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2016

第190国会 参議院 予算委員会 2016年5月17日


○福山哲郎君 おはようございます。民進党の福山哲郎です。総理、よろしくお願いします。
 まずは、熊本地震でお亡くなりになられた方に心からお悔やみを申し上げ、被災された方に心からお見舞い申し上げます。
 いまだに震度一以上を観測する地震が千四百六十四回、一万人以上の方が避難され、住宅被害は八万件に上ります。天災は忘れた頃にやってくるではもうありません。阪神・淡路、中越、東日本、そして今回の熊本地震と、僅か二十年余りで我が国は四回も巨大地震を経験しています。天災はいつでもどこでもやってくる時代に入っています。そのつもりで、政府におかれましても是非、縮災、減災に向けてお力添えをいただきたいと思います。
 熊本では、蒲島知事を始め、被災自治体の首長、職員、自衛隊、消防、ボランティアのあらゆる人々の献身的な御尽力に心から敬意を表したいと思います。また、官邸や内閣府の官僚の皆さんも厳しい日々をお過ごしされたと思います。
 私も約一週間前に熊本を訪れました。被災地は日々変化をしますので、若干のずれがあったらお許しをいただきたいと思います。今日は、批判だけをするつもりは全くありません。この補正予算は賛成します。だからこそ、具体的な問題提起をしますので、さくさくと御答弁をください。お願いします。
 まずは、済みません、パネルを見てください。(資料提示)
 左上は、西原村大切畑地区の様子です。ここは、住民が協力し合って救出作業をして、奇跡的に犠牲者が出なかったところです。今は、住民が行政に頼らず瓦れき処理をしています。区長さんからお話を伺いました。
 まずは、丸川大臣、家屋の解体費用を出していただけるとのことですが、当然、農家は家屋の横に小屋や納屋がございます、駐車場もあります。当然これの解体費用も出していただけるという認識でよろしいですね。また、彼らは自力でやっているので、瓦れきの撤去作業を重機をリースしてレンタルしながらやっています。もちろんリース料等も対象になりますね。丸川大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(丸川珠代君) 倒壊しそうな農家の納屋や屋根付きの駐車場であって、生活環境保全上支障を来すおそれがあり、市町村が災害廃棄物として処理を行うものについては、環境省の補助金による財政支援の対象となります。
 また、機械のリース代についても、後日、被災市町村がこの撤去を災害廃棄物処理事業に該当するものであったと判断した上で、その業者との契約を市町村に切り替えるという作業をすることによって補助事業の対象になります。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 そうやってさくさくと答えていただければ地元は喜びますから、それでいいんです。そうやって前向きに答えていただければ被災地は元気出ますから。
 次、二番目の写真は、益城町の被害の出た庁舎の屋上からの様子です。ここは活断層の地帯に当たります。これらの家屋をどうするのか、本当に活断層の地帯なのに家屋を再建するのか、半壊の場合に補強して本当に住むのか、別の場所に移動するのか、庁舎を本当にここに建て直すのか。歴史的な町の中心地だそうで、判断が難しいとのことです。私は地元ではありませんから無責任なことを申し上げませんが、町と県と住民の考えに沿って国がしっかりサポートするべきだと考えます。
 東日本大震災のときには私は官邸にいました。官房副長官をしておりましたが、復興特別区域法を始めとして、税法、都市計画、復興財源、特別立法措置をしました。立法措置を明言しないと、知事や首長は思い切って復興基本方針や計画を作れません。熊本城の復興も阿蘇も中長期にわたる財政支援が必要です。また、一定の地方に権限も与えなければいけません。新生児医療の中心であった熊本市民病院も被災をしました。我々は、このときには地域医療再生基金の積み増しで支援をしました。残念ながら、今その基金は終了しています。
 つまり、総理はヨーロッパで財政出動財政出動と言ってきましたが、一般的な財政出動をする段に当たって決断をされたときに、必ず熊本の財政支援どうするんだ、特別立法をどうするんだという議論になります。
 ここで、総理、熊本については特別立法の準備をしろと、検討を始めろとこの場で指示を出していただけませんか。それならそれなりの、首長も県知事も用意ドンで動き出します。今のままだと、抽象的に財源の面倒を見ますと言っているだけだと、やっぱりそこは、えいやで行けません。そのことについて、総理は、それぞれの大臣に今ここで、熊本の県民の皆さんの前で、立法措置について指示を出したいと、検討したいと、是非前向きにお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としても、熊本県からそうした要望をいただいておりますから、真摯に受け止めております。同時に、既に激甚災害に指定をしておりますし、その上に対する補助等についてはお話をさせていただいている、既に今まで委員会で重ね重ね御説明させていただいているところでございます。
 その中において、それぞれの市町村の財政状況等も丁寧に見ながら、いずれにいたしましても、財政上これによって立ち行かない、あるいは成り立たないということには絶対にしないということは申し上げているとおりでございまして、それが抽象的だということでおっしゃっておられますが、そこは総理大臣として間違いなく、いずれにいたしましてもそういう対応をしていくということでございます。
○福山哲郎君 特別立法を作るか作らないかは一体いつまでに結論を出せるんですか。だって、今いろんな調査をすると。調査はいつまでたったら出て、それで、そのときに特別立法を作りませんという議論になるんですか。特別立法を作って財源措置をするんだったら、税法も含めて、早く言っていただいて早く指示をしないと必要なときに用意ドンでできません。是非総理、指示してください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の段階では、どうか必要なことはちゅうちょなくやっていただきたい、このように思います。私が申し上げておりますのは、それによって財政上大きな負担になって立ち行かなくなることは絶対ないということは申し上げておりますから、それはしっかりとやっていただきたいと、このように思います。
 財政面の支援としては、今般の補正予算等によって当面の復旧対策に万全を期すことにしています。その上で、個別具体的な被害状況や必要となる復旧事業等の内容を詳細に点検、精査し、各自治体の財政状況に丁寧に目配りする中で、国庫補助の拡充強化、これに伴う地方負担に対する地方財政措置の充実等も含めて、更にどのような対応が必要となるかを検討し、必要な財政支援をしっかりと行っていく考えであります。
○委員長(岸宏一君) ちょっとお待ちください、福山先生。福山先生、ちょっと委員長の許可を得てから。
○福山哲郎君 分かりました。
 いや、総理、答えていただいていないんですよ。
 財政措置だけが必要なんじゃないんです。都市計画も、いろんな権限も、いろんなことの権利関係も変わるんです。移転をお願いしたときに、ある程度の強制力が自治体にないと移転をお願いできない。移転するかどうかはそれぞれの自治体のこれからの議論ですが、そういう議論する場も必要なんです。そこに国がサポートして、一緒になってつくっていく機関をつくるのに特別立法が必要だと。財政は当たり前です。そういう特別立法の検討をお願いしますと申し上げているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 何をもって検討とおっしゃっているかは分かりませんが、何をもって検討しているかということについては……(発言する者あり)済みません、ちょっと、私が今答弁をしているんですから、ちょっと黙っていていただきたいと思いますが、質問をされているんですから、それに答えているんですから。それに対しては、熊本県からいただいておりますから、それが必要かということも含めて先ほど答弁申し上げたとおりであります。
○福山哲郎君 少し残念ですね。もう少し思い切って答えていただきたかったです。
 これ、避難所です。こちら側が益城町の最も大きな避難所である総合体育館です。残念ながら、私が拝見した状態では余りいい環境とは言えませんでした。プライバシーありませんでした。情報も余りなくて、食事に並ぶこと一時間半、もう今は改善されたかもしれません。空調もない、今、県が一生懸命準備していただいていることでしたが、熱中症のリスクも出ています。
 我々、東日本のときには、実はこのとき、壁新聞、それぞれが共通の避難所に一斉に配る壁新聞が一番実は情報としてはいいと言われました。SNSは使える人と使えない方がいらっしゃいます。壁新聞ならみんなが見れる。これを益城町の例えば避難所全部に共通して配る、そういったことを生活支援チームで我々やっていました。是非そういったきめの細かい対応をお願いしたいと思いますが、大臣、どうですか。
○国務大臣(河野太郎君) 壁新聞の話は伺っておりますので、なるべく避難所にそうしたもので情報伝達ができるようにということはお願いをしております。また、それ以外にも、SNSその他あらゆる手段を使って情報を出していきたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 今その情報がなかなか行き渡っていないのでお願いしています。
 先ほど、やじで、それは地方自治体の仕事だというやじが委員から飛びました。益城町は庁舎がある意味倒壊して、益城町の職員の方ですら今被災しているんです。そこまでやれないから生活支援チームが必要で、先ほど高市大臣が言われた、いろんな人が応援に行っていただいているんです。だからこそ一元的に管理をして、壁新聞を持っていくということが必要なんです。益城町の情報があっても熊本市と違ったら、そこでまたそごが出る、だからこそ全体を見てくれと申し上げているんです。こういう現場も見ない無責任なやじが非常に私は問題だと思います。
 もう一つは、拠点の避難所です。学校開始に合わせて移動を余儀なくされた方が元々避難していた方と合流をしています。さすがに被災から時間がたっていたのでプライバシーはああやって段ボールで確保されていますが、今度は孤立のリスクが生じています。それから、この避難所は、残念ながら障害者の方の、例えば車椅子や肢体不自由の方の通路、動線が確保されていません。急がなければいけないのも分かりますが、一方では、今年の四月から障害者差別解消法が施行されて合理的配慮の義務が掛かっています。
 こういったことをやっぱり、寄り添ってやるというのは、総理、そういうことです。そのことについて、どうですか、河野大臣。
○国務大臣(河野太郎君) バリアフリーは非常に重要だと思っております。福祉避難所に限らず、なるべくバリアフリー化された施設を避難所に使ってほしいというお願いをしておりますが、残念ながら、そうなっていないところがあるのも現実でございます。
 これから暑くなることを踏まえ、避難所、環境改善をいろいろやらなければいかぬと思っておりますので、その中にしっかりバリアフリーも組み込んでまいりたいと思います。
○福山哲郎君 一般的な段差だけを言っているのではありませんので、そこはよろしくお願いします。まさに合理的配慮を災害のときにいかに行うか、社会や行政が問われています。
 生活支援チームを総理は立ち上げられて、何度も寄り添うという類いの答弁をされています。この生活支援チーム、正式な会合は何回開催されましたか。
○国務大臣(河野太郎君) 十六回やっております。
○福山哲郎君 大臣、正式な会合はいつ何回行われましたか。
○国務大臣(河野太郎君) 生活支援チーム、定義どおりにやっているのは最初でございます。その後は連絡調整グループということで十六回やっております。(発言する者あり)最初でございます。一回です。
○福山哲郎君 結局一回なんです。
 事務の官房副長官が座長、内閣総理大臣補佐官が副座長ですが、このお二人は現地に入られましたか、大臣。
○国務大臣(河野太郎君) 入っておりません。
○福山哲郎君 総理が国会で何遍も寄り添うと言って、生活支援チームを立ち上げたと言われたけど、座長も副座長も、官房副長官も補佐官も一度も現地に入っていない。正式なメンバーで開かれた会議は最初の創設が決まった一回のみ。これでどこが寄り添っているんですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは河野大臣から答弁させますが、今極めて形式論をおっしゃっておられるんだと思いますよ、先ほどもそうでしたが。
 これ、正式な会議というのは、まさにこの官房副長官の下にしっかりとやっていきますよと、そうしませんと、各省庁から集めていますから。しかし、その後は各分担のチームが現地に入って、これ現地にぴったり付くんですから。経験者と、また熊本に土地カンのある人を選んでいます。そこで彼らに権限を与えて、そこで実際に仕事をしているわけでありますから。だったら、正式な会議って、また何回も東京に集めるんですか。それはおかしいでしょう。まさに結果、実質でちゃんと運営されているかどうかということを見ていただいて、重箱の隅をつついて、重箱の隅をつついて何か形式的なことをおっしゃるというのは余り建設的な議論とは言えないのではないでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと皆さん、ちょっと静粛にお願いします。
○国務大臣(河野太郎君) この会合は形式を排して実質的に様々なやらなければいけないことをやろうという会議でございますから、何を何回やったかというのは余り関係ございませんし、副長官あるいは補佐官は、省庁間の分担あるいは何か問題が起きたときの調整役でございます。実際にはかなりの数の国の人間が現地に入って様々そこで物事を決め、調整をしなければいけないものをこちらでやっているわけですから、御批判は全く当たりません。
○福山哲郎君 私たちも生活支援チームつくりました。当初、一週間、岩手の現場に初日、二日目から入っていただいた平野副大臣に事務局長をやっていただいて、当時の仙谷官房副長官、みんな毎日出て、そして、もちろん局長も事務次官も皆さん出席をして、お互いで情報共有して、政治も、そして局長間も対応します。実質は、別に我々否定をしているわけではありません。しかし、そこになぜ座長が、現場も行かない、そして指揮を執れるのか、そこが僕には分からないんです。
 そして、実質でやっているんだったら、じゃ、もうこれ、生活支援チームというのは、正式な、官房副長官や補佐官の入る会はもうやらないでいいということになります。普通はそこでしっかりと何が課題なのかを対応するのが仕事だと私は思っているので、非常に残念に思っています。ましてや、この生活支援チームの中身、何を議論したかも全く実は記録残っていません。これが現実です。だから、生活支援チームで何を議論したか、何が課題だと熊本のことを認識したのかが見えないんです。それは調整はしているかもしれませんけど、そこは官僚がみんなやっています。政治にどうやって上がっているんですか。私は非常に残念に思います。
 次は、被災直後に立ち上がった被災地障害者センターくまもと、日本障害フォーラム熊本支援センターの案内です。
 是非、テレビを御覧の障害者の皆さん、恐縮ですが、何か困り事があったら、この〇九六―二三四―七七二八に御連絡いただきたいと思います。ここは、相談受付、被災ニーズの把握、障害者の何よりの安否確認、情報発信、例えば、視覚障害者の家の片付け、避難所にいる障害者の夜間の見守り、精神ケア、仮設住宅の情報提供とかを具体的にやられています。
 今、被災者がどれほどの数被災して、どういう状況なのかの把握が大変な状況です。ですから、こうやって立ち上げていただきました。こういった場所があることも含めて、河野大臣、障害者に対するケアについて、より一層御努力いただくように注意喚起をいただけませんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 自治体、県、国、あるいはサポートに入ってくださっている様々な団体、NGO、ボランティアの皆さん、連携してしっかりやってまいりたいと思います。
○福山哲郎君 麻生大臣にお伺いします。
 今回の補正予算、仮設住宅は一体何軒お造りするおつもりでの積算でしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 質問通告をいただいていないですね、この件に関しては。いただいていませんね。だから、していないから、担当が違うと思いますので、私に御指名をいただいて大変光栄ですけど、別の方に。
○委員長(岸宏一君) 誰か。
 麻生大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 知らないわけじゃないんですけど、通告をいただいていなかったのでそう申し上げました。
 一万五千戸だと思います。
○福山哲郎君 えっ、答え……
○委員長(岸宏一君) 答えました。
○福山哲郎君 もう一回答えてください。僕の聞いているのと違います。みなし仮設を抜いてください。
○国務大臣(河野太郎君) およそ二千戸でございます。
○福山哲郎君 済みません、財務省、もう一回答えてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもがいただいているのを見ますと、仮設住宅供与数一万五千戸、全壊一万五千棟全ての供与可能と。うち、建設仮設六千三百、うち、みなし仮設八千七百、合計一万五千。間違いないんじゃないですか。
○国務大臣(河野太郎君) 済みません、予算で計上されているのは、今財務大臣から答弁があったとおりでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) だから大臣、二千五百と言ったのは間違いかどうか。
○国務大臣(河野太郎君) 今、建設として、予定として発表されている戸数でございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと今の、二千五百があれですか。ちょっとそこのところ、正確に答えてください。二千。
○国務大臣(河野太郎君) 二千百戸は熊本県が熊本県の予算として建設を発表したものでございます。
 熊本市が三百戸の建設を公表しております。今、十三市町村で千七百二十八戸の建設に着手されたところでございます。残り、美里町と菊陽町においても、今、建設地、配置計画を協議しております。
○福山哲郎君 私が昨日聞いた数字と違うんですけど、六千三百、実は財務省はこれで積算されています。今、千八百から二千造る、着工の手はずになっているわけですが、まだ残りがありますが、この千百、バリアフリー化について、河野大臣、どの程度お考えですか。
○国務大臣(河野太郎君) 通常の応急仮設住宅にあってもバリアフリー仕様となるよう、できる限り配慮すべきとお願いをしております。
 また、段差解消のためのスロープや生活援助員室を配置するなど、高齢者等、日常の生活上特別な配慮を要する複数の者を、利用する施設については、福祉仮設住宅を応急仮設住宅として設置をするようにしております。
○福山哲郎君 お願いは誰にされているんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 熊本県にお願いをしているところでございます。
○福山哲郎君 ちょっと何か冷たい。何か熊本県にお願いをしているとか、バリアフリーのお願いをしているとか、それで本当に都道府県も市町村もやれるだけの今余裕があるんですか。
 これ、実は東日本のときにできている遠野町や、ある意味でいうと非常に評価の高かった釜石のバリアフリーです。子育てゾーンも、それからサポートセンターも、それからケアゾーンも、一般の住宅もみんなあって、向かい合ってちゃんと対応できるような状況をつくっています。
 できれば、こういった知見があるんだから、こういった知見を具体的にお示しをして、こういう方向でやったらどうやという投げかけを国がやらなきゃ一体誰がやるんですか。河野大臣、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、今ちょっと河野大臣の答弁をちょっと誤解されたのではないかと思いますが、お願いをただしているわけではなくて、既に建設型の応急仮設住宅については、当初から我々は高齢の方や障害を持たれている方向けにバリアフリー化された仕様を既に導入しております。この仕様にのっとって、現在、益城町、西原村、南阿蘇村、熊本市、十三市町村において千七百戸の建設を急ピッチで進めているところでございます。
○福山哲郎君 よろしくお願いしたいと思います。でき上がりを楽しみにしています。
 地震地域係数というのがあります。今回、熊本、益城町、八代等、〇・八とか〇・九で、普通の都道府県より地震地域係数が実は小さくなっていました。南海トラフで言われている高知も今〇・九、沖縄は〇・七です。
 この地震地域係数は、耐震の強度に非常に大きく影響します。なぜ、この高知や熊本、沖縄がこうやって普通の都道府県より小さくなっているのか、見直すおつもりはないのか、国交大臣、お答えください。
○国務大臣(石井啓一君) 建築基準法では、一般の二階建て住宅などの小規模な木造建築物については地震係数を用いずに全国一律の方法により安全性を検証しておりますので、普通の住宅についてはそういう地域的な違いはございません。
 その上で、一方、一定規模以上の建築物については地域の状況に応じた地震力を用いて構造計算により安全性を検証しておりますが、地震地域係数はこの計算をする際に用いられるものでございまして、各地域における過去の地震被害の程度、発生した地震の大きさ、地震が起きる確率に関して、過去数百年間の地震記録を踏まえ、定めたものでございます。
 御指摘のとおり、例えば東京都や大阪府では一・〇であるのに対しまして、熊本県内では熊本市益城町では〇・九、高知県では県全体において〇・九となっております。
 この地震地域係数と被害との関係、特に今回の熊本の被害との関係については、当該係数を用いて構造計算を行う一定規模以上の建築物における被害の状況について詳細に分析、検証を行う必要がございます。このため、国土技術政策総合研究所及び国立研究開発法人建築研究所における調査や大学や日本建築学会などの専門家の現地調査の内容も踏まえまして、見直しの必要性も含めて予断を交えずに検討していきたいというように思っております。
○福山哲郎君 検討される可能性があるということなので、何とぞよろしくお願いしたいと思います。静岡などは自主的に一・二に上げて東海地震に備えられております。ですから、沖縄の〇・七と静岡の一・二は強度において相当差があるということでございます。
 その次でございます。いろいろほかにもあるんですが、企業のことについてもお伺いします。
 雇用調整助成金で特例措置を設けていただいたことには心から感謝申し上げますが、例えば、本社がそれぞれあって、本社で雇用保険を一括納付している会社で熊本で被災した場合と、熊本の事業所で雇用保険を納付した場合で、売上げの比率が違っていることで、本社でちゃんと雇用保険をもらっているにもかかわらず、今回の雇調の対象にならないような状況が今起こりつつあります。
 このことに対して、是非、厚労大臣、前向きに弾力的に対応いただけると、不公平が生じますので、前向きな答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 結論的には前向きに考えてまいりますし、もう既にその指示をいたしました。
 これは、本来、事業所単位でこの雇用保険の手続はしなきゃいけませんが、支店とか工場が分散している場合には一括本社でやるということで、便宜上便利にするということで一括でやってまいりました。しかし、それが逆に全体の数字だけ見るということでしゃくし定規なことが起きる、これでは本来の雇用調整助成金の目的を果たしませんから、当然事業所単位で見ていくということで現場に徹底しておきたいと思います。
○福山哲郎君 こうやって前向きに答えていただくと本当に地域の人喜ぶと思います。本当にありがとうございます。
 少し話題を変えます。
 あの安保法制の強行採決から、十、十一、十二、一、二、三、四、五、八か月たちました。私は今でもあの強行採決は断じて認めていません。日本の民主主義、立憲主義をないがしろにしたことへの怒りは日本国中にまだ充満をしています。我が党の吉川沙織議員が議運の中で懸命にあのひどい強行採決について追いかけていただいていますが、今日少しお話をしたいと思います。
 九月十七日の安保特別委員会で強行採決をされて、その未定稿の議事録はこういう形でずっと出ていました。聴取不能です。速記中止、議場騒然、聴取不能。しかし、一か月たって、連休の合間に突然公式な議事録が国民の目の前に出てまいりました。それには何となっていたか。見てください。急に、いろいろなものがあって、先ほどの聴取不能のところから、「本日の本委員会における委員長復席の後の議事経過は、次のとおりである。」、「速記を開始し、」と書いてあります。
 参議院の事務局、「速記を開始し、」と、速記が中断しているにもかかわらず、あと議場騒然になったのに、「速記を開始し、」という文言を入れた、補足をした例が過去参議院の議事録にございますか。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。
 会議録末尾の補足掲載中に速記を開始した旨の記録があるものは、昨年の通常国会、九月十七日の平和安全特別委員会の例、一件だけでございます。
○福山哲郎君 私はあの場にいましたが、どこに附帯決議があったかよく分かりません。これ、附帯決議も実は残っています。
 誰が提案したのか分からない、誰が賛成したのか分からないような附帯決議を補足掲載した例はありますか。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。
 附帯決議の動議提出者の氏名や会派が、速記が聴取不能となり会議録上明らかでない例につきましては、昨年の通常国会、九月十七日の平和安全特の例、一例でございます。
○福山哲郎君 外部の方をお招きした地方公聴会について、派遣委員の報告が委員会になされないまま議案が採決された例はありますか。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。
 地方公聴会のための委員派遣が行われた後、派遣委員の報告が行われないまま議案の採決が行われた例につきましては、昨年の常会の九月十七日の平和安全特の例、一例のみでございます。
○福山哲郎君 外部の方をお招きしての地方公聴会の報告がされないまま議案が採決された例は、去年の一回きり。
 じゃ、その地方公聴会の報告が行われていないのに議事録に掲載をした例はありますか。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。
 地方公聴会のための委員派遣を行った場合において、派遣委員の報告を聴取しないで地方公聴会速記録を会議録に掲載した例につきましては、昨年の常会、九月十七日の平和安全特、一例でございます。
○福山哲郎君 これは議会のことなので国民の皆さんよくお分かりにならないかもしれませんが、ここ、速記中止というふうに言われているということは、議会が一回休憩になったということです。つまり、簡単に言うと、野球でいうとタイムが入ったということです。新たにプレーボールという宣言がないにもかかわらず、いつの間にか、誰か分からないけれども、プレーボールが鳴りましたということにして、さも整然と議事が進んだように書かれているのがこの議事録です。それも、九月の強行採決から十月の一月、ずっと聴取不能のままだったのに、連休の谷間に突然出てきたら、国民の前に出てきたらこういうことになっていました。これはまさに事実をねじ曲げる、歴史に対して背くことになると思います。
 こういった議事録は、私はもう一度やり直すべきだと思いますが、総理はいかが思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、参議院の運営のことでありますから、参議院で御議論をされ、お決めになっていると思います。
○福山哲郎君 総理、何か都合が悪いことがあると国会のことだと言われるのはやめた方がいい。誰が考えても、国民は総理の指示で国会で無理やり強行採決をしたと思っています。そして、都合のいいときだけ国会のことだと言うことは、やっぱりそれは御都合主義過ぎます。それは、悪いけど、国民に対する説明にはなりません。
 じゃ、国会が決めることならば、自民党の国対に、この議事録についてはもう一度精査し直せと、そういう指示を出していただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会のことについては国会に任せる、これは、もう自民党、これずっと結党以来そういう方針でやってきているところでございます。
○福山哲郎君 じゃ、この安保法案の強行採決について、総理は一切国会に指示を出しておられないんですね。採決をしろとか、採決をこの国会中にやれとか、指示を一切出しておられないんですね、国対に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん政府としては、この法案が必要というふうに考えておりましたから、できるだけ早く成立をさせたいという中において答弁を重ねてきたところでございます。
 しかし、議事が熟し、そして終結をしたという判断をされるのは、これはまさに委員会でありますから、委員会の皆さんがこれは誇りを持って独自に決定されてきたことでございます。
○福山哲郎君 事務総長にお伺いします。
 この議事録が十月に掲載されたときに、特別委員会の委員長並びに委員は、理事は存在しましたか。
○事務総長(中村剛君) 昨年の通常国会は九月二十七日に閉会してございますので、当日、九月十七日の会議録が出た時点では特別委員会は存在しておりません。
○福山哲郎君 つまり、国会の判断だと、総理は国会の判断だと言われましたが、国会の委員長も理事も存在していないんですよ。
 じゃ、誰が判断しているんですかね、これ。誰が判断しているんですかね。総理、どうお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 院の事務局がお答えをしていることについて、私は、立法府の、私としてはお答えのしようがないわけであります。
○福山哲郎君 つまり、委員長も存在していないのに、いきなり連休のさなかに一か月たってこういう議事録が国民の前にさらされると。本当に事実をねじ曲げていると私は考えます。
 もっと申し上げれば、我々はもっと審議してほしいと言っていました。そうしたら、あの強行採決、休憩している、速記が中止になっているにもかかわらず、与党の議員がどおっと入ってきて乱闘騒ぎになりました。私は、休憩だったので委員長のところに歩み寄って、何を次の議題にしましょうかと言いに行ったら、いきなり来られました。まさにひどい状況の採決でございました。
 やっぱりこういう国会は駄目ですよ。民主主義を壊すと私は考えます。総理も、総理でありますが議会人でもあられると思います。議会人としてどうお考えになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も千回以上答弁をしてまいりました。防衛大臣も二千回答弁をしてまいりました。これはかなり長い時間を掛けて議論をしたんだろうと思います。その中で円満に採決されることが望ましいわけでございますが、例えば委員長が委員長席に閉じ込められるという事態というのも、これはやはり異常な事態ではないかということは申し上げておきたいと、このように思います。
 静かな雰囲気の中でですね、これはやはり選挙の結果我々は選ばれ、そしてそれぞれ議席が配分されています。その中で、政党に対しても、それぞれ少数政党であっても質問の時間が十分に取れるように我々も配慮をしている中において終結をしたわけであろうと、このように思っております。
○福山哲郎君 私たちは会期末まで審議してほしいと申し上げていましたが、強行採決されて、その次の日と次の日、総理は何されていました。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは休暇を取っておりました。
○福山哲郎君 何をされていました、二日間。強行採決をした次の日と次の日です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは土日でありますから、私はゆっくり静養して体調を整えることが言わば総理大臣としての義務でもあろうと思っているところでございます。
○福山哲郎君 なぜゴルフをしたと言えないんですか。何で言えないんですか。
 私は本当に、国民を本当に私はばかにした態度だと思いますよ、あの強行採決の中も雨の中で国会に何人もの方が来ていただいていましたので。本当にこの強行採決は私はいまだに認めたくないと思いますし、議事録はこういう状況だと。これは日本の民主主義の、立憲主義の歴史を本当に私は壊すものだと思います。
 ほかもありますが、次行きます。
 先日、京都市は、民泊の実態調査を行った結果を発表しました。民泊は規制改革会議があってこれから政府が進めようとしているものですが、調査対象二千七百二件のうち無許可と推測される施設はどれだけあったのか、厚労省、代理で申し訳ありませんが、お答えください。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 京都市が昨年十二月一日から平成二十八年三月三十一日までの間を調査期間といたしまして、八つの民泊仲介サイトに掲載されている施設を対象として行いました民泊施設調査報告書によりますと、同市内におきます調査対象施設数は二千七百二件であり、そのうち旅館業法上無許可と推測されるものは千八百四十七件、六八・四%に当たりますが、であったと承知をいたしております。
○福山哲郎君 何と七割近くが無許可でした。
 じゃ、その中で所在地が特定できた施設はどのぐらいありましたか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 京都市の調査報告書によりますと、調査施設数二千七百二件中所在地が特定できたものは千二百六十件、四六・六%に相当いたしますが、でございました。
○福山哲郎君 半分以下が所在地、特定できていません。
 用途違反の施設数はどれだけありましたか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 京都市の調査報告書によりますと、調査施設数二千七百二件中三百二十二件、これは全体の一一・九%に当たりますが、が都市計画法におきます用途に適合していなかったということになってございます。
○福山哲郎君 京都市に言わせれば全体の九割がほぼ違法状態ということでしたが、京都市の民泊施設実態調査で課題と挙げられている点四点をどうぞ御紹介ください。
○政府参考人(福田祐典君) お答え申し上げます。
 京都市の報告書によりますと、民泊の課題といたしまして四点挙げられてございます。まず第一点といたしまして、民泊施設については無許可営業の施設が多く、宿泊客と周辺住民の安心、安全の観点から問題がある。二点目といたしまして、民泊施設の周辺住民は、施設に対して、誰がどうやって営業しているか不明なことから、具体的なトラブルがなくても不快感、不安感を抱くことが多い。三点目といたしまして、管理者が不在なケースが多いため、宿泊者への適正な管理ができていないと推測される。四点目といたしまして、所在地が特定できない宿泊施設が半数以上存在。
 以上でございます。
○福山哲郎君 この課題をもって、実は規制改革会議は、この実態を把握した上でといって、昨年六月に結論、検討すると言われているんですけど、この実態の把握を規制改革会議としてはどのようにされているんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 厚生労働省が昨年この民泊に関する自治体の取組状況などを調べておりますので、そうしたことを踏まえて実態を明らかにし、政府関係各省で議論をしていただいております。
○福山哲郎君 規制改革会議として、内閣府としては調査はされないんですか。
○国務大臣(河野太郎君) 厚生労働省が調査をしておりますので、内閣府としてやるつもりはございません。
○福山哲郎君 ちょっとあれですね、何か人ごとですね。
 日本国内におけるこのエアビーアンドビーかな、の登録物件数は幾つあるんでしょうか。厚生労働省、お答えください。
○政府参考人(福田祐典君) お答え申し上げます。
 本年三月の規制改革会議公開ディスカッションにおきまして、エアビーアンドビー社が提出をした資料によりますと、エアビーアンドビー社のサイトに登録されております日本国内の登録件数は約三万件であると承知をいたしております。
○福山哲郎君 三万件、すごい数ですが、旅館業法の許可を受けない違法営業は昨年四月以来何件ありましたか。
○政府参考人(福田祐典君) 今申し上げましたこの三万件を対象にした調査という形ではございませんけれども、平成二十七年四月から平成二十八年一月末まで、これは各都道府県などが把握をいたしました無許可営業の件数は九百九十四件であると承知をいたしております。
○福山哲郎君 じゃ、三万件のうち、住所が特定できるもの、所在地が特定できるものは何件ありますか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 今、手元にデータはございませんけれども、私ども、観光庁とともに民泊の在り方の検討会というものをやってございます。そういった中では、いわゆる京都市も含めまして自治体の皆様方から実態のヒアリングを行い、またエアビーアンドビー社を始めといたします仲介事業者にもおいでいただいてヒアリングなどを行い、実際の状況について議論をさせていただいておりますが、そういう中でなかなか、一番の課題はいわゆる所在地の特定が難しいというところが、京都市の方の報告書にもありましたけれども、そういったところが課題になっているということでございます。
 具体的な数字はちょっと今手元に持ってございませんので、申し上げられません。
○福山哲郎君 先ほど厚労省が全国で調査した無許可の営業が九百九十四件、京都市だけで調査したら千八百四十七件あったんです。全国の厚労省の調査より京都市だけの調査の方が大きかったんです、倍以上。
 これ、調査としてまだまだ足りないし、所在地が把握できていないのが、全くできていないというような話が今ありましたが、このことについて河野大臣はどう思われていますか。
○国務大臣(河野太郎君) いろいろな問題があるのが明らかになっておりますので、宿泊する方、あるいは周辺住民の皆様の安全、安心を確保する、騒音やごみの問題への対応など、そうした課題にしっかり対応できるよう、またニーズに応えた民泊サービスが推進できるよう、しっかり各省庁で議論をしていかなければならぬと思っております。
 規制改革会議においてこうした課題について答申を取りまとめ、必要な法整備に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 この厚労省の調査で十分だと思いますか、実態把握は。
○国務大臣(河野太郎君) 様々なところからも各省庁、御意見を聞いて取り組んでいただいていると承知しております。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 河野大臣、じゃもう一度答えてください。
○国務大臣(河野太郎君) 一つの調査だけで何か決めるのではなくて、様々な御意見を聞きながらやるわけでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 福山さん、ちょっと続けて。もう一回質問して。(発言する者あり)
 じゃ、河野大臣。
○国務大臣(河野太郎君) 厚労省がきちんと調査をされたというふうに認識をしております。
○福山哲郎君 これが十分だと河野大臣は思われているんですか。
○国務大臣(河野太郎君) 京都の更に丁寧な調査もあるんだろうと思いますので、そうしたものを使いながら、もし厚労省のものが十分でなければそうしたものを使いながら、あるいは様々な方の御意見を聞きながら議論をするのが大事だというふうに思っております。
○福山哲郎君 ということは、京都は逆に言うと地域の特性もあります、ほかの地域はほかの地域の特性もあります。大臣はもうこれ以上は調査は要らないというお考えですね。
○国務大臣(河野太郎君) 様々な課題にこの民泊というサービスを推進していく中でどう取り組んでいくかということを議論するのが大事だというふうに思っておりますので、各省様々に課題をめぐって議論をしていただいております。早く結論を出していきたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 いいですか、無許可、違法なものが京都市の調査だけで七割、所在地が特定できたものが半分以下、これで議論なんですか、実態把握しているんですか。
 これ、あれですよ、所在地が明らかでないということは、感染症とかの問題の後は、感染経路とか全然特定できないですよ。テロの問題どうするんですか。住民の不安どうするんですか。大臣。
○国務大臣(河野太郎君) こうしたサービスが実態として先行しているのが事実でございますので、そうした今委員がおっしゃったような問題を含め様々な課題がございます。その課題にしっかり対応できるよう、どうしていったらいいかという法整備の議論を今しているところでございますので、きっちりと議論をして進めていきたいと思っております。
○福山哲郎君 いいですか、違法なものを合法化することが規制緩和ではありませんよ。いいですか、間違えちゃ駄目ですよ。課題見付けてちゃんとルール化することが重要なんですよ。河野大臣、どうですか。
○国務大臣(河野太郎君) これまでなかったサービスが出てきているわけでございますから、それをどのようにこの国の経済の中に取り入れていくかというのは非常に大事な課題だというふうに思っておりますので、そのために必要な法整備はしっかりやっていきたいと思っております。
○福山哲郎君 厚労大臣、所在地を明らかにできていないのが半分以上あると厚労省が答えました。感染症対策、厚労大臣、どうされます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来申し上げているように、民泊サービスのあり方に関する検討会で今観光庁と議論を重ねておりまして、委員が御指摘のように、感染症は大変大事なことでありまして、これ今、特区の中で一部認められていることについても、これは保健所がきちっと見るということになっています。
 したがって、今後、六月中にこの取りまとめをすることに……(発言する者あり)よろしいですか、六月中にこの検討会の取りまとめを行う予定で最終報告書をまとめますけれども、それに当たっては、やはり民泊を行政の把握可能な状態に置く、それはテロも感染症も、当然、そしてまた安全性、泊まる方の安全性、さらには御近所に御迷惑掛けないかどうか、トラブルがないかどうか、こういうことを全てやはり考慮した上で、正しい、把握可能な状況、それを、政策を決めていくということでありますから、今委員御指摘の感染症のトレースをすることは大変大事なことだと思って、このことも含めてきちっとした政策をつくりたいと思います。
○福山哲郎君 厚労大臣が今重要なことを言われました。所在地を把握可能な状態にする、それでやっていくんだと、そこまで条件整わないとこれやれないですからね、違法なままでは。
 今月中に閣議決定みたいな話がありますが、まさか今月中に閣議決定するようなことはありませんね、総理。
○国務大臣(河野太郎君) 方向性を規制改革会議でしっかり答申をしていただくようお願いをしておるところでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 閣議決定まで持っていくかいかないかということ、答えてください、もう一回。
○国務大臣(河野太郎君) 答申がいつになるか、閣議決定がいつになるかは決まっておりませんので、お答えすることができません。
○福山哲郎君 お越しいただいているので、竹田会長、よろしくお願いします。
 竹田会長は、いわゆる契約書、それから報告書を御覧になったことがあるのかどうか、中身を確認されたかどうか、お答えください。
○参考人(竹田恆和君) ただいま御指名いただきました日本オリンピック委員会、JOCの竹田でございます。
 参議院の先生方には、日頃から我が国のスポーツ振興に多大な御支援をいただいていること、そしてまた、この八月に行われますリオデジャネイロ・オリンピック、二〇二〇年のオリンピックに向けて御支援、御協力をいただいていることを心からお礼を申し上げたいと思います。また、この招致でも大変皆様方に多岐にわたって全面的に御指導いただいたことを改めて感謝を申し上げたいと思います。
 ただいま先生の御質問でありますが、五月十五日に、契約書、そして成果物に関しては、私、自分で確認をいたしました。
○福山哲郎君 それは、開示をいただくことは可能ですか。
○参考人(竹田恆和君) この契約の内容を確認いたしましたが、守秘義務がございます。ですから、相手に確認せずにこれを開示することはできないというふうに解釈をしております。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 皆さん、お静かに、お静かにお願いします。
○福山哲郎君 会長、新日本有限監査法人から正式に監査を受けたというふうにステートメントが出ていますが、新日本有限責任監査法人とも守秘義務があったんじゃないですか。私、関係者から連絡をいただきました。
○参考人(竹田恆和君) 新日本有限責任監査法人は、この東京招致委員会を監査していただきました。この監査法人には、私どもが監査していただいた点申しますと、組織的な意思決定が行われているかどうか、また契約書が存在するかどうか、そして契約に従って支払が行われているかどうか、それに対する成果物が存在するかということをこの監査法人は確認をしていただいております。
 以上です。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) よろしいですか。
 竹田参考人。
○参考人(竹田恆和君) 監査法人側に守秘義務があったかどうかは、私は現在確認しておりません。分かりません。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 福山哲郎君、どうぞ。(発言する者あり)分からないと言っていますから分からないんだ、これは。いや、本人が分からないって言っているから、これしようがないんだ、これ。
 何か答えられますか。
 竹田参考人。
○参考人(竹田恆和君) 守秘義務があったかどうかは分かりません。
○福山哲郎君 新日本有限責任監査法人からは、守秘義務はあったはずなんですという連絡をいただきました。それから、逆に言うと、コンサルタントの支払については指導、監査を受けた上で送金されていると竹田会長は言われましたが、そういうコンサルはしていないという話もいただいております。
 もう一個、会長、お伺いしたいんですが、このブラック・タイディングス社は現在どうなっているか把握をされていますか。現在どうなっているか把握されていますか。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) じゃ、最後に、竹田参考人、どうぞ。簡潔に。はい、どうぞ。
○参考人(竹田恆和君) ブラック・タイディングス社が現在どうなっているかということは承知しておりません。
○福山哲郎君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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