06/10
2009
麻生総理の「中期目標」に物申す
麻生総理は、今日の夕方、地球温暖化対策に関して、温室効果ガス排出削減の中期目標を発表しました。今回の「2005年比15%削減」という目標は、地球温暖化対策として全く不十分で、まさに笑止千万です。
この発表を受けて、岡田幹事長とともに記者会見を行いました。
わかりやすく言えば、
(1)日本は21世紀の新たな技術革新と新たな市場創造による経済成長へのチャンスを失う可能性があります。
(2)国際社会からの信頼を失う可能性があります。
(3)生態系の破壊を助長し、温暖化の被害を生起させる恐れを高めます。
少し細かく、長くなりますが、お許しください。
この「2005年比15%削減」は、1990年比では8%削減に過ぎません。
IPCCが求めている、先進国全体で2020年に90年比25~40%削減が必要との要請には全く及びません。このような低い目標を打ち出せば、中国やインドをはじめとする途上国が反発することは必至であり、新たな枠組みへの参加を促すことは難しくなります。
また、総理は、やたらと国民の負担・コストに言及されましたが、負担の増加や経済の減速のみを強調することは不必要な誤解を国民に与えることになります。意図的なら問題です。
オバマ政権の掲げる緑のニューディールは、まさに地球温暖化対策と経済成長は両立可能であるということであり、日本でもさらなる温暖化対策で、内需拡大や雇用創出、省エネ技術の普及によるエネルギーコストの低減、エコ製品のマーケット拡大に伴う経済効果が期待できます。
このままでは、日本はみすみすチャンスを失うことになります。
一方で、生態系の破壊をはじめ、洪水、土砂災害、農作物の収穫への損害など大きな被害が生じることについては何も言っておらず、未来への責任を放棄しています。
政府内で調整していた2005年比14%を15%に1%引き上げたことが、麻生総理のリーダーシップなら、それこそあきれるばかりです。
やはり、未来のため、政権交代が必要であることを強く認識したと同時に、怒りを禁じえません。
ずっとこだわってきた問題なので、長くなりごめんなさい。