06/17

2017

候補者公募説明会を開催


「民進党京都府連 党員・サポーター集会 候補者公募2019説明会・国政報告会」を開催し、大変多くの方々にお集まりいただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

20170617府連公募

 


06/16

2017

第193国会 参議院 予算委員会 2017年6月16日


○委員長(山本一太君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 民進党・新緑風会の福山でございます。総理を始め閣僚の皆さん、よろしくお願い申し上げます。
まず、冒頭でございますが、非常に残念なことが与党自民党からありましたので、一つ国民の皆さんにお知らせをしておきたいと思います。
今日、実は、予算委員会、これ三月の終わり以来の久しぶりの予算委員会ということで、今、加計学園の問題が大変国民の関心も高いということですので、野党としては前川前文科省事務次官の参考人招致をこの予算委員会に求めました。残念ながら、またもや自民党が拒否をしました。前川前事務次官は民間人でいらっしゃいますけれども、実はこの通常国会に予算委員会、来ていただいております。なおかつ、御本人も、参考人も証人喚問も出席の意向があると言われているにもかかわらず、呼ばない理由はないんですが、理由も明確にされないまま、自民党は参考人の招致を拒否をしました。これは強く抗議をしたいと思います。
一方で、共謀罪の審議の法務委員会は、与党が全会一致の原則を崩して多数決で刑事局長を参考人にずっと居続けさせるという、これも憲政史上例にないことをやられました。片方では刑事局長を陪席、多数決で決めて、片方では前川前事務次官、この国会に、この通常国会に来ていただいている方にもかかわらず拒否をしたと。非常に凸凹の対応だというふうに思っておりまして、非常に残念に思います。
それで、総理、国会がお決めになることだと言われるのは重々分かるんですが、やはり総理がいろんなところで、総理の御意向だとかいうことで、前川前事務次官は間違いなく総理の御意向があったと、それから文書の存在も認められたわけです。これは、総理が今言われていることと真っ向から対立します。例の森友学園の籠池さんのときには、総理を侮辱したといって証人喚問をやられました。前川前事務次官は侮辱はされていないと思いますが、総理の今の主張とは真逆のことを言われています。
やっぱり、こういう場で総理が身の潔白を証明する場合に、前川前事務次官を国会に呼んで、参考人として来ていただく、若しくは証人喚問すると。総理としても、自民党の総裁でいらっしゃいますから、国会がお決めいただくんだといういつもの答えではなく、少し前向きにお答えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 真逆ということではないんだろうと思いますが、いずれにせよ、これはもう福山委員が重々承知の上で質問されているということも私も分かっておりますが、まさにこれは院の方で、また委員会の方でお決めになることでありますから、行政府の長としてそれに対して指示をするということが今までもなかったわけでございますので、これはまさに国会においてお決めをいただきたい。国会においてお決めをいただければ、我々はそれに従っていくことは当然のことであろうと、このように考えております。
○福山哲郎君 行政の方で決めたことはないということを言われるから国民は白けるんです。この間の強行採決、中間報告という名の審議打切り、強行採決だって、それは官邸の意向が強く働いていると世間はみんな思っているわけです。
やはりそういうことを言われるから国民の皆さんは白けるというふうに思いますし、まあ理事会で、委員会で決めていただければ呼べばいいとおっしゃっているので、是非、自民党の皆さん、与党の皆さんは参考人招致に賛成をいただきたく思います。
続いて、総理、前川前事務次官ですが、前川氏を文科事務次官に任命をされたのはどなたですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ちょっと私も記憶が余り、事務次官を、様々な事務次官が内閣でそれぞれ任命されておりますから、一々私もそれは承知をしていないところでございます。
○福山哲郎君 別にここで僕は総理を、何か知らないのかみたいなことを言うつもりは全くありませんが、内閣人事局の制度になって、普通、任命権者は一義的にはもちろん文科大臣です。しかしながら、今は任命協議というのがあって、そこは総理と官房長官と文科大臣と三人で協議をして最終決定になって、任命されるのは文科大臣ということになっています。
ですから、総理と官房長官と文科大臣が協議をして事務次官は決まります。もちろん前川前次官は安倍内閣での任命ですが、それでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 形式的なものでありますから、言わば協議ということについて私は全く記憶がないわけでありますし、基本的に大臣から言われたものを事実上ほぼ全て認めてきているところでございますが、前川次官が安倍内閣、もう安倍内閣も四年続いておりますから、恐らくその間に任命されたのだろうと、このように思います。
○福山哲郎君 今の答弁はちょっと問題で、内閣人事局の制度になっていますから、総理も官房長官も十分意思決定者です。
それで、私は思うんですけど、どうですか、やっぱり自分の時代の事務次官、文科省の事務次官というのは、やっぱり僕は、それぞれ本当に、国家公務員試験を合格されて一生懸命国のために尽くしてこられた人です。総理にとっても、やはり事務次官ですから、一緒に仕事をされてきた方です。その方が、この加計問題に対して総理の意向を感じざるを得なかったと、それから文書の存在はあると、あるものをないとは言えないといって会見等をされました。一緒に仕事を安倍政権の中でやって、半年とはいいながら事務次官に任命をされた人がこういうことを言われる事態について、総理はどう思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 前川前次官も、これは日経新聞のインタビューにおいては、これは政策的なことなので政府の意向は関係ないという趣旨のこともおっしゃっておられるというふうに承知をしておりますが、いずれにせよ、先ほど山本大臣と阿達議員とのやり取りの中にあったように……(発言する者あり)ええ、先ほどですね。どのようにそれぞれの、言わばこれ、前川次官と私が議論したということではなくて、この当該の内閣府の職員と文部科学省の職員が議論をし、そのときの出来事をメモにしたということであり、そのことから前川次官が感じ取ったこと等についてお話をされているんだろうと、このように思う次第でございますが。
いずれにせよ、これ政治的な言わば事柄となった段階においては、また大臣なり、また私にも直接問合せをしていただければよかったのかなと、こんなように考えているところでございます。
○福山哲郎君 私の聞いているのは、このことを言っているんではなくて、前次官だった方が、総理の御意向はあった、さらには、文書が確認できなかったとしている安倍政権に向かって、文書は存在して、あるものをないとは言えないと、そして行政がゆがめられたとまでおっしゃっている。それは、総理として、事務次官は一緒に仕事する人たちですから、そういう状況に今なっていることについてどう思われますかとお伺いしているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そういうことであれば、大変残念でございます。
○福山哲郎君 その前川前事務次官が実在する本物だと主張していた文書について、やっと文科省が再調査して、十九の資料のうち十四の存在が確認をされました。前川氏の証言はほぼ正しかったと言えると思います。確認できなかった三つも、他の法人との関係等々がありまして、もうほぼ全てが実在するという状況でした。
総理、今の時点では、総理は本会議で確認できなかったと答弁されているんですけれども、今の時点では、あの文書について、我々民進党が提出をし、我々の仲間が本当にいろんなところから集めてきて、毎日毎日プロジェクトチームをやり、表に出してきたあの文書、今は本物であるということを総理は認めていただけるんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう既にこれは文部科学大臣が記者会見でお答えしたとおりであり、それに尽きるわけでございますが、同時に、この文書の問題をめぐって対応に時間が掛かったということについては率直に反省したいと、こう考えております。
○福山哲郎君 もう一度。これはもう実在する本物だということは、総理もお認めいただくということでいいんですね。イエスかノーかでお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、私も答えますが、まず文科大臣からお答えをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) お答えさせていただきます。
今先生から御指摘があったとおり、十四の文書に関しては、これは全く同じ形式のものではございませんが、同種の内容のものも含めて存在が確認をされたということでございまして、二つは存在が確認されなかったということでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳細にわたってお答えをする必要があるので、まず文科大臣からお答えをさせていただいたところでございますが、まさに文科大臣からお答えをさせていただいたとおりでございます。
○福山哲郎君 違います。総理の口から、この文書は実在したことを自分も認めたと言っていただきたいんです。本会議で確認できない確認できないと我々の前で言われているわけです。
あえて私は虚偽の答弁をしたとは言いません。なぜならば、再調査をして分かったわけですから、確認ができなかったと言っていた時点では本当に確認できなかったので、それを虚偽だとは言いませんが、本会議で延々と、委員会も含めて、確認できなかったと言われているので、今はあの文書は存在しているものだということを総理自身がお認めいただいたということを言っていただければ結構です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、これは松野文科大臣が答弁をさせていただいたことを、これ踏まえて聞いておられますから、松野大臣から、二つについては確認できなかったということでございます。その上において、まさにそれが、また、形式等も違うものがあったというふうにもお答えをさせていただいておりますが、中身については、中身についてはそういう趣旨のものがあったということでございます。
○福山哲郎君 中身についてはあったということを認めていただきました。
官房長官、怪文書だという発言を何度もされました。出どころが分からないと言って、ほとんど相手にされてこなかったと思います。私は、官房長官、尊敬申し上げているんですが、さすがに今回の言いぶりはちょっと言い過ぎじゃないかなと思っておりまして、官房長官ももうあの文書については、今文科大臣が言われたとおり、存在をするとお認めいただけますね。イエスかノーで。
○国務大臣(菅義偉君) これは是非、報道された文書、そして民進党から確認してほしいと言われた文書でありますけれども、五月十七日、報道されました。その時点では、出所や入手経路も不明なもので信憑性もよく分からないという文書であったというふうに承知しています。
そして、私、あの文書を提示させて、されて、させていただいたときに、これは大臣、副大臣、政務官にも聞きました。ここは承知していない文書でした。そして、あの文書の中に私個人のことにも触れている部分がありました。私のことは全く事実と違います。そして、私の補佐官の部分もありました。私の補佐官は観光とか違う分野の担当をさせておりましたので、これも実は違っておりました。そういう中で、私には不可解な文書、そして、不可解な文書であって怪文書のようなという話をさせていただきました。
そして、現在は、今回の調査結果で複数の文書について出所が、これは当時と違う、明らかになっていますから、文科省で確認をされたと、そういうふうに思っております。
○福山哲郎君 官房長官に弁解をしていただきたくないんです。もう今はあの文書は存在するものだとお認めいただけますかとお伺いしているんです。それでよろしいですか。
○国務大臣(菅義偉君) まず、現在、文科省の中で存在が確認されていますので、そこは出所は明らかになっているというふうに思っています。
○福山哲郎君 もう怪文書は撤回されるということで、官房長官、よろしいですね。
○国務大臣(菅義偉君) 怪文書のようなものと記者会見で発言しましたのは、五月十七日の会見で私は申し上げました。ですから、現在の認識ではありません。
○福山哲郎君 現在の認識ではないということで、これで要はあの文書は実在をしているものだということで確定をいたしました。
あと、官房長官、先ほど申し上げたんですけど、官房長官も次官の任命には関わっておられます。官房長官が前川前次官にいろいろ、地位に恋々としているとか含めて個人攻撃をされている発言は若干僕は残念に思っておりまして、今申し上げたように、あの文書は前川次官が実在するとずっと主張していたこととほぼ同じ結果になりました。
今でも前川前次官に対する認識は、官房長官、変わりませんか。
○国務大臣(菅義偉君) 私は変わっておりません。
○福山哲郎君 変わってないということは、前川次官は官房長官のいろんな国会での発言に対して、非常に遺憾で名誉毀損も考えているというような報道もありますが、やはり政権の中で共に仕事をした者同士がこういう個人的な誹謗中傷をするというのは余りいいことではないなと思うので、そこについては、官房長官のお気持ちもあると思いますけれども、何というかな、私は残念だということを申し上げたいと思います。
それでは、具体的な質問に入ります。配付させていただいた資料の四枚目を御覧ください。
四枚目、「大臣ご指示事項」というのがございます。これは、文科大臣が内閣府の感触を確認してほしいというふうに文科省の職員に御意向を伝えた言葉だと思いますが、それを文科省の職員が内閣府に伝えるためにこの文書を作ったということで、大臣、よろしいですね。
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
御指摘の「大臣ご指示事項」という文書でございますけれども、正直、もう八か月以上前のことでありますから、この文書の細部まで関して、私の発言を忠実に復元をしているのか、またどの程度全体の内容を要約をして書いてあるのかということはありますが、当時私が問題意識を持っておりましたのは、設置審議会で大学は決めるわけでありますから、国家戦略特区の中において期日を限定をして書き込むということが整合性が取れるのかどうかという考え方に基づいて、それは必要であるのかどうか等も含めて内閣府に確認をということであろうかと思います。
○福山哲郎君 そうだと言っていただければ結構です。中身は読めば分かりますから。
それを、内閣府の担当者が大臣の指示事項を紙にして、それに対する答えが実はその次でございます。これは「大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」ということですが、文科大臣、これは、大臣の指示を受けた文科省の職員が内閣府とやり取りをしてこのペーパーをまとめたという認識でよろしいですか。イエスかノーかでお答えください。
○国務大臣(松野博一君) ヒアリングによりますと、この該当で、作ったのではないかと言われている課長補佐に関しては、当時、多種多様の文書を作成をしておりますので、このもの自体を作ったという記憶が今あるわけではないけれども、ファイルから文書が出てきてということであれば、自分が作ったものであろうということをヒアリングで報告をされているところであります。
○福山哲郎君 ということは、これ、内閣府の回答も、先ほどの大臣の指示書も日時確定できますよね。日時確定できますよね。
○国務大臣(松野博一君) 作成した日時ということでございますと、今回、その作成した日時に関しては、文書の存否を目的とした調査でございますので、確定をしておりません。
○福山哲郎君 確定をしていないのは確定をしていない、実は、だって、フォルダを見ればいいわけですから、分かるはずですけど。確定しようと思えばできますね。
○国務大臣(松野博一君) ヒアリング等の中においても、この作成に関して、本人が現在の時点で明確に、これを自分がどうやって作ったというようなことに関して明確な記憶がないという状況でございますので、それによって作成の日時を確定するということは、大体の作成の時期、例えば九月から十月の初旬であるとか、それぞれの文書に、中においていつ頃というのは分かるかもしれません。
○福山哲郎君 コンピューターの中に入っているものですから、多分日時は確定できると思いますし、記憶だけに頼るわけではないと思います。これ、実は日時の確定って非常に重要なんですね。今回の調査は存否の確認だけだというのは僕は一定理解しますが、その日時の調査についても是非やっていただきたいと思います。
その内閣府のやり取りの中で、総理の御意向だと聞いているという一パラの文章がございます。ということは、これは、普通に読めば、総理の指示を受けて文科省の職員が内閣府に行ってやり取りをしているものを文科省の職員がここにまとめて、文科大臣に対して回答のために作った文書という位置付けでよろしいですね。
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
ヒアリングによると、自分が作成をしたということであれば、これは内閣府の職員とのやり取りを書いたものであるから、内閣府の職員から今委員から御指摘があったような内容について発言があったものであろうと考えているということがヒアリングで報告されております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
これ、内閣府の相手の職員、担当者、相手側は分かりますか。
○国務大臣(山本幸三君) この文書について、内閣府においても調査いたしましたが、ヒアリング対象者全て、この文書を見たことがない、内閣府での文書の存在は確認されなかった、同様に、これは総理の御意向等の発言をした者がいないことも、ヒアリングの結果、確認されました。総理の御意向という言い方はかなり特殊なものであり、地方創生本部事務局で使われているようには感じておらず、実際にこのような表現が打合せの場で使われたことは考えにくいとの回答でありました。
○福山哲郎君 聞いてもいないのに出てきて、何言っているんだか全然分からないんですけど、この文書がないと、まずおっしゃいましたね、大臣。ないんですね。ないんですね。それで、この総理の御意向だということを言ったこともないとおっしゃったんですね。
あのね、これは、文科省の職員が内閣府に聞いて、文科省、文科大臣を始め職員である意味回覧をしている文書ですから、この文書そのものが内閣府にないのはある意味当然なんです。
じゃ、この同じ会合、だって、内閣府の職員と文科省の職員がやり取りしているわけですから、この内閣府の職員と文科省の職員がやっているこのやり取りがあったかどうかは確認、調査されていますか。
○国務大臣(山本幸三君) これは、内閣府と文科省ではもう始終やり取りしているわけでありまして、特定にいつとか、そういうことは分かりません。担当者も、上のレベルもあるし、あるいは下のレベルも、いろいろございます。
○福山哲郎君 そうしたら、総理の意向だと発言しているかしていないかだって特定できないじゃないですか、どの会合か分からないんだから。全く矛盾していると思います。
それで、これ実は国民の皆さんお分かりいただいたと思いますが、内閣府と文科省でやり取りをしていて、文科省の職員は、内閣府の方が総理の御意向だと言っていることをメモしています。内閣府は今、文書もないし、いつかも分からないし、メモも残っていないし、そして発言もしていないと言っています。
山本大臣、だってこれ、誰が文科省の人とやったか特定できているんですか、人物は。
○国務大臣(山本幸三君) これは特区担当の部署でやるわけでありまして、そこは局長もいますし、審議官もいますし、課長補佐レベルもいるわけでありまして、それぞれの段階でいろんなやり取りをやるということであります。
○福山哲郎君 何言っているか分かりません。それは、特区担当はたくさん職員いるに決まっているじゃないですか。このやり取りをやったのがどなたかと聞いているので、全く答えていただいていない。
ただし、先ほど松野大臣が言われたみたいに、総理の御意向だということを、僕は文科省の職員は内閣府の人から言われたことを普通にちゃんとメモしていると思いますよ。だって、内閣府の言っていないことを勝手に改ざんして総理の御意向だって文科省の職員が私は到底書くとは思えないので、そこについては非常に疑問に思います。
ちょっと、次のページ行ってください。
次のページが非常に重要で、藤原内閣府審議官との打合せという、これが非常に重要なものなんです。これも、内閣府の藤原審議官と佐藤参事官と文科省の浅野専門教育課長と補佐の方が出席をしてやり取りをしています。問題の九月の二十六日です。ここも、「これは官邸の最高レベルが言っていること(むしろもっと激しいことを言っている)。」と言われています。
これは内閣府とのやり取りを、これも文科省のこの職員の方がメモとして起こしているものです。それで文科大臣、よろしいですね。
○国務大臣(松野博一君) 御指摘の文書に関して、当該担当、書いたことが想定される当該担当に確認をしたところ、これはもう職務としては、これは私が通常起こすべきものであるから私が書いたんだろうと、その中において、書いたということは、そのやり取りに関しては、当時、内閣府とのやり取りというのが書かれているんだろうというふうにヒアリングで報告を受けていますが、先ほど、総理又は官邸等々の文言が出たということは、出たと、ここに書いてあったということは出たんだろうというふうに認識をしているということでありますが、その真意、目的、何を官邸の最高レベルがということに関しては記憶をしてないと、そう答えております。
○福山哲郎君 山本大臣、調査されたんですね。この九月二十六日の内閣府と文科省のやり取りについては何らかの形で内閣府内で文書が残っていたかどうか、お答えください。
○国務大臣(山本幸三君) ヒアリング対象者全てがこの文書は見たことがないと回答し、内閣府での文書の存在は確認されませんでした。ヒアリング対象者の中では、内閣府側の実際の出席者が文書の記載とは食い違っていることなど、文書の正確性に係る疑問も指摘されました。この時期は第一回今治市分科会が開催された直後であり、関係省庁と様々な調整を行っていたことから、具体的な日時は不明でありますが、このような会合に出席していた時期であったということは事実であると回答がございました。
一方で、官邸の最高レベルが言っている等の発言については、ヒアリング対象者の全てが、発言していない、聞いた記憶はないと回答しております。官邸の最高レベルという変わった言い方が実際に使われたのであれば強く印象に残るはずでありますが、自分の記憶に残っていない点からも、このような発言はなかったのではないかと思うという感想も聞かれました。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います、ちょっと。今大臣の答弁中ですから。聞こえないので。
○国務大臣(山本幸三君) 今回のヒアリングの結果、ヒアリング対象となった内閣府職員はいずれも、内閣府が文部科学省に個別の項目や個別のプロジェクトについて官邸の最高レベルが言っている等と伝えた認識はないということが確認されております。
安倍総理が常々国家戦略特別区域諮問会議で、規制改革全般についてスピード感を持って実現すべきという旨の発言をされていることから、関係省庁との議論を行う際にこうした総理の発言に言及することはあったとの回答がありました。
○福山哲郎君 大臣、大臣、文書がないんでしょう。ということは、内閣府というのは、他省庁とのやり取りは文書に残さないんですか。全部記憶で確認するんですか。本当に残していないんですね。確認していないのか、残していないのか、これ重要ですよ。確認していないのか、残していないのか、はっきりしてください。
○国務大臣(山本幸三君) この文書というのはありません。打合せの記録等として内閣府側で作成した文書は確認されておりませんが、会議や打合せに関する記録の作成について、ヒアリング対象者からは、関係省庁や関係自治体等との打合せが極めて多く、多忙であること、関係者間ではメールでなく電話で頻繁にやり取りしていること等もその要因ではないかとの受け止めが聞かれたところであります。
○福山哲郎君 いいですか。ごまかさないでくださいね。この文書じゃないですよ。この文書は文科省が作った文書だから、内閣府は内閣府として当然文科省とのやり取りを文書に残しているはずです。その文書を、本当にない、ないのか、確認していないのか、それが残っていないのか、これ大きな違いですからね。どっちか、二者択一ですから、長く要らないから一言で答えてください。
○国務大臣(山本幸三君) 今回の調査をしたところ、そういう文書は残っておりません。
○福山哲郎君 だから、内閣府は残していない。じゃ、残していないところと残しているところだと、証拠能力としては絶対こっちの方が高いですよね、誰がどう見たって。
じゃ、これに出席している藤原審議官、この会に、九月二十六日、出席していましたか、いませんか。イエスかノーかで答えてください。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
この昨年の九月から十月にかけてでございますけれども、文科省の管理職との方々と、この獣医学部の新設という項目につきましての議論はさせていただきましたけれども、日程等につきましては、記録もございませんで、定かではございません。
○福山哲郎君 あなたはこの会に出た記憶はありますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
こちらの文書に書いてございます課長とそれから補佐の方、それから私どもの課長、そういった管理職のレベルでこの時期に会合をしたことはございました。
○福山哲郎君 で、あなた審議官なのに、これ、内閣府が文書残していないことを認めていたんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
この時期の記録というのは、私ども、当時の出席者あるいはこういった議論に参加している者、関係者に私なりに確認をいたしましたけれども、記録等はございません。
○福山哲郎君 何か森友学園の財務省にそっくりになってまいりました。都合の悪いことは捨てる、なくす、ありません。
ところが、これは官邸の最高レベルが言っていることという発言がありますが、この発言って、内閣府の出席者のどちらかしか言わないんです。だって、これ文科省の方が内閣府の方の言われていることをメモしているから。
藤原審議官、こういう発言をした記憶はありますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
かねてより御答弁させていただいておりますけれども、委員御指摘のようなこの文書やメール等の有無にかかわらず、昨年秋、九月から十月でございますけれども、この文科省の管理職との面談におきまして、獣医学部新設という個別項目につきまして、官邸の最高レベルが言っている、総理の御意向だと聞いているなどとお伝えしたとの認識はございません。また、総理からもそうした指示等は一切ございません。
他方、総理は常々特区諮問会議で、個別の項目や個別のプロジェクトではなく、規制改革全般につきましてスピード感を持って実現すべきと、そういった旨を発言されておりますので、私ども、こうした総理の発言、直近の諮問会議の発言を受けまして、私ども事務方がワーキンググループあるいは非公式な協議の場などで関係省庁との議論を行う際にこうした総理発言に言及させていただくことは十分にあり得たと思っております。
○福山哲郎君 あなたが言ったことがないんだったら、もう一人、佐藤参事官が言ったとしか考えられません。
佐藤参事官、国会に呼んで是非聞きたいと思いますので、理事会で協議いただけますでしょうか。
○委員長(山本一太君) 後刻理事会で協議をいたします。
○福山哲郎君 はい、ありがとうございます。
これ、これもやっぱり文科省の職員が真面目にメモをしていますから、うそを書いているとは到底思えません。
その次のメールです。これも重要です。これは、十一月一日といって、十一月の九日に結局加計学園に決まるんですけれども、これメールのやり取りです。やはり藤原審議官との間で内々の事務打合せがあって、真ん中より下です、その後、藤原審議官から再度文科省とのみ打合せ依頼がありましたので、そのまま別室で打合せして、添付PDFの文案で直すようにという指示がありましたと。指示は、藤原審議官いわく、官邸の萩生田副長官からあったようです。
次のページを見ていただくと、問題の、京都産業大学は排除され加計学園に一校に絞られた、広域的にというのを入れろという文字がここに入っています。
これは実は、藤原審議官、これは内閣府から文科省への報告のメールです。ほら、内閣府、ちゃんとメモ作っているじゃないですか。さっき、なくしているとか作っていないとか見当たらないって、駄目ですよ、そんなうそついちゃ。
これ内閣府、藤原審議官、この打合せで、この文案に広域的という手を加えてくれと、修文してくれというのを萩生田副長官から指示をして文科省にお願いをしたことはございますか。イエスかノーかで答えてください。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
これは、昨年の十月二十八日でございますけれども、獣医師系養成大学等のない地域においてという原案を文科省に提示したのが十月二十八日でございます。三十一日には文科省から意見の提出がございました。十一月一日にはワーキンググループ委員と文科省との折衝を行いました。その際、山本大臣が文科省意見で指摘された日本獣医師会等の理解を得やすくする観点から対象地域をより限定する御判断をされまして、広域的にや、限るという、追記するようにという御指示を受けまして、私が手書きで文案に修正を加えさせていただきました。
こうした一連の情報は直属の部下である担当者にしか伝えておりません。本件メールの作成者、送信者、これは私の直接の部下ではございませんけれども、一切伝えていないと、そういった事情でございます。
○福山哲郎君 これ、メールの日時が十一月一日なんですけど、今微妙に十月の二十八って言い換えているんですけど、それどういうことですか。それで、なおかつ、あなた、さっきから記憶がないとか記録がもう捨てちゃったとか言っているのに、いやにここだけ詳しいですね。
これ、十一月一日に送信日時なっているんですけど、十月二十八と言われた理由は何ですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
今申し上げた十月二十八日というのは、この原案でございます獣医師系養成大学等のない地域においてという原案を文科省に提示した時期ということでございます。
○福山哲郎君 ということは、この修正のお願いをしたのは十一月一日でいいんですね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
十月二十八日に原案を提示し、三十一日に文科省から意見の提出がございました。そして、十一月一日に山本大臣からこういった御指示がいただきまして、対象地域をより限定するという判断の中で、広域的にや、限るという追記についての指示を受けて修正をしたという経緯でございます。
○福山哲郎君 何で急にそんな詳しくなるんですか。さっきとは大分違いますね。
萩生田副長官、内閣府のメールでは、藤原審議官が萩生田副長官から指示が出てこれを修正しろと言われたと、こういうふうに書かれていますが、萩生田副長官はこういった形で指示を出されたことはございますか。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 昨年十一月九日の特区諮問会議の取りまとめ文案に私が修正の指示を出したことは全くございません。昨日文科省が公表したメールには大変戸惑いを感じております。
今朝公表された内閣府の調査においても、当該メールを発信した職員は本件の担当ではなく、関係する文書の手書き修正の打合せにも参加していない方が、メールに記載のあるコメントについても担当者から伝え聞いた曖昧な内容であって、事実関係を確認していないままメールを発信してしまったと報告があったと承知をしております。
○福山哲郎君 ということは、担当者でない職員が曖昧にこれを書いたということでいいんですか。ということは、間違っているということでいいんですか。間違っているということでいいんですか。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。静粛に願います。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 後段は、今朝の内閣府の報告を、御報告、私が伝え聞いたのを今加えただけでありまして、私は修正の指示をしたことはありません。
○福山哲郎君 ということは、このメールと完全に真っ向対立します。
文科大臣、内閣府から、これ、打合せをして報告のメールが来ているんですよ、確認の。これ、内閣府から、全く違う、これ今文科省に実在しているんですから、全く違う、間違ったメールが来ていると言われているんですけど、文科省、文科大臣、どう思われますか。
○国務大臣(松野博一君) お答えいたします。
今回の当省の追加調査結果において内閣府から送信されたとされるメール等の文書が含まれていたことから、内閣府として当該文書について調査を行うことを判断されたと承知をしております。
内容に関しては、この作成自体が内閣府によるものと考えておりますので、内閣府側に御確認をいただければと思います。
○福山哲郎君 藤原審議官、官房副長官はこれ間違っていると言われました。藤原審議官いわくと書いてあります。あなたが言ったことです。内閣府の職員がこれを作っています。あなたの部下です。部下があなたの足を引っ張るような虚偽の報告を文科省にしたということでよろしいんですか、藤原さん。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
事実関係から申し上げると、この作成者、先ほど申し上げましたように、私の直下の部下ではございません。また、私に関しては、萩生田副長官からの指示ということを申し上げたことはございません。
○福山哲郎君 そんなことどうやって証明できるんですか。
じゃ、このときのやり取りは、文科大臣、このときのやり取りは文科省は残っていますかね、文書。
○国務大臣(松野博一君) このときのやり取りというのは、この手書きが入った文書の方で……。
○福山哲郎君 これです。これ、このときに会合しているわけですから、文科省自身もメモが残っているかもしれませんよね。
○国務大臣(松野博一君) まず、この手書きの部分に関しましては、これは内閣府で作られたものでございますので、別に、当省と何か事前にすり合わせがあってこの手書きの部分ができたということではないと承知をしております。
このメールに関してでは、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、うちの方は受信をしたということでございます。なぜこれをということになりますと、当該の文書、類似の文書を探しているときにこの文書が個人のヒアリングを通して出てまいりましたので。しかし、本来、この文書は文科省にあるべきでないというか、あるはずがない文書が出てきたということで、それがどういった経緯によってここにあったかということを示すために、このメールを同時に添付させていただいたということでございます。
○福山哲郎君 一枚先ほどの方に戻っていただけますか。平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュール、いわゆる加計学園を三十年四月から開学したいということですが、これ、先ほど藤原審議官、この紙については、紙も残っていないし、よく分からないと言われていますが、実は、前川前次官はこれによって今後のスケジュールというのを作らされたと言われております。そこには実はもう今治と書いてあるんですね。もう完全に今治を想定してスケジュールがあって、前川前次官は内閣府にこれを書かされたと今あちこちで証言をされています。
藤原さん、この最短のスケジュールを作成していただきたいというのは文科省に向かって言われましたか。
○国務大臣(山本幸三君) 広域的とかそういうのを決めたのは、私が決めているんですから、私に聞いていただきたいと思います。
この内閣府から文科省に出たメールでありますが、作った方は直接の担当者でもありません。ただ、文科省から出向してきた方でありまして、それが、まあ不適切なことでありますが、陰で隠れて本省の方に御注進したというようなメールであります。そういう意味では……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。静粛に願います。
○国務大臣(山本幸三君) 本人が事実を確認してちゃんと出したメールではありません。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 答弁が聞こえませんから静粛に願います。
○国務大臣(山本幸三君) そういう中で、三十年四月ということについては、これは明確に出したのは十一月十八日からのパブリックコメント以降であります。それまでは最大限早くということは常々言っておりますが、それまでの間にそういう決めたスケジュールで言っていることはありません。
○福山哲郎君 ええっ、自らの職員に向かって、陰に隠れて。ええっ、安倍政権は何か問題が起こると必ず役人のせいにする、役人に責任を押し付ける。本当に森友のときの財務省も気の毒だった。今回の文科省も気の毒。でも、これ、内閣府も本当に皆さん、職員、気の毒だと思いますよ。
これ、済みません、三枚目見てください。前川前次官の手記は、二〇一六年、今お話を僕がさせていただいた前後ですが、木曽内閣官房参与というのが、加計学園が開校した千葉科学大学の学長をやられている方が、国際戦略特区制度を利用して早く進めてくれと。それから、二〇一六年の九月と十月、和泉総理大臣補佐官が、これは総理が自分の口から言えないから私が代わって言うんだということを前川前事務次官に言われているということの証言があります。
先ほどのお話のこのメモに書いてある総理の御意向とか官邸のトップレベルの議論も今全然払拭されません。総理、これなかなか、総理が自分が言っていないとかやっていないとか言っても、これ、どう見てもこれは総理が言っている可能性があります。
○委員長(山本一太君) 福山君、時間ですから、まとめていただきたいと思います。終了してください。
○福山哲郎君 総理の御意向だと言われている。
それから、今の山本大臣の答弁聞かれてどう思われますか。
○委員長(山本一太君) 安倍内閣総理大臣。短くお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) はい。
この獣医学部の新設については、これは半世紀近くできていなかったものをまさに岩盤規制を突破するために我々が国家戦略特区という形で挑んでいるわけでございます。そして、特区の指定、規制改革項目の追加、事業者の選定の一連のプロセスも、関係法令に基づき適切に実施をしています。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 獣医学部の設置に関する文科省、農水省、内閣府の三大臣合意文書もあり、政府全体としてこれは決定をしていることであります。そして、規制改革にはこれは必ず抵抗勢力があるわけでありまして……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 岩盤のように固い規制に挑戦すればするほど既得権益を握る勢力の激しい抵抗は避けられないわけでありまして、その中のプロセスで主張と主張がぶつかり合うことはあるわけでありまして、それは、やはり内閣府は……
○委員長(山本一太君) 総理、時間終わっておりますので、まとめてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 内閣府はまさにこれは規制改革に挑んでいく役割を担っているわけであります。そこでは、そこでは激しいやり取りがあるのは当然のことなんだろうと思います。そこでですね、そこで、私は常に岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めるように常々指示をしてきているわけでありまして……
○委員長(山本一太君) 総理、短くおまとめください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) しかし、本件については具体的に指示をしたり働きかけをしたことは一度もないわけでありまして……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の意思でどうだということを決めることは全くあり得ないということは申し上げておきたいと思います。
○福山哲郎君 委員長、お願いします。
○委員長(山本一太君) 福山さん、終わってください。福山君、時間です。
○福山哲郎君 今のような議論では全く分かりません。
○委員長(山本一太君) 時間です。
○福山哲郎君 本当に疑惑が広がって総理の関与が強くなったというふうに申し上げて、引き続き、閉会しようが、集中審議を求めてまいりたいと思います。
○委員長(山本一太君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)


06/14

2017

第193国会 参議院 本会議 2017年6月14日


○議長(伊達忠一君) 福山哲郎君。
〔福山哲郎君登壇、拍手〕
○福山哲郎君 民進党・新緑風会の福山哲郎です。
会派を代表して、ただいま議題となりました金田勝年法務大臣を問責する決議案に賛成の討論をさせていただきます。
まず、与党の諸君に申し上げます。国会の議論は時間を制限する、文書は捨てる、出さない、数々の虚偽答弁。挙げ句の果ては、法務委員会を開会せず、僅か十七時間五十分で審議を打ち切り、この本会議で強行採決をしようというのでしょうか。国民の皆さん、中間報告などというきれいな言葉でごまかされないでください。中間報告とは、数の力による審議打切りの強行採決です。与党の究極の審議拒否です。
私も二十年間参議院に籍を置きますが、こんなことは初めてです。前代未聞であり、考えられない暴挙です。安倍政権による議会制民主主義の否定そのものです。断固として許すことはできません。我が国の民主主義の歴史に禍根を残す一日となりました。政府・与党に恥を知れと強く申し上げたいと思います。
まず、先週の金曜日、文科大臣が加計学園に関する省内の文書の再調査を言い出しました。確認できない、再調査の必要なしと強弁していたものが一変しました。週末、土日の前の時間稼ぎにほかなりません。最初の調査は僅か一日で確認できなかったと発表しました。今回の再調査は、当該文書は存在するに決まっているわけですから、例の同姓同名の文科省の官僚諸君にヒアリングし、メールを確認すれば、文書の存否と真偽なら半日もあれば十分と思われます。
ところが、既に四日が経過しました。案の定、文科省は、速やかに調査結果を出したいの一点張り。昨日も今日も、いつ出すのか分からないような状態が続いています。挙げ句の果てには、昨日、自民党の竹下国会対策委員長が、会期後でもいいと思っていると、信じられないような発言をされています。なぜこんなに時間が掛かっているのでしょうか。たとえ数の力があろうとも、こんなことが通用するはずがありません。
結局、今回の再調査の発表は、国民の声に応えたのではなく、逆に、国会会期末を迎え、時間稼ぎをし、国民を欺く極めて不誠実なやり方と言わざるを得ません。今すぐ存否と真偽を明らかにするべきです。他人事のように、調査の必要はないなどと述べている内閣府にも強く抗議します。
政府・与党は、よもや、このまま再調査の結果も出さず、予算委員会の開会も前川文科省前次官の証人喚問も実現しないまま、国会を閉じるようなことはないと信じたいところですが、そんなことは断じて認められないということを申し上げます。
前川前次官の証言によれば、和泉総理補佐官に呼ばれて、補佐官の口から、これは総理が自分の口から言えないから、私が代わって言うんだということです。まさに、そんたくそのものではありませんか。安倍総理に加え、前川前次官、そして和泉総理補佐官を参考人としてお呼びして、予算委員会の集中審議を強く求めます。
四月以来求め続けているのに、一向に予算委員会は開かれず、逃げ回るばかりです。審議拒否をやり続けているのは安倍内閣そのものと断じざるを得ません。身の潔白を証明したいのなら、堂々と予算委員会に出てきて国民の前で説明するべきです。誰からも突っ込まれないラジオや新聞に出て、好きなことを言うのはやめていただきたい。
よく考えてみてください。森友学園に事務官を連れて何度も訪れ、籠池夫妻と何度も連絡を取り合い、お手伝いしたいと講演会で話していたのは、安倍総理の夫人である昭恵さんです。総理の意向と官僚に言わせ、究極のそんたくを重ねたのは、安倍総理の腹心の友、加計学園の理事長の獣医学部の設置のためでした。行政がゆがめられてはいけないと、勇気を持って文書の存在を認め、総理の意向があったと証言した前川前事務次官、この人を事務次官に任命したのも安倍総理自身です。
今国会の混乱は全て安倍総理が関わっています。何を強弁しようが、国民はもう分かっています。行政をゆがめ、私物化した安倍総理には、どうぞ潔くお辞めくださいとお伝えしたいと思います。
続きまして、金田法務大臣の問責について申し上げます。
この場で金田大臣の問責決議案に賛成討論をすることを大変残念に思います。大臣が参議院議員でいらしたとき、共通の知人が京都にいることもあり、その知人宅で食事を共にしたこともありました。気さくに声を掛けていただいたことを覚えています。
大蔵省出身のあなたが、御病気のことがあったとはいえ、官僚である刑事局長に答弁を委ねなければならないことに内心じくじたる思いもあったのではないでしょうか。しかしながら、そのことが、過去三回国会で廃案に追い込まれ、明治以来の我が国の刑法体系を揺るがし、国民の内心の自由を侵しかねない共謀罪の所管大臣としてのあなたの責任を免れることには残念ながらなりません。
今年の通常国会冒頭、一月三十日の本院予算委員会の審議において、既にあなたの答弁能力には大きな疑問符が付きました。法務省が示した事例について、あなたは自ら、裁判例を見ますと、と答弁されたにもかかわらず、私の具体的な判例はという問いに対して、判例としてどれを指すかと言われますと、私の方からただいま申し上げることはできませんがと言われました。それがすぐに、直接の判例はありませんに変わり、最後は、判例的な考え方を申し上げていると、同じ委員会中に三度も答弁が変わりました。以後、成案ができるまで検討中と答弁を避けることが目立つようになりました。
その頃、政府は、今回の共謀罪は以前の共謀罪とは全く別物であること、新しい共謀罪は一般の方々は対象にならないこと、テロ等準備罪という呼称を使い始めるなど、国民をごまかすための印象操作を展開し始めていました。しかしながら、以前の共謀罪と別物とはどういうことであるのか、さらに、一般人が対象にならないことの法的根拠を幾ら質問しても、金田大臣からは十分な答弁が得られなかったことは言うまでもありません。残念ながら、国会終盤の今に至るまで同じやり取りが続いています。
こうしたさなか、二月六日、大臣の指示で、メディアに向けて驚くべき文書が配付されました。その文書には、刑事局長や外務大臣と議論するべき、予算委員会ではなく法案提出後に法務委員会で議論をしてほしいと記されていました。行政府の一員である法務大臣が立法府における審議の在り方について注文を付ける、そしてそれをメディアに配付する、その異様な感覚に、立法府への言論弾圧、マスコミ操作と抗議の声が上がりました。
法務官僚の諸君は、こんな文書を出せば大騒ぎになると分かっていたはずです。にもかかわらず、なぜ止めなかったのでしょうか。法務官僚の諸君も、その時点でもう金田大臣にお引き取りいただきたかったと考えていたと推察せざるを得ません。
さらには二月八日、ただいまの御意見に対しましては、私の頭脳というんでしょうか、ちょっと対応できなくて申し訳ありません、是非事前に御通告をいただくと有り難い、立派な答弁を直ちにできるかなというトライをしてみたいなどという大臣の意味不明の珍答弁が次々と飛び出し、辞任論が噴き上がりました。私はこの時点で大臣は辞任すべきだったと考えています。
金田大臣を法務大臣にとどめさせた安倍総理の責任も極めて重いと思います。予算委員会で安倍総理がわざわざ金田大臣の席に歩み寄り答弁のアドバイスをしたり、記憶に新しい、答弁しようと挙手をしている金田大臣を安倍総理が慌てて押さえる様子や、部下である副大臣が大臣に答弁をさせなかった映像が何度も何度も繰り返し国民に示されていました。このことは、まさに安倍総理自身が金田大臣の答弁能力のなさを証明していることにほかなりません。そして、金田大臣をさらしものにし続けたのも安倍総理です。
また、衆参両法務委員会で、委員からの要求もない中で政府参考人である刑事局長の出席を包括議決として強行採決したことは甚だ遺憾であり、与党に猛省を促したいと考えます。しかし、このことも、政府・与党一体となって金田法務大臣の答弁能力と資質に問題があることを認めている証左と言えるでしょう。実は、我々よりも早く金田大臣に不信任を突き付けたのは、皮肉なことに安倍総理と与党なのではないでしょうか。
法案の内容にも触れておきたいと思います。
○議長(伊達忠一君) 福山君、時間が超過しております。簡単に願います。
○福山哲郎君(続) 私は法律家ではありませんが、我が国で長年にわたり培われてきた近代刑法の理念と体系が崩れてしまうのではないかという懸念を強く持っています。
そのうちの一つは、明確性の原則です。刑罰法規は、どのような犯罪に対して誰がどの程度の刑罰が科せられるかが一般国民にとっても予測可能な程度に明確でなければならないということです。
第二が、犯罪と刑罰の均衡が取れなければならない適正処罰の原則。
○議長(伊達忠一君) 福山君、時間が来ております。簡単にお願いいたします。
○福山哲郎君(続) 第三が、刑法の介入が許されるのは、他者の意思に反してその法益を侵害し、あるいは侵害の危険が発生して初めて処罰されるというものです。すなわち、既遂が原則です。
一方で、重要な犯罪については未遂を例外的に処罰することができ、その理由は、実際に被害が発生する前に時間的に遡って国家権力の介入を認め、それはもちろん生命などの利益を守るためです。さらに、殺人や強盗など極めて重大な犯罪についてのみ、その実行の着手前に予備行為を例外中の例外として処罰しています。
○議長(伊達忠一君) 福山君、簡単に願います。
○福山哲郎君(続) 時間的に予備行為の更に以前に遡る共謀は、我が国の刑法の下で二百七十七もの犯罪に適用して処罰の対象にすべきではありません。
こういった原則が極めて曖昧になり、金田大臣の答弁により混乱を来しています。警察の運用現場がより恣意的になることも否定できません。
また、本法案の一条の目的にはTOC条約を実施するためという文言が付け加えられていますが、テロ対策という文言の追加はありません。
○議長(伊達忠一君) 福山君、簡単に願います。
○福山哲郎君(続) そもそも、TOC条約は、マフィアや暴力団によるマネーロンダリングや人身売買などの犯罪を取り締まることを目的とする条約です。物質的利益を得ることを間接的に目的とするという意味で、百歩譲ってテロリスト集団がTOC条約で全く対象にならないわけではないとしても、その主たる目的が組織犯罪対策でありテロ対策でないことは、TOC条約の審議経過からも明らかです。当該条約の国連立法ガイドを編さんしたパッサス氏は、TOC条約はテロ防止を目的としたものかという質問に、明確に違うと答えています。
○議長(伊達忠一君) 福山君、時間が来ております。簡単に願います。
○福山哲郎君(続) 我が国は、国連の十三のテロ防止関連条約を既に批准し、必要な国内法の整備を終えており、テロ対策はされています。さらに、四十五の予備罪、準備罪があり、予備罪についても共謀共同正犯が認められており、銃刀の所持が処罰されるなど、実質的に見て、未遂よりも前の段階で組織的犯罪集団の重大な犯罪を取り締まる法律は存在しており、二百七十七もの罪について計画罪を新設しなければTOC条約を締結できないことはありません。具体的な立法事実を踏まえて一つずつ個別立法で対応すれば足りると考えられます。
○議長(伊達忠一君) 福山君、時間が過ぎております。簡単に願います。
○福山哲郎君(続) 次に、到底看過できない答弁のぶれを指摘したいと思います。(発言する者あり)ここは重要だから聞いてください。
五月八日の衆議院予算委員会で金田大臣は、テロ等準備罪は犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定しましたと答弁しました。しかし、六月一日の法務委員会では、組織的犯罪集団の構成員ではないが組織的犯罪集団と関わりがある周辺者につきましてはテロ等準備罪で処罰されることもあり得るとして、犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定しないという全く異なる答弁をされたのです。関わりがある周辺者では、対象が全く明確ではありません。
次が大事です。(発言する者あり)ちょっと聞いてください。
五月八日、安倍総理がテロ等準備罪は犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定していると述べていることに対して、六月一日、刑事局長は、テロ等準備罪の主体に制限はございませんと、百八十度違った答弁をしています。このことを問うたところ、それに対する金田大臣の答えは、全体として同じことを言っているでした。どこが同じことなのでしょうか。さっぱり分かりません。こんな答弁で法案の運用ができるのでしょうか。
一般の人も対象になるのではないかという法案審議当初から懸念されていた問題について、このように、総理、大臣、局長の答弁が大きくぶれてきています。どこまで対象が広がるのか、不安は拡大するばかりです。
次も大事です。
さらに、国連のプライバシー権に関する特別報告者であるカナタッチ氏からの公開書簡に対して、安倍政権の対応は常軌を逸しています。書簡に対して、内容は明らかに不適切なもの、強く抗議を行った、何か背景があって出されるのではないかと口を極めて批判し、個人の資格で活動をしていると主張しました。国連人権理事会の理事国としての日本の信頼にも関わる問題だと思います。国際ペン会長からの反対声明、フランスのル・モンド紙も批判記事を出しています。国連特別報告者を意図的に個人的なものにしたいようですが、とんでもありません。
次も大事です。
今年の春の叙勲において、日本は国連特別報告者経験者お二人が何と叙勲の栄に浴しています。そのうちの一人は日本人で、何と当該法務省の顧問までされています。政府のカナタッチ氏の扱いが的外れであることは自明です。御都合主義もいいかげんにしてください。
カナタッチ氏は、日本政府の抗議を受けて、法案の公式英語訳を求めるとともに、自分の書簡内容が不正確な場合には公開の場で撤回するということまで言ってきています。ところが、三週間以上経過をしているにもかかわらず、外務省の答弁は、英語訳は作っておらず、追って説明するを繰り返すばかりで、時期を明らかにしません。
まずは英語訳を送り、国連代表部からカナタッチ氏に説明させることが日本政府のやるべきことなのではないでしょうか。なぜ、そんな当たり前のことができないのですか。英語訳を送れば、カナタッチ氏の指摘が正しいことが明らかになってしまう。だから、英訳も送らないし……
○議長(伊達忠一君) 福山君、時間が過ぎております。簡単にお願いいたします。
○福山哲郎君(続) 説明もしないというのが本音なのではないでしょうか。自信のない、できの悪い法案を、審議を打ち切って強行に採決するなんてあり得ません。
金田大臣は何度も立法事実は条約だと言われています。国連の条約を批准するために審議中の法案が、その国連からプライバシーの侵害の懸念があるから拙速に成立させないでくれと言われている。一体何なんですか、これは。
所管大臣の金田大臣の答弁を求めても、外務副大臣の答弁が政府の見解であると繰り返すばかり。自らの判断を放棄しています。本来なら、外務省を説得してでも英語訳を送って誤解を解くのがあなたの役割なのではないでしょうか。
○議長(伊達忠一君) 福山君、時間が相当過ぎております。まとめてください。
○福山哲郎君(続) この法案は、論点が散らばり、いまだに議論が不十分な条文や内容が山積しています。採決など考えられる状況ではありません。
分かりました。もうすぐやめます。もうすぐやめます。議長の御指導に従って、少し省いて、もうすぐやめます。
例えば、これまでならハイジャックはチケット購入時点で予備罪で処罰できたのに、今回無理やり予備罪で処罰できない場合をつくってしまったので穴が空いてしまっています。自民党が主張している、水道水に毒物を混入する計画をして毒物を準備した場合であってもこの時点で処罰できないという事例は、果たして立法事実たり得るのでしょうか。この事例は、本来は殺人予備で十分処罰可能であり、国民をいたずらに不安に陥れるのはやめてください。毒物を準備して処罰できないような日本の刑法ではありません。
また、計画を実施するための実行準備行為は構成要件なのか処罰条件なのか、参考人質疑で専門家と金田大臣の答弁は真っ向から異なっています。これもどちらかはっきりさせなければいけません。(発言する者あり)あともう一枚です。
警察は、刑事訴訟法に定められている捜査以外に、調査、検討という令状によらない個人の情報を集めています。今回、計画実行準備行為が処罰対象になるということは、犯罪よりもかなり手前の時点で……
○議長(伊達忠一君) 福山君、時間が相当過ぎております。
○福山哲郎君(続) 尾行や口座の確認やレンタカーの使用状況などの情報を警察が入手する可能性は否定できません。(発言する者あり)次、大事なので聞いてください。もうやめますから。
共謀罪は、プライバシー権の侵害が萎縮をもたらすものです。包括的な共謀の処罰は、包括的なプライバシー情報の収集、管理なくして実現しません。計画段階で嫌疑を掛けるには、嫌疑の嫌疑を掛けるために、調査、検討と称して国家の目と耳を広範に社会の中に溶け込ませる必要が出てまいります。プライバシーという権利は、実際に監視しているか否か以前の問題として、監視されているかもしれないという感覚を持たせることで人々が萎縮し、我々の自由が侵害されるのです。
その対象犯罪が二百七十七もの犯罪に広がっていることに、国民の監視社会への不安も広がっています。なぜ与党の諸君は、民主主義の基盤である法的安定性と法秩序を壊すことにこんなに鈍感で謙虚さがないのでしょうか。立法府の一員として、矜持は一体どこに行ってしまったのでしょうか。
まだまだ議論が必要であることは言うまでもありません。数の力があるということと正義は同義ではありません。
○議長(伊達忠一君) 福山君、時間が相当過ぎておりますので、まとめてください。
○福山哲郎君(続) 金田大臣の問責決議案に対して議員各位に御賛同いただき、新たな大臣の下で共謀罪法案を一旦廃案にしていただくことが最良の道であることを申し上げ、冒頭申し上げました中間報告、つまり審議打切り、強行採決をこの本会議で絶対にやってはいけません。議会の自殺行為です。今からでも間に合います。与党の諸君に自制を求めて、私の討論を終わります。(拍手)


06/13

2017

第193国会 参議院 法務委員会 2017年6月13日


○福山哲郎君 福山でございます。よろしくお願いいたします。今日は時間がありませんので、直接行きます。
先ほどの、済みません、有田先生の質問に対してちょっとお伺いします。
刑事局長、もちろん捜査は刑訴の、刑事訴訟法百八十九条、犯罪があると思料されるときに嫌疑があって初めて捜査が開始される、令状が要る、私もよく存じ上げているつもりでございます。しかしながら、現実には嫌疑の存在を前提にしないいわゆる行政警察活動、調査とか検討というのがありますよね。先ほど有田先生が言われた尾行、預金口座、住所、個人情報約八千人分というのは、この嫌疑が掛かる前の検討、調査で行われたという位置付けでよろしいですよね。
○政府参考人(林眞琴君) 今どういったものを前提にしてお聞きになっているかが分かりませんので、お答えすることは困難でございます。
その行政警察活動と捜査というものは必ず連動するわけではございませんので、その行為自体が行政警察活動としては何らかの目的に基づいて警察の権限においてやったんでしょう。そうした場合に、それが捜査であるかどうかというのは刑事訴訟法に照らすことが必要ですけれども、それが直接どのように結び付いていくかというのは個々具体的な場合によって異なると思います。
○福山哲郎君 じゃ、質問変えます。もうオウム真理教は離れます。
いわゆる行政警察活動で嫌疑の存在を前提にしない検討、調査というものがあって、それによって個人情報、尾行や銀行口座や住所を調査、検討することはありますね。
○政府参考人(林眞琴君) 捜査として行うためには嫌疑が必要でございます。それで、委員が御指摘のそういった調査活動というものが、どういう目的で、警察がどの目的でどの範囲で行ったかということによるので、お答えできません。それはまた、法務省としてはお答えできません。警察がどのような警察法に基づく目的に基づいてやるかによりますので、私の方からはお答えすることは困難であります。
○福山哲郎君 今、警察が目的に基づいてやるということは認められましたので、問題は、今回は、日本の刑法は既遂からです、捜査が始まる。僕は、百八十九条の刑事訴訟法は先ほどから申し上げているように認めています。しかしながら、今回、既遂から始まる捜査がですよ、計画の段階で現実問題として今回広がる可能性があるということは、先ほど申し上げた検討、調査という個人の情報等について調べる、私は捜査とは一言も言っていません、調べる活動が計画の段階の前からあり得るということは非常に広がるのではないかということは今皆さん危惧されています。
それともう一つ、二百七十七もの法律に対して、計画で現実問題として処罰化する、もちろん計画プラス実行準備行為ですが、その処罰化するものが二百七十七に広がることに対して、先ほど申し上げたようないわゆる捜査、刑事訴訟法に基づく捜査ではなくてその前の段階の情報を取ると、いわゆる捜査の端緒になるものについて広がる可能性があるということを市民の皆さんも専門家の皆さんも学者も心配しているんだというふうに思いますが、私の今の位置付けは間違っていないですよね、局長。
○政府参考人(林眞琴君) 少なくとも、テロ等準備罪の事実の解明につながる、そのことを目的として、捜査という名目ではなく……(発言する者あり)いや、名目ではなくそのような調査を行うとすれば、その実態はそれは捜査でございますので、嫌疑がない場合にそういうことをやったならば、それは違法ということになります。
○福山哲郎君 今、捜査にして嫌疑がある場合と言っているけれども、嫌疑の前の調査、検討ということを私は聞いているんです。現実に、先ほど局長は、警察ではそういうことを目的に応じてやっているかもしれませんが、自分は分からないと言われた。
つまり、その嫌疑の前の調査、検討が、計画という既遂のずっと前の時間のところでいわゆる調査、検討が始まる可能性がある、それが二百七十七もの法律に広がることに対して非常に今の有田先生の問題意識があるということは申し上げておきたいと思います。
外務省、官房長官が法案成立までに英訳をカナタチさんに送るのかと昨日聞かれて、考えていないと答えられています。これ、どういうことなんでしょうか。法案成立を急ぐから、急いじゃいけないからあの書簡を出されたカナタチさんに対して、英訳すら法案成立の前に送らないと官房長官は言われていますが、官房副長官、この官房長官の発言は確認されていますか。
○副大臣(薗浦健太郎君) 官房長官の発言は聞き及んでおりますけれども、一般に申し上げて、国会に提出中の法案について、これを逐次英訳することは政府として行っていないと承知をしております。
その上で申し上げれば、特別報告者からの日本政府に対して示された懸念、指摘事項について、我が国の取組を国際社会に対して正確に説明するという観点から、内容を精査し、追ってしっかり我が国の立場を回答する予定でございます。
○福山哲郎君 私、先週この審議しましたけれども、外務副大臣、じゃお伺いします。英訳は作っておられますか。それから、検討はどこでやられていますか。短くお答えください。
○副大臣(薗浦健太郎君) 検討は政府部内でしかるべく行っております。(発言する者あり)現在提出中の法案について、逐次英訳することは政府としては行っておりません。一般論、一般的に申し上げております。
○福山哲郎君 英訳作っていないということでいいんですね。ちょっとはっきりお答えください、英訳は作っていないと。
○政府参考人(水嶋光一君) お答えいたします。
カナタチ特別報告者からの懸念に対する、あるいは指摘事項に対します回答ですけれども、現時点で、内容を精査をし、追ってしっかりと我が国の立場を回答する予定ということでございまして、具体的にいつどのような対応を取るかについては現在検討中でございます。適当な時期にしかるべく対応したいと思っております。(発言する者あり)
○委員長(秋野公造君) 福山君、もう一回お願いします。もう一度聞いてください。
○福山哲郎君 英訳は作っているのか作っていないのか、お答えください。
○政府参考人(水嶋光一君) 先ほどお答え申し上げましたように、今、政府においてどのような形で回答をするかということを検討してございます。英訳を提供するかどうか、それも含めて、どのような回答が最も適当かということも含めて今検討をしておるところでございます。(発言する者あり)
○委員長(秋野公造君) 水嶋審議官に申し上げます。質疑者の質疑に対して御答弁をお願いをしたいと思います。
○政府参考人(水嶋光一君) 繰り返しになって恐縮でございますが、回答を、どういう回答をするかにつきまして、現在、政府において内容を精査をして検討しておるというところでございます。(発言する者あり)
○委員長(秋野公造君) 改めて政府に申し上げます。答弁は、質疑者の趣旨を体し、簡潔かつ明瞭に行うよう申し上げます。
○副大臣(薗浦健太郎君) 英訳を作るかどうかも含めて検討中と御理解いただきたいと思います。
○福山哲郎君 では、作っていないんだったら作っていないと言ってください。それだけ、イエスかノーか答えてください、副大臣。
○副大臣(薗浦健太郎君) どのような段階でどのような答えをし、こちらがどのように準備するかも含めて全て検討中でございますので、それで御理解を賜りたいと存じます。
○福山哲郎君 文科省の文書を再調査すると言ったら、速やかに出すと言ってもう三日も四日も出てこない。カナタチさんに英訳を送ってほしいと言われたら、何もそれに対して答えないで、法案の成立までに送ることを考えていない。そして、作っているかどうかも、今の回答だと作っていないと。非常に僕は不誠実なやり方だと思います。
ちょっと時間がないので、お手元にお配りをしています五枚目のペーパーをちょっとお開きください。もう分かりやすくお伺いしますので、明確にお答えください。
これ、テロ等準備罪の適用対象に対する答弁です。
②安倍総理、テロ等準備罪は、犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定していると明確に答えられています。
金田法務大臣、③、テロ等準備罪は、犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定いたしました、明確に答えております。
④林刑事局長、何と、テロ等準備罪の主体に制限はございません。これ、私、さすがに私も、これは全く真逆の答弁だと思います。片方は限定いたしました、片方は主体に制限はございませんです。
⑤金田法務大臣、構成員でない組織的犯罪集団との関わり合いがある周辺者につきまして、一定の重大な犯罪の遂行に関する云々、云々、云々で、テロ等準備罪で処罰されることもあり得る、つまり、これは構成員以外の周辺者について言われています。
まず、金田大臣、お伺いします。金田大臣、答えてくださいね。
安倍総理の②の犯罪的集団に限定しているという話と、林刑事局長のテロ等準備罪の主体に制限はございませんということの、②と④、これ、法案提出者として、法務大臣、どちらが正しいのかお答えください。
○国務大臣(金田勝年君) 私は、このただいま御指摘の三番、二番と四番かな、この資料によります二番と四番は、四番は、これは、この黄色い部分に加えて、その後の、身分犯との構成は取っておりません云々とあります。この全体の中で、私は同じことを言っているのではないかなと、こういうふうに受け止めておる、今拝見しておりました。
それから、テロ等準備罪は、組織的犯罪集団の関与との要件を設けたことによりまして、その主体が組織的犯罪集団の構成員及びその周辺者に限定されるとの意味で、組織的犯罪集団は主体の限定であるとの説明をしてきたものであって、その説明、関係者の説明というのはそういう趣旨であると、こういうふうに私は思っておりまして、詳細は細目的、技術的事項に及ぶことから、刑事局長から答弁させていただきたい、このように思います。
○福山哲郎君 何言っているのかさっぱり分かりません。
林刑事局長は、組織的な犯罪集団の構成員である者はもちろんでございますが、構成員でない者についてもテロ等準備罪の計画の主体となり得るということでございますと言われていて、テロ等準備罪の主体に制限はございませんと、先ほど申し上げたように言われています。安倍総理、金田法務大臣は、犯罪の主体は組織的犯罪集団に限定していると言われています。これ、どう日本語見ても逆ですよね。これ同じことを言っていますと金田法務大臣先ほど言われましたけど、これどういうことですか、金田法務大臣。いや、林刑事局長はいいんです。あなたは答弁した人間だから。どうですか。
○国務大臣(金田勝年君) 先ほど申し述べたとおりであります。
○政府参考人(林眞琴君) テロ等準備罪の処罰範囲を組織的犯罪集団に限定すると、こういう主体を限定するというときに、これをずっと衆議院のときから説明してまいりました。
同じく衆議院のときから、じゃ、この限定をどのように法文上やるかというところについては、こういう場合には身分犯として法律を作る場合もございます。しかし、今回は身分犯としては作っておりません。その意味で、身分という意味ではこの組織的犯罪集団の主体の制限はございませんと、このように申し上げたわけでございます。ただ、その身分犯という形を作っていなくても、構成要件の中に組織的犯罪集団の関与というものを入れておりますので、これによってそのテロ等準備罪の処罰範囲が組織的犯罪集団というものに限定されるという説明をずっとしてきたわけでございます。
○福山哲郎君 全くよく分かりません。私が頭が悪いのかもしれませんが、これを国民が見て、安倍総理は犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定していると言われています。林刑事局長は、テロ等準備罪の主体に制限はございませんと言われています。これを見て国民は分かるんでしょうか。
御案内のように、刑法というのは明確性の原則というのが基本です。御案内だと思います。一体誰がどういう罪をすればどういう犯罪になるのかというのは、もう刑法の基本中の基本でございます。これでどうやって国民が判断するんですか。
金田法務大臣、これどうしたらいいんですか、これ。これ、限定していると、制限はございません、これどうやって説明するんですか。身分犯です、身分犯かどうかです、構成要件です。何ですか、それは。後から後から変なへ理屈付けないでください。こうやって国民をある意味でいうと本当に混乱に陥れて、まあ言葉は多少悪いですが、国民をごまかそうとしていると私は思いますよ。大臣、どうですか。
○国務大臣(金田勝年君) ただいまの御指摘は、私はそのようには思っておりません。
先ほど申し上げたとおりでありまして、テロ等準備罪は、組織的犯罪集団の関与等の要件を設けたことによりまして、その主体が組織的犯罪集団の構成員及びその周辺者に限定されるとの意味で組織的犯罪集団は主体の限定であるとの説明をしてきたものであり、その説明に訂正はございません。詳細は、先ほども申し上げたとおり、刑事局長から答弁を重ねてさせていただくのも方法かと存じております。
○福山哲郎君 今も微妙に、大臣、ごまかしましたね。組織的犯罪集団の構成員と関わりのある人と言って、急にそういう話になりましたね。
そして、いいですか。そこに限定したと言っているけど、林刑事局長の答弁は、制限はございませんと書いてあるんですよ。ここには制限はございませんと書いてあるんです。いいですか。いいですか、そこには関わりのあるとか周辺とか書いていないんですよ。構成員でない者についても計画の主体となるのはあり得ると言っているんですよ。今の法務大臣の答弁と全く違うじゃないですか。全く逆じゃないですか。いいですか。こんな国民を混乱させる答弁を放置したまま、この法案を採決するなんて考えられないと私は思います。
時間がないので、次へ行きます。
ハイジャックの事例についてお尋ねします。
ハイジャックのテロを計画した後、計画者の一人が航空チケットを購入した場合、予備罪で処罰できますか、できませんか、お答えください、大臣。
○国務大臣(金田勝年君) 先ほどの件は、先ほど私が申し上げたとおりであります。
それに加えて、ただいまの、ただいまの御質問にお答えをいたします。
予備罪が成立するためには、客観的に相当の危険性が必要であります。ハイジャックのために航空券の予約又は購入が行われただけの段階では、そのような危険性は認められず、航空機の強取等の罪の予備罪は成立しない事例が多いと思われ、現行法で適切に対処できるとは言えない場合があります。そして、ハイジャックのために航空券の予約又は購入が行われただけの段階では、航空機の強取等の罪の予備罪は成立しない事例が多いと考えられます。
○福山哲郎君 お手元のお配りした、二ページを御覧ください。
これ、昭和四十五年ハイジャック防止法の審議のときの辻刑事局長の答弁が黄色です。予備行為は犯罪行為を実現するための準備行為をいうと。それはいいとして、次です。航空券を買ったという場合にも云々、ハイジャックをやるというその目的でその当該の航空券を買ったというような場合が第三条の予備に当たるわけでございます、ちゃんと予備に当たると言っています。
次のページを見てください。次のページです。
辻刑事局長の三段目です。予備といいますのは、御案内のとおり、犯罪を実現するための一切の予備行為であって実行の着手に至らないものということになるわけでございますと、一切と言われています。そして次の、左側見てください。この陰謀、これはハイジャックの陰謀ですね、陰謀と申しますのは、犯行の謀議をするという段階が陰謀でございますが、その陰謀が更に進みまして、一つの準備行為に移っていくという段階でこの予備が成立する、予備罪の程度に至ればこの三条によって処罰の対象にしようというところです。これ見てください。これ、まさに今回の共謀罪の議論じゃないんですか。
そして、次のページはもう短く説明しますが、これ、当時の「注解特別刑法」、「注釈特別刑法」、これ歴代の刑事局長が書かれているコンメンタールというか解説書ですが、右も左も、ハイジャックを実現する目的で行われる一切の準備行為を意味している、予備。右、左側もそうです。第一条一項の罪を実行する目的の一切の準備行為を予備といい、これ、予備で逮捕できるじゃないですか。
これは、判例が昭和四十二年、法務大臣のよく言われている判例、予備ではできない場合があると。このハイジャック防止法の審議は四十五年なんですよ。当然、判例を踏まえているはずだと思いますよ。これ、大臣、どうですか、何で急に今回予備罪で処罰できない例があるという話になったんですか、教えてください。
○国務大臣(金田勝年君) 委員も御承知のことであろうと思いますが、昭和四十二年の裁判例、この判例をベースにして、私たちは、この予備罪の成立するためには客観的に相当の危険性が必要であるということを申し上げてまいりました。ハイジャックのために航空券の予約又は購入が行われただけの段階ではそのような危険性が認められず、航空機の強取等の罪の予備罪は成立しない事例が多いと思われ、現行法で適切に対処できるとは言えない場合があるということで申し上げております。
したがいまして、ただいまの御指摘に対しましてはお答えを申し上げているというふうに思うんですが、なお詳細、細目的な部分を付け加えるために刑事局長から答弁をさせます。
○福山哲郎君 いいです。さっきと同じ答弁なんです。
これ、四十二年の判決があった後の答弁とあった後の解説なんです。じゃ、この時分の刑事局長と法務省と学者、それも刑事局長出身の学者たちが、一切の予備行為を予備と、予備罪でやれるといった判断は、大臣、当時間違っていたということですね。
○国務大臣(金田勝年君) 当時の刑事局長、ただいまの刑事局長、ただいまの刑事局長から答弁をさせます。
○政府参考人(林眞琴君) 昭和四十五年四月二十八日の刑事局長の答弁におきましても、これは全ての一切の行為がすべからく予備に当たるということを申し上げているわけではございません。当然、四十二年の判例を前提として申し上げているわけでございます。
そして、この四月二十八日の刑事局長の答弁といいますのは、これは、予備と未遂という点の限界をどういうふうにお考えになっておりますかという質問に対する答弁として、未遂罪が成立する場合との対比における予備の一般的概念を整理したものにすぎません。すなわち、未遂等との関係において予備という概念の外延を整理して申し上げたものにすぎないわけでございまして、このような要件を満たせば必ず予備罪が成立するという意味でこういう答弁をしているわけではございません。
○福山哲郎君 その後、平成十年や五十六年の殺人の予備でも予備罪はかなり広く取られています。
これ、どう考えたって、この議事録とあなたたちの今言っていることはそごがあります。じゃ、解釈を変えたということでいいんですか、局長。大臣、解釈を変えたということでいいんですか、大臣。
○政府参考人(林眞琴君) 解釈は全く変わっておりません。
予備罪というものは、構成要件の予備としか書いておりません。どういう場合に予備に当たるかというものが、判例で示されたように、客観的に相当の危険な行為と認められるかどうかという、それはその事案事案での個別の判断でございます。
そういった場合で、必ず、定型的に例えば航空券を買うことは必ず予備になるのかと言われれば、それはその個別判断において、なる場合もありますが、ならない場合もあるということを申し上げているわけでございます。
○福山哲郎君 いいですか、ずっと今まではチケットを購入したら予備罪でやれると言っていたんです。じゃ、組織的犯罪集団がチケットを購入した場合は、今回の法律ができることによって処罰できるように、すべからく処罰できるようになったということですか。
○政府参考人(林眞琴君) まず、必ず航空券を買えば予備罪が成立するということをこれまで言ってきたことは全くございません。それは事案によります。
その上で、そういうテロ等準備罪の場合に、例えばハイジャックを計画して、そして、その計画に基づいてその航空券を買ったとなれば、それは今回のテロ等準備罪の構成要件を満たしますので、それは、その航空券を買ったこと、それだけに危険性があるかないかということを離れて、その計画に基づいてその航空券を買うということが実行準備行為として認められればテロ等準備罪が成立するわけでございます。
○福山哲郎君 だから私は先ほどの議事録を言ったわけですよ。犯行の謀議をするという段階が陰謀で、その陰謀が更に進んで、一つの準備行為に移っていくという段階でこの予備が成立すると、その予備の程度でいくんだと、同じことを言っているじゃないですか、今の刑事局長の話と。同じじゃないですか。予備罪で成立できる、処罰できるじゃないですか。
じゃ、聞きますよ。もしローンウルフ、単独型の犯人がハイジャックを計画してチケットを購入した場合、今の政府の説明だと処罰できないわけですね。
○政府参考人(林眞琴君) そのローンウルフというのが全くの単独であって、組織的犯罪集団というものを構成していなければ、今回のテロ等準備罪の構成要件を欠きますので、そこについては処罰ができません。
○福山哲郎君 これまでは、ローンウルフ型であろうが組織的犯罪集団であろうが、いいですか、チケットを購入したら予備罪でやれたんです。今回、このテロ等準備罪をつくったおかげで、ローンウルフ型については、予備でできるのかできないのか、捜査当局が非常に運用を混乱するような余白をつくったんじゃないですか。これ、逆に穴空けたんでしょう。これ、穴空けたことになるでしょう。だって、予備でやれる場合とやれない場合ができるって、今つくったんでしょう、このテロ等準備罪をつくるために。
どうですか、刑事局長。
○政府参考人(林眞琴君) 予備罪自体はこれからも存在するわけでございます。これまでも予備罪については、必ず予備罪が成立するわけではないですが、そういったローンウルフの場合でも予備罪が成立する場合があります。そういう適用ができるのであれば、その段階で処罰ができるということでございます。
○福山哲郎君 だから今問題になっているんですから。今、刑事局長の答弁は、全部、それぞれの対応に応じて恣意的に警察がやりますということになっているわけです。だから明確性の原則が緩んできたと私は言っているわけです。
今まで、ローンウルフ型であろうが犯罪集団であろうが、実はこれは、チケットは予備罪でいけたのを、無理やり予備罪でできないものをつくったんじゃないですか、今回。これは非常に僕は問題だと思いますよ、答弁も違うし。
そして、もう時間ですからやめますけれども、何でもかんでもそうやって次から次へと新しい答弁を出して、先ほど冒頭申し上げたように、非常に答弁が、限定されると言ったり制限されないと言ったり、もう次から次へと答弁が二転三転をします。こういった問題を整理をしてきちっと国民に伝えなければ、本当に人権侵害が起こる可能性がある。
それから、先ほど有田先生が言われたように、もちろん嫌疑がなければ捜査が進まない、令状主義は分かっていますが、その前の調査、検討というレベルがずっと既遂の前の計画から実は始まる可能性があり、それに二百七十七の法律も広がっているということについて非常に懸念を持っている。これが実はカナタチさんのプライバシー侵害の懸念とこれ同一なんです。ところが、カナタチさんには英訳を送ろうともしないと。こんな法案、悪いですけど、採決なんか到底できませんよ。
まだまだ課題いっぱいありますよ。私、今日半分もまだ質問できていない。そのことも含めて、この法案の審議もっともっときちっと詰めていかなければいけないと申し上げまして、私の質問を終わります。


06/13

2017

「今日、法務委員会で質問に立つ予定です」


おはようございます。今日、法務委員会で質問に立つ予定です。

昨日は、案の定、文科省の文書の再調査についてゼロ回答でした。単なるパフォーマンス、時間稼ぎだったことが明らかになりました。メール対象の22名に、ヒアリングをすれば、一瞬にして、真偽と存否は明白になるはずです。論外の対応です。
昨日の夕刻、野党の国対委員長会談で明日までに、文書の存否を明らかにすることと、当然のこととして、前川文科省前事務次官の参考人招致と予算委員会の集中審議を求めました。

一方、共謀罪の審議は、本日の午前中の参考人は決まりましたが、午後の審議はまたまた強行採決、つまり委員長職権でした。
なぜならば、与党が今日の法務委員会で「法案採決をしない」と確約しなかったのです。野党としては、採決しないという約束をするなら、審議に応じる、としましたが、結局、約束のないまま、審議日程を決めました。

ですから、今日は緊迫の度合いが上がります。
もし強行採決をするようなことがあれば、国会の延長はしない可能性が高くなります。だとすると、こんな短時間の審議で、論点も散らばったまま、本当に強行採決するのでしょうか。
さらには再調査の結果を国会会期中には明らかにせず、加計学園問題に無理やり蓋を閉めて、数の力で議論を封じようとするのでしょうか。

今日の午後から、普通に審議に入れば、再び共謀罪で質問に立つことになっています。国会の役割は論戦と政府のチェックです。


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