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2017

第193国会 参議院 予算委員会 2017年6月16日


○委員長(山本一太君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 民進党・新緑風会の福山でございます。総理を始め閣僚の皆さん、よろしくお願い申し上げます。
まず、冒頭でございますが、非常に残念なことが与党自民党からありましたので、一つ国民の皆さんにお知らせをしておきたいと思います。
今日、実は、予算委員会、これ三月の終わり以来の久しぶりの予算委員会ということで、今、加計学園の問題が大変国民の関心も高いということですので、野党としては前川前文科省事務次官の参考人招致をこの予算委員会に求めました。残念ながら、またもや自民党が拒否をしました。前川前事務次官は民間人でいらっしゃいますけれども、実はこの通常国会に予算委員会、来ていただいております。なおかつ、御本人も、参考人も証人喚問も出席の意向があると言われているにもかかわらず、呼ばない理由はないんですが、理由も明確にされないまま、自民党は参考人の招致を拒否をしました。これは強く抗議をしたいと思います。
一方で、共謀罪の審議の法務委員会は、与党が全会一致の原則を崩して多数決で刑事局長を参考人にずっと居続けさせるという、これも憲政史上例にないことをやられました。片方では刑事局長を陪席、多数決で決めて、片方では前川前事務次官、この国会に、この通常国会に来ていただいている方にもかかわらず拒否をしたと。非常に凸凹の対応だというふうに思っておりまして、非常に残念に思います。
それで、総理、国会がお決めになることだと言われるのは重々分かるんですが、やはり総理がいろんなところで、総理の御意向だとかいうことで、前川前事務次官は間違いなく総理の御意向があったと、それから文書の存在も認められたわけです。これは、総理が今言われていることと真っ向から対立します。例の森友学園の籠池さんのときには、総理を侮辱したといって証人喚問をやられました。前川前事務次官は侮辱はされていないと思いますが、総理の今の主張とは真逆のことを言われています。
やっぱり、こういう場で総理が身の潔白を証明する場合に、前川前事務次官を国会に呼んで、参考人として来ていただく、若しくは証人喚問すると。総理としても、自民党の総裁でいらっしゃいますから、国会がお決めいただくんだといういつもの答えではなく、少し前向きにお答えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 真逆ということではないんだろうと思いますが、いずれにせよ、これはもう福山委員が重々承知の上で質問されているということも私も分かっておりますが、まさにこれは院の方で、また委員会の方でお決めになることでありますから、行政府の長としてそれに対して指示をするということが今までもなかったわけでございますので、これはまさに国会においてお決めをいただきたい。国会においてお決めをいただければ、我々はそれに従っていくことは当然のことであろうと、このように考えております。
○福山哲郎君 行政の方で決めたことはないということを言われるから国民は白けるんです。この間の強行採決、中間報告という名の審議打切り、強行採決だって、それは官邸の意向が強く働いていると世間はみんな思っているわけです。
やはりそういうことを言われるから国民の皆さんは白けるというふうに思いますし、まあ理事会で、委員会で決めていただければ呼べばいいとおっしゃっているので、是非、自民党の皆さん、与党の皆さんは参考人招致に賛成をいただきたく思います。
続いて、総理、前川前事務次官ですが、前川氏を文科事務次官に任命をされたのはどなたですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ちょっと私も記憶が余り、事務次官を、様々な事務次官が内閣でそれぞれ任命されておりますから、一々私もそれは承知をしていないところでございます。
○福山哲郎君 別にここで僕は総理を、何か知らないのかみたいなことを言うつもりは全くありませんが、内閣人事局の制度になって、普通、任命権者は一義的にはもちろん文科大臣です。しかしながら、今は任命協議というのがあって、そこは総理と官房長官と文科大臣と三人で協議をして最終決定になって、任命されるのは文科大臣ということになっています。
ですから、総理と官房長官と文科大臣が協議をして事務次官は決まります。もちろん前川前次官は安倍内閣での任命ですが、それでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 形式的なものでありますから、言わば協議ということについて私は全く記憶がないわけでありますし、基本的に大臣から言われたものを事実上ほぼ全て認めてきているところでございますが、前川次官が安倍内閣、もう安倍内閣も四年続いておりますから、恐らくその間に任命されたのだろうと、このように思います。
○福山哲郎君 今の答弁はちょっと問題で、内閣人事局の制度になっていますから、総理も官房長官も十分意思決定者です。
それで、私は思うんですけど、どうですか、やっぱり自分の時代の事務次官、文科省の事務次官というのは、やっぱり僕は、それぞれ本当に、国家公務員試験を合格されて一生懸命国のために尽くしてこられた人です。総理にとっても、やはり事務次官ですから、一緒に仕事をされてきた方です。その方が、この加計問題に対して総理の意向を感じざるを得なかったと、それから文書の存在はあると、あるものをないとは言えないといって会見等をされました。一緒に仕事を安倍政権の中でやって、半年とはいいながら事務次官に任命をされた人がこういうことを言われる事態について、総理はどう思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 前川前次官も、これは日経新聞のインタビューにおいては、これは政策的なことなので政府の意向は関係ないという趣旨のこともおっしゃっておられるというふうに承知をしておりますが、いずれにせよ、先ほど山本大臣と阿達議員とのやり取りの中にあったように……(発言する者あり)ええ、先ほどですね。どのようにそれぞれの、言わばこれ、前川次官と私が議論したということではなくて、この当該の内閣府の職員と文部科学省の職員が議論をし、そのときの出来事をメモにしたということであり、そのことから前川次官が感じ取ったこと等についてお話をされているんだろうと、このように思う次第でございますが。
いずれにせよ、これ政治的な言わば事柄となった段階においては、また大臣なり、また私にも直接問合せをしていただければよかったのかなと、こんなように考えているところでございます。
○福山哲郎君 私の聞いているのは、このことを言っているんではなくて、前次官だった方が、総理の御意向はあった、さらには、文書が確認できなかったとしている安倍政権に向かって、文書は存在して、あるものをないとは言えないと、そして行政がゆがめられたとまでおっしゃっている。それは、総理として、事務次官は一緒に仕事する人たちですから、そういう状況に今なっていることについてどう思われますかとお伺いしているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そういうことであれば、大変残念でございます。
○福山哲郎君 その前川前事務次官が実在する本物だと主張していた文書について、やっと文科省が再調査して、十九の資料のうち十四の存在が確認をされました。前川氏の証言はほぼ正しかったと言えると思います。確認できなかった三つも、他の法人との関係等々がありまして、もうほぼ全てが実在するという状況でした。
総理、今の時点では、総理は本会議で確認できなかったと答弁されているんですけれども、今の時点では、あの文書について、我々民進党が提出をし、我々の仲間が本当にいろんなところから集めてきて、毎日毎日プロジェクトチームをやり、表に出してきたあの文書、今は本物であるということを総理は認めていただけるんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう既にこれは文部科学大臣が記者会見でお答えしたとおりであり、それに尽きるわけでございますが、同時に、この文書の問題をめぐって対応に時間が掛かったということについては率直に反省したいと、こう考えております。
○福山哲郎君 もう一度。これはもう実在する本物だということは、総理もお認めいただくということでいいんですね。イエスかノーかでお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、私も答えますが、まず文科大臣からお答えをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) お答えさせていただきます。
今先生から御指摘があったとおり、十四の文書に関しては、これは全く同じ形式のものではございませんが、同種の内容のものも含めて存在が確認をされたということでございまして、二つは存在が確認されなかったということでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳細にわたってお答えをする必要があるので、まず文科大臣からお答えをさせていただいたところでございますが、まさに文科大臣からお答えをさせていただいたとおりでございます。
○福山哲郎君 違います。総理の口から、この文書は実在したことを自分も認めたと言っていただきたいんです。本会議で確認できない確認できないと我々の前で言われているわけです。
あえて私は虚偽の答弁をしたとは言いません。なぜならば、再調査をして分かったわけですから、確認ができなかったと言っていた時点では本当に確認できなかったので、それを虚偽だとは言いませんが、本会議で延々と、委員会も含めて、確認できなかったと言われているので、今はあの文書は存在しているものだということを総理自身がお認めいただいたということを言っていただければ結構です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、これは松野文科大臣が答弁をさせていただいたことを、これ踏まえて聞いておられますから、松野大臣から、二つについては確認できなかったということでございます。その上において、まさにそれが、また、形式等も違うものがあったというふうにもお答えをさせていただいておりますが、中身については、中身についてはそういう趣旨のものがあったということでございます。
○福山哲郎君 中身についてはあったということを認めていただきました。
官房長官、怪文書だという発言を何度もされました。出どころが分からないと言って、ほとんど相手にされてこなかったと思います。私は、官房長官、尊敬申し上げているんですが、さすがに今回の言いぶりはちょっと言い過ぎじゃないかなと思っておりまして、官房長官ももうあの文書については、今文科大臣が言われたとおり、存在をするとお認めいただけますね。イエスかノーで。
○国務大臣(菅義偉君) これは是非、報道された文書、そして民進党から確認してほしいと言われた文書でありますけれども、五月十七日、報道されました。その時点では、出所や入手経路も不明なもので信憑性もよく分からないという文書であったというふうに承知しています。
そして、私、あの文書を提示させて、されて、させていただいたときに、これは大臣、副大臣、政務官にも聞きました。ここは承知していない文書でした。そして、あの文書の中に私個人のことにも触れている部分がありました。私のことは全く事実と違います。そして、私の補佐官の部分もありました。私の補佐官は観光とか違う分野の担当をさせておりましたので、これも実は違っておりました。そういう中で、私には不可解な文書、そして、不可解な文書であって怪文書のようなという話をさせていただきました。
そして、現在は、今回の調査結果で複数の文書について出所が、これは当時と違う、明らかになっていますから、文科省で確認をされたと、そういうふうに思っております。
○福山哲郎君 官房長官に弁解をしていただきたくないんです。もう今はあの文書は存在するものだとお認めいただけますかとお伺いしているんです。それでよろしいですか。
○国務大臣(菅義偉君) まず、現在、文科省の中で存在が確認されていますので、そこは出所は明らかになっているというふうに思っています。
○福山哲郎君 もう怪文書は撤回されるということで、官房長官、よろしいですね。
○国務大臣(菅義偉君) 怪文書のようなものと記者会見で発言しましたのは、五月十七日の会見で私は申し上げました。ですから、現在の認識ではありません。
○福山哲郎君 現在の認識ではないということで、これで要はあの文書は実在をしているものだということで確定をいたしました。
あと、官房長官、先ほど申し上げたんですけど、官房長官も次官の任命には関わっておられます。官房長官が前川前次官にいろいろ、地位に恋々としているとか含めて個人攻撃をされている発言は若干僕は残念に思っておりまして、今申し上げたように、あの文書は前川次官が実在するとずっと主張していたこととほぼ同じ結果になりました。
今でも前川前次官に対する認識は、官房長官、変わりませんか。
○国務大臣(菅義偉君) 私は変わっておりません。
○福山哲郎君 変わってないということは、前川次官は官房長官のいろんな国会での発言に対して、非常に遺憾で名誉毀損も考えているというような報道もありますが、やはり政権の中で共に仕事をした者同士がこういう個人的な誹謗中傷をするというのは余りいいことではないなと思うので、そこについては、官房長官のお気持ちもあると思いますけれども、何というかな、私は残念だということを申し上げたいと思います。
それでは、具体的な質問に入ります。配付させていただいた資料の四枚目を御覧ください。
四枚目、「大臣ご指示事項」というのがございます。これは、文科大臣が内閣府の感触を確認してほしいというふうに文科省の職員に御意向を伝えた言葉だと思いますが、それを文科省の職員が内閣府に伝えるためにこの文書を作ったということで、大臣、よろしいですね。
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
御指摘の「大臣ご指示事項」という文書でございますけれども、正直、もう八か月以上前のことでありますから、この文書の細部まで関して、私の発言を忠実に復元をしているのか、またどの程度全体の内容を要約をして書いてあるのかということはありますが、当時私が問題意識を持っておりましたのは、設置審議会で大学は決めるわけでありますから、国家戦略特区の中において期日を限定をして書き込むということが整合性が取れるのかどうかという考え方に基づいて、それは必要であるのかどうか等も含めて内閣府に確認をということであろうかと思います。
○福山哲郎君 そうだと言っていただければ結構です。中身は読めば分かりますから。
それを、内閣府の担当者が大臣の指示事項を紙にして、それに対する答えが実はその次でございます。これは「大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」ということですが、文科大臣、これは、大臣の指示を受けた文科省の職員が内閣府とやり取りをしてこのペーパーをまとめたという認識でよろしいですか。イエスかノーかでお答えください。
○国務大臣(松野博一君) ヒアリングによりますと、この該当で、作ったのではないかと言われている課長補佐に関しては、当時、多種多様の文書を作成をしておりますので、このもの自体を作ったという記憶が今あるわけではないけれども、ファイルから文書が出てきてということであれば、自分が作ったものであろうということをヒアリングで報告をされているところであります。
○福山哲郎君 ということは、これ、内閣府の回答も、先ほどの大臣の指示書も日時確定できますよね。日時確定できますよね。
○国務大臣(松野博一君) 作成した日時ということでございますと、今回、その作成した日時に関しては、文書の存否を目的とした調査でございますので、確定をしておりません。
○福山哲郎君 確定をしていないのは確定をしていない、実は、だって、フォルダを見ればいいわけですから、分かるはずですけど。確定しようと思えばできますね。
○国務大臣(松野博一君) ヒアリング等の中においても、この作成に関して、本人が現在の時点で明確に、これを自分がどうやって作ったというようなことに関して明確な記憶がないという状況でございますので、それによって作成の日時を確定するということは、大体の作成の時期、例えば九月から十月の初旬であるとか、それぞれの文書に、中においていつ頃というのは分かるかもしれません。
○福山哲郎君 コンピューターの中に入っているものですから、多分日時は確定できると思いますし、記憶だけに頼るわけではないと思います。これ、実は日時の確定って非常に重要なんですね。今回の調査は存否の確認だけだというのは僕は一定理解しますが、その日時の調査についても是非やっていただきたいと思います。
その内閣府のやり取りの中で、総理の御意向だと聞いているという一パラの文章がございます。ということは、これは、普通に読めば、総理の指示を受けて文科省の職員が内閣府に行ってやり取りをしているものを文科省の職員がここにまとめて、文科大臣に対して回答のために作った文書という位置付けでよろしいですね。
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
ヒアリングによると、自分が作成をしたということであれば、これは内閣府の職員とのやり取りを書いたものであるから、内閣府の職員から今委員から御指摘があったような内容について発言があったものであろうと考えているということがヒアリングで報告されております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
これ、内閣府の相手の職員、担当者、相手側は分かりますか。
○国務大臣(山本幸三君) この文書について、内閣府においても調査いたしましたが、ヒアリング対象者全て、この文書を見たことがない、内閣府での文書の存在は確認されなかった、同様に、これは総理の御意向等の発言をした者がいないことも、ヒアリングの結果、確認されました。総理の御意向という言い方はかなり特殊なものであり、地方創生本部事務局で使われているようには感じておらず、実際にこのような表現が打合せの場で使われたことは考えにくいとの回答でありました。
○福山哲郎君 聞いてもいないのに出てきて、何言っているんだか全然分からないんですけど、この文書がないと、まずおっしゃいましたね、大臣。ないんですね。ないんですね。それで、この総理の御意向だということを言ったこともないとおっしゃったんですね。
あのね、これは、文科省の職員が内閣府に聞いて、文科省、文科大臣を始め職員である意味回覧をしている文書ですから、この文書そのものが内閣府にないのはある意味当然なんです。
じゃ、この同じ会合、だって、内閣府の職員と文科省の職員がやり取りしているわけですから、この内閣府の職員と文科省の職員がやっているこのやり取りがあったかどうかは確認、調査されていますか。
○国務大臣(山本幸三君) これは、内閣府と文科省ではもう始終やり取りしているわけでありまして、特定にいつとか、そういうことは分かりません。担当者も、上のレベルもあるし、あるいは下のレベルも、いろいろございます。
○福山哲郎君 そうしたら、総理の意向だと発言しているかしていないかだって特定できないじゃないですか、どの会合か分からないんだから。全く矛盾していると思います。
それで、これ実は国民の皆さんお分かりいただいたと思いますが、内閣府と文科省でやり取りをしていて、文科省の職員は、内閣府の方が総理の御意向だと言っていることをメモしています。内閣府は今、文書もないし、いつかも分からないし、メモも残っていないし、そして発言もしていないと言っています。
山本大臣、だってこれ、誰が文科省の人とやったか特定できているんですか、人物は。
○国務大臣(山本幸三君) これは特区担当の部署でやるわけでありまして、そこは局長もいますし、審議官もいますし、課長補佐レベルもいるわけでありまして、それぞれの段階でいろんなやり取りをやるということであります。
○福山哲郎君 何言っているか分かりません。それは、特区担当はたくさん職員いるに決まっているじゃないですか。このやり取りをやったのがどなたかと聞いているので、全く答えていただいていない。
ただし、先ほど松野大臣が言われたみたいに、総理の御意向だということを、僕は文科省の職員は内閣府の人から言われたことを普通にちゃんとメモしていると思いますよ。だって、内閣府の言っていないことを勝手に改ざんして総理の御意向だって文科省の職員が私は到底書くとは思えないので、そこについては非常に疑問に思います。
ちょっと、次のページ行ってください。
次のページが非常に重要で、藤原内閣府審議官との打合せという、これが非常に重要なものなんです。これも、内閣府の藤原審議官と佐藤参事官と文科省の浅野専門教育課長と補佐の方が出席をしてやり取りをしています。問題の九月の二十六日です。ここも、「これは官邸の最高レベルが言っていること(むしろもっと激しいことを言っている)。」と言われています。
これは内閣府とのやり取りを、これも文科省のこの職員の方がメモとして起こしているものです。それで文科大臣、よろしいですね。
○国務大臣(松野博一君) 御指摘の文書に関して、当該担当、書いたことが想定される当該担当に確認をしたところ、これはもう職務としては、これは私が通常起こすべきものであるから私が書いたんだろうと、その中において、書いたということは、そのやり取りに関しては、当時、内閣府とのやり取りというのが書かれているんだろうというふうにヒアリングで報告を受けていますが、先ほど、総理又は官邸等々の文言が出たということは、出たと、ここに書いてあったということは出たんだろうというふうに認識をしているということでありますが、その真意、目的、何を官邸の最高レベルがということに関しては記憶をしてないと、そう答えております。
○福山哲郎君 山本大臣、調査されたんですね。この九月二十六日の内閣府と文科省のやり取りについては何らかの形で内閣府内で文書が残っていたかどうか、お答えください。
○国務大臣(山本幸三君) ヒアリング対象者全てがこの文書は見たことがないと回答し、内閣府での文書の存在は確認されませんでした。ヒアリング対象者の中では、内閣府側の実際の出席者が文書の記載とは食い違っていることなど、文書の正確性に係る疑問も指摘されました。この時期は第一回今治市分科会が開催された直後であり、関係省庁と様々な調整を行っていたことから、具体的な日時は不明でありますが、このような会合に出席していた時期であったということは事実であると回答がございました。
一方で、官邸の最高レベルが言っている等の発言については、ヒアリング対象者の全てが、発言していない、聞いた記憶はないと回答しております。官邸の最高レベルという変わった言い方が実際に使われたのであれば強く印象に残るはずでありますが、自分の記憶に残っていない点からも、このような発言はなかったのではないかと思うという感想も聞かれました。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います、ちょっと。今大臣の答弁中ですから。聞こえないので。
○国務大臣(山本幸三君) 今回のヒアリングの結果、ヒアリング対象となった内閣府職員はいずれも、内閣府が文部科学省に個別の項目や個別のプロジェクトについて官邸の最高レベルが言っている等と伝えた認識はないということが確認されております。
安倍総理が常々国家戦略特別区域諮問会議で、規制改革全般についてスピード感を持って実現すべきという旨の発言をされていることから、関係省庁との議論を行う際にこうした総理の発言に言及することはあったとの回答がありました。
○福山哲郎君 大臣、大臣、文書がないんでしょう。ということは、内閣府というのは、他省庁とのやり取りは文書に残さないんですか。全部記憶で確認するんですか。本当に残していないんですね。確認していないのか、残していないのか、これ重要ですよ。確認していないのか、残していないのか、はっきりしてください。
○国務大臣(山本幸三君) この文書というのはありません。打合せの記録等として内閣府側で作成した文書は確認されておりませんが、会議や打合せに関する記録の作成について、ヒアリング対象者からは、関係省庁や関係自治体等との打合せが極めて多く、多忙であること、関係者間ではメールでなく電話で頻繁にやり取りしていること等もその要因ではないかとの受け止めが聞かれたところであります。
○福山哲郎君 いいですか。ごまかさないでくださいね。この文書じゃないですよ。この文書は文科省が作った文書だから、内閣府は内閣府として当然文科省とのやり取りを文書に残しているはずです。その文書を、本当にない、ないのか、確認していないのか、それが残っていないのか、これ大きな違いですからね。どっちか、二者択一ですから、長く要らないから一言で答えてください。
○国務大臣(山本幸三君) 今回の調査をしたところ、そういう文書は残っておりません。
○福山哲郎君 だから、内閣府は残していない。じゃ、残していないところと残しているところだと、証拠能力としては絶対こっちの方が高いですよね、誰がどう見たって。
じゃ、これに出席している藤原審議官、この会に、九月二十六日、出席していましたか、いませんか。イエスかノーかで答えてください。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
この昨年の九月から十月にかけてでございますけれども、文科省の管理職との方々と、この獣医学部の新設という項目につきましての議論はさせていただきましたけれども、日程等につきましては、記録もございませんで、定かではございません。
○福山哲郎君 あなたはこの会に出た記憶はありますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
こちらの文書に書いてございます課長とそれから補佐の方、それから私どもの課長、そういった管理職のレベルでこの時期に会合をしたことはございました。
○福山哲郎君 で、あなた審議官なのに、これ、内閣府が文書残していないことを認めていたんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
この時期の記録というのは、私ども、当時の出席者あるいはこういった議論に参加している者、関係者に私なりに確認をいたしましたけれども、記録等はございません。
○福山哲郎君 何か森友学園の財務省にそっくりになってまいりました。都合の悪いことは捨てる、なくす、ありません。
ところが、これは官邸の最高レベルが言っていることという発言がありますが、この発言って、内閣府の出席者のどちらかしか言わないんです。だって、これ文科省の方が内閣府の方の言われていることをメモしているから。
藤原審議官、こういう発言をした記憶はありますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
かねてより御答弁させていただいておりますけれども、委員御指摘のようなこの文書やメール等の有無にかかわらず、昨年秋、九月から十月でございますけれども、この文科省の管理職との面談におきまして、獣医学部新設という個別項目につきまして、官邸の最高レベルが言っている、総理の御意向だと聞いているなどとお伝えしたとの認識はございません。また、総理からもそうした指示等は一切ございません。
他方、総理は常々特区諮問会議で、個別の項目や個別のプロジェクトではなく、規制改革全般につきましてスピード感を持って実現すべきと、そういった旨を発言されておりますので、私ども、こうした総理の発言、直近の諮問会議の発言を受けまして、私ども事務方がワーキンググループあるいは非公式な協議の場などで関係省庁との議論を行う際にこうした総理発言に言及させていただくことは十分にあり得たと思っております。
○福山哲郎君 あなたが言ったことがないんだったら、もう一人、佐藤参事官が言ったとしか考えられません。
佐藤参事官、国会に呼んで是非聞きたいと思いますので、理事会で協議いただけますでしょうか。
○委員長(山本一太君) 後刻理事会で協議をいたします。
○福山哲郎君 はい、ありがとうございます。
これ、これもやっぱり文科省の職員が真面目にメモをしていますから、うそを書いているとは到底思えません。
その次のメールです。これも重要です。これは、十一月一日といって、十一月の九日に結局加計学園に決まるんですけれども、これメールのやり取りです。やはり藤原審議官との間で内々の事務打合せがあって、真ん中より下です、その後、藤原審議官から再度文科省とのみ打合せ依頼がありましたので、そのまま別室で打合せして、添付PDFの文案で直すようにという指示がありましたと。指示は、藤原審議官いわく、官邸の萩生田副長官からあったようです。
次のページを見ていただくと、問題の、京都産業大学は排除され加計学園に一校に絞られた、広域的にというのを入れろという文字がここに入っています。
これは実は、藤原審議官、これは内閣府から文科省への報告のメールです。ほら、内閣府、ちゃんとメモ作っているじゃないですか。さっき、なくしているとか作っていないとか見当たらないって、駄目ですよ、そんなうそついちゃ。
これ内閣府、藤原審議官、この打合せで、この文案に広域的という手を加えてくれと、修文してくれというのを萩生田副長官から指示をして文科省にお願いをしたことはございますか。イエスかノーかで答えてください。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
これは、昨年の十月二十八日でございますけれども、獣医師系養成大学等のない地域においてという原案を文科省に提示したのが十月二十八日でございます。三十一日には文科省から意見の提出がございました。十一月一日にはワーキンググループ委員と文科省との折衝を行いました。その際、山本大臣が文科省意見で指摘された日本獣医師会等の理解を得やすくする観点から対象地域をより限定する御判断をされまして、広域的にや、限るという、追記するようにという御指示を受けまして、私が手書きで文案に修正を加えさせていただきました。
こうした一連の情報は直属の部下である担当者にしか伝えておりません。本件メールの作成者、送信者、これは私の直接の部下ではございませんけれども、一切伝えていないと、そういった事情でございます。
○福山哲郎君 これ、メールの日時が十一月一日なんですけど、今微妙に十月の二十八って言い換えているんですけど、それどういうことですか。それで、なおかつ、あなた、さっきから記憶がないとか記録がもう捨てちゃったとか言っているのに、いやにここだけ詳しいですね。
これ、十一月一日に送信日時なっているんですけど、十月二十八と言われた理由は何ですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
今申し上げた十月二十八日というのは、この原案でございます獣医師系養成大学等のない地域においてという原案を文科省に提示した時期ということでございます。
○福山哲郎君 ということは、この修正のお願いをしたのは十一月一日でいいんですね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
十月二十八日に原案を提示し、三十一日に文科省から意見の提出がございました。そして、十一月一日に山本大臣からこういった御指示がいただきまして、対象地域をより限定するという判断の中で、広域的にや、限るという追記についての指示を受けて修正をしたという経緯でございます。
○福山哲郎君 何で急にそんな詳しくなるんですか。さっきとは大分違いますね。
萩生田副長官、内閣府のメールでは、藤原審議官が萩生田副長官から指示が出てこれを修正しろと言われたと、こういうふうに書かれていますが、萩生田副長官はこういった形で指示を出されたことはございますか。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 昨年十一月九日の特区諮問会議の取りまとめ文案に私が修正の指示を出したことは全くございません。昨日文科省が公表したメールには大変戸惑いを感じております。
今朝公表された内閣府の調査においても、当該メールを発信した職員は本件の担当ではなく、関係する文書の手書き修正の打合せにも参加していない方が、メールに記載のあるコメントについても担当者から伝え聞いた曖昧な内容であって、事実関係を確認していないままメールを発信してしまったと報告があったと承知をしております。
○福山哲郎君 ということは、担当者でない職員が曖昧にこれを書いたということでいいんですか。ということは、間違っているということでいいんですか。間違っているということでいいんですか。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。静粛に願います。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 後段は、今朝の内閣府の報告を、御報告、私が伝え聞いたのを今加えただけでありまして、私は修正の指示をしたことはありません。
○福山哲郎君 ということは、このメールと完全に真っ向対立します。
文科大臣、内閣府から、これ、打合せをして報告のメールが来ているんですよ、確認の。これ、内閣府から、全く違う、これ今文科省に実在しているんですから、全く違う、間違ったメールが来ていると言われているんですけど、文科省、文科大臣、どう思われますか。
○国務大臣(松野博一君) お答えいたします。
今回の当省の追加調査結果において内閣府から送信されたとされるメール等の文書が含まれていたことから、内閣府として当該文書について調査を行うことを判断されたと承知をしております。
内容に関しては、この作成自体が内閣府によるものと考えておりますので、内閣府側に御確認をいただければと思います。
○福山哲郎君 藤原審議官、官房副長官はこれ間違っていると言われました。藤原審議官いわくと書いてあります。あなたが言ったことです。内閣府の職員がこれを作っています。あなたの部下です。部下があなたの足を引っ張るような虚偽の報告を文科省にしたということでよろしいんですか、藤原さん。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
事実関係から申し上げると、この作成者、先ほど申し上げましたように、私の直下の部下ではございません。また、私に関しては、萩生田副長官からの指示ということを申し上げたことはございません。
○福山哲郎君 そんなことどうやって証明できるんですか。
じゃ、このときのやり取りは、文科大臣、このときのやり取りは文科省は残っていますかね、文書。
○国務大臣(松野博一君) このときのやり取りというのは、この手書きが入った文書の方で……。
○福山哲郎君 これです。これ、このときに会合しているわけですから、文科省自身もメモが残っているかもしれませんよね。
○国務大臣(松野博一君) まず、この手書きの部分に関しましては、これは内閣府で作られたものでございますので、別に、当省と何か事前にすり合わせがあってこの手書きの部分ができたということではないと承知をしております。
このメールに関してでは、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、うちの方は受信をしたということでございます。なぜこれをということになりますと、当該の文書、類似の文書を探しているときにこの文書が個人のヒアリングを通して出てまいりましたので。しかし、本来、この文書は文科省にあるべきでないというか、あるはずがない文書が出てきたということで、それがどういった経緯によってここにあったかということを示すために、このメールを同時に添付させていただいたということでございます。
○福山哲郎君 一枚先ほどの方に戻っていただけますか。平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュール、いわゆる加計学園を三十年四月から開学したいということですが、これ、先ほど藤原審議官、この紙については、紙も残っていないし、よく分からないと言われていますが、実は、前川前次官はこれによって今後のスケジュールというのを作らされたと言われております。そこには実はもう今治と書いてあるんですね。もう完全に今治を想定してスケジュールがあって、前川前次官は内閣府にこれを書かされたと今あちこちで証言をされています。
藤原さん、この最短のスケジュールを作成していただきたいというのは文科省に向かって言われましたか。
○国務大臣(山本幸三君) 広域的とかそういうのを決めたのは、私が決めているんですから、私に聞いていただきたいと思います。
この内閣府から文科省に出たメールでありますが、作った方は直接の担当者でもありません。ただ、文科省から出向してきた方でありまして、それが、まあ不適切なことでありますが、陰で隠れて本省の方に御注進したというようなメールであります。そういう意味では……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。静粛に願います。
○国務大臣(山本幸三君) 本人が事実を確認してちゃんと出したメールではありません。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 答弁が聞こえませんから静粛に願います。
○国務大臣(山本幸三君) そういう中で、三十年四月ということについては、これは明確に出したのは十一月十八日からのパブリックコメント以降であります。それまでは最大限早くということは常々言っておりますが、それまでの間にそういう決めたスケジュールで言っていることはありません。
○福山哲郎君 ええっ、自らの職員に向かって、陰に隠れて。ええっ、安倍政権は何か問題が起こると必ず役人のせいにする、役人に責任を押し付ける。本当に森友のときの財務省も気の毒だった。今回の文科省も気の毒。でも、これ、内閣府も本当に皆さん、職員、気の毒だと思いますよ。
これ、済みません、三枚目見てください。前川前次官の手記は、二〇一六年、今お話を僕がさせていただいた前後ですが、木曽内閣官房参与というのが、加計学園が開校した千葉科学大学の学長をやられている方が、国際戦略特区制度を利用して早く進めてくれと。それから、二〇一六年の九月と十月、和泉総理大臣補佐官が、これは総理が自分の口から言えないから私が代わって言うんだということを前川前事務次官に言われているということの証言があります。
先ほどのお話のこのメモに書いてある総理の御意向とか官邸のトップレベルの議論も今全然払拭されません。総理、これなかなか、総理が自分が言っていないとかやっていないとか言っても、これ、どう見てもこれは総理が言っている可能性があります。
○委員長(山本一太君) 福山君、時間ですから、まとめていただきたいと思います。終了してください。
○福山哲郎君 総理の御意向だと言われている。
それから、今の山本大臣の答弁聞かれてどう思われますか。
○委員長(山本一太君) 安倍内閣総理大臣。短くお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) はい。
この獣医学部の新設については、これは半世紀近くできていなかったものをまさに岩盤規制を突破するために我々が国家戦略特区という形で挑んでいるわけでございます。そして、特区の指定、規制改革項目の追加、事業者の選定の一連のプロセスも、関係法令に基づき適切に実施をしています。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 獣医学部の設置に関する文科省、農水省、内閣府の三大臣合意文書もあり、政府全体としてこれは決定をしていることであります。そして、規制改革にはこれは必ず抵抗勢力があるわけでありまして……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 岩盤のように固い規制に挑戦すればするほど既得権益を握る勢力の激しい抵抗は避けられないわけでありまして、その中のプロセスで主張と主張がぶつかり合うことはあるわけでありまして、それは、やはり内閣府は……
○委員長(山本一太君) 総理、時間終わっておりますので、まとめてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 内閣府はまさにこれは規制改革に挑んでいく役割を担っているわけであります。そこでは、そこでは激しいやり取りがあるのは当然のことなんだろうと思います。そこでですね、そこで、私は常に岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めるように常々指示をしてきているわけでありまして……
○委員長(山本一太君) 総理、短くおまとめください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) しかし、本件については具体的に指示をしたり働きかけをしたことは一度もないわけでありまして……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の意思でどうだということを決めることは全くあり得ないということは申し上げておきたいと思います。
○福山哲郎君 委員長、お願いします。
○委員長(山本一太君) 福山さん、終わってください。福山君、時間です。
○福山哲郎君 今のような議論では全く分かりません。
○委員長(山本一太君) 時間です。
○福山哲郎君 本当に疑惑が広がって総理の関与が強くなったというふうに申し上げて、引き続き、閉会しようが、集中審議を求めてまいりたいと思います。
○委員長(山本一太君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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