03/20
2018
第196国会 参議院 外交防衛委員会 2018年3月20日
○福山哲郎君 立憲民主党の福山でございます。よろしくお願い申し上げます。
外交防衛委員会でございますが、お二方の大臣にお伺いします。
財務省における決裁文書の改ざんという前代未聞の異常事態が発生しています。民主主義の根幹を揺るがす大問題だと思います。
まず防衛大臣、実は防衛省は、日報の問題で廃棄をしたと言ったものが出てきたということがついこの間あったばかりでございます。財務省のこの決裁文書の改ざん問題について、内閣の一員として、どういう危機感を持たれているか、どういう国民に対する説明をするべきか、お答えいただければと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘の財務省における決裁文書の書換えについては、これは行政全体の信頼を揺るがしかねない事態であると考えております。財務省は、検察による捜査に全面協力をするとともに、事態の全容を明らかにするため徹底した調査が必要だと、私どもも考えております。
なお、御指摘ありました防衛省の問題でございます。
昨年は、南スーダン日報問題に関して国会から厳しい御指摘も受けました。これを受け、情報公開、文書管理の再発防止策を着実に実施してきておりますが、今後とも、この問題に対して真摯に取り組んでいきたいと思っております。
なお、今回の財務省の問題が発生したことを踏まえ、私どもの方としては、これは他省の問題とすることなく、防衛省・自衛隊においても情報公開、文書管理の重要性を改めて認識し職務に当たるよう、十二日に私から省内幹部に指示をさせていただいております。
○福山哲郎君 あのときも実は、前の大臣とのメモが途中で出てきたりとか、内部調査が非常に曖昧な状況で進んだことによって、不信感がより高まったという状況が起こりました。今大臣からお話があったので、もうこれ以上は申し上げませんが、今の財務省の内部の調査ということ自身が非常にこの間の防衛省のときと類似をしておりまして、閣内の一員として、この問題について危機感を持って、閣議等でも是非積極的にこの問題、真相究明にお力添えをいただきたいと思います。
河野大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 公文書というのは改ざんというのがあってはならないものだと思います。特に、外交の場合には機密文書というのがたくさんございます。また、外交文書というのは相手国とのやり取りを記すものですから、これ、改ざんがあると相手国とのやり取りがきちんと伝わらないということになるということから、他省庁に加えて、もちろんどの省庁でもあってはならないことでありますが、この改ざん問題だけでなく、公文書の管理ということについては、外務省というのは更に気を付けて取り扱わなければならない、機密という面からもしなければならないというふうに思っておりますので、ここはしっかり外務省を公文書管理の面から指導してまいりたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 全くおっしゃるとおりで、外務省は機密の問題がありますから、相手国のこともありますので、より重要だと思いますが、私も核の密約の解明に政権の内部で対応したときに、本当に公文書というのは大変なものだなというのをまざまざと自分なりに感じましたので、今回の財務省の問題は非常に私自身ショックです。ですから、そこは、財務省の問題については具体的には述べられませんでしたが、河野外務大臣におかれましても、閣内においてしっかりとこの問題、真相究明につながるように御尽力を賜れればというふうに思います。
河野外務大臣におかれましては、訪米を大変急な忙しい日程で行かれて、御苦労さまでございます。
北朝鮮をめぐる情勢についてちょっとお伺いしたいと思います。
実は私、トランプ大統領が米朝の会談に応じると発表される二日前の三月の六日に、読売新聞社の安全保障シンポジウムに中谷元防衛大臣と一緒に出席をさせていただいて、専門家の方と議論をしました。そのときに中谷元防衛大臣は、文書がもう残っているので大丈夫だと思いますが、北朝鮮のほほ笑み外交については、米韓、日米韓にくさびを打ち込む狙いがあるのだろうということを明言をされていました。
私も実はそのときにこういう発言をしておりまして、北朝鮮と韓国の急速な接近は韓国の国内問題の要素が非常に強いのではないかと、まあ、選挙も控えているということで。トランプ米政権の不確実性という要素もある、圧力は北朝鮮を対話の場に引き出すための圧力でなければいけない、しかし、日本が置いてきぼりを食らわないよう、政府には日米韓の対話をしっかりしてもらわないといけないと、そのとき発言をしました。
くしくも中谷元防衛大臣と私の問題意識は共有をしていたら、その二日後に米朝の首脳会談の発表がありました。これも正直言うと驚きました。こんなに速い展開があるのかなという思いでした。平昌オリンピックのときには、やはりある種オリンピックというお祭りムードもありますし、文在寅政権は、目の前、選挙抱えていることもあるので、一定のパフォーマンスも含めてオリンピックを利用しているということも重々にあるなと思っておりましたし、河野外務大臣はよくよくお分かりだと思いますが、今の文在寅政権というのは北に対して余り根拠のない楽観論の多い専門家が政府の周辺にいると私は認識しているので、非常にちょっと今対話は、致し方ないのかもしれませんが、ちょっと危ういなと感じております。
特に、南北の合意の中で、これ山本先生から先ほど議論あったのかもしれませんが、朝鮮半島の非核化ということを言っていますから、北朝鮮からの非核化と言っているわけではないので、朝鮮半島の非核化ということになると、米韓同盟の本質的な問題になってくると日本の安全保障に大きく関わってきますので、そういった懸念があって、私は今、河野大臣の訪米を本当に注視をしておりました。
恐らく、アメリカの高官とのお話合いは言えること言えないことありますが、私自身、今のような問題意識で現状を見ておりますので、アメリカに行ってこられた河野大臣として何らかの言及をいただければと思います。
○国務大臣(河野太郎君) ありがとうございます。
共有するところは非常に多いというふうに思いますが、まず、北朝鮮のほほ笑み外交は、やはりこの日米韓の中にくさびを打てるのではないかという思いで始まったんだろうというふうに推測できるかもしれません。
これは、北朝鮮の意図は今の段階では何とも言えないわけでございますが、その一方、日米韓、この北朝鮮の非核化というコミットメント、言葉だけでは制裁を緩めることにはつながらない。これは過去の失敗と言っていいんでしょうか、過去の北朝鮮との対話で、恐らく八十億ドルぐらい北へ流れたのだろうと思います。しかし、その結果、北朝鮮の核、ミサイルの開発は止まることはなかったという失敗を繰り返してはならないというところは、韓国、アメリカ、日本、共有をしているというふうに今思っております。
日米韓、何がこの会談で出てくるかは分からないけれども、具体的な行動がない限り制裁は緩めない、圧力を緩めることはないということですから、会談をしても国際社会が損をすることはないというのが今の共通認識であります。
その上で、恐らく南北は板門店ですから、これは行われる可能性が非常に強いんだろうというふうに思っております。米朝の会談は、まず、どこでやるかというところも大きな一つの議題になるわけでございますから、予定どおりにどこまで物事が進むかということを含め、これはなかなか、これから見なければいけないことだと思いますが、四月には総理も事情が許せば訪米し、この問題について直接トランプ大統領とやり取りをする、あるいは日韓の電話会談というのもございましたが、私もワシントンで康京和長官と様々、北朝鮮問題でやり取りをやらせていただきました。
韓国、アメリカ、日本、極めて緊密にこれからも連携を取り、くさびが打ち込まれるというようなことにならないようにしっかりと連携をしながら、この北朝鮮の非核化を目指してまいりたい。
特に、御指摘いただきました在韓米軍については、在韓米軍の維持というのは、日米韓、そこは全く必要であるということで認識を共有しておりますし、米韓の軍事演習についても、これは行われるという認識を共有しておりますので、そこについてそごは現時点は全くないというふうに申し上げてよろしいかと思っております。
○福山哲郎君 そごはないと信じたいと思っておりますが、この南北首脳会談を経て、米朝の首脳会談があるという発表について言えば、本当にどの程度のコミュニケーションが事前にあったのか、事前通告あったのかも含めて、これは皮肉ではなくて、少し懸念をしています。
これ南北の首脳会談が、事務的な協議は北と韓国はかなり進むと。一方で、米朝の首脳会談がどの程度事務的に詰められるのかと。ましてや、事務的に詰めたものをトランプ大統領がどの程度それを受け入れてそこに臨むのか、もうその場の出たとこ勝負になるのかというのも、正直言って、それは河野大臣にとっても見えないところだと思いますが、そこで、本当に米朝の首脳会談が行われて、日本にとって非常に不利益な結果が出ても、そこは後戻りできなくなるので、そこを私、かなり心配しております。
ですから、まず、それをどういうふうにトランプ大統領に対して、総理が訪米されるという御意向があるというのも理解をしますが、懸念材料はたくさんありますので、抽象的で同じことを言って申し訳ないですけど、本当に、日米韓は重々に本当に本質的に言葉だけじゃなくて連携をしていただかなきゃいけないと思いますし、こういうときこそ、逆に言うと、中国に対するコミットも大事だと思いますので、今回、この問題について中国はどの程度関わったかについては余り報道がありません。私も実態のところ分からないので、そこら辺、御留意をいただいて御尽力いただきたいという問題意識をお伝えさせていただきました。どうぞ、大臣。
○国務大臣(河野太郎君) 米朝については、いまだ北朝鮮が何にもアナウンスをしていないということについて日米で懸念を共有していると申し上げてもよろしいと思います。
もう一つ、この韓国の特別使節団からブリーフィングを受けたトランプ大統領がまず最初に安倍総理に電話しようと言って、その場で電話をすることを命ぜられ、日米の首脳会談になりました。そこでもやり取りがありました。
ということで、少なくとも、北朝鮮の問題について、日米の首脳の認識は相当程度今の段階で一致をしていると申し上げてもよろしいと思いますし、私が今回お目にかかりましたペンス副大統領、マティス国防長官以下、アメリカの政権内の認識は確実に一致をしていると申し上げてよろしいというふうに思いますので、おっしゃるように、これから何が起こるか分からないという懸念は確かにございます。そんな中で、国際社会が一致してこの問題に当たるということが大事だと思いますので、来るべく日中韓サミットでもこれが話題になることも想定はされると思います。
また、ラブロフ外務大臣が明日訪日し、日ロ外相会談ということになりますので、そこでもロシア側の考え方を確認をしてまいりたいというふうに思っております。予断を持たず、しっかりと対応できるようにしてまいりたいと思います。
○福山哲郎君 ロシアとの会談もよろしくお願いします。ラブロフ外相というのは、もう長いし、タフネゴシエーターだし、もう本当に御苦労される会談だと思いますが、御健闘をお祈りします。
防衛大臣、先ほど若干話が出ましたが、委員会視察で沖縄に我々行かせていただいたときに、普天間第二小学校の運動場に、現場に行ってまいりました。昨年からのヘリの墜落、部品落下等の事案は十四件で、今年に入ってもあるということで、異常事態だと、これも思っています。
二度目の飛行のときに、さすがにノータムを出したと。ノータムはどういうもので、どういった内容だったか、お答えいただけますか。
○政府参考人(深山延暁君) ノータムの内容のお尋ねでございます。まず、私からお答えを申し上げます。
ノータムと申しますのは、一般に航空機の安全飛行のために関係機関が出す情報と承知しております。米側からは、二月二十六日、手順を見直す間の暫定措置として、普天間飛行場を離発着する部隊を対象に、普天間第二小学校上空を最大限可能な限り避けることを確実に周知するための航空情報、これをノータムと称しておりますが、これを発行したとの説明を受けました。
具体的内容をかいつまんで申し上げますと、これは米国の連邦航空局のウエブサイトに出ているもので、ややちょっとテクニカルな英語を日本語に訳したものを数字を省いて申し上げますと、航空機は普天間第二小学校の上空飛行を避けること、外来機の搭乗員は追加情報を得るため現地の業務隊にコンタクトする前に普天間基地業務隊にコンタクトすることと書かれております。時間は国際標準時でありますが、日本時間に直しますと、二〇一八年二月二十六日十時十四分から二〇一八年五月二十六日二十三時までという内容で発出されております。
ノータムは基本的には短期的な情報でございますので、そのために取りあえず三か月という期限を切ったというふうに承知しております。
○福山哲郎君 これまでノータムが出されたことというのはあるんですか。ヘリの事故とか、この沖縄の問題についてこういったノータムが出た例はあるんでしょうか。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。
これまでノータムが発出されたことはございます。しかし、これまでのノータムの発出というのは、例えば何日にパラシュート降下訓練を行うためのノータムなどが出ておりまして、学校などの上空にノータムを出したという例は承知しておりません。
○福山哲郎君 じゃ、日本側からこういった飛行制限みたいなノータムを出してくれと要請をしたことはあるんですか。
○政府参考人(深山延暁君) 学校の上空を避けるためのノータム、普天間第二小学校を含む学校の上空等を回避するためのノータムの発出を求めたということは、これまで私ども具体的にいたしたことはございません。
○福山哲郎君 今回のノータムが一定の、例えば上空を飛行することの制限につながるんだとしたら、こういったノータムを出すように今後アメリカに要請をするということが非常に重要な要素だという点が一点。
それから、五月の二十六日に期限が切れていますが、本質的な状況は変わっていませんし、子供たちの上空、非常に危険な状況も変わっていませんので、この二十六日までのノータムを延長してもらえるように要請するべきではないかというのが二点。
三点目は、緑ケ丘保育園も実はこの間落ちてきて非常に危ないので、このノータムの発出ということを、こういったことが起こってはいけないんですが、再発防止も含めて、それから子供たちや近隣住民の皆さんの安全も含めて、こういったノータムを発出することを要請をしていくということを具体的にやっていくべきではないか、三点。
この三点についてお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、ノータムの発出であります。これは今回米側が自主的な措置として発したということでありますが、ノータムは、今委員の御指摘がありますように、元々はパラシュート降下訓練をするので、この時期とか、かなり限定的な時期ということになりますので、私どもとしては、これは普天間第二小学校の上空を飛行しないことが重要だということでありますので、ノータムはノータムとして、その本質は、これはずっと飛行しないということが大事だと思っています。ただ、ノータムがもし有効であれば、それは今後米側としてどのような対応を取っていただけるか、これは私どももしっかりお話をしていきたいと思っています。
それから、今言った緑ケ丘の保育園の件でありますが、このことについては、今その落下した物質等がどのような事態であったかということが米側で調査中と把握をしておりますが、いずれにしても、御父兄の皆さんからかなりの署名等も防衛省もいただいております。私どもとして今後ともしっかりこの問題は注視していきたいと思っております。
○福山哲郎君 終わります。
03/19
2018
第196国会 参議院 予算委員会 2018年3月19日
○福山哲郎君 立憲民主党の福山でございます。よろしくお願い申し上げます。
安倍政権は国会で全く真実を語らない、ごまかし通せればそれでいいという姿勢が国民に分かってしまいました。この決裁文書改ざんは、国会審議の信頼と前提を覆す前代未聞の異常事態であると考えています。財務省の理財局だけで責任を押し付けるなどということはあってはならないと思います。
総理、総理経験者である麻生財務大臣は、私、残念でした。麻生大臣が適材適所と言っていた佐川前長官を、手のひらを返したように佐川、佐川と呼び捨てにして、理財局の一部でやったと責任を官僚に押し付けようとしています。総理は去年と全く変わらない。指示していない、安倍昭恵総理夫人は言っていないと答弁を繰り返すだけです。ちょっと格好悪過ぎませんか。日本の宰相論として、私は今の姿勢を非常に残念に思います。私は、今回のこの問題は、防衛省の日報問題も、加計学園の文書を怪文書扱いしたことも含めて、本当に安倍政権の姿勢が問われていると、まずそのことを御認識いただきたいと思います。
太田局長、あなたは、三月の二日に朝日に記事が出てから、私の質問に別の文書があるかどうか答えられないと極めて不誠実な答弁を繰り返しました。議論になっています五日に国交省が別の文書を届けられているにもかかわらず、十二日まで国会においてもそのことを何も明かしませんでした。理財局長が言われている、きちんと自分たちで調べるだけのことを調べないと捜査機関に協力はいただけない、できるだけこういう文書があるはずだという、文書を提出しているはずだということを確認した上で大阪地検にお願いしたと言われていますが、これは大阪地検に確認をしたら、相手がこういうことを要請をしたことですか。お答えください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
委員からはこれまでの委員会でいろいろ厳しい御指摘をいただいておりますので、それを承知の上でお答えを申し上げますが、基本的に、我々として、我々はやっぱり捜査を受ける立場なので、一方で捜査に全面的に協力する立場なので、そういう中で、捜査機関にお願いをするにはということで、我々なりに考えた、これまでのいろんな意味での捜査機関との関係も含めて考えた結論でございます。
○福山哲郎君 じゃ、お伺いします。財務省は資料を強制的に押収されたのか、任意提出したのか、どちらかお答えください。
○政府参考人(太田充君) それは、基本的に捜査の先方がどうされたかということなので、それをお答えするのは良くないんだろうというふうに思っております。
○福山哲郎君 刑事局長、刑事局長は地検の立場として、こういったことに対して何らかの制限を加えることに対して、法的な根拠や制限を加える権限は、刑事局長、ありますか。
○政府参考人(辻裕教君) ただいまのお尋ねでございますけれども、ちょっと御趣旨を測りかねるところもございますけど、捜査機関が具体的にどのような活動を行ったかという点でございますれば、その点はお答えを差し控えたいと存じます。
その上で、財務省におかれまして、あるいは関係行政機関が国会でのお求めに対してどのように御説明をなさるかということにつきましては、各行政機関において御判断いただくものと承知しております。
○福山哲郎君 そうなんですよ。二言目には捜査だ、捜査だと言っていましたが、それは、大阪地検はそんなことを制限する根拠もなければ、それを要請もしていません。言うなれば、今回の問題の根本であるそんたくをまたしているということです。それを国会の隠れみのにしているということだと思います。私は問題だと思いますよ。
太田局長、今の刑事局長の答弁を聞かれて、もう一回聞きます、強制的に押収されたのか、任意提出したのか、どちらですか。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
捜査において、いつ、どういうものをというのは根幹の部分だと思っております。そういう意味では、我々は全面的に協力する立場としてお答えするわけにはいかないと思って御答弁を申し上げております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(太田充君) 今ほどの御質問は、要すれば捜査支障をという話につながるというふうに私どもとして考えていますので、全面的に協力する立場としてこの件はお答えをいたしかねるというふうに考えてございます。
○福山哲郎君 刑事局長、今のことは地検の捜査に関係するんですか。それは刑事局長が判断するんですか。地検はちゃんとそのことに対して制限をする根拠を持っているんですか。
○政府参考人(辻裕教君) 先ほどお答え申し上げたとおりでございまして、捜査の支障の有無を含めまして、国会からのお求めに対してどのような御説明をなさるかというのは各行政機関で御判断いただくことではございますけれども、捜査機関の立場で申し上げましたら、ただいまのお尋ねは具体的な事件に関する捜査機関の具体的な活動内容に関することでございますので、法務省の立場としてはお答えを差し控えさせていただきます。
○福山哲郎君 財務省、ここは国会の場ですからね、国政調査権のある。ヒアリングの場では、財務省は任意だと答えているんですよ。何で国会の場で答えられないのか、お答えください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
国会の場は、私どもとして正式の場として当然お答えをしております。そのヒアリングの場云々という話は、それでやられますと、我々は国会での答弁あるいは国会での質疑ということの意味が違うと思いますので、我々は国会に対して正式にお答えを申し上げているつもりでございます。
○福山哲郎君 じゃ、国会議員のヒアリングの場で任意だと答えているものを国会で答えられない理由は何ですか。
○政府参考人(太田充君) 国会では、我々責任を持って御答弁しないといけない立場でございます。そういうことでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
先ほどの発言で失礼なことがございました。申し訳ありません、おわびをまず申し上げます。
その上で、国会の場であれ、あるいは野党の皆様のヒアリングの場であれ、私どもとしては誠心誠意お答えをするという態度で臨まないといけないし、そういうつもりでございます。
その上で、その上で、この件は私ども捜査を受ける立場、全面的に協力する立場として捜査の支障に関わることでございますという判断をしておりますので、私どもとしてお答えは差し控えさせていただきます。
○福山哲郎君 じゃ、もうイエスかノーで答えてください。
財務省は押収品目録交付書を持っていますね。イエスかノーですよ。
○政府参考人(太田充君) それも基本的に捜査の支障に関わることだと思っておりますので、お答えはいたしかねると思っております。
○福山哲郎君 刑事局長、もうイエスかノーかで答えてください、時間ないから。
任意であれ強制であれ、大阪地検はあれですよね、押収品目録交付書出していますよね、財務省に。イエスかノーかでお答えください。
○政府参考人(辻裕教君) 一般論として申し上げますと、押収をした場合には、その所有者、所持者、保管者又はこれらの者に代わるべき者に押収品目録を交付することとされているところでございます。
○福山哲郎君 これ、押収品目録の紙なんですね、全部細かく出るんです、本当は。で、これ出したくないと言っている。これも別に、押収品、何が押収品だったかなんというのは、別に捜査関係ありません。
それと、先ほど申し上げているように、捜査だから出せないというのは地検が言っているんじゃありません。彼らが判断しています。つまり、彼らは、捜査を盾に本当に情報を出さないようにまだしている。これ、押収品目録があるということは、何を大阪地検に持っていかれたか全部分かっているんです。
太田局長の言われている、自分たちで調べられるだけのことを調べないと捜査機関には協力をいただけない、できるだけ、こういう文書があるはずだ、こういう文書を提出しているはずだということを確認した上で。こんなの確認する必要ありませんよ、目録付いてきているんだから。交付されているんでしょう、太田さん。交付されているんだから、それを見れば大阪地検に何があるか一発で分かるんじゃないんですか。四日も五日も掛からないでしょう。
国会にうその、また相変わらず前の、改ざんした後の文書を出してきて、国交省から言われているのに官邸にも何も報告をしないでやらなくたって、目録が出て、交付書があるわけでしょう。そうですよね。何時間もしなくたって、それ見れば、何が地検にあるか、あなたは分かっているはずですよね。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
何がということは、要するに、私どもとして必要なものが何か。要すれば、オリジナルのものが何かということを調べた上で、特定した上でそれをお願いしないといけないということで私は答弁を申し上げております。
○福山哲郎君 もう一回聞く。
押収品目録交付書には、じゃ、改ざん前と改ざん後の文書、ちゃんと載っていますか、載っていませんか。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
今ほど申し上げましたとおり、押収品目録云々の話を御答弁申し上げるのは差し控えますと申し上げた上で申し上げますけれども、基本的には、書換え後のものは当時私ども、財務局としては正式のものだと思って、そういう意味では、ある意味での当然のようにきちんとといいますか、そういう対応ができるわけです。そうでないものは、ある意味では非公式の状態のものでございますので、そういうものはまた違う扱いでございます。
○福山哲郎君 何言っているのかさっぱり分かりません。
委員長、理事会でこの押収品目録交付書の提示を求めたいと思いますので、資料請求しますので御検討ください。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○福山哲郎君 全くもって反省のかけらもない。
昨年の二月から三月にかけて答弁をされていました。太田理財局長は、決裁文書は改ざんは二月の下旬から四月だと言われていました。ということは、二月から三月の答弁は、基本的には前の、元の決裁文書を共有して理財局では答弁書を作っていましたね。イエスかノーか、答えてください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
基本的に、その当時の決裁文書を前提に答弁書を作るというのが当然基本だと思っております。
○福山哲郎君 ということは、あの改ざん前のいろんなことが書いてある文書を理財局は共有して答弁書を作っていました。この改ざん前の決裁文書の存在は菅官房長官も御存じでしたよね。
○国務大臣(菅義偉君) 私は承知しておりませんでした。
○福山哲郎君 ごめんなさい、官房長官、二月の二十四日、昨年ですが、基本的には決裁文書については三十年間保存しているわけでありますから、そこにはほとんどの部分というのは書かれているんじゃないでしょうかと官房長官が会見で言われているんです。それで、さらには、私もあの説明を受けましたけどと言って、ちゃんと秘書官から説明を受けていることになっているんです。このときには改ざんしていませんから。
改ざん前の文書を、官房長官、もう一回聞きます、基本的に御存じでしたよね、改ざん前の文書があることは。
○国務大臣(菅義偉君) 知りませんでした。
○福山哲郎君 知っていますって。だって会見で言われているんだから。
いいですか。これ、答弁作っています。それぞれ、理財局だけじゃありません。総理に関係する官房長官、財務大臣、みんな財務省の秘書官付いています。みんなこの改ざん前の文書を前提に答弁書いています。当然、総理に直接言ったかどうか分かりません、官房長官に直接言ったかどうかも分かりませんが、財務省の秘書官は官邸も含めてこのことは共有していますね。
○政府参考人(太田充君) 決裁文書を前提として担当補佐なり係長は答弁書を作るという作業はしていると思います。しかしながら、その決裁文書の事細かいところをそんなに秘書官が共有しているとは到底思えないということでございます。
○福山哲郎君 このときは、安倍昭恵総理大臣夫人が関わっていたり、実は籠池さんがテレビに出るかどうか、インタビューを受けるかと大騒ぎになっていたときです。当然秘書官同士ではどうなっているんだと確認するのは決まっているので、これを言ってもどうせ水掛け論になりますが、私は官房長官の二月二十四日の会見の発言は重たいと思いますよ、いろいろ聞いているとおっしゃっているわけですから。
それで、次行きますね。
二月二十四日、官房長官は、先ほど申し上げたように、決裁文書の存在も認めています。実は、三月二日、佐川局長も決裁文書の存在も認めているんです。決裁文書というのは改ざん前ですよ。
それで、私は理事会にこれを出せと言いました。当然ですよね。決裁文書だから出せる文書のはずです。なぜ三月の二日に理事会で求めたものが国会に出てこなかったんですか。
○政府参考人(太田充君) 国会で御論議があって、その後、特定をしていただいて、マスキング等の作業をしてということでございます。
ただ、委員のおっしゃっていることは、恐らく売払い、どちらかが五月で、売払いが五月で貸付けが十一月だったと、それが遅いということだと思います。それは……(発言する者あり)さようですか。申し訳ありません。
○福山哲郎君 マスキング見ました。ほとんどありません。こんなのに半年以上掛かるなんてあり得ません。
会計検査院、お伺いします。会計検査院が、三月の六日、特定事項調査でこの院で議決をしました。財務省から会計検査院に決裁文書が提出されたのはいつですか。
○会計検査院長(河戸光彦君) 財務省が三月十二日に公表しました決裁文書についての調査の結果において、書換えが行われていた決裁文書十四文書のうち、会計検査院が国土交通省から提出を受けた書換え前の文書は貸付決議書二文書でございますが、会計検査院は財務省及び国土交通省から昨年の四月下旬にそれぞれ提出を受けております。
○福山哲郎君 それは改ざん前ですか、改ざん後の文書ですか、どちらですか。
○会計検査院長(河戸光彦君) お答えいたします。
書換え前の文書でございます。(発言する者あり)大変失礼いたしました。間違って答弁いたしました。書換え後の文書でございます。
○福山哲郎君 四月の下旬に会計検査院に書換え後のいわゆる改ざん物を提出しているんです、財務省は。このとき、財務省の中で会計検査院に改ざん後のものを提出しようと意思決定したのは誰ですか。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
それは、今回の書換えを行って、誰がどういう役割をしてということとある意味で類似する話でございますので、まさにそれは今調査をしているというところでございます。
○福山哲郎君 それはおかしい。あなたは、国会に誤解を招くかもしれないから改ざんをしたと言っている。会計検査院は全く別の、院の要請でしているんだから、今の話は違う。会計検査院に改ざん後の文書を提出しようとするのは役所同士の話ですから。
行政機関として、会計検査院法上で求められている、ましてや院の要請で求められているものに対して、改ざん後のものを出すと意思決定したのは誰かと聞いているんです。
○政府参考人(太田充君) それは、基本的には、書換えをすると、あるいは書換えを行った者ということになるわけですから、そういう意味で、先ほど申し上げているとおり、基本的に今回の書換えを誰がどういう役割をしてどういう責任を負ってやったかということを調査をしてお答えを申し上げると言って申し上げているつもりです。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
会計検査院には、様々な資料の御要求があるわけですが、その時点において、その要求をいただいた資料の局として正式なものだと思っているものを提出するということになるわけです。そうすると、そういう資料を作った者の、責任は誰かということになるということを私は申し上げているつもりでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) まだ指名していませんから、福山さん。
○福山哲郎君 何言っているんだかさっぱり分かりません。
これ、二月から四月に改ざんをしたということを皆さん認めているんです。四月に会計検査院にその改ざん物を提出しているんです。そんなの、理財局長佐川さん、知っていたと思うのレベルじゃないじゃないですか。みんな答弁のときだってこれ共有しているんですよ。みんな、安倍昭恵夫人のことが書いてあることも、政治家が関与していることも、ごみのことがいろいろ大変だったことも、全部みんな共有して答弁書いていたんですよ。さっきおっしゃったじゃないですか。それで改ざんをして会計検査院に提出しているんですよ。理財局長関わっていないわけないじゃないですか。
理財局長は知っていたとか知らないのレベル超えていますよね、太田さん。会計検査院に提出するときに理財局長に了解もらわないわけないですよね、決裁文書。どうですか。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
検査院に提出するときに一つ一つ何らかの決裁を取らないといけないというような、そういうシステムにはなってございません。
ただ、委員のおっしゃるように、私どもも御答弁申し上げているつもりですが、そのときに当時の局のトップは佐川局長であったこと、それから国会の答弁との関係、その国会の答弁をやっていたのは佐川局長であったことから、その関与は大きかったのではないかというふうに御答弁を申し上げているということでございます。
○福山哲郎君 今、実質的には認められたと思います。
それで、実は二月の二十日ぐらいから、下旬から改ざんされていたと聞いているんですが、実は二月の二十日、籠池さんはしばらくの間、行方をくらまします。これは、証人喚問の発言によれば、財務省の指示で十日ほど隠れてくれと言われていました。
皆さん、誤解あるかもしれませんが、この頃はまだ籠池さんは安倍総理を信じていました。二十日の私はラジオ番組の籠池さんの状況を全部見ましたが、安倍総理に対する批判はほとんどありませんでした。まだ小学校ができると信じていたかもしれません。
理財局が籠池さんに十日ほど行方をくらませという指示を出したというのは事実かどうか、お答えください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
それは多分、当時の頃に確認をせよということで確認をしたということだと思いますが、そういう事実は確認されていないというふうにお答えをしているというふうに承知をしております。
○福山哲郎君 これは、籠池さんは証人喚問でお話しされていますので、理事会で、当然、佐川理財局長の証人喚問を求めたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
○福山哲郎君 続いて申し上げます。もう一枚のペーパーを出してください。
もう時間がないので、国民の皆さんにちょっとイメージだけつかんでいただきたいと思いますが、これ実は今回、経緯のところで、削られたものと、赤字が安倍昭恵夫人の表記と、残った改ざん後のものがあります。実は、残った改ざん物ってこれ黒字です。青字が全部削除されています。そして、安倍昭恵総理大臣夫人のフェイスブックとか等で森友学園に関わられたことが赤字になっています。全部の実はプロセスのところのどこかの場面で安倍昭恵総理大臣夫人が関わられています。そして、その青字が全部削除されています。この削除の仕方、私、ひどいと思いますよ。
総理、これやっぱりどう見ても、総理が、安倍昭恵総理夫人は言っていませんと言ったって、それは国民、納得できませんよ、ねえ。納得できないと思いますよ。今の話もそうでしょう。これ、財務省、全く誠実に国民に説明する気ないですよ、先ほどの答弁から見ても。
私、非常に問題だと思いますよ。現実問題として……
○委員長(金子原二郎君) 福山君、時間が来ておりますので、質問をまとめてください。
○福山哲郎君 会計検査院に改ざん物を出したということ自身が問題だと思いますし、私としては、ここに関わっている迫田前理財局長、それからもう一つだけ申し上げます、改ざん物で徹底的に削除されているのは、ごみの処理に関わったと言われている前の籠池さんのところの弁護士です、代理人です。
○委員長(金子原二郎君) 次の質問者の時間がありますから。
○福山哲郎君 このことも全く改ざんのところからは削除されています。
このことも含めて、まだまだこの問題は根が深いと思いますので、引き続き国会の場でしっかりと調査をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○委員長(金子原二郎君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
03/19
2018
予算委員会で質問
参議院予算委員会の集中審議が行われ、福山が質問に立ちました。
大阪地検から交付された押収品目録の提出を求めるとともに、当初の国会審議では改ざん前の決裁文書をもとに答弁書が作られていたのではないかと指摘しました。
当時の理財局長である佐川氏の証人喚問の必要性が一層高まりました。