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2009
第171国会 参議院 予算委員会 2009年03月16日(未定稿)
行政改革・天下り問題等
○委員長(溝手顕正君) 関連質疑を許します。福山哲郎君。
○福山哲郎君 民主党の福山哲郎でございます。
総理を始め各大臣におかれましては、予算委員会、長時間御苦労さまでございます。本日は盛りだくさんでいきたいと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
まずは与野党合意ができるようなものから話を進めていきたいと思います。(資料提示)
実はインターネットによる選挙運動でございますが、二〇〇五年の郵政選挙のときに、選挙始まって、実は自民党と民主党で強烈なさや当てが行われました。その直前に行われた都議会議員選挙で、実はそれぞれの党の動向等については、更新については総務省はある意味容認をしておったんですが、二〇〇五年の選挙のときには駄目だということで、総務省から民主党にも注意が来たと。その後、実は自民党の各議員のホームページが更新されたこともあってお互いがやり合ったわけです。私は、あれからもう四年近くたって、いまだにインターネットによる選挙中のホームページの更新やブログの更新、それからマニフェストのダウンロード等ができないことは余りにも時代遅れではないか、余りにも国民のニーズとは反しているのではないかというふうに思っております。
是非、総務大臣、このことについては与野党を超えて、我々は元々実は法案を提出を衆議院にしておりまして、ずっと継続審議のままになっております。できることからですが、この次の衆議院選挙までにやはり政治の責任としてやるべきではないかというふうに思っておりますので、鳩山総務大臣、お答えいただけませんでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 総務大臣としてこの問題を私が本格的に検討したことはございません。ただ、そうではなくて、自民党の選挙制度調査会長を三年近く与謝野政調会長に命ぜられてやっておったことがありまして、とにかく与野党で話し合って何とか道を切り開いていただきたいと。自民党の一番詳しい方は世耕参議院議員だったと思っておりまして、これは今からでも遅くない、どんどん話合いを進めていただきたいと思います。
ただ問題は、誹謗中傷とか成り済ましがあった場合に、選挙の場合は、終わってしまって、それで選挙を誹謗中傷がひどかったからやり直しだという形にはならないし、落選して損害賠償を取ったからいいという問題でもないでしょうし、プロバイダー責任制限法をどう解釈するとか、いろんな難しい問題があるんですね。
だから、インターネットを使っていい場合、どこまでいいのかと。ホームページ、候補者のホームページじゃなくて、だれが開設するホームページでもいいと言ってもいいのかどうかとか、様々な問題点があって、とにかくやっぱり心配な部分、今でも怪文書とか今までもいろんな話がありますが、ネット上のその誹謗中傷、成り済まし、この辺の対策を与野党で十二分に話し合っていただいて結論を出していただければ有り難いと思っております。
○福山哲郎君 大変前向きな御答弁をいただいてありがとうございました。
私も鳩山大臣が選挙制度調査会の責任者をやっていただいてたのは存じ上げておりますので、私もすべてに公開しろというふうなことを言うつもりはありません。例えば届出政党のホームページとか候補者のホームページとかを一個なら一個登録をするようなことも含めてやらないと、政治のやはり怠慢だと言われてもしようがないと思っておりまして、麻生総理、このことについては、与野党を超えて協議をして、次の選挙までに何とか最低限でも間に合わすということでいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) インターネットを選挙運動の手段として認めるという話はもうもっと前からいろいろこの話は出ておりました。大分前です、出した。いや、そんな簡単に言えないところは、あなた、福山さん、今、鳩山大臣の答弁になったとおりですよ。したがって、これは金の掛からない選挙の実現等々には非常に一役買うことは間違いない、私どももそう思って始めましたけれども、匿名性を利用した誹謗中傷というのはこれは避けて通れない話ですよ。これは選挙運動落ちちゃったらどうするかという話は、これはなかなかごめんなさいじゃ済む話じゃないから、これは。
そういった意味では、我々としては、これ誹謗中傷に限らずいろいろ、我々の想像を絶するようなものがいろいろ出てくるでしょうから、そういったときにどうするかというのをきちんと決めておかないと、福山先生、これなかなか難しいんで、これ十分に御議論をいただかにゃいかぬところだと思いまして、議論を両党間でするのはいいことだと、私どもはそう思っております。
○福山哲郎君 その懸念は私は重々理解をしております。ですから、相当限定的にやらないと、おっしゃるように選挙は危ないと。しかしながら、やらないというのも私は政治の怠慢だと思いますし、世耕参議院議員や我が党の鈴木寛参議院議員も含めて、具体的な議論はもうかなり煮詰まっておりますので、そこは与野党協議をして、何とか次の選挙に間に合うように御努力をいただきたいと。
公明党も、斉藤大臣、よろしいですよね。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 私、この問題について党を代表してここで申し上げる立場にはないということを御了承をいただいた上で、一政治家としてお答え申し上げるということを許していただければ、これだけ今ホームページ等ITが活用される時代でございますので、先ほどあったようなデメリット、問題点を防ぐ一つの十分な方法を確立した上で、各党で議論をするということは必要なことだと思います。
ただ、その前に、自由闊達な議論こそ民主主義の基本でございますから、マニフェストの頒布の拡大ですとか、また、各国では普通に行われております戸別訪問の解禁とか、優先順位の高いものはまだほかにあるのではないかと思っております。
○福山哲郎君 マニフェストの頒布の解禁等についてもやっぱり議論をしなければいけないと思いますし、今は相当頒布場所が限られておりますし、選挙期間中しか頒布できませんから、そこも前向きに考えなければいけないと私は思っておりますが、しかしながら、インターネットはやはり、これはもう焦眉の課題だと私は思っておりますので、斉藤大臣も前向きに御答弁いただいたと思いますので、与野党でとにかく間に合わせるようにお願いをしたいと思います。
次に行きたいと思います。
今日は漆間官房副長官にお越しをいただいております。基本的に、漆間官房副長官がオフレコ会見で自民党に捜査及ばずとか捜査は自民党に行かないというふうなお話をいただいて、それがマスコミに報道をされました。しかしながら、その話は、漆間副長官のお話でいうと、それは記憶にないと、述べた記憶にはないというふうに言われて、さきの委員会で明確に、私は述べたのは三点でございましてと言って、三点は非常に細かく記憶をされているんですが、自民党に立件が及ばないというところだけは記憶にないと、述べたことは記憶にないと言われています。
そのことの言った言わないの議論をしても余り意味がないので、そこは今日は申し上げません。しかしながら、これは漆間副長官が言われた言葉を私御紹介をします。私が述べたのは三点でございましてと、一点目は、認識の立証性は難しいと、二点目は、金額の多寡によって違法性の認識を立証する上で大きな要素になるということを言われている。三点目なんです、ここです。検察がこの時期に秘書を逮捕した以上、本人が否認しても、本人というのはこれは多分逮捕した秘書なんでしょう、起訴に持ち込めるだけの証拠を持っているであろうというふうに述べております。これ、漆間副長官が言われたことを私は今日申し上げました。
しかし、これが一般論でしょうか。この時期にと、これは選挙前ということをだれでも想定をします。秘書を逮捕した以上、これも我が党の小沢代表の秘書が逮捕された事件を想定されます。更に言うと、本人が否認しても起訴に持ち込めるだけの証拠を持っているであろうと、これはどう考えてもある一定の事件に対する過剰な介入であり、聞きようによれば、本人が否定をし続けても起訴には持ち込むんだろうなというような意味合いに取られても致し方ないというふうに思っておりまして、私は、あなたが言われたこれが一般論だとは思えないんですね。
つまり、言った言わないの議論は別にして、あなたが認めたこの言葉すら私は大変問題があると思っているんですが、いかがですか。
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
基本的には私は、本当に何の情報もなしに、全く私の推測で、今まで私がやってきた捜査でやれば、こういう時期に逮捕するんであれば、このくらいの情報、つまり否認しても大丈夫なようなものは持っているんだろうなというような推測で申し上げたことは事実でございます。
ただ、こういう時期にそういうことを申し上げたということは大変誤解を受ける発言でもございますので、私としては、そういう発言はたとえオフレコの場といえども申し上げるべきではなかったということで、今十分に反省をしているところであります。
○福山哲郎君 更に申し上げれば、実は一昨日でございますが、いわゆる国民が大変期待をしている国家公務員法改革関連法案について、自民党の行革改革推進本部に法律案の検討案が示されました。
そこでは、実は大変重要なポストになっておりますこの内閣人事・行政管理局長のポストについて、法律に若干後退をした形で書いてあります。実は、この内閣人事・行政管理局長というのは、非常に官僚の人事をつかさどるので重要なポストだと、かなりハイレベルな立場でなければ駄目だという議論になっておりまして、昨年十一月の顧問会議では、各府省の事務次官に対して指導力を発揮できるようハイレベルなポストとするとされていました。それがいつの間にか、それが、一月に検討された工程表では、この局長は内閣官房副長官をもって充てる、つまりあなたですね、あなたをもって充てるというふうに書いてあるということは、この局長レベルは内閣官房副長官レベルでやろうという議論になっていました。ところが、いつの間にか、二月の三日、正式に決定された工程表ではこの文言が消えていました。そして、先週の金曜日の自民党に提出された法案の中身では、とうとうこの局長の位は、官房副長官のレベルではなくて、事務次官レベルに落とされていました。
そこでです、あなたが、報道されることによると、この問題について漆間氏らが骨抜きを働きかけたと。改革をサポートするはずの官邸が官僚の代弁者として足を引っ張っているという指摘もあるというように報道をされております。
私は事実関係は分かりませんが、あなたがそういった形でこの局長人事のポストの、いわゆる官職について何らかの形で介入なり若しくは指示をされたことがありますか。事実があるかないかだけお答えください。
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
法案を作成する過程において、いろいろの私としてもこういう考え方は取れるのではないかとかいうことはそれぞれ申し上げますが、ただ、これはまだ法案が確定しておりませんので、それを今度は踏まえて、時々刻々変わっていきますから、いろんな形で工程表が提示された結果、与党の方からいろんな御意見があれば、またそこでいろいろ考え方を私の方で整理してこういうふうにまとめようかというふうになるわけでありますので、ただ一点のところだけとらえられて私が何かしたという話ではございませんで、私は必要な都度私の方でこういうふうにしたらどうかということはいろいろ言っておりますが、それは確定した案ではございません。
○福山哲郎君 今、申し上げたことはあったということを認められたのは非常に重要なんですよ。あなたは官房副長官という官僚の中の事務方ではトップの位置にしているんです。その方の影響力がどれほど大きいかあなたは分かっていますか。あなたの一言がどれほど官僚に対して影響があって、法案作成に対して影響があるか。だれがあなたに背いたものを書くんですか、そしたら、官僚が。あなたはトップなんですよ。そのことについて、あなた自覚がおありですか。
ということは、あなたはどういうことを言われたのか、今言われたこと、どういう中身のことをサジェスチョンされたのか、お答えいただけますか。
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
私が申し上げるのは、まず官房長官に上がる前にどういうふうな案を考えるべきかということでありまして、最終的に、私がこういうふうに考えるがということを言ったとしても、基本的には最後は官房長官、総理のところでいろいろ決まっていくわけでございますので、その過程で何にも私が意見を申し上げないのでは、私が官房副長官としている意味がないと私は思っております。
○福山哲郎君 しかしながら、元々、国家公務員法改正の流れの中で出てきた、例えば顧問会議での案、工程表の案からどんどん後退してきて、その中で官僚のトップであるあなたが意見を差し挟んだといえば、それは疑義を持たれても仕方のないことだと私は思います。
総理、実はここの問題は重要で、検察の捜査について何らかの怪しさを副長官の発言によって国民に広めたことは事実なんです。言ったか言わないかの話はもう私はしておりません。二十人の記者が聞いていたのにもかかわらず、記憶にないと言ってお互いが言い合っているような状況でどちらが正しいんだと言っても意味がないからです。しかしながら、国民に何らかの形の怪しさを感じさせたことは事実なんです。
国家公務員制度の改正の流れの中で、今天下りの問題が大変議論になっている状況の中で、この事務方の非常に重要な人事局長、内閣人事・行政管理局長のポストをどの位置にするかによって、政治主導なのか、また官僚主導に逆戻りするのかという大変重要なところで、またあの方は何らかの発言をして、実態として今自民党から出てくる案、政府から出てくる案は後退をしています。
こういうことを、麻生内閣としても本意ではないはずです。そうですよね。麻生内閣としては、いや、捜査の問題については介入していないということを主張したいでしょう。さらに言えば、公務員制度のことに対しては政治主導でやっているんだと総理としては主張されたいでしょう。それならば、そういう疑義のあることを何度もやられている官房副長官は、それはやっぱりすぐお辞めになっていただくべきなんじゃないでしょうか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 基本的に、官房副長官の発言によっていろいろな意見が全く根底からひっくり返る、それほど官房副長官、事務の官房副長官が偉いということはないと、基本的にまずそう思っております。そういったところは一番肝心なところだと思いますんで、内閣官房をやっております官房長官、その下にいる副長官がすべて牛耳っているかのごとき幻想を与えるのは間違っていると思います。
二つ目。今申し上げられたところの中にあって、一般論であってもいろいろ疑義を醸し出すようなことは十分に注意すべきだ、本人も反省しておりますと先ほど述べられておりますとおりだと思いますが、河村官房長官の方から漆間副長官に対して、一般論であったとしても誤解を招きやすいというような発言は極めて不適切ということで厳重注意をしたということでもありますんで、私自身としてそれ以上の処分を考えていることはありません。
○福山哲郎君 分かりました。では、このまま、別に私は官房副長官がすべてを牛耳っていると申し上げたことはありません。しかしながら、官僚組織のトップとして影響力は計り知れず大きいということを申し上げました。そして、現実の問題として、この人事局長をめぐる役職についてはどんどんどんどん自民党内の案が後退していることも事実でありまして、そのことに対して、麻生総理が全くそこに責任を感じないし、官房副長官に対してももう官房長官の指導でそれでいいんだというのは、それは麻生政権の立場だということで承らせていただきます。
麻生総理は、十三日の金曜日、追加経済対策を検討するように与党内に指示をされたと聞いています。参議院では今日、本年度の本予算の審議中ですが、この追加経済対策は二十一年度の補正予算につながるものなのかどうか、麻生総理、お答えください。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) いわゆる追加の経済対策というものや補正予算の策定を指示したというわけでは全くありません。今後の経済の下振れリスクというのは今いろいろ言われておるとおりでありますので、どのような経済政策の運営があり得るかということは、この幅広い検討を考えておくのは当然の我々の義務だと思っております。したがいまして、経済対策といたしましては、我々として、経済対策として補正予算というのであれば、複数年度ということは、補正は通常単年度で計算でありますので、複数年で考えるなどということは通常は考えられません。
経済対策として、まずは我々としては七十五兆円規模の対策、その実行をやっていくためには、平成二十一年度の予算関連法案の早期成立並びに可能な限りその法案を前倒しで実行する。最近は六〇%ちょっとしか前倒しになっておりませんので、それはせめて七〇%台までに上げる、そういったようなことが目先の景気対策として大事なところだと思っておりますので、これが最大の景気対策と思って、直ちにこれが補正予算ということを考えているわけではございません。
○福山哲郎君 ということは、補正予算は提出をされる予定は今のところはないということでよろしいんですね。この、先ほど申し上げました、指示された経済対策は補正予算にはつながらないということでよろしいんですね。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今申し上げましたように、これは直ちに今この段階で補正予算をいつやるということを決めているわけでもありませんし、その規模を幾らにしようとかいうことも決めているわけではありません。
今御質問の点は、しかし景気が悪くなったらどうするんだという御質問が一番の肝心、これは国民みんな関心を持っているところだと思います。我々としてもその点は、常に下振れリスクというのは考えておかにゃいけませんので、そういったときに、もしその案が使える案であれば使わせていただく、当然のことだと存じます。
○福山哲郎君 じゃ、その下振れリスクがあるかないかも含めて、補正予算を組んで提出するかどうかも含めて、いつの時期に御判断されるんでしょうか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 景気の状況というのをよく踏まえた上で出さなければならぬのであって、あらかじめ今からいついつまでに出すというようなことを考えているわけではございません。
○福山哲郎君 私は今の状態が厳しい状態だと思っておりまして、実際に与謝野大臣はG20でロンドンに行っておられました。G20でロンドンに行かれておられまして、御苦労さまでございました。
与謝野大臣は、G20でガイトナー米財務長官との会談において、日本の財政出動はGDP比二%を超えるだろうというふうに言われたというふうに報道が流れております。それを考えると、今から三兆円、今のこの予算を含んでも三兆円以上は積み増すことが必要になりますが、今、麻生総理は補正予算の提出は現段階では考えていないと明言をされました。しかしながら、与謝野大臣はガイトナー財務長官にGDP比二%は超えるだろうということは、自動的に三%は超える財政出動をするということですから、じゃ、このずれはどういうふうに御説明をいただけるんでしょうか。(発言する者あり)ああ、三兆円です。三兆円です。
○国務大臣(与謝野馨君) これは、二%という数字はIMFが元々言い出した数字で、ガイトナー財務長官もみんなでやったらどうかという呼びかけをしているわけでございます。日本は、既に二十年度一次補正、二次補正、それから今御審議をいただいている二十一年度当初予算で相当のものをやっているわけで、ほぼ私はIMFの期待にこたえていると思っております。
これは私、やはりそれぞれの国の財政の状況や今までやってきた経済対策、それぞれの国が独自の立場で判断することであって、G20全体としてこうしなきゃいけないということを決めるのではないだろうという立場でいろいろ物事を御説明申し上げたところでございます。
○福山哲郎君 ですから、与謝野大臣はこのGDP比二%を超えるということに対しては合意というか、合意はしていないけれどもその方向だということで、何というか、その方向で頑張ろうということでは了解されたというふうに承ってよろしいんでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 私は、物事が進展していくんで、総理が四月にロンドンに行かれるときには、私が申し上げるよりももう少し経済情勢、金融情勢がはっきりするんで、麻生総理からは私よりはもう少し方向性を出すことができるんではないかということは申し上げましたけど、それ以上踏み込んで何かを約束したとか二%以上の財政出動をするんだとか、そういうことをガイトナー長官ともお話をしていませんし、会議の場でも申し上げたわけでもありません。
○福山哲郎君 そうすると、もう一度確認させていただきますが、GDP比二%を超えることに対して三兆円以上、今の日本の財政からいって積み増さなければいけないということに対しては、ガイトナー長官と約束したわけでもないし、これは国際公約でもないし、今は麻生総理は補正予算の編成は考えていないということでよろしいんですね。総理。
○国務大臣(与謝野馨君) 恐れ多くも、参議院で二十一年度の当初予算を御審議いただいているわけですから、政府としては二十一年度の補正予算などということは全く考えたことはないわけですけれども、頭の体操をされる方はやっぱり党の方にもおられないと困るということは私は事実だと思っています。
○福山哲郎君 私は、財政出動するのが駄目だとかガイトナー財務長官と議論するのが駄目だとか言っているんじゃないんです。今どういう立場で考えておられるかということを聞いているんです。
麻生総理、もう一度確認します。
ガイトナーさんに与謝野大臣が言われた二%、そして三兆円の積み増しということも、それから今の現段階で補正予算の編成をするということも考えられていないということでよろしいんですね。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今、与謝野大臣が答弁をされたように、あのガイトナーの終わった後の代表してのあいさつというのを夜でしたけど聞いておられたと思いますが、マシンガンのようにぶわっとしゃべっていましたけれども、基本的には二%というのは合意ができなかったと、それがあのときの発言の内容です。もう本当正直、あの夜中ずっと、二%に達しなかったなというだけは分かりました。したがって、我々もそれにコミットすることはございません。また、ガイトナーという人と与謝野さんの間に三兆円とかいうような話が出たこともございません。
最後の質問のもう一点のところの質問に対しては、したがいまして今この段階で直ちに補正予算とかなんとかいうより前にまず前倒しの話からスタートさせないと、景気対策としては当然予算執行の前倒しが優先順位としては極めて高いものになると、私はそんな感じがいたしております。
○福山哲郎君 ところが、総理はNHKの番組では、財政出動の必要性を世界中で言っている時代だと、実際に言うだけで実行できないということでは何だということになると指摘し、実現に意欲を示したと、これ総理の言葉ですよね。言うだけでなく実行できないと何だということになると、実行できるということは財政出動を新たにするということではないんですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 言葉じりをつかまえて言われるようで……(発言する者あり)いや私の方が、私の方が、ちょっとそれは主語を間違えた、主語をね。私の方が言葉じりをつかまえていると取られると恐縮ですが、主語はこっち。したがいまして、今申し上げた、財政出動をすると、これは御存じかと思うんです、去年のダボス会議、去年のダボス会議で、今年じゃありませんよ、去年のダボス会議で、このIMFというところは財政出動はずっと一貫して反対の立場を取ってきたのがIMFという組織です。それが、去年の十二月、初めて財政出動ということを去年の、一月のあれで言った。これから世の中というのはいろいろ話が出てきたというのが昨今の背景です。
したがって、今回のダボス会議におきましても、またこの間のロンドンの会議におきましても財政出動という話をした。我々は既に財政出動していますから、七十五兆円から成る、また十二兆円から成る、そういったものを今していますので、そういったことを日本は確実にやっておるということが一番肝心なところだということを申し上げております。
○福山哲郎君 分かりました。随分明確にお答えいただきました。
実は、冒頭総理が言われた、複数年度のことだとおっしゃったのは非常に重要で、(資料提示)政府のこの補正から本予算を見ますと、国民の皆さんはお分かりいただけると思いますが、例の問題になった定額給付金は一回一年ぽっきりでございます。子育て応援特別手当、三歳から五歳の二人目の第二子からというのもこれも一年ぽっきりでございます。高速道路の料金の引下げは、まあ若干混乱しているとはいいながらこれは三年ですが、高齢者医療対策も二年、雇用保険料の引下げも一年限り。ずっと続いているんですが、これ全部実は単年度、一年ぽっきりの政策になっています。それで、現実には、御案内のように、二十三年度から、消費税の引上げの議論、どの時点からかまでは私は申し上げませんが、消費税を上げるということを明示して総理は選挙を戦うというようなことをいろいろ言われています。
つまり、政府の経済対策は非常に一過性のものであって、これで例えばお金が出なくなると、国民としては、瞬間的にはいいけど、あと将来的なことを見ると不安でしようがないという状況になると思います。現実に、七十五兆円と言われますが、真水はわずか十二兆円でございます。
我々としては、民主党は御案内のように、ずっとメニューが出ているわけですが、(資料提示)これは選挙が去年行われていれば出したいと思っていたマニフェストの一部でございますが、今はこのことを、時代が変わりまして、リーマン・ショックもあったので修正をしておりますけれども、現実には我々としては、ある程度の時間を、期限を長くして、国民の皆さんに将来的な安心感を持ってもらう中で内需を拡大し、経済を良くしていこうという思いでおります。
先ほど、麻生総理が複数年度の指示を出したというのはまさに我々を意識されていることだというふうに思いますし、私は、補正予算を今出されるというと、ちょっとそれは異論があったんです。それはなぜかというと、麻生総理の支持率は大変失礼ながら低うございます。私は一番重要なのは、失礼なんですけど、総理、不支持率が七割から八割なんですね。これ、明確に支持しないと言われている方が七割から八割いらっしゃるって結構珍しいと思っているんですけど。
総理、不支持率が、つまり支持をしないという方が七割、八割いるという現状についてはどう思われますか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) これは度々支持率の低い話含めまして……(発言する者あり)ちょっと待って、後々よく聞いてくださいって、焦らぬと、まだ時間がありますからね。そういって別にこちらに好かれたいと思ってしゃべっているわけじゃありませんのでね。
ですから、私どもとして、実にこれまでいろいろ御意見をいただいておるのは、もう福山さんに言われるまでもなくよく知っておるところですから、今改めてどうかと言われても、これまでお答え申し上げてきたとおりでして、我々としては最善の努力をして目先の景気対策、経済対策というものに全力を挙げたいと思っております。
その中で、今、複数年度の話をされましたけれども、これは御存じのように、長い間、単年度決算というのを財務省、その前の大蔵省のときからずっとしております。したがって、予算が切れますと次がということになると、設備投資をする側の立場のいわゆる経営者側に立ちますと、これは、この税制は今年度限りかと、これはずっといくのかとか、また、この仕事は今後とも出るのかと、道路予算はここで切れてそれから先はないのかというような話になりますと、これはなかなか新しい建設機械を買ってどうのこうのしようという気にはなりません。
したがって、そういったことを考えますと、複数年度ということを考えないと、道路はぶつ切りになってつながらないのでは、こういった意味での効率は全く違ったものになりますので、複数年度ということを考えるというのが経済対策というものを考えるときに一番肝心なところだと、私自身はそう思っております。
○福山哲郎君 総理を始め、総理がそういう観点に立っていただいていることに関しては本当に評価をします。総理が補正予算を今のところ念頭にないと言われたことも評価をします。なぜかというと、不支持率が失礼ながら七割、八割を超えるやっぱり政権が、複数年度のことも観点に入れて、やっぱり財政出動を長期間にわたってすることを今僕は決めてはいけないと思うんです。
やはり、それは選挙の正統性を得た政府が、それは自民党が勝たれるか分からない、我々民主党が勝つか分かりませんが、お互いが中長期的な日本の経済対策、今の経済状況にどう対応するのかということを闘わせて、そして正統性を得た政権がしっかりと経済対策を打つことが私は非常に重要なことだというふうに思いますので、もし総理が今補正予算を出すんだと言われたら、ちょっと待ってくださいと、僕はそう言うつもりでした。それはちょっとおかしいですよと。それはまず、お互いがお互いの意見を闘わせて選挙をしてから、中長期的な政策については政権を持ってやりましょうというふうに言うつもりだったんですけれども、総理が補正を当面出す必要はないとおっしゃりましたので、お互いが複数年の中長期的な経済状況、消費税の問題も含めてやっぱり選挙で闘わせることが必要だと思いますので、解散について一日も早く御決断をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 解散の時期につきましては、これまで度々御答弁を申し上げているとおりで、改めてここで福山さんのために特別に何月何日と言うような気は全くありませんので、これまでの答弁どおりということになろうと存じます。
したがいまして、解散は、今の状況、経済対策、まだ今、予算のまだ成立もしておりませんし、そういった段階から、今、時期をというようなことを申し上げる時期ではありません。私は最初から政策、いわゆる政局より政策と申し上げ続けてきたと存じます。したがって、政策をきちっと仕上げるということだと思って、その上で決断をさせていただきたいと存じます。
○福山哲郎君 済みません、私はしつこいので、麻生総理、もう一問だけこの件について質問をさせてください。
今、予算が成立をしたらとおっしゃいました。予算が成立したら、補正予算については検討される可能性はおありなんですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 景気の下振れリスクというのは常に考えなければならないものだと思っております。もちろん上振れリスクもありますよ。上振れリスクもありますけれども、下振れリスクというものも十分に考えておかなきゃならぬと思っておりますので、この分に関しまして、今これはなかなか読みにくいところだと正直思っております。
とにかく、これだけ上がり下がりが激しい状況というのは過去ないと思いますので、そういった意味では……(発言する者あり)株価の上がり下がりは激しくないですか。私はすごいと思いますよ。一日に三百円も四百円も、ドルで三百ドルもなんというのは、ちょっと正直、これまで私が知っている話では経験がありませんので、皆さんの方がお詳しいのかもしれませんけれども、少なくともこれだけ、WTIがあれだけ上がったり下がったり、常識的には考えられないほど、いわゆる穀物商品相場はすべて乱高下は激しいと思っておりますので、私どもは、正直こういった時期においては下振れリスク、上振れリスク、両方を考えておく必要がありますので、その上で判断をさせていただかなきゃならぬと思っております。
○福山哲郎君 私は株価の上下だけが経済の変動ではないと思っておりまして、今の日本の経済状況は、残念ながら坂道を転げ落ちるように下がる一方の状況だと思いますので、何とか政治が手を打たなきゃいけないなというふうに思っております。補正予算、当面考えないというふうに言われましたし、予算が成立しても、下振れ、上振れのリスクを含めて考えるんだということで、余り明言をされなかったことは心にとどめておきたいと思います。
それでは、次に行きます。
衆議院の予算委員会でも我が党の同僚議員から質問がありましたが、天下りの問題です。独立行政法人、特殊法人、公益法人、各府省から再就職者が五代以上、五代です、五代以上続いている法人、役職の数の調査を我々はずっと続けているんですが、現在までの調査で、五代続いている独立行政法人、特殊法人、公益法人等の数は全部で幾つあって幾つのポストがあるかお答えください。
○政府参考人(村木裕隆君) お答えいたします。
各府省等からの再就職者が五代以上続いて会長、理事長、専務理事に就いている独立行政法人、特殊法人等、それから公益法人といたしまして、本年三月九日時点で各府省において確認された件数は合計で九十五法人、ポスト数で百四ポストとなっております。
○福山哲郎君 これは、実は常務理事の数が入っておりません。常務理事も含めると恐らくもっと広がると思うんですが、そこの数字はまだ出していただいていないので、今日はあえて、しようがないですが、この九十五法人、百四ポストありますこの九十五法人に対して、平成十八年度決算で一体幾らの金銭の交付額があるかお答えください。財務省でもいいですけれども。
じゃ、内閣府でいいですよ、内閣府で。
○委員長(溝手顕正君) 内閣府呼んでいない。
○福山哲郎君 通告していますよ。
じゃ、財務省お答えいただけますか。じゃ、財務省が三法人へ行っていると思いますが、それは幾らですか。
○政府参考人(山崎穰一君) お答え申し上げます。
財務省所管の公益法人で、現時点において財務省からの再就職者が専務理事に五代続けて就任していることが確認された法人のうち、国から金銭の交付があるのは財団法人日本関税協会の一法人でございます。その金額は、衆議院調査局が行った予備的調査の際に報告したとおり、平成十八年度において一億二千二百万円となっております。
○福山哲郎君 総務省はお幾らですか。
○政府参考人(田中順一君) 誠に申し訳ございません。今のお尋ねにお答えする資料を持ち合わせておりませんので、調べまして、後刻御報告させていただきたいと思います。
○福山哲郎君 これは事前にお願いをしているはずなんですけれども。そうしたら、じゃ、厚労省はいかがですか。
○委員長(溝手顕正君) 厚労省は、出ていない。
○福山哲郎君 じゃ、財務省、先ほどの予備的調査の結果は財務省が把握している結果と同じだというふうに判断してよろしいですか。
○政府参考人(山崎穰一君) ただいまの一億二千二百万円と申します数字は、予備的調査の際に報告したとおりでございます。
○福山哲郎君 じゃ私から、済みません、答えを申し上げます。
実は総務省もお願いをしていたはずなんですけれども、実は九十五法人の百四ポストで、実は金銭交付総額は約八千六百十億円になります。
財務省、この数字でいいですね。これは予備的調査を足し算をしているんです。
○政府参考人(山崎穰一君) お答え申し上げます。
ただいま申し上げたのは財務省についての数字でございまして、全体の数字についてそれがどうかといった数字ではございません。
○福山哲郎君 財務省ね、基本的に予備的調査で各省庁が出している数字なんです。
実は総務省さんにもお願いしたんですけれども、総務省さんは恐らくそれぞれの団体に聞かなきゃいけないとかいって今お答えいただいていないんだと思いますが、財務省的に言えば財務省の数字と予備的調査の数字は合致したわけですよね。そうすると、この数字は全体の数字と類推はできますね。
○政府参考人(山崎穰一君) 予備的調査について、全体についてお答えを申し上げる立場にございませんが、財務省につきましては、この予備的調査の数字とこれは一致した数字でございます。
○福山哲郎君 予備的調査の数字は、財務省は正しいということは、ほかのところも含めて正しいと類推できますねとお願いしているんです。そこをお答えください、別に。
○政府参考人(山崎穰一君) お答え申し上げます。
予備的調査につきましては財務省はきちっと報告してございますので、各省それぞれにおきまして報告されているものと思っておりますが、その類推云々の件につきましてはちょっとお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 これね、各省庁今一個ずつ聞いてもいいんですけど、政府委員全部呼んでないんですね。なぜかというと、これ全部もう足し算すれば出てくる話を、時間がないとかなんとか言って全然数字いただけてないんです。だから、我々は予備的調査で出てきた数字を足し合わせて約八千六百十億円だというので、じゃ、予備的調査によればそれ、そうだというふうに思いますとお答えいただけますか。
○政府参考人(山崎穰一君) 大変恐縮でございますが、予備的調査は私どもが行ったものではございませんので、その点につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、各省において提出されている数字だと思います。
○福山哲郎君 財務大臣、予備的調査で各省庁から出しているんです。でも、例えば、多いんですよ、九十五法人もありますから。それぞれ計算してくれといっても出てこなかったんです。我々は数字を出して、財務省は財務省の数字は正しいと言われたので、じゃ、この方向でいいですねというふうに確認したんですが、財務大臣、答弁しにくいと思いますけど、どう思われます。
○国務大臣(与謝野馨君) これは予算を配分する財務省としてのお答えではなくて、財務省の管轄の法人についての数字を申し上げたわけでして、先生の言われるように全体を数字を取りまとめろと言う実は立場にないということを申し上げているわけです。
もし仮に必要であればそのような作業をお引き受けしてもいいですけれども、これが直接の職責だと言われても困るということでございます。
○福山哲郎君 でも、交付するに当たって財務省は全部予算の確認しているんでしょう。財務省には実は私はそのことについては事前にちゃんと言っているはずです、そのことも含めて考えてくれと。財務省の管轄ではないと逃げっ放しだったんですけれども、九十五法人調べるなんて実は簡単なんですよ、やろうと思えば、現実に。
ちょっと財務省、もう一回答えてください。じゃ、大宗としてこの数字でよろしいですね。
○政府参考人(山崎穰一君) 事実関係として私どもの数字は正しいということでございます。一致してございます。したがいまして、他省庁のことにつきましては今大臣から御答弁いただきましたように、今この国会の場でこれが正しいとまでの把握はしてございません。
○福山哲郎君 現実に、じゃ、今もうまともに答えていただけないので、時間がないので、約八千六百十億円という話だと私は思いますし、財務省はまあ半分はお認めいただいたんだと思いますが。でも現実には予備的調査で数字が出ている数字ですからね。要は省庁から出てきて出ている数字ですからね、現実には。(資料提示)
現実に、これ天下りで例えば総務省関係ですが、自治体国際化協会とかマルチメディア振興センターとあるんですが、あっせんがあるのかないのかと聞くと、あるで丸が付いたり、ないで丸がなかったりしているんです。これ現実にはあっせんがあるかないか確認できないという話なんです。
もう一個申し上げますと、麻生総理が非常に御英断をしたと言われているあっせんの政令の改正ですが、これはあくまでも各省庁によるあっせんが三年以内だったのが今年限りにしたというだけでございます。官民人材交流センターによるあっせんは続きます。この官民交流センターによるあっせんは、先ほどの九十五法人みたいなところによる天下りが許されるかどうかというのが問題です。国民からいえば、あの九十五団体で専務や会長にどんどん天下っているところにはもう天下りなんかなくなるんだろうと麻生総理の勇断で誤解があると思いますが、官民人材交流センターによるあっせんではこの先ほど言った九十五団体に対する天下りというのは決してなくならないと私たちは思っています。
なぜかということを申し上げます。資料にありますが、官民人材交流センターでは天下りができなくなる対象法人というのがあります。これは天下りしちゃいけませんよという対象法人があります。それは、お手元にあるように、法令、予算に違反したところ、随意契約が一億円以上のところ、天下りする職員との利害関係があるところ、ここに当てはまるところは先ほどの九十五法人のうち幾つあるか、お答えいただけますか。
○委員長(溝手顕正君) どなたに。
○福山哲郎君 官房長官、お答えいただけますか。官房長官だと思いますよ。若しくは総務大臣ですけど。通告してあります。
○政府参考人(村木裕隆君) 今お答えの点に関しましては、幾つかの省庁では調べておりますけれども全省庁はまだ調査中でございまして、まとまった数字はございません。
○福山哲郎君 じゃ、文科省は該当する法人はありますか。総務省が答えるでしょう、代表して。
○政府参考人(田中順一君) 総務省の官房長でございますけれども、先生からあらかじめ百四法人のうちの総務省所管の八法人、これにつきまして現時点で内閣府の官民人材交流センターのあっせん基準に便宜総務省の方で当てはめてみよということで作業をちょうだいしております。
総務省の八法人について申しますと、何分あっせん基準の項目につきまして、今のパネルでお示しのように、利害関係など要件が詳細にわたりまして十分な調査による確認が必要なものがあることは御理解いただきたいと存じますけれども、今回概略的な作業をいたしました限りでは、不適切な契約などあっせんの対象として問題になるような契約というのは存在しないのではないかというふうに考えております。
○福山哲郎君 つまり、あっせんできない対象法人は総務省関係はゼロです。
文科省はどうですか。文科大臣は今日いらっしゃらないか。
じゃ、経産大臣、いかがですか。これも事前通告してありますよ。総務省が代表して答えてくれるはずなんだけどな。
防衛省は。聞いておられますか。防衛省もいらっしゃらない。
経産省さん、ないはずなんです。
○政府参考人(村木裕隆君) 私ども聞いているところ、範囲でございます。まず、経済産業省につきましては、官民人材交流センターのあっせん基準に該当するものはございませんという答えをいただいています。それから、文部科学省についても同様の答えでございます。
ただ、このあっせん基準、基本的に個人の職務とかそういうところをきちっと見ないと、断定的なところは言えません。今申し上げたのは、契約関係でありますとか、そういう数値で把握できるものについて取りあえず当てはまるものがないと、そういう意味でお答えしたわけでございます。
全体につきましては、そういうことでそれぞれの省庁でチェックをしておるところでございます。
○福山哲郎君 つまり、官民人材交流センターであっせんできないところというガイドラインを作っているんですけど、今聞くだけでも、文科省も総務省も経産省も防衛省も実は、警察庁も含めて、一個もあっせんできなくなるところはないんですよ。ということは、先ほど言った九十五法人の八千六百億のところには、官民人材交流センターができたところで、実は全部行けるようになるということです。それも、あっせんを正式に表で官民人材交流センターでやって、この九十五法人には相も変わらず天下りが行けるということなんですが、それで総務大臣、間違いないですよね。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 五代続けて天下りということで質問の御通告をいただいておりまして、その総数等は先ほどお答えしたとおりでございまして、官民人材交流センターがあっせんできるかどうかという問題について、完全に精緻な調査を終えているとは思っておりませんから、よく調べてみます。
○福山哲郎君 これね、実は我々ずっと要求しているんですけれども、持ってこないんですよ。だって、今のガイドラインに当てはめたら全然駄目なところは出てこないから、そうすると、自動的に今のままの九十五法人への天下りは維持ができることが明らかになるから、持ってこないんですよ。
これは、麻生総理、ちょっと変なんですよ。麻生総理が幾ら政令で言っても、さっきの話ですが、政令で御勇断されても、政令でやるのは各省によるあっせんが一年限りになっただけで、この官民人材交流センターによるあっせんは今のように全部続くんです。これはやっぱり不適切でしょう、総理。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 基本的にこれは、福山先生、この官民人材交流センターというところで、各省庁が個別に自分の権限若しくは仕事などなど、そういったものによって、向こう若しくは受入先側が希望しないようなところに押し付け的にということを役所の権限、人事権などをバックにやるのがよろしくないという話から、全然関係ない官民人材交流センターというところで再就職を考えるようにした、これが元々の法律の趣旨だったと、私が記憶をするところではそうなっております。
したがって、一定の基準ということをつくらせていただいて、先ほど言われましたように、一億円を超す継続的な随意契約があるとか、そういったところは駄目と、また、許認可、補助金等々のものが直接利害関係を持っているところも駄目ということをさせていただいたというのが背景でありまして、少なくとも官民人材交流センターというところが、少なくとも通産省の所管していたような法人に対して、新しい、全然第三者の人材交流センターというものが、向こうの希望に応じてこちらからしかるべき人をうまくマッチングさせて出すということに関しては全然問題がないんであって、我々としては、今言われたように、実態全然変わらないんじゃないかということには、その御指摘は当たらないのではないかと思っております。
○福山哲郎君 この官民人材交流センターの常勤職員は四十七名中四十六名が各府省から来ています。そして、各府省がそれぞれ人を出していますので、自分のところの縄張を介入してくるようなことは絶対に許さないと私は推測します。麻生総理が言われるように、それぞれがマッチングをするから押し付け的なことはなくなるなんてとんでもなくて、先ほどの九十五法人は全部あっせんできる場所にあるわけですから。
じゃ、許認可に関係する総務事務次官、先ほどの例えばマルチメディアとか書いてありますが、これ全部、総務審議官とか郵政事務次官とか自治事務次官とかが天下りしていますが、事務次官は許認可に関する責任者ですから、最高責任者の事務次官はこの自治体国際化協会にはこれから行けなくなるんですね。総務省、どうですか。
○政府参考人(田中順一君) 今後の問題といたしまして、総務審議官あるいは事務次官が、具体的にどういう人がその財団との関係で関係があったかということで整理されるということだと思います。
○福山哲郎君 もう一回。何て、何言っているの。
○委員長(溝手顕正君) ちょっと聞き取りにくかったようですから、最後のところ。ちょっと聞き取りにくかったようですから。
○政府参考人(田中順一君) 失礼いたしました。
実際にあっせんの対象になる方とそれからその財団の関係、それがどういう関係になるかという個別の判断になると思います。
○福山哲郎君 もう全く訳が分からぬのですよ、何回聞いても。
実はこの例えばマルチメディア振興センターというのは、我々、今回、予備的調査で事業仕分というのをしました。これは各省庁の事業が全部実はどんなふうになっているかが書いてあります。このときに、それぞれを見ていくと本当に必要な事業かどうかが分かるんです。このマルチメディア振興センターに至っては、ここに情報白書のコピーの冊子みたいなものが、国から二億円で交付金が下りていたり、このマルチメディア振興センターには何と百億円も正味財産があったりするんです。
我々は、事業仕分の予備的調査のものを今これから一個一個精査をして無駄がないかチェックをしていくつもりですが、先ほど申し上げたように、天下りはこのまま維持する、更に言えば、この一つ一つの財団に、本当に正味財産として百億円あったり、本当に必要な事業かどうか分からないようなものがたくさんあったりしています。
我々民主党としては、こういった無駄遣いをなくさない限りは予算の必要なものはできないと、早く政権交代をするべきだということを強く主張して、質問を終わりたいと思います。
○委員長(溝手顕正君) これにて福山哲郎君の関連質疑は終了いたしました。