2022/07/03 コラム
窮屈で生きづらい「物言えば唇寒し」の社会
「物言えば唇寒し」今の社会を見ていて、私はそのように感じています。政治家の顔色を見ながら官僚が働いたり、インターネット上では人を叩くことばかりだし、街中でもヘイトスピーチが起きていて、いじめや差別のある、すごく天井の低い、窮屈で生きづらい空気の世の中になってしまったなと思っています。本来、日本はもっと自由で、多様性を認め合える、やりたいことを実現するチャンスがある、そんな社会だったと私は思います。
価値観の異なる政党の重要性
人に優しく多様性を大切にする社会をつくるために、私は立憲民主党の立ち上げから関わってきました。立憲民主党という政党は、理念で言えば自民党とは全く異なる価値観を持った政党だと思います。だから私は、アメリカやイギリスのような政権交代が可能な二大政党制を実現し、立憲民主党がその一方の塊を担うべきだと思っています。結党したときから、枝野代表(当時)も同じ考えを持っていました。
理想をなくした瞬間に政治はエネルギーを失ってしまう
外交についてはあまり与野党が違いを強調するのではなく、基本的な日米安保体制を堅持する中で、日本国憲法の内容に沿った形での現実的な外交をするべきだと思います。しかしその中で、日米安保条約の核の拡大抑止を大切にしながら、一方でどうやって核軍縮を進めるのかをしっかり議論し、核兵器禁止条約にオブザーバーとして参加できるようにする、というようなことを求めていきたいし、そういう理想をなくした瞬間に政治はエネルギーを失うと思っています。
システムを変えていくのは政治の役割
地球温暖化問題についても同じです。「”地球環境が大切”と言っても、経済が大事だから、そんなことは次の世代が考えろ」と言った瞬間に政治は非常に無責任なものになる。それでは政治の役割は果たせません。気候変動の問題については、2050年にターゲットを絞り、しっかりと理想を持って、なおかつ現実的にシステムを変えていくべきです。大変な作業ですが、それをやれるのは経済ではなくて政治です。
私が作りたい、皆で育てることができる政治文化
政治がしっかり未来に向けて責任を果たしていくためには、”政党”という枠組みも大切ですし、一人一人の政治家の理想や信念も大切です。 有権者の皆さんが政治を未来に向けて育て、理念に共感できる政治家を未来に向けて応援し、何をやってほしいかについて直接政治に向かって言えるような、そういう政治文化を私は作りたいと思っています。
もっと天井の高い社会をつくりたい
私は貧しい幼少時代を過ごし、マイナスから出発した人間だと思っています。そんな私でも、京都の皆さんのおかげで、国の仕事をさせていただくことができました。皆さんの懐の深さとおおらかさの中で、政治の仕事をさせていただきました。一人一人にそういうチャンスが広がっていた国が日本だったはずです。もっと天井が高くて、みんなが顔を上げて空に向かって息が”パーっ”とできるような、そういう社会であってほしいし、そういう社会をつくりたいと思っています。