。
九月の主要経済国会合で、ブッシュ大統領はこれまでとは打って変わって、二〇〇九年に各国のポスト京都議定書の中身をまとめようという発言をされました。このことについて総理はどのようにお考えですか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 米国が九月に主催しました会合におきまして、ブッシュ大統領は、来年夏までに排出削減に関する長期目標などにつき合意したいと、こういうふうに述べております。御指摘のあった点も含めまして、各国にこの目標達成に向けた対応を呼び掛けたというように承知をしているところでございます。
したがいまして、我が国としましても今年のサミットにおいて美しい星50ということを提案をいたしました。世界全体の温室効果ガス排出量を現状に比して二〇五〇年までに半減するという長期目標を世界共通の目標とするということなどを提案したわけでございまして、多くの国も賛同が得られるような働き掛けを今いたしております。こういう努力を通じまして、今後、国連の下での議論を主導してまいりたいというふうに思っております。ブッシュ大統領の提案も、目標の設定、主要排出国の取り込みなど、我が国の考え方と軌を一にするところも多いと受け止めております。
いずれにいたしましても、大統領がこのような提案を行ったということは、本件の問題に関しまして国際社会の関心を更に高めて国連の下での議論を前進させる契機になるというふうに考えておりまして、引き続き米国との間でも緊密な意見交換を行ってまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 我が国は二〇五〇年に世界で半減という議論をしていますが、当然、国内としても総量目標を設定するという考えで、総理、よろしいですね。いや、総理。その後、鴨下大臣。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 当然そういうことでございます。
○福山哲郎君 総理が国内として総量目標を設定すると答えていただいたので意を強くしましたが、環境大臣もそれでよろしいですか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 先生も極めて環境に関心を持っていただいているわけでありますけれども、今総理がお話しになりましたように、我が国のクールアース50、この提案につきましては国際社会である意味で一定の評価をいただいているわけでありますけれども、それを今度は実現していく段階で、様々な今度は短中期目標というようなこともございますし、加えて産業界、あるいは業務、そして一般の国民の皆様の生活、こういうようなものの協力をいただかないと達成できないわけでありますので、そういうような意味では、この二〇五〇年まで半減、こういうような長期目標を掲げつつ足下を見直していくと、こういうようなことを今環境省、精力的にやってまいりたいと、こういうふうに思っております。
○福山哲郎君 総理、さっきおっしゃられた国内の総量目標ですが、これはいつぐらいまでに、来年洞爺湖サミットがありますが、いつぐらいまでに出されるおつもりでしょうか。総理に答えてほしい。
○国務大臣(鴨下一郎君) 今申し上げましたように、洞爺湖サミットが七月にあります。そして、さかのぼれば五月にG8の環境大臣会合がございます。そして本年の十二月にCOP13があります。そしてその手前に、この月末にはボゴールでこのCOP13の準備会合があると。
こういうような道筋の中で、私たちは、さきにも申し上げましたけれども、洞爺湖サミット、ホスト国でありますから、何が何でもこのクールアース50のすべての国が入っていただく枠組み、そして京都議定書を超える言ってみれば枠組み、こういうものをつくるためにホスト国として何ができるか、こういうようなことを最重要な課題として今取り組んでいるわけでありますけれども、先生がおっしゃるように、そのためにじゃ日本はその目標を掲げないでいいのかということについては、これはいずれのタイミングで掲げないといけないと思っております。
ただ、それは、例えばEUそしてアメリカ、それから新興国である中国、インド、ブラジル、こういうようなところの様々な思惑の中で、我々はホスト国としてすべての国が入っていただく、こういう枠組みをつくると、こういうようなことで、今の段階では申し上げられないというのが現状でございます。
○福山哲郎君 今のは微妙な表現なんですが、洞爺湖サミットまでに総量目標を作るということなのか、次の枠組みが見えないと総量目標は作れないということなのか、はっきりお答えいただけますか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 総量目標はできるだけ年内にも打ち出したいというふうに思っておりますが、ただ、先ほど申し上げましたように、洞爺湖サミットで私たちはホスト国でありますから、この段階でほかの国が言わば脱落するような目標を立てても意味がありません。ですから、そういう意味で、慎重に進めながら、なおかつ、先生がおっしゃるように我々はそれなりに高めの目標を立てていきたいと、こういうふうに考えております。
○福山哲郎君 大変思い切った発言をいただいて大変意を強くしておりますが、日本の中で京都議定書の議論がいろいろあります。例えば、この間、資源エネルギー庁長官が雑誌の論文の中で、京都議定書の有効性がないというような発言をされました。この間、実は経産の事務次官が環境税などは要らないといって、鴨下大臣と実は今いろいろ言い合いをされています、議論になっています。
これ、京都議定書はもう約束期間が来年から始まります。我が党は国会で決議をし、そして批准をしました。そのことに対して云々ということが本当に的確なのか。京都議定書は国際的に公約として約束をいたしました。もうこのことの議論ではなくて未来についての議論をしないといけないと私は思っていますが、これは甘利大臣、どう思われますか。
○国務大臣(甘利明君) 経済産業省と環境省は産構審と中環審の合同審議を行っておりまして、かつてないくらいこの地球温暖化対策に対して協力体制はしいております。ただ、その中で、今御指摘の次官発言でありますけれども、環境税に関してですね、これ、環境税というのは検討課題の一つとして議論をしていこうと、ただ、もちろん克服すべき課題もありますよと、こういう問題点があるということを少し強めに提示をしたんだというふうに思っております。
具体的に何かと言えば、環境税は実施するとするとどうしてもやっぱり産業界中心にならざるを得ないと思うんですね。現状では、工場の排出を中心とする産業界というのは、目標に達成に向かって相当な実績を上げてこれをクリアすると。課題は運輸とか民生が課題になっています。つまり、頑張っているところに更に賦課を掛けて、頑張らないところが取り残されるおそれがあるという指摘とか、あるいは環境税というのは、世界全体で同時進行をすれば競争力と関係ないんですが、日本だけ行うとすると、日本の製品は環境税賦課をされていて国際市場で戦わなきゃならない。だから、例えば消費税みたいなものですと、内の市場で戦うときには外から来るのにも同じ賦課が掛かると、外に出るときには内の賦課は外されるということで、競争条件が平等になります。そういう点等を指摘したんだと思います。
それから、資エ庁長官の発言は、これからポスト京都の枠組みをつくるときに反省すべき点は何かと。ポスト京都が一番うまくいかなかったのは、結局……
○福山哲郎君 うまくいかないってだれも決めていない。
○国務大臣(甘利明君) いやいやいやいや、うまくいかなかった点ですよ。点というのは、みんなに呼び掛けたけれども、参加したのは三割の人で、つまり逆に言えば、三割の国で、三割のメンバーで、逆に言えば七割はそんなの関係ないということになっちゃうと、それじゃまずいと。だから、次の枠組みは少なくとも大排出国は全部参加すると、そこのところをしっかり一番大事な点で見なきゃならないですよということを強調したんだと思います。
○福山哲郎君 大臣自身は京都議定書は評価されるんですね。いろんな問題はあるとしても、京都議定書は評価するし、我が国は批准しているんですから、達成しなければいけないということは間違いないですね。
○国務大臣(甘利明君) 全力を挙げて達成しなきゃならぬと思っています。
○福山哲郎君 実は、我が国の温暖化対策は、国内排出権取引市場はありません。再生可能エネルギーはまだ水力抜いて一%台です。カーボンディスクロージャーの制度もありません。環境税もありません。ヨーロッパもアメリカも動いています。しかし、我が国は現状では七・八%増でどうするんだと。国際公約も含めてどうするのかと。さらには、次の対策をどうしていくのかということが全く実は見えないんですね。
私は、去年、環境委員長としてアメリカへ行って、アメリカの上院、下院のそれぞれのエネルギー・資源委員長にも懇談をしてきました。それから、アメリカのシンクタンクも行ってきました。アメリカは確実に変化をしています。今年は、BPやデュポンやGEやリーマンというアメリカの名立たる企業が規制的な枠組みをつくれと言っています。それから、再生可能エネルギーについて言えば、再生可能エネルギーについてはアメリカで相当高い目標値を掲げようと今動いています。
つまり、アメリカは京都議定書から離脱をしていますが、ポスト京都は必ずコミットしてくる。そのときに日本がどう国際社会でやっていくのか。温暖化の問題というのは異常気象が第一義的な問題、しかし二番目は、国際炭素市場というのは大きくこれからでき上がってくると。そのときに、省エネの技術があり、そして今まで太陽エネルギーや再生可能エネルギーの技術を持っている日本がどうアドバンテージを取るかなんです。今までのように、環境省と経産省がいつも何か意見を言い合ってまとまらない状況では、この国際的な流れに乗り遅れると私は思っていまして、是非総理の御決意というか、国内排出権取引市場なり再生可能エネルギーなり、新たな政策の導入への御決意をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(福田康夫君) この温暖化対策というのは、これは待ったなしの状況になったと思います。そういう認識が今世界じゅうに広まりつつある、アメリカもそういう方向に真剣に取り組む、そういう姿勢になってきている。そしてまた、中国も今開かれている会議でも取り上げられているということでありますので、機運は国際的に高まってきたと、いい機会になってきたと思います。
しかし、それほど深刻な将来の問題を抱えているということですから、これに対して日本はやはりしっかりとした取組をしなければいけない。ほかの国がやるからということでなくて、日本がせっかく環境技術とか環境に対する認識を随分前から持って努力をしてきているわけですから、その持てるノウハウを十分に発揮する、そして世界をむしろリードしていくというぐらいな気構えを持つ必要があるんじゃないかというように思います。
この点については委員は大変御熱心だというふうに思いますので、この点は一緒にやっていきたいと、こう思っております。どうぞよろしくお願いします。
○福山哲郎君 これ、我が国が非常に技術力の高かった太陽光なんですが、あっという間にドイツに抜かれました。今、中国の太陽光の会社はニューヨーク市場に上場して、もう破竹の勢いで日本を抜こうとしています。ところが、日本は太陽光の住宅に対する補助金を二〇〇五年に打ち切りました。見てください、日本は頭打ち、世界じゅうは太陽光の新しい技術でどんどんマーケットを広げています。
経産大臣、この技術的な遅れも含めて、日本の現状どう思われますか。
○国務大臣(甘利明君) 太陽光の技術は日本は世界に冠たるものがあると思います。確かにおっしゃるようにドイツに近年抜かれました。これは、ドイツは補助政策が加速をさしていると。買入れ価格を一キロワット……
○福山哲郎君 事実関係でどう思われるかだけ聞いてください。
○国務大臣(甘利明君) これは補助金がべらぼうに、固定で二十年間払うんですね。それについてどう思うかということなんです。
○福山哲郎君 いや違う、太陽光がもう現実に抜かれている事実を聞いているんです。
○国務大臣(甘利明君) だから、それはそういう原因で抜かれているということなんです。七十五円ぐらい払っています、日本は二十三円ですから。これは、市場原理でちゃんといくということが大事ですから、無理やりにそういう原理をはるかに超えた金額で買い取るということについては、当然その技術開発力をなえさせるということにもなるでしょうし、消費者負担が増えるということもありますから、そういう点も検証していかなきゃならない。つまり、市場に乗らないときには補助金を付ける、市場価格に乗ったらそれに、市場に任せるというのが本来の姿だと思います。
○福山哲郎君 ごめんなさい、補助金付けるから技術開発が遅れるというのはおかしいですよ、これだけ技術開発からして世界に評価されているわけですから。それから、日本も実は〇五年まで補助金政策していたわけだから、していたのを何で打ち切ってこうやって頭打ちなのかと言っているわけです。
○国務大臣(甘利明君) 当初は半分ぐらい補助していました。それは、半分補助すれば残りの半分は二十年間ぐらい電気料金と換算すると相殺ができるということで導入が進むと。近年は極めて安くなりました。電気料で換算すると十分に導入するメリットがあるというふうに判断をしたからであります。
○福山哲郎君 でも、マーケットは小さくなっています。
自然エネルギーは、実は二〇一〇年までに再生可能エネルギー、新エネルギー千九百十万キロリットルが目標ですが、今達成は千百五十八万キロリットルです。あと二年後、三年後にこれをどのような方法で大臣は達成するおつもりですか。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、二〇一〇年度に原油換算で千九百十万キロリットルを達成をするということになっております。現状は千百五十万でありますから、かなり頑張らなければならないわけであります。
これには、技術開発だとか導入支援、それから太陽光発電の実証実験、あるいはRPSで導入義務の割合を高めました。これらを推進をしていって何としても達成したいと思っております。
○福山哲郎君 全く具体性がありません。もう結構です。
実は、再生可能エネルギーの目標は、各国でこんなに、それぞれが二〇三〇年、二〇一〇年で目標を掲げています。日本はまだはっきりとした目標を掲げていません。
EUでできたEUETS、EU排出権取引市場の参加企業者数と参加市場規模を、環境大臣お答えください。
○国務大臣(鴨下一郎君) EU域内の排出量取引制度、EUETSでありますけれども、施設ベースでは一万一千五百か所の参加であります。そして、EUETSの排出枠の取引市場の規模は、世銀の調査によりますと、二〇〇六年一年間の取引量は約十一億トンCO2ですね。取引総額は約二百四十億ドルと、こういうようなことになっているようであります。
○福山哲郎君 一万一千五百か所のマーケットに参加をし、二兆円規模のマーケットができています。
アメリカでは、実はマケイン・リーバーマン法案というのが今年に出ました。それ以外六本、規制のこの排出権の枠の市場をつくろうという法律が出ています。マケイン・リーバーマン、マケインは御案内のように共和党の大統領候補です。これに対して、実は民主党のオバマ、クリントン候補も賛同の意を表しています。そして、状況的にいえば、それを更に良くしたリーバーマン、済みません、少しど忘れをしましたが、別の法律が今新たにできようとしています。これ、大統領選挙、アメリカの、恐らく大変な争点になってきます。
EUは二兆円規模のマーケットができている。アメリカはカリフォルニアを中心にマーケットをつくろうとしている。恐らく中国もオーストラリアも参入をしてくる。日本は省エネの技術があり、これまで本当に実績がある中で、なぜこのマーケットをつくって、外へ買いに行ってお金を出すぐらいなら国内のマーケットをつくって国内産業の技術開発を進めればいいのではないかと私は思います。そのために再生可能エネルギーとかビルの省エネ施設というのは非常に有効であるにもかかわらず、日本は先ほど言ったように、排出権取引市場も再生可能エネルギーもそして環境税も、すべてないない尽くしでございます。
私は、この温暖化の問題、与野党関係ありません、地球全体の問題です。生態系を守るということと、国際的なマーケットが出てきて、この国がどうこれからの国益を守っていくのか、大変重要な課題です。
実は、二〇五〇年までに半減するためには、二〇二〇年にピークアウトしなければ二酸化炭素は減っていきません。是非この二〇一〇年までに早期の対策を取っていただきたいということと、最後に総理、二酸化炭素は汚染物質であり原因物質であるということをお認めいただけるかどうかお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) 鴨下環境大臣。
○福山哲郎君 総理、総理。
じゃ、大臣答えた後、総理も一言。
○委員長(鴻池祥肇君) 鴨下環境大臣の後、福田総理大臣に御答弁をいただきます。
○国務大臣(鴨下一郎君) 環境省の基本的なスタンスだけ申し上げさせていただきますけれども、国内の特に排出量取引については、一つは排出量の確実な削減、そして削減への経済的なインセンティブ、あるいは排出削減コストの最小化と、こういうようなことで、市場メカニズムを活用した極めて有効な政策手段の一つだと、こういうふうに考えているわけであります。
それから、炭酸ガスについての御質問でありますけれども、基本的には、日本の場合には、温暖化対策の中で明らかに地球温暖化のための温室効果ガスと、こういうような位置付けになっておりまして、いわゆるアメリカのクリーン・エア・アクトとはまたおのずと違う位置付けなんだろうというふうに思っておりますが、先生おっしゃるのは、そういう中で多分、CO2も汚染物質の一つとして数えて、より規制を厳しくしろと、こういうようなお話なのかも分かりませんけれども、それについては、私たちもその一つの考え方として検討はさせていただきますけれども、アメリカと日本、法体系違いますので、現時点では汚染物質という位置付けではございません。
○内閣総理大臣(福田康夫君) いろいろ御議論ございましたけれども、いずれにしても、目指すものは持続可能社会を実現すると、このことに尽きるんだろうというふうに思います。そういう観点から、CO2がどういう立場になるかということも含めて考えていくべきものと考えております。
○福山哲郎君 ありがとうございました。