03/19
2008
第169国会 参議院 予算委員会 2008年3月19日
道路特定財源問題(事業費の膨張等)
○委員長(鴻池祥肇君) 平成二十年度一般会計予算、平成二十年度特別会計予算、平成二十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。
大臣におかれましては、連日、本当にお疲れさまでございます。また、予算委員長も、長時間いつもお疲れさまでございます。
まず、冬柴大臣、実は事前通告していないんですが、多分お答えいただけると思うのでお伺いをしたいと思います。
衆議院も含めて予算委員会が始まりました。この国会はガソリン国会とか言われてスタートして、基本的にはそれぞれの委員から道路の問題について議論がなされています。大臣からは本当に真摯な答弁をいただいていると思いますが、国民の理解を得るというお話ですが、昨今の世論調査を見ると、暫定税率の廃止を国民が非常に強く望んでおられると、減るどころか、実は世論調査の数字は上がる一方です。それから、我々が当初から主張しておりました一般財源化の問題も、暫定税率廃止以上に、多いところでは八割とか九割の世論調査で一般財源という議論が出ています。
大臣が御説明を真摯にいただいているけれども、残念ながら国民の中には理解が広がっていないどころか、逆に我々民主党の主張に対して国民は非常に共感を持っていただいているというふうに私は現状認識しておりますが、この状況について大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 新聞紙面等の世論調査を見ますと、福山委員が今おっしゃったような結果が示されております。私は真摯に受け止めなければならないとは思いますけれども、しかし、私の説明が十分でないということでそのような結果が出ていることについては非常に責任も感ずるし、残念な思いでいっぱいでございます。
ただ、各種世論調査というのはそのときの世相を受けて大きく変わる、それはもう常でございますけれども、いわゆるこの道路特会からの目に余る不正支出といいますか、こういうものを、民主党の議員の先生方はもう大変な勉強をされまして、そして詳細に挙げられました。私は、その中で聞いていて恥ずかしくなるようなこともありました。
したがって、そこで私は真摯におわびもし、そしてそれに対する改革にも取り組む、本当に政治生命懸けてでも取り組むんだという気持ちで、私どもの方の副大臣二人、政務官三人とともに、政治主導で、専門家の意見も聴きながらこれを改革しようと。それで、当初は六月と言っていたんですけれども、総理からもそれは遅過ぎるんじゃないかということで、四月には結論を出そうと。
その中には、特命発注の問題はもちろんの話ですけれども、特に道路特会から一口五百万以上の支出を受けた法人を洗い出しますと、五十ありました。そういう意味で私は、これを半減するということも、これは根拠があって言っているわけじゃなしに、庶民の感覚として、皆さん方に、これは大変な作業だと思うけれども、私はもう半分にしてもらう。それから、役員の数もいろいろ指摘されました。これも、もう大きく減員すると、納得していただけるように減員すると。それから、まあ極め付けといいますか、のこともたくさん出ました。私はそういうものについては、もう即座、その質問された議員に対して、直ちに廃止しますというようなこと、あるいはそれは辞めさせますということで辞めていただいた方も何人もあります。
そういうふうに私はその悪いところは改革し、改めていかなきゃならないけれども、しかし本筋の道路を今後造らなきゃならないというその点は本当に分かってほしい。そうでなければ、今からの十年というのは日本にとって本当に残された十年だという私危機感を持っているぐらいもう大変な十年だと思いますので、本当に国民の皆さん方に分かっていただくべく、今後も懸命に誠心誠意、冷静沈着に私はその説明をさせていただきたいと、このように思っておるところでございます。
○福山哲郎君 大臣の説明が不十分だと謙虚におっしゃられましたけれども、恐らく大臣の説明が不十分という問題ではなくて、本質的に、非常にこの特定財源制度と暫定税率を維持する中で国土交通省が道路行政というのをじゃぶじゃぶにして好き放題やってきたと、そこのところを国民が気付いているから、世論調査の中では一回見直せと、ちゃんと変えろという声が私は強いんだと思います。
先ほど半減の話もされましたけれども、それはある意味でいうと、やっていて普通なら当たり前のことを指摘されてようやく変えましたと、それでも半分かいというのが実態のところだというふうに私は思っておりまして、やはり根本的な道路行政の在り方を見直すという思い切ったことを与党側が言っていただかなければ、これは修正協議の話も出ておりますけれども、今までの制度を維持するような前提のものでは、我々は到底国民の声からいってものめないということは申し上げておきたいと思います。
お伺いをします。昨年、私が資料要求をさせていただいて出てきた数字の中で驚くべきものがありましたので、お答えください。
平成十四年度から現在まで、完了した、また実施中の事業のうち、まず百億円以上の事業が幾つあったかお答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
事業費が百億円以上で国直轄事業及び補助事業、これがトータルでいいますと千百七十六事業でございます。
○福山哲郎君 そのうち、当初の見積もられた事業費より総事業費が下回ったものの数と割合はどれだけかお答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
当初事業費より下回った事業費、最終又は現時点の事業費が下回った事業が百二十事業、一〇・二%でございます。
○福山哲郎君 当初事業費と総事業費がほぼ同じだった数とパーセンテージをお答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
三百六十七事業、三一・二%でございます。
○福山哲郎君 それでは問題の、当初事業費より総事業費が上回ったものの数と割合をお答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) 五百九十七事業、五〇・八%でございます。
○福山哲郎君 五〇・八%が当初事業よりも上回りました。
この数字に関連して、二月八日、衆議院の予算委員会で冬柴大臣はこう答えておられます、我が党の長妻代議士の質問に対して。下がった分は四一・八%、我々としてはいろいろと見直して減少させているものも、先ほど言いましたように四一・四%あるわけですと。
実は、下がったとか減少したもの、先ほどおっしゃられた、大臣ですね、数字でいうと、ほぼ当初事業費と同じものが実は三一・二%だったんです。実は、下がったものは、今明快に答えていただきましたが、一〇・二しかないんです。ところが、大臣は衆議院の答弁の中で、下がった分は四一・八、減少させているものも四一・四、これは数字を間違えられたんだと思いますが、これはどう考えても間違った答弁だと思いますので、修正をしていただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 長妻さんは三回質問主意書を出されまして、百億円以上で一・五倍以上上がったものを示せということで、たくさんある中から職員が拾い出して、その要件に合致するものを提供をずっとし続けてきたわけで、それをパネルに書かれまして、ほとんどが上がっているような言い方されました。これは議事録読んでもらったら分かります。私は、それは違うんじゃないですかと。上がった分だけ出せと言うから上がった分を出して、それが、大半が上がるというような印象を与えるような言い方は違うんではないですかと言った後に、このように私は述べております。
したがって、母数が違うんですと、母数が。確かに二倍より大きくなったもの、いや、当初より大きくなったものは八・三%ありますが、当初事業費より以下となっている事業が四割あります。もう少し詳しく言えば四一・四%あるんです。したがって、増えた分だけ挙げろと言われてから挙げて、それがそうなるわけでございますと、こういうことを言ったわけです。
したがいまして、その直後に今指摘されましたように、もちろん、下がった分は四一・八と、これ間違ってますね。それから、減少させているものもという言葉で、減少ですから、以下をもって下がってないので四一・四あると、こう言ったのは、これは誤解を招くと思います。
したがいまして、これは併せて読めば私の言いようは分かると思うんですが、その点は訂正をさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 今大臣が訂正をされたので、私はこのことについては細かく申し上げません。
しかしながら、実態は、重要なのはここなんです。実は、当初事業費より下回ったのはたった一〇・二%しかないということです。八割以上が、当初事業費より上回るか、それと同じ額だということです。よくこの委員会の答弁の中で効率化をするとかコストを下げるとか言ってるけど、実態としては全く下がってないということがこれで明らかになっています。
それでは、先ほど言われました五百九十七事業、上回った分でございますが、当初の事業費の合計は幾らですか。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
当初事業費の合計でございますが、十九兆五千三百億円でございます。
○福山哲郎君 それが現時点では幾らになっていますか。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
最終又は現在の事業費の合計は、二十八兆一千七百億円でございます。
○福山哲郎君 驚くべき数字ですよね。この五年分だけでも八兆六千四百億円も増えているんです。
他方、下回っている金額は幾らですか、先ほどの一〇%のうちの。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
当初事業費より下回ったものでございますが、トータルで八千七百億円でございます。
○福山哲郎君 八兆六千四百億増えて下回ったのは八千億、差引き約八兆当初見積りより事業費は増えているんです。これをどんぶり勘定と言わず何と言うんでしょうか。冬柴大臣、お答えください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 道路事業を進めていく上においては、ほぼ十年の歳月が掛かります。その中で、地元協議に伴う計画の変更見直し、用地補償費の増加、現地の地盤状況などによるトンネル等の工法の変更など、当初予測できない要因でやむを得ず事業費が増加する場合があるわけであります。
しかしながら、いずれにいたしましても、道路事業を進めるに当たっては、事業開始段階から完了後まで評価を徹底するとともにコスト削減を図っていかなければならない、このような観点で、途中経過でも評価をやり直したりして、中止をしたり、あるいは工事自体を見直したりしたものも起こるようになりました。平成十年から、そういうような、途中経過でも評価とか、そういうものによって見直しや中止をする部分も出てきまして、確かに、今挙げられたように、余りにも増額が大きいという点については、御批判は甘受しなきゃならないと思います。
しかし、今、冒頭にも述べたような事情でやむを得ず膨らんでいく部分があったわけでございますが、今後は、事業途中でも評価をして、そしてそれについていろいろな見直しをする、そういうようなことを、事によれば中止をする、そういうこともこれからはやっていかなければならないと、このように思っております。
○福山哲郎君 大臣が今せっかく言われた再評価の数ですが、実は平成十年度からやって、二千七百八十二件のうち見直しはたった四十一件、中止はわずか二十九件。しかし、これは、ダムが実は事業が中止になって、それにくっついている道路がなくなったりするような見直しとか中止ばかりなんです。道路本体をやめましょうというのはほとんどない。こんなので見直しはちゃんとしていると言えるんですか、大臣。
○国務大臣(冬柴鐵三君) ダムのためにやめたのはそのうち二件でございます。
○福山哲郎君 実は私は、先ほど言われた用地買収とか移転の問題も幾つか新しい事業で見ました。例えば用地補償費が何で増えたか。工場、病院、大型商業施設の買収の費用の増、商業施設に伴う移転費用の増。だって商業施設、ここに書いてあるのは、自動車販売店、ガソリンスタンド、パチンコ店等、こんなの、だって計画のときにその施設があることは分かっているんじゃないですか。こんなの分かっているから逆に言うと事業をして見積りをするんでしょう。
なぜ、こういういいかげんな見積りで事業が始まっているのか、大臣、どのような認識ですか。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
先ほど大臣答弁申し上げましたように、いろんな要素があると思います。商業施設とかそういう御指摘もありますが、いろんな、用途が変わる、あるいは地価が上がる、それに伴って物件の評価が上がっていくと、そういうことでございます。
○福山哲郎君 いいかげんにしなさいよ。地価が上がると言いますけれども、私、事業を全部見ました。例えば北海道の夕張とかだって地価が上がっているんですか、本当に今。要は、一個一個見ていくと、あなたたちの説明は全く整合性がないことがたくさんあるんだ。本当に、事実上うそなんだ。
それで、額賀大臣、お伺いします。一度衆議院でやった議論ですが、五十九兆円の中期計画、財務省は査定をされたんでしょうか。
○国務大臣(額賀福志郎君) これはこれまでも御説明をしてまいりましたけれども、中期計画につきましては、国交省において素案の作成段階において国民からのヒアリングをしたりして、残された課題を抽出して一定の考え方をつくられて、つまり十六の政策課題と整備目標をつくられたということを聞いております。そして、そこに直近の標準的な単価を用いて、現行五か年計画から約一割を縮減した事業費六十五兆円が算出されたというのが当初の考え方であったということでございます。
財務省としては、そういう政策課題と整備目標については認めまして、その上に立って徹底したコスト削減をしてほしいということ、それから一方で、まちづくり交付金等の仕組みもありますから、そういうことを活用してみてもいかがでしょうかとか、あるいは高速料金の引下げ等によって渋滞対策に役立ててくださいと。そういうことで徹底的に議論して、厳しい効率化そして合理化を図ってほしいということで、最大限五十九兆円を上回らないという形にして財務省の意見も十分反映をしてもらったというふうに考えております。
○福山哲郎君 査定をされたかどうかお答えください。
○国務大臣(額賀福志郎君) ですから、五十九兆円の上回らない範囲でそういうコスト縮減を図るということ、それから十六の政策課題と、それまでの単価等について一定の算定をつくってきたわけでありますから、それぞれについて更なる合理化を図っていくようにお願いをし、議論をしたということでございます。
○福山哲郎君 お願いをして議論をしたのは分かりましたし、先ほど大臣の話をお伺いしていると、聞いておりますとか、ということでございますとかいって、何か国土交通省の伝聞を聞いているようですが、お願いをしたのは分かりますが、査定を財務省はされたのかとお伺いしています。
○国務大臣(額賀福志郎君) 一つ一つの道路、この橋をどうする、この道路をどうするということについて査定をしているわけではありませんが、全体的な計画について、コスト縮減を図るということ、そして合理化を図るということ、そういうことを徹底してやってほしいということを議論をしたということであります。
○福山哲郎君 議論をして査定はしていない。
じゃ、平成十四年度以降、先ほどのお話ですが、実際八兆円増えています。個別の事業は新規採択時にBバイCの評価をされていますが、その後財務省は査定をしていますか。──いやいや、財務省。財務省。今申し上げた、ちょっと、これ、時間がもったいないな。
○委員長(鴻池祥肇君) 福山君。
○福山哲郎君 今申し上げた、十四年度以降の八兆円膨れ上がっている事業ありますよね、先ほどから議論していた。その部分について財務省は査定をされているかどうかを聞いています。
○国務大臣(額賀福志郎君) それは、膨れ上がった分というのは、先ほど冬柴国交大臣がお話し申し上げたように、長年の間に用地買収とか様々なことで膨れ上がったと聞いておりますが、その一つ一つの課題についてきちっと精査をしているわけではありません。
○福山哲郎君 精査をしているわけではありません。
事務方お答えください、財務省。この個別の事業、新規採択時にはBバイCで評価をされますが、その後の事業の査定はどのようになっているかお答えください。
○政府参考人(杉本和行君) 道路関係の公共事業に関しましては、毎年、実施計画というものの協議を受けております。そうした毎年の実施計画の中で継続事業について精査させていただきまして、議論させていただいた上で了承させていただいているという手続を取っております。
○福山哲郎君 うそを言っちゃいけませんよ。毎年毎年一つ一つの事業なんか評価していないでしょう。もう一回お答えください。
○政府参考人(杉本和行君) 毎年、実施計画の協議を受けておりまして、その中で一つ一つの事業を説明を受けております。その説明を受けまして、その事業を実施計画上了承するかどうか、事業費全体として見させていただいているところでございます。
○福山哲郎君 説明を受けているんですね。査定はしていませんね。
○政府参考人(杉本和行君) 説明を受けた上で承認させていただいているものでございます。
○福山哲郎君 だから、査定はしているのかしていないのか。大臣は先ほどしていないとおっしゃったけど、しているのかしていないのかお答えください。
○政府参考人(杉本和行君) 協議を受けまして、その協議を踏まえまして、内容をお伺いいたしまして、その上で承認しているわけでございますから、承認手続を査定と呼ぶならば査定でございますし、そういう形で協議を受けて承認させていただくという手続を取っているということでございます。
○福山哲郎君 じゃ、今の大臣とあなたの答弁、違うよ。ちょっと、理事。今の違うよ。
○国務大臣(額賀福志郎君) 査定という定義、概念でありますけれども、私が言ったのは、もう先ほど来申し上げているのは、いろんな計画ができている、整備目標ができているときに、合理化とかコスト縮減を図るとか、それから効率化を図るとか、そういうことを議論をして、その計画を認知をし、そしてそれは単年度主義でありますから、予算編成のときもそういうことをしていると、そういうことが査定であれば査定であります。
あと、査定というのは、一つ一つを個別に、この道路延長はどうなの、そして幾ら毎年毎年、長期延長のときどうなのと、そういうことをきっちりとやっているというふうに厳しく見たときは、それが査定という概念に当たるのかどうかということが問題意識としてあったから答えたことでありまして、広い意味での査定という意味では、そういう長期計画においても単年度においても、コスト縮減を図りなさい、合理化を図りなさい、効率化を図りなさいということであれば、それは査定をしているということになります。
○福山哲郎君 ごめんなさい。例えば、今大臣の言われたことを査定だと百歩譲ったとして、じゃこの八兆円膨れ上がっていることを財務省は全部認めてきたということですね。放置したということですね。それでいいんですね、額賀大臣。
○国務大臣(額賀福志郎君) 放置をしてきたということよりも、毎年計画が立てられて、毎年そういう要求があって、それで議論をした上で承認をしてきたということであります。
○福山哲郎君 じゃ、八兆円上回ったことに対する責任は財務省も国土交通省も両方あるということですね。財務省、事務方、本当にそれでいいの。毎年毎年個別の事業をやっていますか。これ、答弁違っていたら大変になるよ。
○政府参考人(杉本和行君) コスト等の関係で上回ったことは事実で、それを前提に毎年毎年協議を受けておりまして、それで承認を受けたのは事実でございます。それに対しまして私どもは、毎年毎年、これから当初計画における事業の適正さを確保する努力を続けるといったことで見直し等の評価をやっていかなければならないと思っております。
○福山哲郎君 いや、個別の事業はどうなんだと聞いているんです。
○政府参考人(杉本和行君) 毎年毎年の実施計画の手続から申し上げますと、個別の事業につきまして協議を受けまして、その上で説明を受けまして承認しているということでございますので、そういった個別の事業については十分協議しているということでございます。
○福山哲郎君 協議と、じゃ、査定の違いを述べてください。
○政府参考人(杉本和行君) 査定ということは、要求を受けまして、協議を受けまして十分調整するということが査定ということだと考えますれば、そういった形で調整はさせていただいているということでございます。
○福山哲郎君 そうすると、この委員会、国会で衆参共に言われている、額賀大臣が言われている、毎年度毎年度必要な道路予算についてきちっと精査をしてとか、冬柴大臣が言われている、きちっとその年の道路歳出については査定をされるわけですという話は、八兆円膨れ上がるようなことを前提に査定をしたら、こんな五十九兆円、信用できないじゃないですか。大臣、どうですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 新規事業につきましても途中事業につきましても、財務と相談をし、先ほど、それを査定と言われるのであれば査定をいただいております。
その結果、他の事業をあきらめなきゃいけないとか、シーリング掛かるんですよ。ですから、総額で五十九兆を超えないというのは、上回らないというのは、そういうところへ効いてくるんですよ。全然それ、八兆円増えたから五十九兆がまた六十何兆になるという、そんなことじゃないわけですよ。それは毎年毎年、我々がここの道路を整備させていってほしい、ここをさせてほしい、それで増額はやむを得ないと思いますということを説明して、これは納得いただければそれで認めていただくし、それは駄目だと言われればそこはあきらめなきゃならないわけですよ。
○福山哲郎君 駄目だとなんて言われてないんですよ。
○国務大臣(冬柴鐵三君) いやいや、駄目だというやつもありますよ。
○福山哲郎君 言われてないんですよ。
○国務大臣(冬柴鐵三君) いや、しかし、言われなくてもですよ、そのとき我々が造りたいということで申告している部分についてあきらめるとか、それを削除するとかいうところで、そういうところで毎年シーリング掛かるわけですから、少なくとも一%は削られるわけですから。そうでしょう。三%削られるわけですから。そういう意味で、そこは財務省とよく協議をして、それは厳しい査定ですよ、我々見たら。そういうことで、我々としてはここをやりたいということでも通らない部分はたくさんあるわけです。
そして、その上で、十年間で五十九兆を上回らないというのはもうきちっと決まっているわけでございまして、そういう意味で私どもは厳格な査定をしていただいてここへ来ていると。財務省が納得できない、してもらえないようなことで歳出をお願いすることはできないわけであります。
○福山哲郎君 厳しい査定が八兆円上回るというのは私は納得全くできないんですが、昨日財務省に聞いたら、事後評価制度があるので、何もなければ十年後の再評価で判断するから、それまでは新規にBバイCを含めて評価したものは十年間基本的にはチェックしないと財務省は答えていますが、それと今の答弁の違いを明確に説明してください。
○政府参考人(杉本和行君) 道路予算につきましては、予算額は、全体は、予算編成の過程で財源事情等を見まして相当縮減させていただいているところでございまして、補正後予算額で見ますと、ピーク時に対して四割の削減になっております。
そうした中で、毎年毎年個別の事業について実施計画、予算が成立した後の実施計画で査定させていただいているわけでございますが、その中で、国土交通省の方では五年後それから十年後についていろいろ事業実施計画について見直していただくわけでございましたから、その見直しを踏まえて私たちも協議させていただいているわけでございます。
国土交通省においては、五年未着工の事業、十年継続の事業、再評価後五年経過した事業について再評価を行うこととされておりますので、それを踏まえて対応させていただいているところでございます。
○福山哲郎君 どこに財務省の主体的な判断があるんですか、今の話だと。全部、国土交通省の実施計画に対して協議をして説明を受けて承認をする、五年後、十年後の事後評価について説明を受けて協議をします。どこに財務省は厳しく査定する評価があるんですか。もう一回お答えください。
○政府参考人(杉本和行君) 五年後の未着工の事業、十年後の継続の事業、再評価後五年を経過した事業について再評価されるときに、その再評価の中身について十分お伺いいたしまして、それについて十分調整させていただいているところでございます。
○福山哲郎君 そうしたら、さっき毎年毎年やっているという話と今の五年後と話が違うじゃないか。やっていないんだよね、十年間は、財務省は。個別の査定はやっていないんだよね。やっていないって答えなさいよ。
○政府参考人(杉本和行君) 再評価については今申し上げたとおりですが、予算が成立いたしますと、毎年毎年事業の実施計画ということを協議を受けております。その毎年毎年の事業の実施計画、予算が成立いたしますと、その予算全体額についてそれぞれ具体的な事業をそれぞれ承認ということで協議させていただきますので、その協議の中で、個別の事業について、それはこういう形でどういうふうになっていくのか、どういう単価で、どれだけ事業費を付けていくのかという、毎年毎年そこは見させていただいているということでございます。
事業全体についての評価については、先ほど申し上げましたような形で再評価を定期的にやられているのを踏まえて検討させていただいているということでございます。
毎年の予算とそれぞれの全体のお話と両方あると思っております。
○福山哲郎君 さっきから僕は何回個別の事業だって質問したんですか。だれが全体の話を聞いたんだ。予算でシーリングが掛かるのは分かりますよ。でも、それは個別の事業に振り分けられたときにシーリングが掛かってそれぞれが少なくなっているかもしれないけど、事業年度が長くなって結局毎年毎年膨れ上がって、トータル八兆円増えているんじゃないですか。
だから、個別の事業についてどうだと聞いているのに全体のことしか言わない。ごまかすから今みたいな答弁になるんじゃないですか。個別の事業については、だから十年やっていないとお答えください、査定は。
○政府参考人(杉本和行君) 申し上げましたように、毎年予算が成立いたしますと、それについて実施計画を協議いただきます。その協議の中におきましては、個別の事業について御協議いただいておりますわけですから、その個別の協議を実施するかどうかについて調整させていただいた上で承認させていただいているわけでございますから、毎年の予算の執行に対しましては個別の協議をやらせていただいているということでございます。
○福山哲郎君 毎年の予算の執行では個別に例えばシーリングが掛かると。でも、事業に対しては見ていないから、それはどんどんどんどん続いていくと。合成の誤謬なんですよ。トータルしたら八兆円膨らんでいるんだ。そのことについて、じゃ、財務大臣どう思われますか。
○国務大臣(額賀福志郎君) 例えば、一つの道路建設においても、あるいはまた橋を架けるにしても、恐らく福山委員も地元のこと等を考えれば、道路の用地買収だとかそういうものはなかなかこれは容易じゃないことがたくさんありますよ。その過程で相場が上がっていったりとかそういうことも考えられますし、それで一定の方向付け、この道路は必要だ、この橋は必要だという、地域づくりのためには完成させていかなければならないという中で、そのコストアップもあるわけでございますから、そのときは毎年度毎年度もう建設省、国交省の要求があって、それをきちっと協議をして、その上で何かもうちょっと効率化できないのかとか、そういう厳しい協議が私は続いた中でコストアップがあったということもあったんだと思うんです。
ただ、これは委員が御承知のとおり、道路財源というのはもう国の場合は四・八兆から二・九兆円ぐらいに減っているし、この五か年だって三十八兆円から三十三兆円台に物すごく減っているわけですよ。そういう中で、やっぱり必要最低限のものがこの道路を完成させるために要求されていく場合は、これは増やさざるを得ない場合もあったんだろうというふうに思っておりますが、できるだけこれは合理化、縮減を図っていかなければならないということが前提だと思います。
○福山哲郎君 私は全く納得できない。今の話で、聞けば聞くほど決めた道路はやり続けるとしか聞けないんです。何も、査定したって、それは年度では、トータル予算では査定するかもしれないが、事業の見直しはほとんど行われないと財務省も認めた。ということは、それは時間は掛かるかもしれないけど、延々と続いてトータル八兆円増えるということじゃないですか。この五十九兆円の価格でそこに対してどうやってチェックをされるのかというのは、今のは全く説明になっていませんよ。
ちなみに聞きます。お手元にお配りをしている資料のこれは実は膨張率の大きい十事業のうちの一つですけど、沖縄に豊見城東道路というのがあります。これは何と最初の当初予算三百億円、道路特定財源二百八十五億使っています。これが何と当初の四・二四倍、千二百七十二億円に膨れ上がっています。
下から三番目の豊見城東道路というのは三百億円で、道路特定財源二百八十五億円使っています。それが現状のところ千二百八億円で四・二四倍に膨張しているような事業でございます。これの二〇〇〇年の再評価のときの、十年たったときのBバイCは幾らですか。
○政府参考人(宮田年耕君) 当該道路の二〇〇〇年、平成十二年の事業再評価、BバイCは一・八でございます。
○福山哲郎君 二〇〇五年のBバイCは幾らですか。
○政府参考人(宮田年耕君) 二〇〇五年、平成十七年、事業費が千二百七十二億円での再評価、BバイCは一・一でございます。
○福山哲郎君 大臣、これ、秋に新たな交通センサスが出てきて需要が落ちていたら、一・一以下になる可能性って高いですよね。どう思われます。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 一・一ですか、一・〇……
○福山哲郎君 今が一・一です。
○国務大臣(冬柴鐵三君) だから、一・〇を切ったらどうするかと言われるんでしょう。私どもは、その場合には道路構造を見直す。例えば、暫定二車線でやっているものはもう確定二車線にするとか、BバイCが、要するに便益が投資額を上回らない限りこれを続けることはできません。
○福山哲郎君 今の一・一というのは、まさに今の大臣おっしゃられた見直しの規定に当てはまる数字ですよね。
○国務大臣(冬柴鐵三君) それは百二十四ページのことを言っておられると思うんですけれども、そうでしょう。それは、その時点において、その時点においてですよ、これからそれ全部それで造るということじゃなしに、それで査定をして、そして一・二という、要するに普通は一・〇でやるわけですけれども、それを評価のときには一・二と。なぜならば、そういう将来通行量が減る可能性があるとか、いろんな状況があるがゆえに、我々はそのアローアンスを〇・二見まして、二〇%ですね、見まして、そして査定してやったのが百八十七のそれでございます。
したがって、今ずっとやっていって落ちてくるやつはありますよ。でも、一・〇を切ったら、これはしてはいけません。いけません。しかし、そのときにはそれが一・二に、一・二というか一を超えられるように構造を見直したり、あるいはやり方を見直したりしながらじゃないとできないということを意味するわけでありまして、それはそこを挙げられて一・二まで回復しなきゃできないというものではないということを明確に申し上げておきます。
○福山哲郎君 私は一・二まで回復してくれと言っているわけではないです。今一・一の状態、一・八から一・一の状態に落ちている状況は大臣が言われたグループ三に入りますから、構造の見直し等に該当するところですねと申し上げている。
○国務大臣(冬柴鐵三君) ごめんなさい。正確に言っておられると思います。私の気持ちもそのとおりでございます。
○福山哲郎君 これ、四倍に膨れ上がって一・八から一・一に落ちているんです。交通センサス、古い需要を使ってこれは作っていますから、今年の秋に需要が落ちたら一・一からまた下がる可能性があります。
この道路は四車線化の予定はまだ残っているかどうかお答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) 当該道路は今月の二十二日に暫定二車線で供用します。その後、五年以内に事業評価を実施します。現在作業中の平成十七年のセンサスに基づく推計交通量の評価を行い、十分な整備効果が得られるかを検証したいと、こう考えております。
ちなみに、交通量が下がるか上がるかということで、平成十一年と十七年の当該道路の交通量で……
○福山哲郎君 そんなこと聞いてない、聞いてない。予定が残っているかどうか聞いているんだ。
○政府参考人(宮田年耕君) はい。申し上げますと、平成十七年のセンサスは交通量増加を当該道路してございます。
〔福山哲郎君「違う、違う。予定が四車線化」と述ぶ〕
○委員長(鴻池祥肇君) 起立の上、御発言願います。
〔福山哲郎君「答えてないですよ」と述ぶ〕
○委員長(鴻池祥肇君) 起立して発言してください。
○福山哲郎君 答えてください、私の質問に。
○政府参考人(宮田年耕君) 当然、BバイC、再評価のときに点検をして、そこがBバイCが一・〇ということになれば完成四車、そういうことを見直すということになります。
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。宮田道路局長。
○政府参考人(宮田年耕君) 四車線の計画でございます。四車線化については、事後評価の結果も踏まえてその必要性について改めて検討してまいります。
○福山哲郎君 大臣、おかしいでしょう。一・八から一・一に落ちたんですよね。まだ四車線化残っているんです。今、暫定二車線なんです。大臣、まだ残っているんですよ。これ、あなたの言っていることと全く逆のことを言ったわけ。大臣は四車線化を暫定二車線とかにしてコストを減らしていって一・一から一・二に上げたいと言ったんだけど、四車線化まだ残っているんですよ。こういう事業、どう思われます。
○国務大臣(冬柴鐵三君) この豊見城の自動車道というのは四車線で計画されているわけです。現時点はそうなんです。
したがいまして、これから供用が開始されます。それで、それによってもう一度道路の通行量等を調査もいたします。その結果ですね、またこの秋には新しい交通センサスに基づく将来交通需要予測も出ます。また、BバイCについても私は見直しをせよと言っています。したがって、そういう最新のデータを用いて一遍やってもらいますよ、この部分について、御指摘があるわけですから。その結果、一・〇を切るようであれば、私はこの四車線というものを、今は暫定でございますが、完成二車線に見直すことも十分あり得るけれども、現時点では四車線の計画でやっているわけですから、そういうことを正確に申し上げているんだろうと思います。
○福山哲郎君 今まさに大臣はおっしゃった、御指摘があったからちゃんと見直しますよと。御指摘がなきゃやらないんだ。
財務大臣、こういうことがたくさん起こっている。四倍に膨れ上がった。それは、毎年はシーリングしているかもしれないと言うが、四倍に膨れ上がっているんですよ。BバイC見たら、一・八から一・一に落ちている。需要予測も下回るかもしれない。ところが、四車線化はまだ維持されているんだ。僕は、この豊見城の方々に何の恨みもない、この道路やめたくも別に思っているわけではない。しかし、こういうことを前提として、何のチェックも働かないで事業費だけは膨脹していくことが本当に財務大臣として許されると思っているのかと。さっきの話言っても、要は何のチェックも働かないわけですよ。どう思われます、大臣。
○国務大臣(額賀福志郎君) この豊見城の道路について知見がないんでありますけれども、普通、一般的には、道路を新しく造るとか道路を拡幅する計画を作るときは、地域計画とかあるいは広域的な計画がありまして、あるいは、ここに将来はこういう工業団地を造るとか、これは港に続いていくんだとか、それから那覇空港に続いていくんだとか、何かそういう計画の下にそういうものが造られていくことであって、今交通量が少なくても将来伸びる可能性もある、そういうものがBバイCでどういうふうに算定されているのか私は詳しく知らないけれども、やっぱりそういう全体の総合的な評価の上に立って厳しく査定されなければならないということには同意をいたします。
○福山哲郎君 現実に今一・八から一・一に落ちているんですよ。この一番重要な一・二、一・一、一・〇、今議論になっているBバイCのこの中期計画、皆さんがバイブルのように使っている中期計画、これ外注しているんですよ。どこに外注して、どの部分を外注しているか、お答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
高規格幹線道路の点検作業の相手先でございますが、財団法人国土技術研究センターでございます。
○福山哲郎君 随意契約かどうか、お答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) 随意契約でございます。
○福山哲郎君 平成十七年度の国土技術研究センターに対する国土交通省本省からの発注件数と金額をお答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
本省から国土技術センターへの支出でございますが、特会からの支出でございますが、平成十七年度は六・五億円でございます。
○福山哲郎君 何件ですか。
○政府参考人(宮田年耕君) 二十一件でございます。
○福山哲郎君 随意契約かどうか、二十一件、お答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) 二十一件すべて随意契約でございます。
○福山哲郎君 平成十八年度の件数、金額、随意契約かどうかもお答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) 十八年度は、十件で三・九億円、九件が随意契約、一件が企画競争でございます。
○福山哲郎君 企画競争もほとんど相手のいない企画競争ですから、ほとんど、九九%、随意契約。そこに発注して、重要なBバイCの評価をしてくださいということを外注しているんですよ。
これは、国土技術研究センターへ国交省からの天下りの状況をお答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) 平成二十年三月十八日現在で、国土交通省から当該財団法人への再就職者数は、役員で六人、職員で十二人でございます。
○福山哲郎君 ここはちゃんと仕事はされているみたいですから、百二十六人中の十八人が天下り職員です。しかし、天下りの職員がいるところに中期計画外注して、ちゃんと評価しなさいと。毎年毎年ここは随意契約で受注しているんですよ。こんなのちゃんとした評価してもらえるんでしょうか、本当に。額賀大臣、どう思われます。
○国務大臣(額賀福志郎君) 私は、どちらかというと人は信頼する方でございます。
技術屋さんというのは、やっぱり、昨日平野委員も言っていましたけれども、本物追求に言ってみれば打ち込んでいく方が多いと思うんですよ。ただ、打ち込み過ぎて常識外まで行ってしまう場合もあるんですね。物すごくコストアップになってしまう場合が、これは多くの分野でそういうことはあるわけであります。しかし、今までのこの国会の議論を聞いておりまして、道路特会関係のその本質的な部分ではなくてね……
○福山哲郎君 本質的じゃないですか。八兆円も膨れ上がっているんですよ。
○国務大臣(額賀福志郎君) いや、本質で、いや、道路を造るとか、そういうことじゃなくて、側の部分で無駄がちょっと多過ぎるとか、余計なところに銭を使い過ぎているとか、そういうことは物すごく感じるところがありますよ。
したがって、これは我々も、随意契約とかそういうものは透明性を持って競争性を図って、そして国民の皆さん方の納得が得られるような形にしなければならないと、そういう意味では監視を強めていかなければならないというふうに思っております。
○福山哲郎君 私は、今日はマッサージチェアの話なんか一言もしていませんよ。
大臣、どうですか、これ。外注して、毎年随意契約先、発注しているところに評価をお願いをして、これが金科玉条のごとく、ちゃんとやっていますと。どう思われますか、大臣。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 私も額賀大臣と同じような感じなんです。
しかし、今回行ったその点検作業というのは、公団民営化のときに行いましたね、千九百九十九キロについて。全く同じ手法を用いたんです。それについては、それでいいという、そういう学者の先生方の御意見も拝しながらこれやったわけでございまして、それを天下りがおる団体だから不正確になるとかどうとかいうことではなしに、私は、公団民営化時と同じ評価手法でこの業務でも成果を活用しながら、客観的かつ厳格に行われたものと私は考えております。
したがいまして、この契約が随意契約であるということについては、私も国民の皆さん方に納得してもらうということが難しいと。そういう意味で、昨年の十二月二十六日に随意契約というのはやめるということを決めたわけでございまして、ただ、この公募手続とか、いわゆる企画競争というものにつきましても、本質は随意ですね、最後は。しかしながら、多くの、できれば十人ぐらいの競争できる人たちに出てきてもらって、そしてその中で我々としては選んでいきたいということも申し上げているわけであります。
それから、もう一つは金科玉条、確かに私は中期計画を金科玉条にしていますが、この百八十七についてのBバイCそのものは、全部、その内容ではありません。すなわち、それを全部それによって即造るということを決めたわけではありません。したがいまして、その点については、一つの判断をしていただく材料として私どもとしては誠心誠意作ったつもりでございます。
また、それの内容についても、今年の秋には本当に十七年のセンサスに基づく将来交通予測を出そうという。ただ、もう御存じだと思いますけれども、日本中、六千に区画して、その六千をまた往復したやつを全部拾うんですよ。六千掛ける六千ですから、実に三千六百万通りのものを出しましてね、交通需要、そして、それを即一つ一つの道路、整備する道路についての、断面でどういうふうに通るかという予測をするという大変な作業なんです。私どもは、その資料とかそれも私も全部見せてもらっているけれども、物すごい作業です。これについて今年の秋に出しますから、それに基づいて問題の部分についてはきちっと査定をさせていただきたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 それなら秋にもう一回それで作り直せばいいじゃないですか。違いますか。国民の税金をこれだけ使って、そして国民から今、もう暫定税率は廃止だと、一般財源化しろという議論をしているのに、皆さんのお話を伺っていると、何があろうが何であろうがどうしても造るというふうにしか聞こえない。
そんな需要が秋に出るのが分かっているんだったら、秋に作り直せばいいじゃないですか、もう一回評価をして。
○国務大臣(冬柴鐵三君) いや、そこのところがどうも、私は、野党の方、今回これについては猛烈な勉強をされて、我々も本当にいろんな勉強をさせていただきましたけれども、その作り直すという点については私はがえんずることできませんね。
これは、十九年末に納税者に対してこういうものが姿を示すということで作らなきゃならなかったわけですよ、十九年の末までに。これは数次の政府・与党の申合せとか、あるいは行政改革法とかそういうものの法律の中でまで約束したものですから、十九年の十一月十三日に我々はようやく出せたわけです。ですから、その作るについて一番最新の資料は何かといえば、十一年のセンサスで十四年の将来交通予測、今さっき言いましたように三千六百万通りにも及ぶOD、いわゆる起終点をきちっとした交通というものを予測して、そして出したものが最新だったんです、十九年のそれ出すときには。ですから、それを作っているわけです。
したがいまして、今後は、その中でこれから整備をする場合には、最新の、新しい、例えば今年にできるんであれば今年以降に整備に着手する分についてはその新しいものでもう一度やり直しますと、それにとらわれることなくやり直します。そして、BバイCが一を超えなければ着工はできません。そしてまた、財務省にもそれは評価をいただきます。
私どもはそういうことでやっているわけですから、それ自身を、過去に出したものを半年延ばしたらどうだとか、そういう思想はありません。それはそれなんです。したがって、そういうことで御了解いただきたいと思います。
○福山哲郎君 じゃ、これの信憑性で行きます。
前もやりました。ここの中にある三十か所の大気質対策ですが、どこの場所をやるか決まっていますか。
○委員長(鴻池祥肇君) どなたへの質問ですか。
○福山哲郎君 道路局長。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
前回のお尋ねでもお答え申し上げましたが、中期計画対象の三十か所というのが具体的な箇所としては決めておりません。
○福山哲郎君 どういった基準で決めるんですか。
○政府参考人(宮田年耕君) 個々具体的には、毎年度のいろんな大気の状況、あるいは地元の状況、そういうことを判断して決めます。
○福山哲郎君 答弁変わっているじゃないか。ここに書いてあるものをそのまま読んでください。中期計画に書いてあるのをそのまま読めばいいんだよ。
○政府参考人(宮田年耕君) 環境基準非達成の箇所約三十か所に対して大気質対策を実施、おおむね三年以上環境基準を達成していない箇所と。
○福山哲郎君 平成十五年から十七年で大気質対策として実施された箇所は何か所ですか。大臣、よく聞いておいてください。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
十一か所でございます。
○福山哲郎君 二十二か所じゃないですか。もう一回お答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) 済みません。二十二か所、十一事業でございます。
○福山哲郎君 二十二か所で幾ら使っていますか。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
千九百六十七億でございます。
○福山哲郎君 先ほど言った重要なところです。環境基準非達成の箇所は二十二か所のうち何か所ですか。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
四か所でございます。
○福山哲郎君 私は、平成十五年から十八年度の環境基準非達成の箇所を全部調べました。あなたたちが大気質対策だと言った二十二か所のうち環境基準非達成の箇所は四か所しかない。何のための大気質対策なんだ、残りの十八か所は。お答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
二十二か所のものは平成十五年度から十八年度まで事業完了いたしましたものでございまして、これは、前お答え申し上げましたが、大気質の単価算出に当たってのサンプルとして抽出をしております。したがいまして、二十二局につきましては、すべて事業実施によって環境基準非達成が達成に変化したものではありませんが、大気質対策として効果のある十一事業、その効果の対象となる二十二か所との関係として、サンプルとして取り上げた次第でございます。
○福山哲郎君 大臣、今の説明はお分かりになられますか。二十二か所のうち大気質対策だといって上がってきたので非達成のところは四か所しかないんです。ほかのところも大気質対策だといって、そして算出根拠を、実は千九百六十六億を二十二で割って一か所八十九億円と出しているんですよ。これおかしいでしょう、大臣。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 大気の状況を見るのに四百三十七か所、七局と言っていいでしょうか、オートマチックで観測をずっと続けておりますが、その年によって達成したり達成しなかったりする部分があるわけですが、三年連続で達成しなかったのが二十八局あると私は聞いております。そういうものについては、対策は、そこにも書いてありますけれども、交差点で滞留するものを流れやすくするとかいうような対策を講ずるわけですから莫大な費用が掛かるわけです。
したがいまして、それは、ひいては交差点の渋滞対策でもあり、そういうこともありますけれども、大気質としても、私は、そのように連続しているところは少ないにしても、問題のある箇所が二十八あると、そういうものについて我々としては対策を講じなきゃならないと、そういう考えでそれを起案しているわけでございます。
○福山哲郎君 その二十八か所が対象になっていないから聞いているんですよ。二十八か所対象になって事業しているわけじゃないんです。将来的な、二十八か所に対してはまだどこからやるかも決まっていないんです。だから、おかしいでしょうと。大気質対策は二十二か所やったとあなたたちが、国土交通省が言っているのに、そのうち非達成の箇所は四か所しかないんですよ。大臣、それがおかしいんじゃないですかと申し上げている。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 私どもは、この環境の問題につきましても、十年間の間に、暮らしやすい、そのような東京でも、あるいは私の地元の尼崎でも、要するに公害というものでNOxとかあるいは遊離何とか物質というようなものがたくさん出るところはあるわけですよ。しかしながら、その観測がまばらになるわけで、これから十年の間に三十か所というのは、これについて三十か所はやらなければならないという、そういう認識の下にしているわけです。
ほかは、ほかの部分についてはすべて、例えば四十人以上の子供たちが通っている十一万キロメートルというのは特定されていますが、そのうち直すのは四万四千ですというようにしているわけで、この部分については三十か所ほどあると、そういうことでございます。
○福山哲郎君 全然答えてないんですよ。
実は、あなたたちが大気質対策だと言った中で、一度も環境基準が非達成であったことがないところが群馬、北海道、山梨についても入れられているんです。
このことについてはどう思います。
○政府参考人(宮田年耕君) 先ほど答弁申し上げましたように、二十二か所十一事業については、こういう対策の単価を出すサンプル、そういうものとして抽出をいたしました。
したがいまして、今御指摘の、非達成から達成した測定局というのは四か所でございますが、こういうものの中で改善をしてきているという箇所もございます。十か所ございますが、そういうものを見ながら、こういう事業がサンプルの事業費として、そういうものとして抽出をしたわけでございます。
○福山哲郎君 僕は、あなたたちの書いたこのとおりに言っているんだ。非達成のところを事業でやると書いてあるから聞いているんだ。違いますか。
実は、あなたたちのやった事業の中の元塩公園というところは非達成の場所ですよ。ところが、事業が終わった後、非達成がまだ続いている。効果が全然出ていない。
このことに対してはどう思いますか、じゃ。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
御指摘のように非達成でございますが、一方、国道二十三号、ここが非達成の箇所でございますが、このバイパス事業によりまして、平成十一年、十七年のピーク旅行速度、こういうものを比較しますと、二十三・一キロから四十五・三キロ、あるいは二十五・四キロから五十九・一キロということで、非達成ではございますが、大気質の改善に効果があったというふうに考えております。
それからちなみに……
○福山哲郎君 さっき言ったように、非達成になったようなところでないところだって実は二十二か所、あなたたちは出してきたんですよ。
じゃ、サンプルはどうやってサンプル抽出したんですか。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
これも繰り返しになりますが、こういう単価を算出するために、平成十五年度から十七年度、こういう単価を取る対象として十一事業二十二か所、そういうものを抽出した次第でございます。三か所については達成、十か所については改善効果が見られたということでございます。
○福山哲郎君 だれが抽出したんですか、じゃ。どうして今後の三十か所のそのサンプルが単価の合理的な根拠になるんですか。
○政府参考人(宮田年耕君) 大気質の対策事業、そういうものとしては、バイパス事業とか現道拡幅事業、それからもう一つは環境を測定する局が近くにあるかどうか、そこを測る必要がありますので、そういうものを絡み合わせて二十二か所を選定した、サンプルとして出した次第でございます。
○福山哲郎君 そんな恣意的な単価の積算でどうやって信用できるんですか。もっと言えば、あなたたちが言っているように、環境基準非達成の場所で何ができるかを考える方が重要なんじゃないですか、ここで何ができるかを考える方が。
環境大臣、これずっと環境省が苦労しているのを私は知っています。非達成のところは延々非達成が続くんです。こんな関係ないところにまでバイパス工事だといってお金使われているぐらいだったら、環境省予算をもっともらってここの対策をちゃんとやった方が、よっぽど一般財源化してやった方がいいと思われませんか、大臣。
○国務大臣(鴨下一郎君) 交差点の改良あるいは植樹帯、こういうようなものを整備していくというのは、もう今先生おっしゃるように、非達成のところ、やればそれなりの効果があるということはもうそのとおりでございます。是非、そういう意味では、科学的な知見に基づいて最も優先するところはどこなのかと、こういうようなことを考えつつ事業をやっていくのが妥当だというふうに思います。
○福山哲郎君 じゃ、環境大臣は、今の国土交通省の環境、何も非達成ではないところにまでお金をぶち込んでいることに対して、これが環境対策だと言っていることに関しては了解をされるんですか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 過去の事業についてはそれなりに今国土交通省の方でも御評価があったんだろうというふうに思いますが、環境省としては、これは特に都市部、集中しているところで非達成のところもまだございますので、是非そういうところに重点的に配分をいただければと、こういうふうに思っております。
○福山哲郎君 そうしたら十分、一般財源で環境省にいろいろな対策やってもらったらいいじゃないですか。こんなうそみたいに、環境非達成のところを三十か所やるとか言いながら全然ほかのことをやっているんだから。
もう時間がないので、ほかに実はこのそれぞれの単価がいかにいいかげんか今日はやろうと思っていたんですが、できませんが、今の八十九億円、一か所八十九億円の根拠すら崩れているということだけは強く申し上げておきたいと思います。
これは一度話が出たかもしれませんが、お伺いをします。
地方事務所における道路特会の無駄遣いですが、中部地方整備局でテニスコートを道路財源で造った事実があるかないか、お答えください。
○政府参考人(宮田年耕君) 過去におきまして、中部地方整備局北勢国道事務所、そこにおきましてテニスコートの設置がございました。現在はございません。
○福山哲郎君 幾ら掛かって、いつまで使用されていましたか。
○政府参考人(宮田年耕君) 恐れ入りますが、幾らというのは、時点が古うございますので、平成九年、その時点でございますので残っておりませんが、使用しておりましたのは平成十六年まででございます。
○福山哲郎君 会計検査院、最後に質問します。
会計検査院が実際にあなたたちもテニスラケットやテニスボールを買った事実があったかどうか、お答えください。その上で、今の膨脹している事業費の在り方、それから積算根拠のいいかげんさも含めて、会計検査院として、一体道路行政に対してどのようなチェックをしてきたのか。
正直申し上げると、言いますが、会計検査院も実はテニスラケットを買っているんですね。何かテニスコートを国土交通省が造って、テニスラケットを会計検査院が買っているというのも、もう笑い話みたいなんですが、会計検査院はチェックをしなければいけないところでございます。
やっぱりこの問題は本当に根が深い問題で、今日の八兆円の膨脹も含めて、国民の皆さんは、暫定税率を廃止をして特定財源を一般財源にしろという声が高くなっています。是非、政府においては真摯に受け止めていただいて、修正案を出されるんだったら思い切った修正案を、国民が納得する修正案を出していただきますことをお願いしまして、会計検査院の答弁、事実があったかないか、幾ら金額、買ったか、それから今までの流れを見ての答えをいただいて、終わりたいと思います。
○説明員(増田峯明君) お答えを申し上げます。
今お尋ねのテニスラケットにつきましては、研修所庁費という費目の中で、私どもの合宿研修所における研修員の健康管理のための体育用品の一つとして平成十四年度に購入したものでございますけれども、こういったスポーツ用品の購入につきましては、十六年度以降は、国民の目から見た場合になかなか理解が得られないだろうということで自粛をしているところでございます。
○会計検査院長(伏屋和彦君) お答えいたします。
まず、ラケットの点でございますが、事務総局から答弁したとおりでございます。今の時点で考えますと、改めて当時の判断が甘かったのではないかと言われれば否定できません。国民の皆様、納税者の皆様の目から見てどう思われるかよくよく考え、慎重の上にも慎重に判断して対応してまいりたいと、そういう考え方に立ちまして、世間から疑念を抱かれることのないよう事務総局を指揮監督してまいります。
それからいま一つ、道路の話でございます。
会計検査院の検査は、御承知のように、予算や政策、事業の執行あるいは執行結果を対象としておりますが、やはり国民の皆様から納めていただいている大切な税金の使い道の話でございます。ただいま拝聴させていただきました道路の建設に関する事前評価、それから中期計画、さらには事業の状況などに関する御議論を、今後の会計検査に具体的に生かしてしっかり検査してまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 終わります。